大召喚祭 後編

前回までのあらすじ

魔法使いメリッサとその弟子達(PC)は感情を具現化させる魔法を使い悪夢を物理的に癒す仕事をしていた。
政務と心労のすえ悪夢にうなされる日々を過ごしていた。皇帝ユリウスは噂を聞きつけ一同を呼びよせると、これを治療させる。そして、その効果に大変な衝撃を受け、その魔法の別の可能性を考える。

ユリウスはその秘術を盗むために一同を顧問魔法使いとして雇い入れるが、それが簡単には盗めないと知る。
そんな時、訪れたのはメリッサの師匠である。
あらゆる欲望を容認し、「欲望こそが人を成長させる」「欲望を扱いこなせての皇帝」と論じる彼にシンパシーを感じた皇帝ユリウスは、彼を登用し、秘儀の独占のための口封じを考える。

しかし、皇帝ユリウスの予想だにしない方向へと話は進む。権力を手に入れたメリッサの師匠「黒の導師」は帝国の全ての負の感情を具現化することを決める。皇帝は魔法使いの暴走を止めようとするが、逆に呪いをかけられ幼子にその姿を変えられると、王座には偽皇帝がつくこととなる。 呪われた皇帝ユリウスを救い、助け出したのは導師メリッサと魔法使い団であった。


登場人物

メリッサ

メリッサ

遺失魔法を使う魔法使い。導師の資格を持ち、不老の肉体を持つ。
普段は正体を隠しているが、背には翼を持ち、天柱のような剣を持っている。
若い弟子達に魔法を教えつつも養育する反面、家事全般を人任せにしている。
魔法使いの中ではモラルが高い人物で、また性善説を信じている。
どうやらライフォス信仰か旧マーファ信仰かのいずれを保有しているらしい。
今回は魔法を使い悪夢を物理的に治療する方法を編み出し、それが元で皇帝ユリウスの悪夢の治療を行うこととなる。
呪われた幼いユリウスを助けた後は、ユリウスを守り呪いの解除にも関わる。

・ 大召還に対抗する大送還を計画し、黒の導師と対立していく。

デュマ

デュマ

魔法使いメリッサの弟子で、道化のような格好をしており、いつも手に人形をもっている。
目つきが悪くどこかひねくれた考え方をする。
基本的に性悪説で生きており、人間にはなんの期待もしていないのだが、メリッサや同期の見習魔法使いとは仲がいい。

・ 彼の使うネズミの人形はパーティ最大戦力となるかも。

ユリアン

ユリアン

魔法使いメリッサの弟子で、寡黙で内気な少年。
引きこもり体質で本の虫、人との交流などは極端に嫌い、人見知りも激しい。
いつも手に本をもっている。
メリッサに呪いをかけられており、善行を積まないと大人になれない。

・空間を拡張し本の中の光景を具現化する力を持つ。

!!!

皇帝ユリウス・クラウゼ

・ ソードワールド2.0では有名なルキスラ帝国の皇帝。
若くして野心に溢れ、地方諸国の併合政策を掲げる若獅子。
残念ながら前半で呪いをかけられ幼児と化す。


黒の導師

黒の導師

魔法使いメリッサの師匠で、具現化魔法を使う。
弟子のメリッサとは犬猿の中で、「善のために己をいましめる」と説くメリッサと反して「欲望が人を強くする」と説く。
ルキスラ帝国の顧問魔法使いになるものの、ルキスラ帝国の滅亡する可能性を持つ「大召還」を実行。
邪魔になった皇帝を分離し、幼児にするなどやりたい放題の限りを尽くす。

・ その正体はメリッサの使い魔に成り果てた師匠(外見:黒猫)であり、メリッサとはとにかく張り合っている。
・ 実際のところこっちも大魔法使いらしい・・・普通に戦っては絶対に勝てないジョーカー。彼は本体はネコで体は具現体なのであの体はいくらでもつくれる。また懲りるという言葉を知らないために、具現化した体にダメージは残らない。

ゴーバッシュ

ゴーバッシュ

ルキスラ帝国の騎士で、非常に勇猛で強く、皇帝が何か指示を出す場合、直接呼び出されるような人物でもあります。
騎士団の地位としては侍従方という、近衛ではなく、皇帝専属便利やという仕事ですが、騎士としての地位もあり、軍事的な動きはしないものの、無視できない存在です。

13レベルのファイターであり、筋力は人間の域を超えています。
魔法使いメリッサに依頼する立場の人です。

ハームート

ハームート

ルキスラ帝国では名前を知られた大魔法使い。
のちに魔法使いメリッサの弟子となり、具現化魔法をいち早く習得する。
金貨が無尽蔵に出す魔法を具現化する。
子供たちを兄弟子と呼び慕う、たのもしい爺さん。

・ その正体はルキスラ帝国の元顧問魔法使い。

今回のあらすじ

大召還を強行しようとする黒の導師に対抗するべく、大送還を試みる導師メリッサ。
しかし、それを妨害せんと、送還堂に黒の導師率いる獣魔兵団が現れる。
激しい戦闘結果、命を落とすメリッサは、それらをPCにたくし、送還の最後の言葉を伝える。
それを現在王座にいる偽皇帝(実は分離された本体)に唱えることで、大召還をキャンセルできると告げる。
意気消沈する弟子達であったが、PCは弟子達を纏め上げ、皇帝のいる大召還堂を目指す。
それを阻止する黒の導師の弟子達。王城〜大召還堂にて両者は激突。ついに召還合戦が繰り広げられる。
そして一同はその最奥・召還陣の皇帝までたどり着き、具現化魔法を解除するのだが・・・。
ええ・・・じつはコレ夢落ちで、全ては具現化した皇帝の悪夢なのです。
しかし、悪夢の中に自分達も入るわけなのだから、これは夢を具現化した現実というわけでもある。
そして悪夢から覚めた皇帝は、「リアリティの無い夢を見た」とぼやき、一同との冒険を思い出してはなんともいえない清清しさにつつまれる・・・という物語ですね。
結局皇帝が悪夢から解放されたかどうか・・・それはまぁ、PCが判断すればいいでしょう。

偽皇帝現る

若き青年が演説する。その演説は高らかで、自身に満ち溢れている。
オーバーアクションの身振り、仰々しい式典も全て皇帝のカリスマを高めるため。
その中、演説する男。ユリウス・クラウゼである。
しかし、はたしてユリウス・クラウゼなるものなのか。
「帝国は今、人類の先駆者として新たな道を踏み、人々を導かなくてはならない。
私ここに古代魔法王国の秘法を用い、穢れの完全浄化を作戦を立案する。
あらゆる悪をあぶりだし、あらゆる偽善を駆逐する。そして我々は千年王国をこの地に打ち立てるのだ。」
かくして彼の背後には黒の導師と4人の高弟の姿があった。

前半部分終了 〜天を恨むユリウス〜

ユリウスは魔法院の一室で天を恨んでいた。暗雲立ち込める天を見上げていた。
皇帝を名乗る偽者。帰るべき家を失った境遇、それらを思うとひとりでに瞳にはじわりと涙が溜まる。

1・ルキスラ帝国 〜魔法使いの暮らし/町の様子〜

具現化魔法の魔法使いの生活と、帝国の人々の暮らしや様子がかかれている。
ここは現在の情況を確認する・PCの町の散策の唯一のチャンスだから、
時間をかけてもいいだろうし、また飛ばしてしまってもいいだろう。

ある程度やることを消化したら、次に飛んで下さいな。

PC[魔法使いの弟子]導入

大魔法使いとして今では多くの弟子を持つ。その魔法使いメリッサはおよそ尊厳とは無縁な余暇を楽しんでいた。
寝そべり、そのはだけた背中の上で、マッサージを続ける(弟子のPC)。
(その表情には「楽しい」などというものは無く、黙々と作業してるといってもいい。/顔を真っ赤にし、指先の宛所に困っている)
「ねぇ、どう?」
「何が?」と問うなら―)「何かこうこみ上げるものがあるでしょう。ぐぐっ!と」
「別に・・・」と返すなら―)「じゃもっと下。それとも上?」

そのようなバカな遣り取りをしていると、残る二人の弟子が帰ってくる。
本を手に、ゲンナリとした表情であきれるメガネの少年の名前はユリアン。
あざ笑うかのような卑屈な笑みを浮かべる目の下に隈のある少年はデュマである。
デュマはそっとメリッサは背後から近づき背中に火のついたお灸を乗せる。
しばらくは訳がわからないメリッサ。
「づ、あじい!!」やがて悲鳴を上げると、熱がり突然に立ち上がりあられもない姿で背中のお灸を払う。
どこからともなくハンマーを取り出すと、衣服を正し、息を荒げる。
「あらあら・・・悪い子はどちらかしら。悪い子はゴッチンよ?」と手のハンマーを弄ぶ。
・「ごはんだよ」と食事を知らせて、聞き流すデュマ。無言のユリアン。

基本情報

具現化魔法使い達のいる新設魔法院は帝国の一角にある。
王宮とは距離があり、周囲には一般の家屋なども立ち並ぶ一角である。
敷地は広く、建物は大きなもので、館という大きさは既に超えている。
魔法院には寮のようなものはないのだが、魔法使いの弟子達はここで暮らしているかもしれない。
なお、メリッサは本の中で生活するのであまり問題は無い。
・ ここは現在は帝国からは目がつけられているものの大規模な統制や管理は行われていない。
その理由は黒の導師が騎士団を信頼していないということにある。
また騎士団も黒の導師を信頼していない。

・ 表向き皇帝は黒の導師を尊重しているが、命令無視をしがちな黒の導師を牽制できるように、新設魔法院の取り潰しには待ったをかけている。

魔法使いの勉強光景

魔法院では、弟子達が自分達の魔法を試すために色々な練習をしている。

・ 貴族風の男は、両手で印を組呪文の詠唱をすると、頭から溢れた思念の文字が形を作り、何かを想像し始める。
ゴルフクラブとボールである。それを手に取り一打。

・ 植木鉢を持った女性はそれを手に取り呪文を唱える。やがてそこには咲き乱れる花が具現化されていく。

そうこの場で研究されているのは、創造物や思念感情を具現化する魔法なのである。
この魔法を会得するために今や帝国中からは魔法使いが集っている。
⇒ 魔法使いの筆頭(それでもPCの弟弟子にあたる)魔法使いハームートが一同に報告する。
ハームートは威厳ある髭を蓄えた帝国でもトップクラスの大魔法使いなのだが、いままでの権威をかなぐり捨てても新魔法を習得するためにやってきたという向上心溢れる老人である。
「皆、日々修行に勤しんでいます。術をおぼえたものも多いです。」
ふん!と気合をいれて呪文を唱えるハームートは、大量の金貨・金の延べ棒・黄金像ハームートを出していく。
「私もこのようにより攻撃力の高いものが召還できるようになりました。」

具現化魔法の習得

魔法使いの弟子であるPCは具現化魔法を習得しておくか、作れるようにしておいたほうがいいでしょう。
また、一同の中に興味関心があるものがいた場合、習得しても構わない。
「こんな使い方が便利」という一例
●専用剣を作る。
武器防具が無い状態でも、いつでも装備できる。
●得意地形を作る。
空間を拡張して自分の得意なマップを作ります。水場などなら、板金鎧を着た相手を行動不能においこめるかもしれない。
●腕を増やす。
難しい分野ですが成功すれば面白いことになるだろう。
追加の腕があっても攻撃回数は上がらないが、手が増えれば両手武器を2本携帯することもできる。

食事時

食事時ともなると魔法使い達は長いテーブルの腰掛け、和気藹々とした食事を行う。
そこに集まる魔法使いは若者から年寄りまで、集まり実に100人を超えている。
テーブルの上に出される料理も誰かの具現化魔法によって作られたものであろう。
魚料理に鳥料理・パン・野菜に果物にスープ。そういった料理が大皿に・バスケットにと並べられる。

●呪いをかけられ幼子となった皇帝ユリウス。
これはご馳走なのだが、皇帝ユリウスそんなご馳走にも文句が多い。
生まれも育ちもいい彼にとって並大抵の料理では満足できないのである。
・ ユリウスは、「肉にかける胡椒をもってこい」と一人手を叩き、「リンゴに蜂蜜をかけたい」などといいたい放題。
・ それを諌めようとすると突然にスネ。「じゃ帰る。宮殿に帰る」と文句をいうのである。

メリッサに会いに行くのならば・・・

★メリッサに会いに行くのならば、色々な質問ができる。

帝国の書庫として蔵書数を誇るその建物をそっくりそのまま写したような場所があった。
そこには決まって一人の老人がおり、彼は一同が来たというのに目も当てることなく本を読みふけっている。
その老人が本を読み終えた後は、決まって一つの本が本棚に加わるのである。
その書庫の中の一角にその部屋があった。
立ち並ぶ本棚を越え、積み上げられた本の彼方、一冊の本が独りでに開くと、知られざる一室へとたどり着く。
本を読めばその場所へといざなわれる。メリッサの部屋である。

その私室は、一つの部屋となっていた。
部屋の中には雑多に置かれた魔法の品々が乱雑に収められており、小さなものから大きなものまで、皆不思議な力を秘めているという。
その部屋の机・イスに腰掛け魔法使いメリッサが本を読みふける。
●皇帝にかけられた呪いを解くには)
・ 「あれから解呪をいくつかためしてみたのですけれど・・・どうやらこれは具現化魔法らしいの。これは難しい魔法よ。
皇帝の心の願望を具現化させ、その魂・アニマを引きずり出して思念体に降霊しているものなの。だから、皇帝は実在の肉体である可能性が高いわ・・・。」

●黒の導師の目的)
・ 「私の師匠なのだから・・・考えはわかるわ。実験よ。このルキスラ帝国を使ってどんなものが具現化されるか見たくなってしまったのよ。」
・ 「失敗してもただこの国を離れるだけ・・・あの男には罪悪感など存在しませんわ。」

●対抗手段)
・ 「召喚・具現化した魔法には、対抗処置として送還できる魔法があるのだけど、送還の魔法は非常に難しいもの・・・。また呼び出し手が帝国の悪意だとするのならば、解き放たれる場合があるわ。」

●獣魔騎士団)
・ 「人々の悪業を具現化したものの一つかもしれない。師匠は欲望を自在に操る術を学んでた。とするのならば、彼らはちゃんとあやつれているのかもしれない・・・。けれど、師匠の人間性事態がまるで信用できないのだから、同じことですわ。」

メリッサからの指示

・メリッサはハームート達に大送還のための魔法陣をつくることを指示し、レベルの高い高位の魔法使いたちを集める。
・PCに対しては町の情報収集や、混乱の様子、城の騎士団の警備情況などの確認をするように指示する。
ここで念を押すのは、城への無闇な突入は命の危険があるので決して行わない・無理しないというものである。

情報収集

基本の情報は帝国のどこででも耳にすることができる。これは現在の情況を確認する場合に使用するように。
必要なものではなく現状の整理と考えるのがいいだろう。

街頭にて

街頭には立て札が貼られ、告示などが示され、その周囲には人だかりができて話し合う人々の姿が見える。
ユリウス・クラウゼ演説の言葉より
「帝国は今、人類の先駆者として新たな道を踏み、人々を導かなくてはならない。
私ここに古代魔法王国の秘法を用い、穢れの完全浄化を作戦を立案する。
あらゆる悪をあぶりだし、あらゆる偽善を駆逐する。そして我々は千年王国をこの地に打ち立てるのだ。」
・ 「穢れの完全浄化なんてできるのかしら。神様にだって為しえなかったことなのよ」と人々は半信半疑。
・ 具体的な方法や、何かが提示されたわけではなく、人々も別段強いられることがないので、この話は自然と忘れられる様子である。

冒険者の店にて

冒険者の店は何が起ころうとしているかを知ろうとする冒険者で賑わい、話は帝国の実情まで飛び火している。
中には騎士団出身で現在は回顧された騎士達の姿もあり、彼らが冒険者達の質問に答えている。
●解雇された騎士より
・ 騎士は自分達は新設された騎士団の余波で、解雇されたことを告げる。新設された騎士団は獣魔騎士団という得体の知れない連中で、一説によると魔物による騎士団であるという噂である。
・ 獣魔騎士団は大変強く、普通の騎士団では手におえないような一騎当千のあつまりなのだが、普段はどこにいるのかまるでわからない。
・ 皇帝が新しく顧問魔法使いにした魔法使い「黒の導師」は獣魔騎士団を従えている。皇帝が何故故あのようなものに力を与えているのかわからない。
・ 皇帝には豹変したような雰囲気があるものの、普段とはまるで見分けがつかない。真実の鏡で確認したものがいるらしいのだが、正体をあばく真実の鏡も結局肯定が偽者だとは証明しなかった。
・ 皇帝は現在、「黒の導師」の配下の魔法使いに一区画を与え、何かをやらせているらしい。魔法使い達はそこにこもっているのだが、他の誰も立ち寄れない。

●冒険者より
・ 剣の守りが現在まったく効かない状態になっている。帝国はそれを隠しているのだが、やがては蛮族の知るものとなるだろう。そうなると・・・帝国に危機が訪れる。一時的なものなのか・・・何かの非常事態なのか・・・わかにない。


王城〜大召還堂・準備の光景〜

もしも帝国王城[魔法使いの宮殿]を調べる場合。
帝国の城は現在一種の厳戒態勢にしかれつつある。騎士団の往来もなくなり、使用人も出入りを禁止されはじめている。
しかし、それでも職務のためには出入りすることはゆるされているし、物資の搬入などは行われている。

●進入方法の例
・ 物資の護送馬車などに忍び込めば中の様子を窺い知ることができる。
・ 騎士団の紹介では入るのは難しい。
・ 秘密の隠し通路・・・の類は前回既にばれてしまっている。

●中で獲得できる情報
・ 黒の導師達は大召還堂なるものを建設している。堂は、王宮からは離れにある場所にある。獣魔騎士団の警備体制も厳しい場所にある。
・ そこでは獣魔騎士団の創造も行われている。
建物の一室では、呼び出された魔物に鎧を着せる光景が見える。体に上に鉄板をリベットで打ち込んでいるのである。外見はそれでかろうじて隠すも、体格やいかつい容貌・剥き出しのキバは隠せない。

町の探索途中・イベント「迷子のユリウス」

ユリウス・ミニ(幼なユリウス)は一同と同行するが、一同はユリウスとはぐれてしまう。
(オロオロしながら、一人路地を歩くユリウス。不安に青い顔をしている。
「て、帝国がこんなに広いとは・・・しらなんだ」)
@ ユリウス・ミニを探していると、まず一同はラーメン屋の主人と出会う。主人は裏路地を歩いていく身分高そうな少年の姿を見かけたことを教えてくれる。
・ 彼はお腹のすいたユリウスにラーメンを食わせ、周囲の親御さんを探したが、そのスキにユリウスはいなくなってしまったらしい。気にしてくれている。

A 裏路地に入るとストリートキッズ達に取り囲まれる。魔法使いの弟子のPCはユリアン・デュマと同行しているだろうし、同じような年齢であるのならば、因縁をつけられる。
→ 子供たちはPC達に挑みかかる。
PCを強敵と感じているボスはいきなりスキを見て握りこんだ灰を顔にぶつけてくる。
これは目潰しであり戦闘中−2修正を受ける。
また裏路地は彼らの庭、この狭い空間で彼らは目をつぶっても走り回れるが、PCには困難な環境である。
さらに−2の修正を受ける。

ストリートキッズ

生命点 20  /抵抗 10+2d(固定値17)
精神点 13  /抵抗 10+2d(固定値17)
★ 先制値10
[攻撃]
・ 「喧嘩パンチ」  命中:4+2d  ダメージ:4+2d 効果:追加攻撃可能。
[防御]
・ 「回避」     回避:4+2d  防護:0点     効果:そりゃそうだ。

●ストリートキッズのボスからの情報
ストリートキッズは新入りとしてユリウス・ミニを捕まえていたらしい。
戦闘に破れたボスの少年はユリウスを帰すことを決める。
しかしユリウスは一瞬のスキに逃げ出してしまったらしい。

「どこか行くあてに心辺りは無いのかい?」
→ 一同が城を調べにくれば見つかるだろうが、そうでない場合ストリートキッズ達が見つけてくれる。

B なんとか城門まで帰ってきたユリウス・ミニであったが、ここまでくる間に服装は随分と汚れてしまっている。
城の番兵に「皇帝が帰還したぞ。開門せよ」と詰め寄っている姿を見かける。
はじめの内は、兵士は笑っていたが・面倒になり追い返そうとし、つまみ出しても戻ってくるので、ついには蹴ってしまう。兵士がしまったなという時には大泣き。

→ ストリートキッズは兵士に詫びるが追い散らされて返ってくる。
彼らはユリウス・ミニを仲間か何かと考えているようで、気を使ってくれる。

2・大送還の魔法 〜黒の導師の襲撃/神炎王ウリア〜

メリッサはついに大召還に対抗する魔法・大送還の魔法を実行。それを阻止するべく黒の導師と獣魔の軍勢が訪れるのがこのシーンの主な内容。
敵が強すぎるので、普通に戦っても勝ち目はないだろう。神炎王ウリアの取り扱いが勝敗を決める。

大送還の儀式

メリッサは大召還に対抗すべく、大送還を行うべく準備に入る。
体をリラックスさせた後は、香を焚き準備を整えた後に儀式に入るのである。
魔法の儀式のために用意された魔方陣を書き上げるのには熟達した魔法使いが30人も集まる必要があった。
その様子からとても大きな呪文であることは用意に想像できる。
・ 聖堂には軽微のために事情を知るルキスラ帝国騎士達が集り準備に協力している。
・ これらを指揮している騎士はゴーバッシュである。

メリッサより

「今より対抗呪文の儀式に入ります。多分彼らからも妨害があるでしょうが、なんとしてもこの呪文を成功させなくてはなりません。皆さんにはその警護をお願いします。」
「しかし、もし彼らがこちらにくれば、彼らと戦っても、勝算は薄いでしょう。我々も彼らに劣らない思念体を具現化しなくてはなりません。」

「あまた幾千の星々を叩き割った伝説の神。精霊使いの王にして天上の神となったもの。」
「かつて精霊の都を一夜にして滅ぼしたというあらぶる神。神炎の名を抱く神、名をウリアといいます。」
・ グレンダールだの、ザイアだのという神はコールゴッドのレベルが求められるので、ちょっと呼べないでしょう。
・ 神炎王であるウリアは、いまでは知る人のない悪神。力も弱まり、召還に応じるかもない。
・ 劣っていたとしても、弱いとしてもほとんど神。あれならば、十分相手を牽制できるでしょう。
⇒ 一同はメリッサに皇帝を一緒につれていくことを命じられます。
 「相手の狙いはここ・・・大送還堂。ここにいては助からないかもしれません」

神炎王について

 ★セージ技能+知力ボーナス+2d ⇒目標値15
・ 神炎竜とも呼ばれ、人または竜神として姿を現すこともある。
・ 元が何であったかわからないが、自然界を操る術に長け、精霊の王を自ら名乗り、自らを天に等しいと業腹なことを言うが、そのために神の怒りを勝って、暗黒に落とされ、地獄の業火・またはかがり火となる。
・ 以来暗黒の暗闇の中にあってともし火となる存在は、善行を成す希望として拡大解釈される。
・ 神炎王を信仰した文明は一時の繁栄を生むが、国は長く続かないという。

ユリアンの具現化・神炎王の遺跡

ユリアンが取り出した一冊の本を開ける。ユリアンは呪文を唱え始め、何かを具現化していく。それは徐々に形作られ、巨大に膨張すると形作られる。それは巨大な都市である。広大な歳は拡張された空間をなし、この部屋の中に不思議なことに収まっているではないだろうか。
「昔呼んだことがある神炎王の遺跡です。召還のために滅んだ遺跡ということですが、呼び出すに足る場所です。」
「具現化は大体にして、人から呼ばれるものですが、社会現象が具現化するように神話や伝説も具現化します。でもその場合はほとんど神降ろしになってしまいます・・・。はたして呼べるのかどうか」

@ 一同がその儀式の準備をしている内に、正面の門では何か騒ぎがおこり始める。
警護を買って出た騎士団が一同に報告に訪れる。
どうやら、正面門には獣魔兵と黒の導師が弟子を引き連れて現れたらしい。

ビジュアルシーン「実は弟子達も頑張っていた」 〜飛ばしていいですから・暇なら読んで〜

正面門に押し寄せる獣魔兵。その姿はもはや人間の様相を捨てた魔物の軍勢となっていた。人馬・有翼・百鬼夜行が押し寄せる。騎士団など勝て得るはずもない。殴り飛ばされ、踏み散らされたちまちのうちに追い散らされる。
彼らがこちらに向かってくるやいなや、突然目前に現れた壁に激突する。よく見てみればそれは門であり、彼らが見上げるほどの高さにそびえている。持ち前の怪力を振るう獣魔。門はたちまちに壊されるのだが、その後ろにもまた門。不思議がる獣魔。「ここは通さないぞ」魔法使いの弟子達が次々と姿を現す。
ゴルフクラブを手に、鉢植えを手に。黒の導師「ち、門は具現化されたものじゃ。きりがないぞ。わしは送還に集中する貴様等なんとかせよ。」

反撃する騎士団。魔法使い達。ゴルフクラブが振られ、ボールが獣魔兵にぶつかる。
鉢植えから現れた巨大な植物は獣魔兵を絡めて花弁からキバをむき出す(一同が、ちらりと召還主である女性を見る)。

黒の導師の手勢も負けてはいない。突然現れたダンジョンに飲み込まれる騎士たち。
突然空に現れた未確認飛行物体は、まばゆい光とともに騎士達を吸い上げ始める。
黒の導師「アデリード。ここはまかせたぞ」 アデリード「は!お任せあれ」

突然姿を消した黒の導師は、門を召還する男のとなりに現れる。
黒の導師の練った魔法は、男を捕えると門は字となって解きほぐされ、男のうちに戻る。「送還の魔法」である。
男は狼狽。その男に向かって黒の導師の拳が飛ぶ。
機先を制する前下蹴りがみぞおちに入る。ジョーを打って脳を揺らし、とどめはテンプルにうまい具合に入ると男は失神する。
「よし。ワシ羅は先に急ぐぞ」と導師は残る弟子に指示する。

神炎王の都・廃墟

中央にピラミットのような巨大な建造物を持った石造りの都市郡は無人であった。人々の生活したという形跡はあるものの、随分と年数が発っておりいまや完全な廃墟と化している。
ここは都であるらしく当然年には罠らしいものはない。
整備された石畳・浄水設備などはもここの文明のレベルの高さゆえである。

中央のピラミットへは都市の中央を通る道を進むならばたどり着ける。
そこからは階段が、無限に上へと続いているのである。
突然周囲に暗闇が訪れる。
周囲には突然壁が現れる。景色と思われたものは壁の絵だとわかり、その絵すら、壁のシミとなり消えていく。

ダンジョンクリエイターの妨害

足元には突然落とし穴が現れ、下には槍ぶすまがあるではないか。
★スカウト技能+知力ボーナス+2d ⇒発見・目標値13
落下すると20+2d点ダメージ。痛い!

どうやら、黒の導師の弟子が追いついたようである。
一同の邪魔をするために空間を変形させ、ダンジョンとして成立させようとしている。
ただし、あまり想像力がないのか、ダンジョンは究めて単純なものとなっている。

・ 通路を真っ直ぐ進んでいくとT字路に出る。

T字路右

★罠・スカウト技能+知力ボーナス+2d →目標値15
つり天上。突然落下してきて一同を押しつぶす。この罠は発見できても解除できない。
ゴーバッシュがいるときは支えてくれるので、即死はしないものの、激突で20点のダメージを受ける。
→ このつり天上の上には部屋があり、鎖を巻き上げている間に上って上を見ることができる。 

鎖を巻き上げているのはアイアンゴーレム達である。
このアイアンゴーレム×2体を撃破しない限り、吊天上はやたら感度よく落ちてくる。
→ この先にはレバーがあり、このレバーを引かないと、反対側の扉は開かない。

T字路左

★罠・スカウト技能+知力ボーナス+2d →目標値15
左右から槍が突き出すトラップ。ダッシュで駆け抜けるか、衣服でもはさんで固定しない限り、解除できない。
刺さるとダメージは15点。
解除は ★罠・スカウト技能+器用ボーナス+2d →目標値15
ダッシュ★冒険者技能+敏捷ボーナス+2d →目標値13

正面は鉄製の扉があるが、鍵穴らしいものはなく、開く様子も無い。
T字路右にあるレバーを引けばあきます。非常に簡単な作り。

みればわかるだろうが、このダンジョンは前に行ったダンジョンとまったく同じ物。そう同じダンジョンしか作れないのである。

術者であるダンジョンクリエイターは、真っ直ぐ出口まで進んだ場合でも、入り口に引き返した場合でも遭遇する。
どちらにせよダンジョンクリエイターは倒さなくてはならないのだ。

ダンジョンクリエイターとの戦闘

邪教の高司祭のデータを使う。前衛にはアイアンゴーレムが1体いる。

ビジュアルシーン 〜「大送還堂の対決」〜

大送還堂の扉が叩き割られる。
ゴーバッシュがまりのように転がり、メリッサの足元に倒れる。見上げるゴーバッシュ。
・ゴーバッシュ「すまん。防ぎきれなんだ」

そこに姿を現した黒の導師。両手を広げ、笑みを浮かべる。その左右から獣魔兵が次々と現れはじめる。
「どうやら、ここまでのようじゃのぅ。メリッサ。お前の弟子は今ごろわしの弟子が始末しているはずじゃ。」
そういいおえた直後、そのローブの内側で、何かがはじけたような音が響く。黒の導師は衣服の内側を確認、そこにつるされた名札の一つが割れている。
「なんと・・・敗れたのか。では、愉快に話をしている場合ではないな。ゆけ!」

神・召還

一同はそのピラミットの頂点で呪文を詠唱。神炎王の召還に入っていく。
「いそがなきゃ!いそがなきゃ!」と一同はなるべく早口で呪文を唱える。

神炎王・ウリア

やがて天は曇り、空はには暗雲が立ち込める。突然に鳴り響く雷鳴とともに渦をまきはじめる天。
やがて天の渦を中心に周囲の遺跡が舞い上がり、天をへと舞い上げられたかと思うと、それで中空に台座が組みあがっていく。やがて稲光が落ちると周囲に炎が渦を巻きながら台座に降り注ぐ。
両手を大の字にした存在が現れる。
「ドッカーン」と言う咆哮と同時に、神が現れ、閃光が光っては天の暗雲を吹き飛ばす。
燃え上がる炎のタテガミ。両手のカセは炎の帯をひき、帯をしめ勾玉3つを首から下げ、衣服を束ねる二重の帯は後ろに垂れ流され炎の尾のように流れている。
一同よりも小さなその怪童は、台座の上で、自分の姿を見ては仰天する。
「なんじゃこりゃ?!」 
「ちくしょう。魔力もレベルも足りてねぇぞ。お前らぁ!」
★魔法目標値13以下  ⇒すでに逆鱗に触れている。戦闘です。
★魔法目標値14〜18 ⇒眼中なし、自由に解き放たれているといっていい。
★魔法目標値19以上  ⇒暗黒界から解き放ったとして好意的。
★魔法目標値25以上  ⇒対等と考えてくれる。マブダチ。

ここはなんとか従わせなくてはなりません。
間違っても戦闘などになれば勝ち目はありませんから、なんとか機嫌をとって穏便に話を持っていかなくてはなりません。
・ ウリアは現状がまったくわかっていません。事情を聞いたとしても、協力する気はないようです。
・ 交換取引を持ちかけるのならば、自分を解き放ち・天の軍勢を追い払うのに協力することです。
これを承諾してしまうと、彼は勝ち負け関係なくライフォスやティダン・ダルグレムとの戦いを宣言します。
これは避けなくてはならない事態です。
・ 欲しいものは酒です。酒の海が欲しいと言いますが、これもムチャクチャ。
・ 基本的には単純な性格で自分以外の神は認めていません。本人も本当に神なのかは怪しいのですが、とにもかくにも強力な存在です。
・ ウリアは体が炎の固まりのような存在です。そのため触れたりすると焼けどしてしまう。

神炎王・ウリア

生命点 212 /抵抗 25+2d
精神点 310 /抵抗 26+2d
★先制値30
[特技] 主行動2回・[魔法拡大・対象・範囲・持続]・魔法収束・ワードブレイク
ファストアクション:先制値30

[攻撃]
・ 「金棒で殴る」    命中25+2d ダメージ:92+2d 効果:命中するともう一度まで攻撃。
・ 「拳」        命中25+2d ダメージ:85+2d 効果:2回攻撃。追加攻撃可能。
・ 「フェンリルバイト」 命中22+2d ダメージ:42+2d 効果:エンハンス。補助行動で攻撃。
・ 「バルーンシード」  命中22+2d ダメージ:42+2d 効果:エンハンス。補助行動で攻撃。
・ 「スレイプニルチャージ」命中25+2d ダメージ:149+2d 効果:スーパーチャージ。
・ 「魔法」       魔力22+2d [真語][操霊][精霊]各15LV

[防御]
・ 「回避」       回避20+2d 防護:4点 効果:子供だから貧弱。
・ 「カウンター」    命中・上記         効果:1R1回。回避・成功したら回避しつつ攻撃。

送還堂・合流

大送還堂では弟子達が次々と獣魔兵に追い散らされていた。魔物相手ではハームートの金貨召還も効果は半減である。
「ハームート!弟子達をつれてお逃げなさい。ここは私が引き受けます。」
「し、師匠!」とハームートはベソをかく。

そのメリッサに対し、襲い掛かる黒の導師。印を組んだ手両者手が交差する。
「バカが! 儀式は失敗じゃ。今度はわしの勝ちじゃな」
二人の手が激しく打ち合わされる。受け流す手、抑え制する手、乱打が始まる。
しかも、その間もメリッサの呪文の詠唱は終わらない。「ええい。やめんか!」

その時一同が訪れる。
一同の姿を見て、メリッサは安堵の声「あなたたち!」

メリッサの死

ハームートと弟子達が、一同と合流するために走りよる。「あ、兄弟子様。」
その背後・背中にくっついたのは、小さな虫である。
それが毒虫であることを気付いたメリッサは思わず、目線を向け、火炎吐息をはきつけて虫を焼き払う。
そのすきを間髪無くついたのは黒の導師。突然拳は2メートルまで巨大化すると、メリッサをしたたかに殴りつける。
ふっとばされ横滑りするメリッサ。
地に伏して、「げぇっ」と口元から血を流す。
・ メリッサの負傷はひどいものです。おそらくは助からないでしょう。
・ メリッサは、一同に対し、呪文の最後の一説を呟きます。
「魔法の言葉は『夢は夢ならず』これで全ては締めくくりです。」
「この送還の魔法は、最後には召還の媒体にかけなくてはなりません。媒体は・・・皇帝です。
でも幼子の皇帝ではなく、王座にいる暴君にです。おそらく・・・あちらが本体。」
黒の導師「ふん。人々の俗念を束ねたのじゃ。媒体概念は通じんわ。」 メリッサ「どうかしら?・・・」

デュマは取り乱します「なんで帝国なんかのために!帝国なんか滅んじゃえばいいのに!」
メリッサ「私は、あなたたちをこの国で育ててもいいかな・・・ってそう思ったのよ。そう考えると、惜しくなったわ。」
メリッサが命を落とすと姿はうっすらと透け、跡形も無く消えてしまう。それを見て黒の導師は満面の笑みと高笑い。
「うわははは・・・、もはや邪魔するものは無し。我が目的の成就も目前也!!」
「やれい!」と一同を指差すと、後ろの獣魔兵達がいまやと言わんばかりに一同を取り囲む。
・ 獣魔兵は周囲を取り囲むその数50体。いまや幾重にも囲んだ布陣は窮地以外の何者でもない。
・ こちらの人数はわずか。ハームートと自分達である。
ちゃんと言うことを聞かせられれば神炎王ウリアも存在している。
⇒ 頑張れば1匹2匹は倒せるだろうが、この数ともなると厳しいだろう。ウリアに戦わせるのがいいだろうが・・・
脱出方法はあえて提示しない。

@ ウリアに戦わせる。
A ユリアンの空間拡張を使いなるべく相手に遭遇しないようにして、脱出する。
その場合でも獣魔兵との戦闘を1度くらいはやっておいたほうがいいだろう。

獣魔兵

生命点 50  /抵抗 19+2d(固定値26)
精神点 100 /抵抗 15+2d(固定値22)
★ 先制値15
・ 人馬型・・・制限移動の範囲が全力移動と同じ。
・ 雄牛型・・・攻撃が命中すると、相手は戦闘技能を基準に筋力判定目標値26で判定し、失敗すると転倒。
      生命点の倍。
・ 比翼型・・・上空から攻撃するので、命中・回避に+1ボーナス。

[攻撃]全ての行動を1回選択できる。
・ 「武器を振るう」    命中18+2d ダメージ:20+2d 効果:命中するともう一度まで攻撃。
・ 「吼える」       精神抵抗17+2d 効果:相手の精神集中を乱す。以後に続く魔法の詠唱のキャンセル。
・ 「ブレス」       生命抵抗17+2d 効果:ダメージはないが毒に犯される。毎ターン5点。加算式。

[防御]
・ 「回避」       回避14+2d 防護:20点 効果:ダメージの通らなかった通常武器は破壊。
・ 「捨て身」      命中・なし          効果:攻撃を直撃するかわりに反撃。1R1回。

神炎王ウリアに任せる。

ウリアは「この俗物どもが!」と相手を一括。
周りの弟子や他の人々はまったく気がつかないが、それを見て黒の導師は青ざめる。
「この神格?!まさか、神か?」
ウリアは手を天に振り上げたかと思うと、どこからともなく現れた金棒を握り締め、地面に振り下ろす。
「ドッカーン!!」
天を砕き、天井を砕き、足元の大地に亀裂がおきると、送還堂を中心に周囲の建物は、次々と倒壊していく。帝国の真ん中に出来上がっていくクレーターからは煙がもくもくと立ち上がり始める。
それと同時に黒の導師が呼び寄せた剣のカケラが大量に獣魔に振りまかれる。このタイミングはほぼ同時であった。
・ 瓦礫の中から起き上がる獣魔兵。それを見たウリアは「あれ?」と首を捻る。
「ちぃ俗念どもが、レベルを上げて15以上に高めて回避したからな。神格法は15レベルまでだかんなぁ」

「行けぃ、獣魔よ! 神といえど、半分程度。半手ならば、押さえ込めるわ」
襲い掛かる獣魔。
「阿呆が!」と怒鳴りつけるウリアはすぐさま精霊召還に入る。
はだけた胸元から心臓のごとく煌々と光るのはルビーの輝き。それに誘われて周囲からは炎が巻き起こる。
「イフリートが? その程度おそるるに足りんわ!」と鼓舞する黒の導師。

火炎竜

しかし、周囲に立ち上る火柱は一つにあらず。呼び出されるイフリート。その数6体。唖然とする黒の導師。
「あらよっと」と棍棒片手に舞い踊るウリア。
「呼び出される炎は6層。立ち上るは火柱ばかりか火炎竜。見知り置け!火炎竜の舞をな」
ウリアの周囲に炎が舞い上がり、踊り狂うイフリート達。どこからか誘われたサラマンダーを加えいれ、立ち上るのはウリア・・・もとい神炎竜なり。
さしもの獣魔兵もひとたまり無く炎に舞い上げられ、塵へと還る。
・ この攻撃に入るなり、黒の導師とその弟子は、舞い上げられる風に乗ってこの場を離脱する。
ウリア「奴ら逃げ追ったか。まぁいい。いい感じに大火になったな」と大火事がおこる帝国を満悦気味に見てまわす。

ウリアが一同と仲が良くなければ、舌を出し、ここで帝国のいずこかへと飛び去ってしまう。
一同と仲が良いか、ある程度友好的な関係ならば、ウリアはその後も同行する。

3・解散・そして結集 〜黒の導師の追っ手〜

メリッサ亡き後、一同はなんとかして黒の導師と対決しなくてはならない。しかし、メリッサを失ったショックで魔法使い達・・・とくにユリアンとデュマのどうようは激しい。これをなんとか無立ち直らせ、共に戦う必要がある。
ゲルダムと鉄巨人という不可能レベルな敵との戦いであり、こうなると戦うという選択肢すら無い。それでもここではデーモンテイマーとは戦えるので必ずそれはたおしておくように。

一同の行動プラン

・ 帝国の皇帝に近づき・最後の言葉を伝えて送還の魔法を完成させなくてはならない。
しかし、正面から向かうのは無理がある。やはり獣魔兵は数が多く正攻法は困難だろう。
秘密の通路は存在しているのだが、相手が既に知っている。ダンジョン変化の魔法使いはすでに倒したが、敵ぐらいは配置しているかもしれないという情況。
⇒ まぁ展開としては大騒ぎしているうちに城に向かうということになるのだけど。

仲間達の様子とプラン

・ 皇帝ユリウス・ミニは現状におろおろと泣き出しす始末。
・ 魔法使いハームートと仲間の弟子達は、怒りを胸に集るが、有効な対応策は見つからない。
魔法使いは「知り合いの冒険者達を結集して戦おう」と意気込む。
ハームートは「必要になるじゃろう」と金貨をたらふく持たせる。

生き残った騎士達を率いるゴーバッシュは、「国の大事だ」とこの真実を各地の衛士達に伝えるべく向かう。
★ ここで弟子やハームートやゴーバッシュとは別れてしまう。
★ もしPCが城に入る方法を悩みこんでしまうようならば、城に詳しい騎士の意見を聞くことが必要として、ゴーバッシュの騎士集め次第として、問題を後に据え置くように。考え込んでも結論は出ないだろう。

PCの使命

PCとしては勿論、偽皇帝ユリウスの元へ向かい、最後の言葉を伝えなくてはならない。しかし、ユリアン・デュマは意気消沈しているこれをなんとかしなくてはならないのである。
・ しかし、肝心の子供たちは意気消沈している。
・ 「ダメだ。母さんがいないと何もできない」とユリアンはぼやき、デュマも「帝国のため?やだね」と自暴自棄になってしまう。
・ それを見ていた皇帝ユリウスは「余のせいだ・・・。ゴメン。」と二人に謝るが、どうしていいかわからない。

ゲルダムとの戦い

都市では大混乱が起こる。
一同探索のために市外にゲルダム達が放たれたのである。
ゲルダムほどの外見となるとどんな人々でも恐れおののき、逃げ出すがそれをわかっていても魔法使いはそれを強行する。
ゲルダムの人間などいないかのように我が物顔で歩き回る。「いたか?」「いや」などと会話を交わしている始末。
・ 一同が何か行動を起こすとするとゲルダムに遭遇してしまう。

@ 発見され追いかけられる一同に対して、町の住人はささやかながらの支援をしてくれる。窓から花瓶や何かを投げつけて応戦するも、当然ゲルダムには通じず、ガン無視。
あまりにもしつこいようだと、ゲルダムは壁を壊して住人を黙らせる。
→ PCの義憤をかきたてるように!

A PC達を逃がそうと面識のあるストリートキッズ達は、一同を案内し彼らの通れない裏路地を案内する。しかし、ゲルダムは壁を壊し、一同を追ってくる。砕けたガレキにぶつかり、キッズのボスは負傷気を失ってしまう(命には関わらないが、無事ではない)。ユリウス・ミニ「起きてよ!」

B 一同の救援に駆けつけようとするのは、帝国の騎士たちである。皇帝の命令が無くとも、このような自体は無視できない。しかし、騎士団は時間稼ぎが精一杯で、次々と敗れていくこととなるだろう。

★ この間にやる気を出さないユリアン・デュマを説得しなくてはならないだろう。
町の住人が自分達に好意的である。騎士団たちも悪いやつ等ではない。メリッサの遺志がこの国を救うことであるなどを説けば、ユリアン・デュマはその使命感に突き動かされるだろう。
→ ここで説得が無かった場合、彼らは脱落し、その後はモブとなる。自発的な支援はなくなるだろう。

<ウリアがいる場合>

ウリアは屋台をみかけると、そこで食事をしたいと騒ぐ、久しぶりの食事とばかりに屋台の席につくも、屋台の親父は倒れていて動かない。ゲルダムに踏み潰されていたようである。
ウリアは手をパンと叩くと突然親父は飛び上がり蘇生。わけもわからず呆然とする。
・ ウリア「親父。食い物。」 親父「へ? へい」
やがてこっちに近づいてくるゲルダム達。その数5匹。
ゲルダムは「おい。こっちいたぞ」と声をかけあってから寄ってくる。
ウリアはラーメンをすすりながら、ちらりと後ろを振り返る。
ゲルダム達は鼻息荒く、腕を組み見下ろしている。

ウリアはユビをパチンとならす。これはウリアの簡易詠唱なのだが・・・かくしてウリアに呼ばれてやってくるのは黒い絨毯。足元が一気に真っ黒になると、何かがワラワラと動いている。ムリアンの群れである。しかも、全員が強化されており、剣のカケラまでもっているというウリア専属のムリアンである。
「やれ」とウリア。
たちまちムリアンはゲルダムへと襲い掛かる。
「うわぁ!」と野太い声を上げながらゲルダムは、黒い絨毯に沈んでいく。後には骨と皮も残らない。
ムリアン「ねぇ。私達本当は暴力とか嫌いなんだからね。」
ウリア 「おうよ」

鉄巨人現る

都市の傍らで何か別の巨大なものが立ち上がる。鉄でできた巨大な巨人。それは黒の導師の弟子の一人が作り上げたものであった。巨人はこちらを見定めると、立ち上がり、ゆっくりと歩いてくる。勿論帝国の都市を踏み潰しながら。

鉄巨人

生命点 100  /抵抗 19+2d(固定値26)
精神点 100  /抵抗 15+2d(固定値22)
★ 先制値10
[攻撃]
・ 「鉄の拳」    命中:回避不可  ダメージ:20+2d 効果:拳が大きすぎて回避不可。半径5mの空間。対象。追加攻撃可能。
・ 「鉄の蹴り」   命中:回避不可  ダメージ:20+2d 効果:足が大きすぎて回避不可。半径5mの空間。対象となったものはそのまま10mほうりとばされる。 ・ 「蹴り」       精神抵抗17+2d 効果:相手の精神集中を乱す。以後に続く魔法の詠唱のキャンセル。

[防御]
・ 「回避」       回避1+2d 防護:50点  効果:ダメージの通らなかった通常武器は破壊。
ラーメンを食べ終わったウリア。一同に対し「おい。金貸してくれ」。
親父は「お代はけっこうでさぁ」と笑みを見せる。直後屋台から飛び出し、走り去る。
ウリア「いい人だ」とその背後から巨人。

ウリアは一同を見て、「お前達に用らしい」とちらりと見る。その瞬間巨大な足がウリアを踏み潰す。
やがてそこに僅かな隙間ができたかと思うと、ウリアはそれを抱えて持ち上げ怒鳴り声を上げる。
「何すんじゃ!我!」
巨人を放り投げて、立ち上がるウリア。

ちなみに・・・「皇帝視察」

それを城で見ていた一匹の悪魔。端正な顔はポップコーンを口に運ぶたびに醜くゆがみ、面白おかしいとばかりに都市を指差す。その男・アデリードは後ろを振り返り、その場にいる偽皇帝を呼び寄せる。
「皇帝。すごいですよ。神 対 巨人」
皇帝はマユを潜めてかけより、悲鳴を上げる。「帝国が!? や、やめさせろ!」
アデリード「え? ムリムリ」

ウリアは跳躍、巨人の下段突きあろうことか回し受けで止め、連続突きをボディに決める。巨人吹っ飛んでまいあがる。
アデリード「神強いすね。でも巨人も負けてないですよ。」
偽皇帝  「どっちが味方だ。」
アデリード「だから・・・。あ、ボディプレスした方ですよ。」
偽皇帝  「帝国が・・・」

デーモンテイマーとの戦い

その時人々が逃げ出す人ごみから一人のローブの男が歩み出る。
黒の導師の弟子の一人。ガマガエルのような顔・いぼだらけなアゴのないでっぷりと太った男で、目玉をギョロギョロとさせている。男は人間には不可能ではないかという奇怪な踊りを行うと、突然に周囲には魔方陣が浮かび上がり中から、異形の悪魔達が現れ始める。ゲルダム達である。
・ゲルダムとの戦闘・・・って無理だろう・・・。
その瞬間倒れこんだ鉄巨人。ゲルダム達は半ば召還された状態でつぶれている。
魔法使いは、心底情けない顔をする。

⇒ 魔法使い「デーモンテイマー」との戦闘。

データはデーモン「ラグナカング」を使用するように。これを撃退すると追跡をまくことができるので、城へ向かうことができる。

ウリア・巨人を倒す。

「ええい。この凡念が!」と叫んだウリア。
空中に現れたスレイプニルもまたウリア専用の軍馬であり、ウリアはその手綱を握るとそれに引っ張られるように巨人へと突っ込む。そしてぶつかったと同時の金棒を向ける。その先端は鋭く尖り・巨人に穴を穿つ。
全身にヒビが入り、砕け散っていく巨人。爆発炎上していく。
ウリアはニタリと笑い、金棒片手に見栄を切っては「炎はサービスでい!」とポーズを取る。

<ウリアがいない場合>

ユリアンは怖れおののき、デュマは呆然とする。
しかし、幼い皇帝は、一同の前に達・両手を広げて迎え撃ち、なんとか皆を守ろうとする。
(「やめろー!」という言葉が限界ですけど)
・ ユリアンとデュマを説得しなくてはならない。
このままでは二人は戦うことも無く殺されてしまうだろう。
⇒ ユリアンもデュマも説得されれば勇気を出す。
「母さんはもういない・・・でも、母さんと僕達が住もうと願った町はまだあるんだ。わかったやるよ!」

デュマがその力を発揮する。
デュマが呼び出したのはとてつもなく巨大なネズミの人形であった。
その白黒のネズミは身長10メートルになると、立ち上がりしゃべりる。「ボク!「ファンシーなネズミのモンスター」!お金の魔術師だよ」
デュマが「やれ!」と指示すると「ファンシーなネズミのモンスター」は邪悪な笑みを浮かべる。足を振り上げ、ゲルダムを踏み潰すではないか。
(とたんに画面が暗くなり、「しばらくお待ちください」の画像が流れます。)
残酷なシーンはカットされて編集されます。
「ファンシーなネズミのモンスター」がマユを潜め拳を振るうと、直撃するシーンは真っ黒。
続いて、「ファンシーなネズミのモンスター」がゲルダムをつかみ、拳を握り締める瞬間もカット。

皇帝ユリウス・ミニ「えっ・・・と?」よくわからない様子。

「ファンシーなネズミのモンスター」 対 鉄巨人

都市の傍らで何か別の巨大なものが立ち上がる。鉄でできた巨大な巨人。それは黒の導師の弟子の一人が作り上げたものであった。巨人はこちらを見定めると、立ち上がり、ゆっくりと歩いてくる。勿論帝国の都市を踏み潰しながら。

ちなみに・・・「皇帝視察」

それを城で見ていた一匹の悪魔。端正な顔はポップコーンを口に運ぶたびに醜くゆがみ、面白おかしいとばかりに都市を指差す。その男・アデリードは後ろを振り返り、その場にいる偽皇帝を呼び寄せる。
「皇帝。すごいですよ。「ファンシーなネズミのモンスター」 対 巨人」
皇帝はマユを潜めてかけより、悲鳴を上げる。「帝国が!? や、やめさせろ!」
アデリード「え? ムリムリ」

「ファンシーなネズミのモンスター」と巨人は眼を付け合うと、突然「ファンシーなネズミのモンスター」がひょうきんな顔をし、そっぽを向いては驚いた表情になります。
ちらりとそちらを向く巨人。とたんに「ファンシーなネズミのモンスター」は跳躍・飛び膝を巨人のボディの叩き込む。
しかし苦悶の表情を浮かべたのは「ファンシーなネズミのモンスター」であった。
巨人は振り返り・首をコキコキならすと、「ファンシーなネズミのモンスター」の耳をつかんでボディに拳を叩き込む。
「ファンシーなネズミのモンスター」の口からものすごい量の吐しゃ物が帝国へと吐き出される。

アデリード「いけますよ?我々の勝利は目前です。」
偽皇帝  「どっちが味方だ。」
アデリード「だから・・・。あ、今、「ファンシーなネズミのモンスター」にジャイアントスイングしている方です」
偽皇帝  「帝国が・・・」
・ デュマ「いまのうちに城へ向かおう!」

デーモンテイマーとの戦い

その時人々が逃げ出す人ごみから一人のローブの男が歩み出る。
黒の導師の弟子の一人。ガマガエルのような顔・いぼだらけなアゴのないでっぷりと太った男で、目玉をギョロギョロとさせている。男は人間には不可能ではないかという奇怪な踊りを行うと、突然に周囲には魔方陣が浮かび上がり中から、異形の悪魔達が現れ始める。ゲルダム達である。
・ゲルダムとの戦闘・・・って無理だろう・・・。
その瞬間倒れこんだ「ファンシーなネズミのモンスター」。ゲルダム達は半ば召還された状態でつぶれている。
魔法使いは、心底情けない顔をする。

⇒ 魔法使い「デーモンテイマー」との戦闘。

データはデーモン「ラグナカング」を使用するように。


ウリアを連れていない場合、「ファンシーなネズミのモンスター」はここで敗れてしまう。
これでは次は鉄巨人の攻撃に自分達が曝されてしまう。

ウリアは屋台をみかけると、そこでしているのである。
久しぶりの食事とばかりに屋台の席につくも、屋台の親父は倒れていて動かない。ゲルダムに踏み潰されていたようである。ウリアは手をパンと叩くと突然親父は飛び上がり蘇生。わけもわからず呆然とする。
・ ウリア「親父。食い物。」 親父「へ? へい」

ラーメンを食べ終わったウリア。やがてこっちに近づいてくる巨人。
ウリアはラーメンをすすりながら、ちらりと後ろを振り返る。
巨人は鼻息荒い・・・感じで、腕を組み見下ろしている。
親父は「お代はけっこうでさぁ」と笑みを見せる。直後屋台から飛び出し、走り去る。
ウリア「いい人だ」とその背後から巨人。
とたんにラーメンを喰い続けるウリア。
ウリアは一同を見て、「お前達に用らしい」とちらりと見る。その瞬間巨大な足がウリアを踏み潰す。
やがてそこに僅かな隙間ができたかと思うと、ウリアはそれを抱えて持ち上げ怒鳴り声を上げる。
「何すんじゃ!我!」
巨人を放り投げて、立ち上がるウリア。

ちなみに・・・「皇帝視察」

「皇帝。すごいですよ。神 対 巨人」
皇帝はマユを潜めてかけより、悲鳴を上げる。「帝国が!? や、やめさせろ!」
アデリード「え? ムリムリ」

ウリアは跳躍、巨人の下段突きあろうことか回し受けで止め、連続突きをボディに決める。巨人吹っ飛んでまいあがる。
アデリード「神強いすね。でも巨人も負けてないですよ。」
偽皇帝  「どっちが味方だ。」
アデリード「だから・・・。あ、ボディプレスした方ですよ。」
偽皇帝  「帝国が・・・」

ウリア・巨人を倒す。

「ええい。この凡念が!」と叫んだウリア。
空中に現れたスレイプニルもまたウリア専用の軍馬であり、ウリアはその手綱を握るとそれに引っ張られるように巨人へと突っ込む。そしてぶつかったと同時の金棒を向ける。その先端は鋭く尖り・巨人に穴を穿つ。
全身にヒビが入り、砕け散っていく巨人。爆発炎上していく。
ウリアはニタリと笑い、金棒片手に見栄を切っては「炎はサービスでい!」とポーズを取る。

これを撃退すると追跡をまくことができるので、城へ向かうことができる。

3・大召還祭 〜黒の導師との決戦〜

仲間を終結させた後、一同は王城での戦いとなる。構図としてはルキスラ帝国騎士と魔法使い連合と獣魔兵という構図であり、勝算がまったくないわけではない。
最後のボス・黒の導師を力技で倒すのは困難だが、できるものならばそれでやるのがいいだろう。

弟子と合流

一同が帝国本城に向かう途中。武装した一団がとおりを歩いていく姿を発見する。
一団は冒険者達であり、彼らを先導するのは魔法使いの弟子達である。
そしてその先頭にいるのは魔法使いハームートとゴーバッシュである。
・ ハームートは一同との再会を大いに喜ぶ。「兄弟子!無事でよかった心配していたのです。」
ゴーバッシュ「こちらは冒険者や騎士達を集めた。今はどうこう論じている場合ではない。
何が何でもこじあけて中に入るぞ。」

ビジュアルシーン 〜一方その頃〜

城門はすでに獣魔兵によって固められている。彼らを指揮するのはローブの男であった。やはり、弟子の一人である。しかし現在この男には余裕はない。狼狽し青い顔をしている。
黒の導師は命じる。
「魔法を発動させる。もう目標値がどうのこうのいっている余裕はなくなったわ。貴様は門を死守せよ。」
弟子「ど、どうやって。私の鉄巨人は壊されてしまいました。」
  黒の導師「獣魔兵を使え。」

城門突破

城門での戦闘火蓋を切るのは冒険者達である。まず魔法使いの弟子達が滅多やたらに色々なものを召還にかかる。たちまち積み上げられるガラクタ。そのガラクタはうずたかく積みあがり、城門の壁の上まで届かんばかりとなる。それを駆け上がる冒険者達。城の上に上るなり、獣魔兵との戦いを開始する。
・ 一同も中に飛び込んでいくでしょう。
⇒ 一同の視界には獣魔兵を支持するローブの男を発見する。
ローブの男は、一同を見るとびっくりして視線を逸らそうとする。
そして、突然に駆け出して逃げ出す。

鉄巨人崩壊

追い詰められた男は、「ええい!ままよ」と召還の魔法を唱える。
背後で束ねられた文字が組みあがり、巨大な影が現れる。それは10mを越す巨大な鉄の巨人の姿へと汲みあがっていくのだが、巨人は見るも無残に錆果て、体中にはヒビが入り、中はガランどうという有様である。
立ち上がった巨人は、一歩歩くなり足がつぶれ、転倒するなりこらえた腕が肩から外れ、もんどりうって倒れると胴体が割れる。一同を倒さんと憎憎しげに伸ばした手はバラバラと崩れ。後には鉄くずの山が転がるだけである。
・ 召還した男は頭を抱える。「あうち!」
唯一の救いは、その間に獣魔兵が1体やってきたこと。これを加え魔法使いは戦闘を開始する。

戦闘・鉄巨人使い(オーガ)&獣魔兵

[魔法使いのデータはオーガ。魔法が使えて・戦えて強い人です。]
・ この戦闘では、乱戦のためにウリアは戦いません。一杯巻き込むから。

獣魔兵

生命点 50  /抵抗 19+2d(固定値26)
精神点 100 /抵抗 15+2d(固定値22)
★ 先制値15
・ 人馬型・・・制限移動の範囲が全力移動と同じ。
・ 雄牛型・・・攻撃が命中すると、相手は戦闘技能を基準に筋力判定目標値26で判定し、失敗すると転倒。
      生命点の倍。
・ 比翼型・・・上空から攻撃するので、命中・回避に+1ボーナス。

[攻撃]全ての行動を1回選択できる。
・ 「武器を振るう」    命中18+2d ダメージ:20+2d 効果:命中するともう一度まで攻撃。
・ 「吼える」       精神抵抗17+2d 効果:相手の精神集中を乱す。以後に続く魔法の詠唱のキャンセル。
・ 「ブレス」       生命抵抗17+2d 効果:ダメージはないが毒に犯される。毎ターン5点。加算式。

[防御]
・ 「回避」       回避14+2d 防護:20点 効果:ダメージの通らなかった通常武器は破壊。
・ 「捨て身」      命中・なし          効果:攻撃を直撃するかわりに反撃。1R1回。

黒の導師・現る

一方この戦いに新たに参戦する新手が現れる。
突然に巻き起こった突風が、空中で渦を巻くと、崩れた鉄巨人の瓦礫の一部に布切れが集る。
その突風は2陣。姿を現す影二人。黒の導師とアデリードである。
黒の導師「やはり来て正解だったわ。アデリード!冒険者を倒せ」 アデリード「はっ!」

ウリア敗北

黒の導師はウリアと向かい合う。
ウリアは棍棒を抜くと構え。
「驚いたなじじい!この俺相手に正面から向かってくるとは、度胸だけは据わっていると見える」
黒の導師は瞬間的に具現化魔法を発動。恐るべき早口である。
とたんにその背から腕が具現化する。その数100本。振り回される腕は1/36の確率で命中すると、驚くウリア。
「ち、数で来たか」
ウリアが一本一本腕をもぐ間に、黒の導師は魔法を再び完成させると、突然にウリアにそれを放つ。
ウリアの頭から、突然何かが渦を巻き噴出していく。「ぐっこれは!?」
黒の導師「うわははは! 神といえども悪夢ぐらいはみよう。神の悪夢を具現化した男として歴史に名を残してやる!」
現れ出でたのはウリアそっくりの少年。飢えて凍えて一人で死んだウリアの過去。
あの時疫病に冒された自分はまだ息があったというのに、村人は自分を焼き払ったのだ。
「やめて。オイラまだ生きてる。生きてるんだよぉ・・・」
・ ウリアはそれを見ていて顔面蒼白になる。
みるみる体の炎が燃え上がり、やけどを作り焦がしていく。
・ 黒の導師「なんじゃ?!まだ現世を引きずっていたのか?やはり神とは名ばかりの悪童よ!」

⇒ ウリアはこのままでは消えてしまう。
もし、このままウリアの炎を消してやったり、その体をつかんでやれば、ウリアは痩せこけた子供の姿に戻る。
一同に触れられた場合、「・・・ぬくい」と洩らし、手を握ったまま火は消え、姿は薄れていってしまう。
・現時点ではウリアを助ける術はない。

アデリード 対 ハームート

一方アデリードが呼び出した円盤状の未確認飛行物体は次々と冒険者を吸い上げている。
頭上から光の柱が降りるなり、舞い上げられていく冒険者。
しかし、ハームートは黄金のハームート像にしがみつく。しかもその間も、次々と金貨は溢れつづけているのである。
アデリードは高笑いしていたが、やがて円盤が膨らんできたことを知ると青ざめる。
「ひぃ」
円盤はその重さでついに落下。とたんに地上に落ちた円盤が割れると、再び溜め込んだ冒険者達が溢れ出す。
「・・・ダメだ。」そう呟くとアデリードは脱兎のごとく逃げ出す。
黒の導師は舌打ちする。「ちぃ!こちらは神を倒したというのに。やはり儀式を急ぐしかあるまい。」
そう吐き捨てるなり、風を渦巻き、突風の中に姿を消す。
⇒ ハームート達はここの戦いで手一杯です。
「兄弟子!ここは我々に任せて先にお進みください」

ゴーバッシュも剣を振るって獣魔を駆逐しているが、ほとんどの冒険者はアレには苦戦。逆に追い散らかされている。


デュマ・ユリアンとの別れ

召還堂に向けて走り出す一同。
ここにはおそらくPC以外は、皇帝ユリウス・ミニ、デュマとユリアンがいるはず。
その一同の背後を追いかけてくる獣魔兵。人馬の姿からの通り、見る見る追いついてくる。
・ 振り返る、デュマとユリアン。二人は頷く。
・ デュマ「おいしいところはやるよ」 ユリアン「ここは時間を稼ぐよ。空間を拡張すれば距離が広がるから・・・」
・ 皇帝ユリウス・ミニ「みんな。余が皇帝になったら必ずお礼するから・・・かならずまた会おう。約束だ!」
(PCと同行します)
⇒ 二人も足が震えていますが、それを表情には出さないデュマと、あきらかに怯えているユリアン。
ここで残って戦う場合は、獣魔兵5体と戦うことになる。これは相当にキツイが参加PCが多いのならば一つの手。

召還堂へ

召還堂へと向かう道のり。ついに渡り廊下へと出ると、そこからは召還堂が一望できる。
しかし、その頭上では天には暗雲が立ち込め、渦を巻き始めている。また帝国の各地で竜巻が起こると、天に向かって多くのものが舞い上げられていく。
一同がたどり着いたのは、召還堂・屋上である儀式祭壇である。
そこには明らかに拘束され手足を縛られた偽皇帝が、一応王座に縛られてもがいている。足元に描かれた魔方陣は明らかに禍々しく、まるで生贄にでもされるような悲鳴を上げている。
その目前で黒の導師は自分に酔ったような口調で両手を広げ天を仰ぐ。
「おおぉ、美しい。あらゆる罪業が天に登っていく。食欲・物欲・・・」
焼肉・ラーメンなどの食欲の具現と、ハームートが持っていた金貨が次々と舞い上げられていく。
皇帝は「えうふ!!(へルプ!!)」と叫び続け、黒の導師にポカリと殴られるとあっさり気絶する。
黒の導師「そして支配欲」
「ワシは世界を救った神として伝説になるのじゃ」と導師の上にも欲望が垂れ流され、天に上っていく。


黒の導師との戦い。

黒の導師

生命点 100 /抵抗 20+2d
精神点 100 /抵抗 23+2d
[特技] ファストアクション:先制値20

[攻撃]
・ 「打撃術・拳打」   命中13+2d ダメージ:24+2d 効果:2回攻撃・追加攻撃可能。
・ 「フェンリルバイト」 命中15+2d ダメージ:27+2d 効果:エンハンス。補助行動で攻撃。
・ 「バルーンシード」  命中15+2d ダメージ:27+2d 効果:エンハンス。補助行動で攻撃。
・ エンハンス      目標値15+2d 競うものなし。キャッツアイ・Dフィンガーで命中さらに+3可能。
・ 「魔法」       魔力20+2d [真語][操霊][精霊]各15LV
・ 「阿修羅の腕」    命中10+2d ダメージ:12+2d 効果:100回攻撃。主行動。

[防御]
・ 「回避」       回避20+2d 防護:4点 効果:なし。
・ 「カウンター」    命中・上記         効果:1R1回。回避・成功したら回避しつつ攻撃。
★ 黒の導師の魔法はここでは天に吸い込まれてしまう。欲望を礎に生きる黒の導師の集中力は現在散ってしまっていて、まともな魔法がつかえないのである。言い換えてみれば黒の導師にはまさにピンチである。
★ 黒の導師にダメージを与えると黒の導師の体がほつれて文字となる。
★ 黒の導師は実は具現化された体である。その中には一匹の黒猫がいる。これが本体なのである。
もっとも黒の導師の体が破壊された時点で、戦闘は終了するが・・・。

★召還のチャンス

魔法使いの弟子PCが召還魔法を使っていないのであれば召還できる可能性を示唆するように。
これが最後の具現化チャンスなのだから。ここでPCが望むのならば、好きなものを召還させるといいだろう。
例1) ウリア ウリアはPCの思念からも具現化できる。
具現化されたウリアは天から雷光となって降りて来る。ウリアのレベルはPCの魔法レベルまで落ちている。
15−PCレベルの差分、マイナス修正される。また魔法レベルも落ちてしまう。
それでもウリアはなお強い火力を持つだろう。ウリアの体の炎を消した時、ウリアにはもう弱点は無い。

例2) メリッサ
魔法使いメリッサを召還した場合、風舞踊り暗雲から光差す中、翼をもったメリッサが舞い降りる。
メリッサは一同の成長を嬉しく思い笑顔を見せる。
これに狼狽する黒の導師。「く、まさか・・・、こんな奴が具現化魔法の奥義を知るとは?!」
具現化魔法の極限は物質の存在も距離も越える。生死すらも飛び越えるのが具現化の秘儀。
メリッサ
「さぁ師よ。お祭りは終わりですわ。万物物事に終わりがあるように、このお話にも終止符を打ちましょう。」
    黒の導師
「いやじゃ!!」
パーティにメリッサを加えて最後の戦いとなる。

大送還の魔法

黒の導師を撃破すると中からは黒猫が転がりだし、大の字になって倒れる。
そしてこの時、最後の呪文を完成させるべき時である。
皇帝ユリウスは縛られた、もう一人の皇帝と会う。やはり二人ともまがうことの無い皇帝。
⇒ 後はその言葉を待つだけ
「夢は夢ならず」

その言葉が響くと、天に突然の光が差し込み、それはルキスラ帝国を覆っていく。
周囲の物は次々と崩れだし、文字となって消えていく。
大騒ぎしている獣魔兵も・騎士達も全てが文字となって崩れていく、そればかりではなく、PC達の姿も文字となって崩れ渦を巻いて天へと登っていく、ただその場にいて形を崩さないのは青年ユリウスだけ。
崩れる文字の体のユリウスが言う。一同を振り返り手が伸ばされる。
「まってよ。消えないで!まだお礼をいってもいないのに」

エンディング

そして、一同は気が突く。一陣の風が吹き、その部屋。皇帝の寝室の窓が勢いよく開け放たれる。
窓を開けたのは導師メリッサであった。振り返ったメリッサの背後から差し込むのは朝の光。
流れ込んだ風・差し込んだ光が一同を照らす。
ベッドには眠りについたままの皇帝ユリウス。
まぶしい光にゴーバッシュが目を細め、流れ込んだ風にローブをめくられると、その部屋にはハームートの姿もある。
そういえば、部屋にいる騎士達にも見覚えがあるような・・・
驚き顔を見合わせるデュマとユリアンとPC達。
ふと気がつくと、足元には大の字になって転がる黒猫の姿がある。たしかメリッサの使い魔で、いつも仲悪く喧嘩していたような。メリッサはこの黒猫を「師匠」とよんでいたような・・・。

メリッサ「皇帝の悪夢が癒えるかどうか、帝国という大きな問題を背負っているのだから、それはわかりません。」
「でもこれからは、自分ひとりではないと知り、皆と国を作ることができるとわかるはずです。」
「だから、後はあなたたちの役目ですわね」と騎士を一望する。
一同は思わず平伏する。

身を起こそうとする皇帝。
・ 一同が声をかけようとするのなら・・・
メリッサは首を振る。
「行きましょう。一緒にいたい気持ちはわかるけど、ここで旅立つのが一番いい魔法使いの仕事よ」
「私達が一緒にいられるかどうか。それを夢にしてしまうかどうかは、皇帝が決めることなのよ。」

エピローグ

PCの背後にはウリアも浮かんでいる。
「うむ。それではしまいの時だな。さらばだ!凡念諸君!」と扇子をひろげる。
一斉に一同が窓の外に身を舞わせ、ウリアは竜になると、一同を背に朝陽の中に消えてしまう。

そして目を覚ます皇帝。皇帝は周囲を振り返り、見渡し。何かを探すかのような皇帝に歩み寄るゴーバッシュとハームートと騎士たち。一同はあえてこのことを伝えることは無かった。
「何か、リアリティの無い。騒々しい夢を見たような・・・」
皇帝はそれが夢であることに寂しさと落胆を感じ、思わずシーツを握りしめる。
そして、ふと窓に視線を落とすとあの言葉を思い出す。「夢は夢ならず、か・・・」
〜FIN〜

・・・と、その後「解答編」

「さて・・・と」メリッサは屋台でラーメンをすすりながら、メリッサは一同に目線を送る。
「徹夜で仕事して、食事して還って寝ると太りそうですわね。でもお腹すいちゃったから、今日ぐらいいいですわよね」
その周囲でラーメンをすするストリートキッズ達とウリア。木箱に腰掛けたり、地面に座り込んだりしている。

・ さて、解答編ですわ。

Q:結局・・・大召還祭とは?
⇒A:メリッサ「皇帝ユリウスの夢を具現化した魔法。決して夢に入ったわけではないわ。空間を拡張しユリウスの想像を中心に私が補って帝国を作り上げましたわ。
登場している人々は私が具現化させた人々。吸い寄せられたアニマは私が具現化した仮初の体。だから、あそこで命を落としても体に引き戻して助けるつもりでしたわ。

Q:黒の導師とは何者か
⇒A:メリッサ「私の師匠。今は呪いをかけてネコの姿にしていますわ。夢の中に立ち入って物事をややこしくしたのでしょう。でもまぁ刺激があったほうがいいと思って野放しにしたんですわ。」

Q:神炎王ウリアは/アデリードは実在するの?
⇒A:メリッサ「神炎王ウリアもアデリードも実在しますわ。魔法の世界とはいえアニマかあって、そこで影響を受けて干渉するのはユリアンが呼び出した事実からも、わかるでしょう?」

Q:メリッサの具現化魔法とは
⇒A:メリッサ「私は人の夢を具現化しても自分の夢は具現化できない。強いモンスターも、武器もお金もつくれないのだけど、あなた達のことは少しはわかっているつもり。だから私の具現化魔法はあなた達なのよ。
でもこれは一つの奇跡で、長続きしない奇跡。人は変わる生き物だから、理解しているなんていうのは幻想でしょ?
でも私はあなた達を具現化できる。少なくとも今は。明日も一緒にいるのだから・・・多分明日もね。」

Q:結局どうなったの?
⇒A:メリッサ「皇帝の悪夢など、国家という集団心理の投影なのだから解決できるようなものじゃない。でも皇帝が悪夢に負けないように力添えはできる。つらい夢でも、いいシーンがあるとジーンと来るものよ。夢は特に直接的に心に響くもの。皇帝には少しだけ幸せな気分になってもらいました。
でも皇帝には大切なことだけは伝えたつもりよ。
伝えすぎるのは良くないわ。正しいことでも量を多いと伝わらない。私達は愛したら後は信じるしかないのよ。」

―と、食事を終えたメリッサはお勘定を親父に払おうとする。親父は「お代は結構ですよ」と苦笑する。
 親父は「お疲れさんです」と頭を下げる。 メリッサも「いえ、どういたしまして」と挨拶し一同にも告げる。
 「いたでしょ。エキストラのラーメン屋さん。」
・ メリッサ「さて、飯も食ったし。帰って寝ますか。」

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