白の花嫁編 第4話

あらすじ

前回のシナリオからしばしの時間が経ちました。
ついにローランド家ではエリックとコーデリアの結婚式がおこなわれます。しかし、そのことはコーデリアの「一族との決別」を意味することでもあるのです。 そのことを果たして彼女の仲間たちは許すのでしょうか。そしてついに帝国は自分達を脅かす「奴等」との戦いを始めてしまいます。
いよいよこのキャンペーンも後半です。気合入れて望みましょう。

ストーリー・GM用

前回のシナリオからしばしの時間が経ちました。
ついにローランド家ではエリックとコーデリア(ブランカ)の結婚式がおこなわれます。
しかし、そのことはコーデリア(ブランカ)の「バルバロスの一族との決別」を意味することでもあるのです。
そのことを果たして彼女の仲間たちは許すのでしょうか。
主人であるドレイクのファーロは、そしてブランカを愛するオーガウォーロードのバルバは。

この結婚を聞いたバルバは動揺し、心を惑わされてしまいます。バルバは彼女を愛しているのです。

そんな中、結ばれるエリックとコーデリア(ブランカ)
しかし彼女の秘密はついに漏れ、このことをエリックの父。ジョンは知ってしまいます。
そしてついに帝国は自分達を脅かす「ドレイクカウントのファーロ」との戦いを始めてしまいます。
指揮をとるエリック。館に残るコーデリア(ブランカ)。そして部族から姿を消し、ブランカの元に向かうバルバ、真実を知り引退したジョンは何故か館に残り・・・

いよいよこのキャンペーンも後半です。気合入れて望みましょう。

登場人物

ブランカ

ブランカ

白い肌と銀の髪とあいまって冒険者から白騎士と呼ばれている人物です。
そんな彼女の正体はレッサーオーガです。
もともとの姿の持ち主・エリックの婚約者コーデリアの心臓を食べてしまった彼女は、コーデリアの体を得ますが、
婚約者エリックとの出会いに心を動かされ、次第に愛するようになっていきます。
彼女は愛と罰の両方を受けることとなるのです。

ジョン

ジョン・ローランド

冒険者とも仲良く付き合える帝国の騎馬隊の指揮官です。
今回の事件でついに引退することになる彼ですが、
ブランカの秘密を知ってしまいブランカを排除するという使命を帯びます。
これがジョンの最後の仕事となるのは高名で知られる彼にはなんという皮肉でしょう。

エリック

エリック・ローランド

金髪の長髪を後ろに流した青年貴族でマユは濃く意思の強い印象を受けます。
誠実で正義感溢れる騎士です。
若いながら武名も知恵もあり、戦では常に功績を挙げています。
父親も名門騎士で、国を問わず活躍することはある意味主君である皇帝には困ったものとして扱われますが、結局のところその勇猛さと知恵を頼りにしています。
コーデリア(ブランカ)を妻として、愛を注いでいますが、人間としての常識的判断からもし真実を知れば混乱するでしょう。
彼には耐えられない事実です。

ガートルード

ガートルード・ローランド

前回のシナリオで死んでいる場合がありますので注意してください。
帝国騎士であるジョン・ローランドの娘で兄にはエリック・ローランドがいます。
元気で快活な娘で、行動力があり、何かと危ないことにも首を突っ込んでしまうところがありますが、その行動力と前向き思考は周囲に好感を与えます。
ローランド一族は皆女子供に至るまで戦地に立つこともあるという筋金入りの戦士の一族だけあり、本人もかなりの腕前の馬上術を使います。
指揮官としても有能で、近年は副官としても活躍、小規模な活動には指揮官ともなります。

バルバ

オーガウォーロードのバルバ

オーガの部族を率いる部族の王です。
この部族はドレイクのファーロの教えを守り、非常に文化的な生活をしていますが、
オーガだけあり、戦ともなれば勇猛でまた作戦なども使ってきます。
彼らを率いるバルバはそれらの作戦などの立案から指揮まで戦の全権を預かる人物です。
ブランカの家族としては兄のように付き合い、またバルバも彼女には好意を感じています。
ブランカが人の里に行くことには戸惑いもありましたが、彼女の運命を祝福し、それを認めました。
しかし、彼女とエリックの婚姻話ともなれば心穏やかではありません。
今回ブランカの結婚に関して、納得できず。ついにそれを認める主ファーロに対して離反してしまいます。

ファーロ

ドレイクのファーロ

バルバとブランカの部族を作り上げた創造主で彼らには父にも神にも等しい存在です。
配下の種族に言葉を教え、教養やモラルなど全てを教え、また愛し合うことなども教えるなど支配者の範疇を越える人望を持ちます。
部族を治めるドレイクは人間を現時点では敵と考えていますが、交易などを行い交流を交わすことで文明の発展も必要と考えています。
ブランカの知識は貴重なものです。
彼は共存は必要だと考えていますが、領地を開拓する意味からも最初の戦いは避けられないとも考えています。
劇中では、バルバの離反によって傷付きながらも部族のために戦わなくてはならないという苦労人姿を見せます。

エトバルド=グロリアス

エトバルドはグロリアス家の家督を継いだ長男で、現在のグロリアス家の当主です。
妹との間には随分と年の差があるらしく。20歳近く離れています。

性格はお世辞にもいいとは言えず、妹を道具のようにしか思わず、お飾りにもならない使い物にならない妹と考えていたようで、コーデリアとは犬猿の仲でした。
今回のコーデリアの結婚式に呼ばれますが、コーデリアが別人であることを一目で見抜いた辺りは見る目がないというわけではないらしく人物眼はあるのでは・・・。それをいいことに使ってもらいたいものです。
ちなみにも彼の政治力は比較的あるほうで、冷酷ですが優秀な領主です。

ナホトケン

冒険者。今回の事件には自由都市同盟の領主の一人から依頼を受けています。今回オーガの部族より無事生還したPC達を疑いましたが、その後は協力者としてPCを支える仲間となります。彼らは口が堅く仲間となれば秘密を共有することができます。
性格はひねくれもので皮肉屋ですが、好奇心は旺盛で自分から厄介ごとに首を突っ込み、また意外と人情家でもあります。腕前には自信があり・判断力もあり・頼りにはなるのですが、一匹狼を気取り集団が増えるほど勝手な行動を選択するタイプです。


ナホトカ

冒険者。今回の事件には自由都市同盟の領主の一人から依頼を受けています。今回オーガの部族より無事生還したPC達を疑いましたが、その後は協力者としてPCを支える仲間となります。彼らは口が堅く仲間となれば秘密を共有することができます。

性格は無感情と思えるほど冷静沈着。表情はまったくかわりません。独走するナホトケンの御付・兼・お目付け役です。感情を伝えるのは苦手で、ナホトケンのことは尊敬しているのですがその気持ちは伝わらないりません。

死神博士モーラック

長年帝国で実績をあげてきた魔法使いながらその正体はオーガです。
人間社会には相当前から溶け込み、人間社会での地位すら確立しました。彼はファーロのお気に入りの学者であり、ファーロから直に魔法の手ほどきを受けたこともあります。 人間社会で学んだすえ、知識は人間と同じかそれ以上のものまで高まりました。
秘密のばれた彼ですが、その後は部族に立ち戻り軍の指揮をとって一同と対決します。

バセロンとクリムト

バセロンとクリムトは肉体派だけど頭の悪い弟と理知的な魔法使いの兄というコンビの兄弟です。二人はナイトメアで、兄弟ともにナイトメアとして有名です。
弟・バセロンは筋骨隆々として引き締まった快男児で、野性味たっぷりの青年です。頭はあまりよくありません。判断は兄にまかせきりのお兄ちゃん子です。
兄・クリムト燃えるような赤い髪の切れ長の瞳の長身の魔法使いで、理知的な印象を与えます。弟を溺愛しています。
二人は現在帝国からの命令でオーガの事件を調査しており、調査の次は戦でと活躍をします。

ゴーバッシュ

ルキスラ帝国の騎士で、非常に勇猛で強く、皇帝が何か指示を出す場合、直接呼び出されるような人物でもあります。騎士団の地位としては侍従方という、近衛ではなく、皇帝専属便利やという仕事ですが、騎士としての地位もあり、軍事的な動きはしないものの、無視できない存在です。
13レベルのファイターであり、筋力は人間の域を超えています。
今回は皇帝にコーデリアのことがばれてしまい、ついにジョンに勅命を持ってきます。ジョンとしては断腸の重いでしょう。

シナリオ本編

結婚式への招待状

PCの開始地点はわかりませんが、PCに対してローランド家から結婚式の招待状が届きます。
酒場に訪れると同様に手紙を受け取った仲間たちが多数いることがわかります。
・ 冒険者仲間達や知人、また冒険者の店のマスター自体にも届いています。

せわしないローランド家

ローランド家もその忙しさに刈られ、結婚のための準備が執り行われます。
館の中もせわしなく動き回る使用人が普段より1.5倍の人数増しで働いています。
父親のジョンとその奥方はその様子をどこ吹く風といった様子で眺めていますが、彼等も息子の旅立ちは歓迎しているようです。
・ エリックはといえば、衣装屋を呼んではコーデリア(ブランカ)の衣服を選び、とにかく出来うる限り豪華であでやかな結婚式の準備を仕立てます。
・ 結婚式は近くの教会でやろうと当初の話であったのですが、それは取りやめになり、自宅にて行われることとなりました。コーデリア(ブランカ)の要望です。
 → 彼女の知り合いには色々な人物がおり、珍しく不信人者などもいます。それらを歓迎してやりたいという強い要望です。
   コーデリアは教会の高司祭に対しておそれも抱いています。それゆえにそのような選択はできなかったのです。

★ガートルードが生きているのなら★男の本音?

 ガートルードとブランカ二人はマジマジとして話し合っています。まるで何か悪戯や悪巧みでもするかのように丸くなって何かを話し合っています。
一同がやってくるとガートルードはそれをいいことに手招きします。

「ちょっと相談にのってほしいんだけど・・・」として彼女は部屋に引っ張り込みます。
引っ張り込んだ部屋・机の上には女性者の下着が並べられています。
ガートルード「結婚したら。そりゃ秘め事があるじゃないの。だから勝負下着でビシッと決めるべきだと思うのよ」
下着をユビでひっばりながら眼前に突き出すガートルード。
「男として、どういうのがググッと来るのかしら。」/「女友達なんだから相談に乗ってくださいませんこと?」

→ あんまりマニアックな解答をすると、ガートルードはゲラゲラ笑いながら「うわ!キモ!」と本音で嘲ります。

ブランカの相談

この時期ブランカ(コーデリア)から相談事を持ちかけられます。
コーデリアの部屋に呼ばれた一同です。壁には彼女の鎧がかけられ武器も、そこに飾られています。これを見るからに、再び鎧を纏うことはないようという考えもあるようです。
室内は白を貴重として飾られ、シルクの布地がふんだんにつかわれています。彼女の衣服もまた白。ブランカという名の通りです。

ブランカの心境

ブランカ(コーデリア)はこの時、エリックのことを信頼し、その運命に全てを委ねようという覚悟を持っています。しかしそれでも罪悪感は消せません。
●彼女の相談は
・ 自分が果たしてエリックと結ばれて、幸せになってもいいの。本当はここに経つべきものはコーデリアのはずなのに・・・
・ このことをバルバが許してくれるのか、バルバの許しも得ずに婚姻は迎えられない。
・ (ブランカはバルバのことを愛し、尊敬していますが、その関係は兄を慕う妹のようなものでした。また、幼い日よりドレイクのもとで育った彼女は人間の体に強い憧れを持っています。人間社会に入った後は、その社会自体も愛しています。)
→ バルバに対して、別れを告げたくてもブランカは別れを告げることはできません。結婚前にお忍びで行動できるスキなどないのです。

彼女の依頼

 一同対して依頼されるのは、バルバの元を訪ねて欲しいというものです。
 彼女は壁にかけられた剣・二振りをPCに差し出します。
「この剣はバルバより頂いたもの。これをバルバに渡せば、全てが通じるだろう」と説明します。
「バルバが無事に皆を帰してくれるか・・・、私を許してくれるかはわからない。それでもそれをしないわけにはいかない。」と彼女は続けます。
→ この仕事は自分ひとりでやらなくてはいけません。バルバとの付き合いがばれてはいけないのです。

バルバロスの顎

蛮族のアジトまでの道中

森を分け入った山岳地帯の果て、切り立った山にある峡谷に作られたくりぬき形の塔が彼等のアジトです。
今では正面からの、その場所は騎士団の野営地があり、動きは観察されています。出入りすることのできない場所となっています。
そのため気がつかれないように移動するには山脈伝いに移動しなくてはなりません。
岩山を上りその場所を目指すためには山岳地帯を移動しなくてはいけません。山岳地帯は風が吹き荒れ、岩肌に体をすりながらも移動しなくてはならない危険な地形です。
・ スカウト技能での判定です。目標値は13です。
落下した場合、斜面を滑り落ちてしまい20点のダメージを受けます。これはスカウト技能の目標値分。軽減できます。
・ 再び山岳を上って移動していると、吹き荒れる強風に飛ばされた落石が振ってきます。
これはどうやってもいくらかの破片は受けてしまうでしょう。
転落しないかスカウト技能で判定です。目標値は13です。
→ この判定に失敗した場合、ブランカの剣を落としてしまいます。
  戻ることで剣を取り戻すことはできますが、件は傷つき、少し歪んでしまいます。これを見たらバルバは傷つくでしょう。

魔物の襲撃

・ 山岳を上っている途中。わずかな岩棚で、ディーラ達の攻撃を受けます。その数は1d6匹
・ ただしこの場所での戦闘は危険です。武器は片手しか使えず、回避も−4されてしまいます。彼等を撃退しなければ上へは上がれません。
・ 気を失ったら転落死してしまうでしょう。

バルバロスのアジト・塔

その場所は彫刻が細かく削られ、その建築物は整然としながらもゴミゴミと飾り立てられ、美しいようでおぞましい、そんなバロック調の作りをしています。
オーガの騎士団が今ではここに集結しています。この緊張感、近いうちに戦となってしまうのでしょう。

一同はオーガ達に話しかけるのならば、バルバと会うことができます。
オーガは人間が紛れ込んでいた場合は、敵として排除を考えますが、それでもPCのことを知っているオーガは一同への攻撃を静止し、話を聞くでしょう。

バルバを探す

自分の力でバルバを探すときは、探索してみなくてはいけません。
その場合はスカウト技能で判定します。目標値は13です。
見つけた場合、指揮をとり、騎士隊長に指示を出しているバルバの姿を発見します。
バルバはその後自室に戻るためか、一同と別れ、移動を開始します。この時にならコンタクトできるでしょう。

●バルバの反応
・ バルバはブランカの結婚を知ると驚愕し、「何故だ」とPCに詰め寄ります。
・ 返された剣をを見ても、両手に抱いて涙を流します。
「おお剣よ、何故帰ってきたのだ。傍にいれない己のかわりに愛しい人を守ってもらいたかったのに」
・ もしこの時剣が汚れて歪んでいれば、ブランカの気持ちが遠のいたとショックを受けてしまいます。

→ 納得のいかないバルバは突然に駆け出すと馬にのり、すぐさまアジトから飛び出そうとします。
 その時、バルバの眼前で鉄でできた大扉が独りでに閉まると、閂がかかります。他の出口を探すバルバですが、門は独りでに閉まっていきます。
 振り返り見上げたバルバの先には、党の上、バルコニーから見下ろすドレイクのファーロの姿があります。
 ファーロは何も言いません。しかし、その瞳は何よりも雄弁です。いたわりも、共感もありながら、決して行かさぬという意思が見て取れます。
 それを向けられるとバルバは苛立ちをあらわにします。苛立ち、壁や周囲に当り散らすバルバをただ見つめるドレイクの姿があります。
・ ファーロはPCが帰還することも認めます。ここにPCが来ていること自体が交流であると考え、生まれた芽を摘むことを拒みます。

白の花嫁

結婚式

ウェディングドレスを着たコーデリアは純白の衣装にその白い肌、まさに白の花嫁といえます。冒険者達や婦人方もそれには息を呑んでしまいます。
アンジェラも「一生のうちに一度ぐらいあんな格好したいわ」
エリックも中々の紳士です。その凛としたたたずまい、そして誠実そうな人柄の意思の強そうな眉は好感を与えます。再び周囲からもため息がもれます。
ジョンも奥方も鼻高々です。
 司祭の言葉の中、誓いの言葉が交わされ、熱い口付けが行われます。
 PCはその瞬間、何か恐怖を感じます。冒険者技能を規準に精神判定目標値10です。
 → 窓の外には黒いローブを来た男がいます。その視線はコーデリアへと向けられ、その瞳だけがコーデリアを射るように見据えています。
  その瞳には、怒りや悲しみなど多くの感情が溢れています。
 → その姿は一瞬うちに消えてしまいます。まるで跡形も無かったように姿は消え去ります。

グロリアス家当主・エトバルド

結婚式に招かれるのは国の騎士団のの中でも付き合いのある騎士達と将軍、そして面倒を見ている部下たちです。そのためここに集まる騎士達は中々の顔ぶれです。
中にいるのは彼等ばかりではありません。冒険者達も呼ばれます。勿論冒険者達がどれほど豪華な身なりをしても、ここの人々とは見劣りしてしまいますが、それを気にしたジョンは数日前より衣装屋に全員分の衣装を依頼して置いたようです。礼儀はともかく見栄えの分ではさほど見劣りしません。
・ その結婚式にはコーデリアの家族も訪れます。長兄エトバルドも訪れます。
エトバルドは家督を継いだ長男で、現在のグロリアス家の当主です。妹との間には随分と年の差があるらしく。20歳近く離れています。

エトバルドはコーデリアの元を訪れ、「お前が無事だとは安心した。そしてあれほど気乗りしないといい続けていた結婚式を引き受けたのには驚いた。」と声をかけます。
コーデリア(ブランカ)はどう答えていいのかわかりません。「ご心配をおかけしました。お兄様」と返すのがやっとです。
・ エトバルドはその様子におかしいと感じ、「やけに大人しいな。どうしたあの頃のお転婆は。乗馬を教えた私に馬の後ろ蹴りを食らわしたのはどこのどいつだ」と訪ねます。
それを聞いて冒険者は「そんなことをしたんですか」と大笑いします。  コーデリア(ブランカ)「あの頃はどうかしていたんです」と苦笑する。
エトバルドは「いえ、そんなことはしていない。私はお前に一度たって乗馬を教えたことはないからな」と不信感のまなざしを向けます。
・ エトバルドの言葉に会場の人々も冷や水をかけられてしまいます。
エリックは「コーデリアは記憶を失っているんです。からかわないでください」と擁護します。それで会場も落ち着きます。

・ エトバルドは不信感を露わにした瞳でコーデリアを眺めます。
「誰だ。あの女は。私の妹じゃない。妹は私が来ると聞いたら船を沈めるような犬猿の仲だ。ここにいるはずがない。」
同伴された司祭は「変化の魔法とは思えません。邪悪さは感じません」と告げます。
「ならば我等の血脈を狙う目狐なのだろう。しかし、証拠がない。洗い出せ」と部下に命じます。

帝国の急使

そんな結婚式の終わりごろ、急使が訪れます。
帝国の使者としてやってきた人物は、ジョンの上官に当たる将軍で、それにはジョンも驚いて平伏します。普通使者として将軍が来るなどありえないことです。
将軍の名前はゴーバッシュ。歴戦の名将であり、顔にはキズが入っている。マユも薄い、ゴツゴツとした顔が特徴的です。
将軍は、一同に無礼を詫びた後、ジョンと話をするために別室にいきます。途中、コーデリアに向けた視線には恐れとも敵意ともつかないものがあります。
それにコーデリアも青ざめ、よろめいてしまいます。

マスター情報:現状の説明

ジョンはここでコーデリアが何者なのか、それを知らされます。
ジョンの驚きは大変なものです。そればかりではありません。これが公になれば、一族の破滅です。そればかりか、エリックの性格のこと帝国の厳命に逆らってもコーデリアの 側に経つ可能性があります。それは避けなくてはなりません。

帝国からの指令は以下の二つです。
@ コーデリアを討ち、それを伏せること。無礼うちでも不義密通でも構わない。帝国はそれを問いたださない。
A エリックにはオーガ討伐の任務を与える。オーガを討伐すれば、その名誉は守られるし、周囲の信頼も得られる。
→ 帝国は彼等に温情ある、提案をしましたが、それは非常にタイミングが悪い時期でした。

ジョンは考えます。
「今回のオーガ討伐は、当主となるエリックに任せよう。エリックの警護には自分の妻(エリックの母)をつける。自分が行けば自分の手柄になってしまう。
コーデリアを討つのは万が一にも仕損じることはできない。自分がやるしかない。その後、エリックに憎しまれても、やるしかない。」

エリック家督を継ぐ

帰ってきたジョンは顔色は悪いものの勤めて元気に振舞おうとします。
彼はその場の席で、これをいい機会と家督をエリックに継ぐことを選択します。
「妻を娶り・・・息子もようやく一人前となった。これは丁度言い頃合だろう。私もここいらで引退し、この家は息子のエリックに継がせようと思う。」
・ 驚くエリックに対して、肩に手を乗せて励ます父親。「お前ならば我が家を十分に継げる」と笑顔を見せます。
・ コーデリアに対してはすぐに言葉は出ませんが、「息子をよろしく頼む」と告げます。
→ その不信に気がついたのはPCばかりではありません。ジョンの妻もまた夫の不信に気がつきましたが、それは口にはできません。
 夫は何か大きな問題を抱えた妻は、それぞれを解散させ、見送ります。

しばらく経った後。冒険者の店にて

コーデリア(ブランカ)からの依頼

冒険者達もそれぞれが再び生活へと戻り、分かれたブランカのことが話題に出るそんな時期のことです。
結婚式が終ってまだ数日しか経っていないというのに、エリックから使者が落とずれます。
・ 使者はは一同に対して丁寧に挨拶した後、コーデリア(ブランカ)からの手紙を差し出します。
・ 手紙の内容はあまり綺麗な字ではありません。ブランカは文盲であったために苦労して書いたであろうことが読み取れます。
「先日は、どうもありがとうございます。おねがいがあります。やかたにこられたし。」
使者は口頭で補足します。
・ いよいよ蛮族の討伐軍が編成されます。こちらは騎士団が2000騎が出ることとなりました。対する相手はオーガとボガード等合わせて3000、です。
・ この軍勢の先陣を勤めるのがエリック様となりました。おそらくはその件でしょう。

戦支度のローランド家

館の住人は戦自宅に取り掛かってか、色々と出入りしている人物も多いようです。結婚式に顔を出していた騎士達の多くもみかけます。
エリックも既に党首としての風格をたずさえ、騎士達に指示を出している姿が見えます。
→ 一同がやってきたことに対して、エリックは「妻が呼び出したんだな。」と苦笑します。
コーデリア(ブランカ)は既に婦人として、ドレスを着こなすばかりではなく、礼儀も学びつつあります。本来あった落ち着いた物腰は、今の姿にしっくりときます。
コーデリアの依頼
・ 「エリックが戦いとなれば、バルバも出陣するだろう。今回はの出陣、留守居役を預かっている。どうか私の変わりにエリックの身を守ってもらいたい。」
・ 「今回は蛮族と人との始めての大戦となる。皇帝はここで勝利をなんとしてもおさめようとするし、ドレイクもまた、大切な一戦として全戦力を投じるだろう。激戦となる。」
・ 「一番槍は手柄だが、同時に危険な任務。命を落とす可能性もある。」
→ 一方エリックはPCのへの依頼を「そんなことだろう」と予測しています。「足手まといにならないようについてくるんだ」と声をかける始末です。

父出陣せず。副官は母上

エリックの下に父親ジョンと母が訪れます。
・ 「今度の戦いでは私は出陣しない。俺の出る役ではない。お前の副官として傍についてやりたいが、俺がいてはお前の名声とはなるまい。」
・ 「お前の補佐は母さんにやってもらう。お前よりは腕も立つし歴戦もこなしている。俺は許されるのなら母さんの指揮でもいいと思っているぐらいだ。」
→ エリックはそれに大変驚きます。しかし、あえて反論はしません。

★ ガートルードが生きている場合、彼女はまた戦に参加します。これを父親が許すとは思いも寄らぬことでしたが、父ジョンは許します。

★ガートルードが生きている場合★あるたとえ話

コーデリアはバルバを売り渡すような自分は悪い女ではないか、と悩みます。自分はバルバの思いには答えていないということが彼女の苦痛でもあります。
ガートルードは、コーデリアに話をします。
「ねぇ、その人とエリックとどっちが好き?」
「今愛しているのはエリック。二人で生きていきたい。でもバルバのことも大切で私はどちらかなんて選べない・・・」と俯いてしまいます。
(この時点ではガートルードに対してだますようなことはしません。ガートルードも責めませんし秘密にしてくれます)。

「そう・・・」と、呟くのは、なんとなく嬉しそうなガートルード。
「私の嫌いなテストに王様のカリスマテストっていうのがあるんだけどね。そこにこう言う問題があるの。
火事の中、年老いた両親と、最愛の人、そして愛する子供が取り残されました。一人だけ助けられるとするのならば、誰を選ぶ?
っていうの。あなたならば誰を選ぶ。」

困ってしまうコーデリア。情けない顔で真剣に悩み。「わからない・・・えらべない・・・」と呟きます。

「んじゃ、その続きね。そう答えるのならば答えはこうです。みんな助かりました。なんででしょう?」
びっくりするコーデリア。「なんで?!」
→ ガートルード「戦が終わって帰ってきたら教えてあげるわ。」

バルバロスとの戦い

作戦立案・主戦場は平原

バルバロスのアジトを目前控えた平原が主戦地となることが伝えられています。
正面からの戦いで優勢を制していた蛮族は、この広大な平原を正面から迎え撃つという構えを取ります。
これに対して人族の軍勢は当然、正面からの戦いを回避し、側面からの伏兵攻撃を考えました。しかし、これは蛮族には看破されており、伏兵を蛮族も既に用意していました。
このことに先んじて気づいたのは冒険者・バセロンとクリムトです。
彼等はこのことを内密に帝国に伝えたところ、将軍は、戦力の散開している中央への攻撃を仕掛けることで、状況をよくしようと結論付けます。
ただし、この正面からの戦いは相手の中でも鉄壁の守りを誇る精鋭でしょう。こちらの騎馬隊もまたかなりの武力です。かなりの激戦が予想できます。
・ ここの旗色が悪くなれば、相手は伏兵を戻して中央の守りを固めるでしょう。その動きをまって人族の奇襲部隊の移動を開始します。
・ 伏兵が戻ると、死力を尽くして戦った騎馬隊は、周囲を取り囲まれる可能性があります。全滅の危機です。ですが、全滅する前に相手の後方をついて、相手拠点の口をふさげば、相手は孤立。こうなると指揮は乱れ、大局は制することができるというものです。
→ 人間側の作戦は危険なものですが、これをあえてエリックにまかせるということが決まりました。
 エリック自体は自信満々ですが、無謀とも思われかねない作戦です。

相手の軍勢の反応が整うより早く、正面から攻撃し切り崩さなくてはなりません。
こちらの騎馬隊は、動きが決まると矢の如く移動を開始し、平原地帯へと戦力を移動します。相手の防衛軍も要所の確保のために移動を開始しましたが、この動きはやや遅いものです。動きに関してはこちらは先手を取った様子です。
物見の報告では相手の数は1000、こちらは1000という具合です。戦力は互角です。お互いここの結果を見て伏兵の動きがきまります。それに勝負がかかっています。

★ガートルードが生きていた場合★ 蛮族のアジトまでの道中

PCが伏兵を叩くを選択した場合
ガートルードが生きているようならばそれに乗っかってみることを提案します。

「だってバルバ以外はこちらで十分対応できる相手よ。伏兵は相手ならばこちらが少数でも十二分に対応できるわ。」

森を分け入った山岳地帯の果て、切り立った山にある峡谷に作られたくりぬき形の塔が彼等のアジトです。
騎士団はその拠点まで兵を進め、騎馬隊を中心に盆地で戦い決戦に挑みます。
・ 伏兵を通すためには周囲にある険しい山脈を通らなくてはなりません。ここに敵が通った場合は背後に回られてしまいます。
・ もし相手に知恵が回ることがわかっていた場合、この付近を知る冒険者はそのことを忠告してくれます。
→ 伏兵対策をしていなかった場合、相手は戦の体制が決着してから、騎士団を追い込むために伏兵を出します。

迂回路

伏兵対策を行う場合、ガートルードがPC達を含めた冒険者50人を引き連れ、斥候として移動します。
ガートルードは山岳地帯を馬で移動し、馬では不可能と思われる斜面でも移動します。一同も馬で移動する場合は以下の判定に加えてライダーを判定しなくてはなりません。
ちなみに冒険者のうち20人は騎馬で超えることに成功します。

●山岳の地形。
岩山を上りその場所を目指すためには山岳地帯を移動しなくてはいけません。山岳地帯は風が吹き荒れ、岩肌に体をすりながらも移動しなくてはならない危険な地形です。
・ スカウト技能での判定です。目標値は13です。
落下した場合、斜面を滑り落ちてしまい20点のダメージを受けます。これはスカウト技能の目標値分。軽減できます。
・ 再び山岳を上って移動していると、吹き荒れる強風に飛ばされた落石が振ってきます。
これはどうやってもいくらかの破片は受けてしまうでしょう。
転落しないかスカウト技能で判定です。目標値は13です。
落下した場合、やはり20点のダメージを受けます。これはスカウト技能の目標値分。軽減できます。

蛮族の伏兵

・ ここで山岳の上に陣取っている蛮族たちを発見します。蛮族の数は100名ほどですが、ほとんどがゴブリン達であまりつよい戦力ではありません。しかしボガードやーガたちも姿があり50人は戦える戦力でしょう。
・ 妖魔語を知る者は、セージ+知力ボーナス+2dで目標値15で判定します。
妖魔の中に訛りがあったり言葉が通じていないものがいます。これは寄せ集めの集団であることの証拠で、あまり連携のとれた動きはしていません。
これはガートルードも気がつきます。
・ ガートルードは一計を案じます。
「自分達の騎馬が相手の中を駆け抜けると相手は混乱するはず。混乱を立て直そうとしたものが指揮官よ。」
「指揮官を討った後で、こちらに数がある奇襲だと思わせれば、相手は離散してすぐには体制は立て治らない」
「相手は軍隊じゃなくて寄せ集めの蛮族、こちらが手ごわいと知れば本体との合流は考えず、逃げ出すわ。」

・ ここでガートルードは騎馬で駆け抜け、相手を混乱させます。この行動に参加するためにはチャージないし、突破攻撃を習得している必要があります。
この情況を収集しようとしているのはオーガ1体のようです。ボガードは周囲を固めようとしていますが、混乱すると逆にメチャクチャに指示を出してしまい、拍車をかけるだけのようです。
一同が丁度オーガを撃退した時です。一斉に蛮族の視線が一箇所に集ります。
ガートルードは「こっちがボスか?」と振り向きますが、そこからやってきたのはワイバーンのまたがったオーガです。

蛮族の伏兵オーガ&ワイバーン

→ ここでワイバーンを残してオーガを撃破すれば、ワイバーンを奪うことができます。この機動力は大きな武器となるでしょう。

バルバロスとの決戦始まる

以上の行動終了後、戦にいよいよ入ります。
ガートルード達と伏兵に出ていた場合は、戦ははじまっている状態での合流となります。
それでもモーラックとの顔合わせ→ 戦闘はあります。

平原の戦い

相手はオーガによる騎士団。互いに正面から見据えています。救いというのは、相手は山岳地帯が地形であったために平原での部隊はほとんどが歩兵で、相手の騎馬隊は多くありません。この状態ならば、正面からの突撃の勝負はこちらに有利でしょう。
・ エリックの部隊は騎馬・それも戦車隊が中心です。本来は騎馬隊を重視するエリックにしては珍しい構えです。

相手の軍勢の指揮官が歩み出てきます。それは以前見たオーガの黒騎士ではありません。こともあろうか知る人ぞ知る賢者「モーラック」です。
モーラックは馬上で声を張り上げます。
「人間諸君。我等の領地を侵略に来たのかね。」 「何をいうか侵略者たるはお前たちであろうか。」

●モーラック
「それは見解の違いというのだ。
諸君は今我々と携えるべき手に武器をもって現れた。お前たちは何も変わらん。変わらぬからこそ、この世界も変わらぬのだ。
我等は蛮族の異端だ。そして変革だ。我々の楽園が共に共存である。
しかし、我々はお前たちを斬って落とすことで道を切り開くしかあるまい。」

●エリック
「人の命を危めて姿を奪い、言葉をつらねる貴様等になんの道理があろうものか。お前たちが言葉をつむぐのならば、その姿見を真似てはならぬのだ。
お前たちを滅ぼすのは、決して共存の夢が断たれたからではない。お前たちの犯した罪が今日裁かれるのにすぎぬ。」

ビジュアルシーン・エリックの指揮

 まずもって行われる突撃。相手はそれを十分にひきつけるとチャージが激突する寸前に、長槍を突き出す。
しかし、どうだろう騎馬隊は相手目前で軌道を変え素通りしていく。たちまち上がる砂煙。相手は待ち構えた槍を構えたまま、静止してしまう。
できることといえば小規模ながら弓での応戦がしかけられるのみ。
そして砂煙が止み始めるとどうだろう、正面には戦車部隊の戦車が横に用意され片面の動きを完全に封じているではないか。
その間も移動した騎馬隊は、相手の軍勢の回りこみを開始する。
これに対して迎撃できるのは相手の騎馬隊のみである。相手の大部分を占める歩兵部隊はいまや動きを封じられている。

相手騎馬隊との戦い

相手との初期の距離は広く。それゆえ射撃戦のみが有効となります。

ビジュアル

エリックを含めた騎馬隊は悠然と相手騎馬隊へ向けて進行していく。
騎馬隊一部が分かれ、側面側に移動し、馬を一斉に静止、馬に備え付けられていた鞘から、ロングライフルを取り出し構える。
 その手際は見事なものである。両手を開けて腰だけで馬を安定させつつ、銃を構える。
この射撃はなれない馬はたちまちに混乱を起こす。相手の騎馬の訓練度は低い。

・ 相手は弓矢の射撃を行ってくる。こちらに対して放たれる弓矢は命中−2修正で10回訪れる。陽動・挑発がされていた場合1d6減る。
・ 仲間の発砲があり、馬を沈めなくてはならない。ライダー技能+敏捷で12が目標となる。

接近戦

・ まず行われるチャージ攻撃。相手の馬列は乱され、落馬するオーガの騎士達。オーガの体格は大きい、それゆえに馬を得るのも困難であり、無理に乗るには鎧などを軽量化しなくてはならない。それではこの突撃を食らってはひとたまりも無い。
・ チャージまでの移動距離は十分。スーパーチャージを習得しているものでも使用できます。


乱戦状態

たちまち起こる乱戦。周囲は馬上の敵、落下した敵と埋め尽くされます。

相手のオーガの数は50体を、今回は防護点は7です。固いので攻撃回数があっても苦戦するかもしれません。
敵の数は固定で10人です。足りなくなった分はすぐにくわわり10人を下回ることはありません。
・ オーガの攻撃は目標値17・ダメージも17点です。
・ オーガは自分が攻撃した後、馬にも攻撃させます。馬の攻撃は14目標でダメージは14点です。

この戦いではエリックも共に戦ってくれます。
・ エリックが攻撃すると、オーガの生命点は0になります。エリックは毎ターン1匹ずつしとめていきます。

ピンチの時には援軍を

敵の数は固定で10人です。足りなくなった分はすぐにくわわり10人を下回ることはありません。
・ 相手の攻撃はPCに1d10回ただし最高でも8回です。ナホトケンとナホトカに2回はいきます。
→ 50名を倒した時点で勝利となります。

@ バセロンとクリムトが先手を取る。
相手の生命点は本来55 → これが28になります。防護点は7

A ナホトケンとナホトカの二人はPCと並列して戦闘を開始します。
敵の生命点は3点まで低下します。

戦の勝敗

軍隊の突撃と攻撃はこれを皮切りに進められます。相手を機動力で引っ掻き回す戦法へと入る騎士団は、次第に訓練度の高さもあって相手を圧倒していきます。
この優勢さは相手にバルバの姿が見えないこともあってです。モーラックの指揮だけでは、このような事態は対応できません。

指揮官・モーラック

これらを倒した場合、敵はモーラックです。
モーラットは魔法使いです。こちらに対しても魔法の限りで応戦してきます。
・ データ的にはオーガと同じですが、モーラックは攻撃魔法を多用してきます。魔法目標は11+2dでダメージは15点です抵抗すると8点となります。
→ 精神点にダメージを与える魔法も使います。その場合は11点のダメージとなります。
・ モーラックの攻撃は目標値18・ダメージも19点です。
・ モーラックは自分が攻撃した後、馬にも攻撃させます。馬の攻撃は14目標でダメージは14点です。
モーラックを撃破した時点で、相手の指揮は乱れ勝利は目前です。

バルバ・帝都を目指す

→この時点で、ナホトケンとナホトカがエリックに情報を持ってきます。
 なんでも、砦か山岳を通って回る回り道を、バルバが単身超えて、都に向ったというものです。バルバはオーガですから、普通ならば都に入れるはずはありません。
しかし、最近剣の守りの利かない魔物がいるということもあり、これは由々しき事態とも考えられます。
→ エリックはどうしても胸騒ぎがして止まりません。
  戦線を離れられぬ自分に代わり、バルバを追って欲しいとPCに頼みます。

魔竜咆哮

そんな中、一同は大きな咆哮を聞きます。竜の咆哮です。
塔から舞い降りた影はその姿を竜に変化させると空を舞い襲い掛かってきます。ドラゴンの羽ばたきは地上の騎馬を転倒させ、その咆哮は馬の足をいすくませます。
そしてそこからはかれるブレスは騎馬などものともせずに焼き焦がし焼き払ってしまいます。

ドラゴンの攻撃は圧倒的です。
・ 竜との戦いは上空1d×10m上にいるドラゴンをなんとか落とすことを目的としなくてはなりません。この高さは毎ターン始めにダイスを振って決定します。
・ ブレス攻撃は2ターンに1度、行います。精神抵抗目標24 ダメージ28点です。これは広範囲です。
→ 馬に乗って移動していない場合は、毎チャンス・ブレス攻撃を受けてしまいます。
・ また毎ターン、ドラゴンは魔法を使います。魔法はメテオストライクです。精神抵抗目費用24 ダメージ32点です。抵抗すると半減します。
・ ドラゴンは距離が高すぎて通常の武器では届きません。
魔法攻撃・射撃攻撃は判定できます。
→ ドラゴンが戦線に現れるとオーガ達は奮い立ちます。それだけオーガの目的意識ははっきりし、ドレイクへの信仰にも似た忠誠が体を支えているのです。

ドラゴンを撃墜するには翼に攻撃しなくてはなりません。しかし、ドラゴンもそれを警戒してか決して降りてきたりはしません。

ビジュアルシーン「ローランド家の母」 竜の落下を見たエリックもチャンスばかりに、竜へと馬を走らせる。これが竜を討つ好機なのだ。しかしその背後での母の叫び、張り上げた声。エリックを呼び止める声。
竜は羽へのダメージなどないかのように、身を起こす。同時にたちまちに剣のような尾を振るい、周囲に群がる騎士達の首を狙ったように跳ねるではないか。

エリックの馬は辛うじて稲穂を刈る鎌の如く振られた尾をよけるも転倒。二人は地に投げ出される。
尾はたちまちに7つに分かれると、その七本の尾はそれぞれが巧みに騎士達へと襲い掛かる。

一同の窮地に陣形を建て直し、その場から飛び出す姿がある。エリックの母の姿。
その中華麗な馬術で尾の嵐を掻い潜った母親は、エリックを馬上に抱え上げは走り始める。そんな中その背後より振るわれた尾の一突きが母の背を裂く。
苦悶の表情で返ってきた母親。一同の元エリックを下ろす。

★ ここで母親に向かって飛んできた尾を打ち落とすことができます。
まるで中空に放たれた弓矢を弓矢で射抜くような芸当ですが、この時尾の先端の切っ先に矢が当たるか、弾丸が当たるのならば食い止めることができます。
→ 命中判定は実に25を目標とします。
★ もしガートルードがいた場合、ガートルードははっと気がつき、弓矢を番えてこれに挑戦しようとします。
しかし、あまりの緊張で手が震えて、中々にいれません。しくじれば母親に当たってしまうかもしれません。彼女には精密射撃はないのです。
この時、誰かが手を添えて一緒に弓をひいてやれば、ガートルードは覚悟を決められます。
打った矢は、竜の尾の先端にあたり、鱗を割って裂きます。

★ 身代わりする場合は択一した馬術が必要となります。この馬術はライダー技能+敏捷ボーナス+2D6→22という非常に高い目標値です。
これをかいくぐったもののみ身代わりできます。竜の尾は80点のダメージです。命中は25です。

→ 母が死ぬ場合と死なない場合で、展開は変わるでしょう。

母が死ぬ場合。

母は致命傷を負っているのは確かであったが、その視線は凛として竜を見据える。竜もそれに気おされて前へは出れない。
やがて竜は周囲に尾を振るっては砂埃を上げる。その砂埃の中たちまちに体を縮めると、人の姿に変じたそのドレイク・ファーロは、一同への視線を向ける。
ドレイクの衣服はローブという姿、手にはカブトを抱いている。

よろめいたドレイクを抱えるようにオーガが集まり、引き上げの指示が出される。
相手は撤収を開始する。このような状況になると戦線は混乱するだろう。相手のどうようもいかばかりか。

引き上げを見届けて母親が倒れる。
「いいですか、エリック。指揮官というものは勇敢なだけではいけません。最後まで兵士達を導かないようで、どうして人の上にたてるというのでしょうか。
先程いくさの前にあなたが言ったことは立派です。それが人の道でしょう。ですが、正しいことを正しいと言えるのは難しいことです。
そのためには多くのことを耐えなくてはいけません。あなたもまもなくそれを知るでしょう。母のこともその一つにすぎません。
死ぬ前にこれはいっておかなくてはいけません。お父さんが、何を行ったとしてもそれを理解することだけは忘れないでください。憎んでも構いません。
でも、その気持ちはわかってあげてください。」

母が死なぬ場合。

間髪をしのいだ母親は、その思わず驚きこちらに視線を投げる。
そして息子を抱いたまま凛として竜を見据える。竜もそれに気おされて前へは出れない。
やがて竜は周囲に尾を振るっては砂埃を上げる。その砂埃の中たちまちに体を縮めると、人の姿に変じたそのドレイク・ファーロは、一同への視線を向ける。
ドレイクの衣服はローブという姿、手にはカブトを抱いている。

よろめいたドレイクを抱えるようにオーガが集まり、引き上げの指示が出される。
相手は撤収を開始する。このような状況になると戦線は混乱するだろう。相手のどうようもいかばかりか。

引き上げを見届けて母親が倒れる。緊張の糸が解けたのである。そして息子に言い聞かせるように言う。
「いいですか、エリック。指揮官というものは勇敢なだけではいけません。最後まで兵士達を導かないようで、どうして人の上にたてるというのでしょうか。
先程いくさの前にあなたが言ったことは立派です。それが人の道でしょう。ですが、正しいことを正しいと言えるのは難しいことです。」
エリックが頷き、馬に乗る際、母は一瞬静止し、何か言いよどんでは黙る。
やがて意を決したのか何かを話す。
「本当は、お父様があなたに全てを教えるべきなのだけれど、どうやらもうジョンにはあなたに説明している時間はないようです。
お父さんが、何を行ったとしてもそれを理解することだけは忘れないでください。憎んでも構いません。
ですが、正しいことを正しいとお父さんはいうために、手を汚そうとしているのです。その気持ちはわかってあげてください。」

→ 不安にかられるエリックは、PCに帰還を促します。
同時に、相手の伏兵部隊が、ここに集結してくることがわかります。エリックはここを死守しないとならないのです。


普通の手段で帰ろうとしても間に合いません。
館ではジョンがコーデリアを始末しようとしているのです。これに間に合うためには空を飛ばないとなりません。
もしガートルードが生きている場合ならば、ワイバーンを手に入れるチャンスがあたはずです。
もし偶然ワイバーンを手に入れているのならば、ここで、ジョンが強行に及ぶ直前に帰還することができます。
また惨劇となることが嫌いなpcの場合も、間に合ったとしても構いませんが、少なくともガートルードがいない場合、ジョンは心を動かされません。

ローランド家の惨劇

普通の手段で帰ろうとしても間に合いません。
館ではジョンがコーデリアを始末しようとしているのです。これに間に合うためには空を飛ばないとなりません。
もしガートルードが生きている場合ならば、ワイバーンを手に入れるチャンスがあたはずです。
もし偶然ワイバーンを手に入れているのならば、ここで、ジョンが強行に及ぶ直前に帰還することができます。
また惨劇となることが嫌いなpcの場合も、間に合ったとしても構いませんが、少なくともガートルードがいない場合、ジョンは心を動かされません。

ローランド家にて

一同が訪れるローランド家は騎士団が取り囲んでいます。それらは見慣れない騎士団で、帝国の騎士団であることは確かですが、普段は出入りしない騎士団です。
一同がやってくると追い返そうとします。無理をして突入しようとした場合、騎士団はPCたちを力ずくでも排除しようとします。

コーデリアのブランカの悲しみはいかばかりか、短い間であったが父と慕った男が自分に剣を向ける。刃に切り裂かれも尚逃げ惑う自分をその男は決して許さないのだ。
「これがエリックの気持ちなのですか。だとしたら何故、私などと契りを結んだのです」それは叫び。
「エリックはお前を愛している。破滅してもお前輪愛するだろう。しかし、それを私は見過ごせない。」
父親であった男には未だ情もぬくもりもあるというのに、その手の武器には容赦はない。
泣き叫び、抵抗するコーデリア。かつての私ならばこんな散々に打ちのめされたりはしないだろう。これも運命と全てを神に委ねたのかもしれない。
だけれども、だけれども今の自分は願っているのだ。こんな瞬間であれ、愛し合う夜が続くことを―
・ 一同がやってきた場合、父親ジョンとの戦闘となります。
→ ことここに至ってジョンはPCを殺すことに躊躇はありません。

★ PCがワイバーンを使うなど、どうにか早期にやってくることができた時、ここにガートルードがいた場合のみジョンは考え直します。
ジョンは武器を捨て、考え直します。
ジョンもやはりコーデリアを大切に重い、本心ではこのようなことをやりたくないのです。

バルバ現る

窓際に追い詰められたジョンが苦悶の表情を浮かべる。窓ガラスの割れる音。その背後に現れた巨大な影は、手に持った刃で深々とジョンの背を刺していた。
崩れるジョン。その男。化け物・オーガのバルバは室内に上がり、手を差し伸べる。愛しい人の名をよんで。
しかし、その娘は今ではコーデリアであり、倒れた父の姿に泣き崩れるただの人間の女と成り果てている。
バルバの苦悩。差し伸べられた手に、彼女が手を触れることは無い。

★ ここで上記の条件でジョンを思いとどまらせていた場合のみ、ジョンは奇跡的に助かります。
バルバも武器を捨てたジョンに対して、過度に攻撃しようとは思いません。
しかし、ジョンが殺意確かならば、憎しみからジョンを殺してしまうのです。

ビジュアルシーン「バルバの苦悩」

ファーロはいった。
「やめろ、バルバよ。彼女のことは忘れるのだ。これは運命だ。彼女には神が与えた試練が合った。」
バルバには納得できない。怒鳴るバルバ「神など知らぬ。生まれてからこの方、神の愛など知らぬ。」
ファーロはバルバをあやすように手を顔に触れる。
「あぁ、そうだ。お前を愛する神はいないかもしれぬ。しかし、私は神のようにお前を愛したはずだ。わけへだてなくな。」
バルバの心は動かない。
「お前の言葉が彼女を縛った。俺が彼女を連れ戻す。」
「ダメだ」静止するファーロ。振り返ったバルバの抜き放った剣はファーロの体を刺し貫く。オーガ達の動揺。崩れ落ちるファーロ。
バルバは見下ろし、叫んだ。「俺が彼女を連れ戻す」
血溜りの中のファーロ。
「愚かな。バルバよ。お前は部族の未来も、戦士の誇りも全てを捨てて彼女のところにいくのか。
お前と私の長年のつながりが、このようなこ些事で断ち切られてしまうというのか、それではあまりにも、悲しいではないか・・・」
振り返るバルバの瞳。悲しみ、しかし迷いはなかったのだ。

それがどうだろう、今彼女の視線を向けられるに至り、大いに迷い、苦悩している。
その化け物を見るかのような怯える瞳は、決して自分には向けられないと信じていたのに。
バルバは立ち去る。彼女の怯える視線に耐えられなくて逃げ出したのだ。この苦悩はどこに吐き出せばいいというのだ。

エンディング

帰ってきたエリックが知ったのは父の死、傷ついて憔悴しきった妻であった。
いったい何が起こったというのだ・・・、自分の前で何が起こっているというのだ・・・
瞬く間に起こる家族の不幸。妹の死・母の死・続いて父の死、傷ついた妻。自分の知らぬ事実。エリックの心もまた傷つき散々にうちのめされていた。
愛ゆえに道を踏み外し、愛ゆえに信じるものすら見失った。もはや愛する者の真意もわからず、心は闇の荒野をさまようだけ、バルバの心も渇き迷いの荒野を彷徨していた。

経験点

ここで戦闘したのは
レベル15のドラゴン・レベル7の魔法使い・モーラッド、レベル7のオーガ50体。
クリア経験点1000点 魔物経験点・3720 → 合計4720点です。

運命の分岐点

さて、ここまでで何人ローランドの一族が生き残っているでしょう。
基本的なメインルートはここまでで生存しているのはエリックだけである、というのが本筋です。
しかし、もし偶然生き残っているローランドの一族がいるようならば、もしかしたら最終話のオチもほんのわずかに変わるかもしれません。




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