ガープスサイバーパンク ガーディアン・オブ・アグノシア4
それからさらに数日間の時間がたってしまいます。
シュウはスズのあの一言で放心。火つきが悪いことこの上ありません。
シュウ「(ポケ〜と放心)」
(シュウさん、悩みます。
彼はクズを潰し続ける人生にはほとほと疲れはてていました。)
コシロー「んじゃ俺、美星のお見舞いする〜」
GM「夕暮れ時の美星。今では起き上がってあるけるようになっている。体には
いまだに包帯が巻かれたままだ。」
コシロー「もう歩いて大丈夫?」
GM「美星は返事を返さない。キリリとした眉でシュウを見る。目を細めて黙る
。」
コシロー「睨んでるの?」
GM「いや、ちょっと違う。でも事情は分かってるだろうから…」
シュウ「…」
…
……
シュウ「…美星はやっぱり一人でも行くだろうな。勝てないのもわかってるだろ
うし。だけど俺にも言い分がある」
GM「わかってるんじゃない。感情ぐるぐるしてるのよ。シュウは10年もあった
。彼女は先日の話だから。」
シュウ「……だよな」
コシロー「ふーん」
GM「そんなある日。ニコは表で車両の整備とかをしている。」
ニコ「うーす」
コシロー「できるの?アクロス呼ぶ?」
ニコ「俺はメカニックだよ〜」
GM「そんなニコの視界の入る人影。バイクをバラしながら工具片手に困り果て
た男達の姿がある。兄貴分と子分みたいな感じ。」
ニコ「どうしました?」
GM「男は怪訝な顔、『いやバイクの具合が悪くてな。調子いいとこうじゃない
んだが…』」
ニコ「俺!メカニックだから、直せますよ」
―と修理に手を貸して上げる善意のニコ。ようやく悪い部品がわかり、ニコは修
理を終える。
ニコ「これで大丈夫ですよ」
GM「男は簡潔に礼をのべる。―その脇にぶら下げられた銃を発見。腰には刀が
ある。」
ニコ「…」
GM「男は思い出したようにニコに訪ねる。『こんなヤツを見なかったか?』と
美星とシュウの写真を見せる。」
コシロー「あっちにいますよ♪」
GM「男達は対戦車ライフルやら刀やらを抜いて準備に入るね」
ニコ「ちょっと待て…と肩をつかむ。
―悪いけど気が変わった。お前らを、ぶっ殺す!!」
―武器を抜くニコとコシロー。男達は日本人ヤクザで、事を構えるとなったら反
応は早い。
襲いかかるヤクザとニコと―
GM「というニコの戦闘シーンは割愛ね」
ニコ「えぇ!俺の見せ場っすよ!!」
GM「やる?敵の数は―」
ニコ「いや…いいです。飛ばしちゃって下さい。」
GM「ある日、シュウの刀が無くなる。心当たりがあるのは―」
シュウ「―待て。美星」
GM「では深夜出ていこうとして呼び止められた美星。体は傷ついてまだ足元の
おぼつかない体。眼光だけは意志が強い。手に刀を。」
シュウ「…美星の手の刀を掴み刃をパチン。」
GM「美星はシュウを見上げる。美星は目が緩む。瞳が潤み唇が固くつぐまれる
。」
★★★後日談〜考え込むシュウさん〜★★★
『悪人をぶった斬って正義を通すヒーロー』っているじゃない。カッコいいよね
。子供の頃から憧れて信じていた王道スタイルじゃない?
でも俺、シュウはそうやって生きて死んだんだよ。
妻も―
子も―
足跡も絶えて―
俺はそんな生き方を美星に指し示すの?
俺には無責任に見えたの。『絶える道』に指し示すような生き方は―。
んー?
でもそれって、それ自体が押し付けがましい大人の考え方だよな?
足跡を追いかける子供に、「失敗するからやめとけ」っていう姿は、子供の頃の
俺の嫌いな“大人の姿”だわ。
それに―
俺は失敗したけど、美星はうまくいくかもしれない。
それに―
美星ももう子供じゃない、悔恨や後悔の痛みにも耐えられるだろう。
子供は子供扱いなんて望まないしな。
―ってことだと
美星は自分で生きて答えを出すってことじゃないか。
さて、じゃ俺としてはどう答えを出すべきか。
そうだな……俺は―
★★★★★★★
シュウ「お待たせ!
色々考えたけど…ヤツを野放しにはできない。倒しに行くことにする。」
アイザック「か〜!ホントに待ったぜ〜!」
ニコ「そうなると思ってましたよ〜」
コシロー「だねー」
シュウ「実際さぁ。そんなにカッコいい理由じゃ無いんだよね。
なんとなく―もやもやしたんだよ。」
スズ「(返事しない。目線は向けてる)」
シュウ「“鬼”のため、か…?(また、考え込む)」
スズ「『なんとなく』ねぇ…(苦笑)。
いんじゃね〜。それで」
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