ガープスサイバーパンク ガーディアン・オブ・アグノシア4
《アジト》
アジトに帰還した一同。
ガーディアン・オブ・アグノシアのアジトというと大がかりなものを想像するか
もしれないが、そこは廃ビルの一角に作られた施設であり、最低限度のスペース
だけを有した場所である。決して安全な場所ですらないのである。
GM「―というわけで皆さんのアジトへ到着しました。」
アイザック「俺部外者だけどいいの?」
スズ「いいんじゃね?俺も似たようなもんだし」(→彼はレギュラー)
ニコ「シュウさん。どうします?アクロスとかもいるし、危険にはさらしたくな
いな。」
シュウ「ニコ。美星もいる。連れ帰ったのは発信器をつけられているという覚悟
の上だ。放ってはおけないだろう。」
ニコ「…はい」
シュウ「アクロスは心配ない。お前が守ってくれる。そうだろう?」
ニコ「!―はい!!」
GM「『誰が守ってくれるって?』と悪態をつきながら噂のアクロスがやって来
る。不愉快そう。腕の中の血まみれの少女を見ては怪訝な顔。『見せなさい』」
シュウ「ああ、とテーブルの上に置く」
GM「アクロスは傷を確認し眉を潜めたまんま」
ニコ「助かりそう?」
GM(アクロス)「あっちへ行きなさい変態!?(ギロリ!)」
シュウ「女性の肌だ。さらすようなものではな―」
GM(アクロス)「あんたもよ!」
シュウ「あ…ああ。そうだな」
GM「しばらくしてアクロスが戻る。『やっぱり医者に見せないとダメね…』」
シュウ「スラムで医者か…」
GM(アクロス)「発信器とかは無かったと思うわ」
ペッツ「…じゃ!まぁこっちも仕事しますか?
日本人ヤクザ“鬼”について調べます。勿論ネットでね。」
―“鬼”はこの街にサイバネ機器貿易会社の支社長という役職で入ってきている
。彼は組でも成功し今の地位を気付き上げたらしい。今では特攻隊長なんかでは
なく組の幹部になっている。
GM「鬼のいる居どころまでもだいたいわかる。この都市に来てあまり時間はた
っていないから地理には乏しいようだ。デカイビルにすんでいる。」
ペッツ「30人のサイボーグをポンポン送るんだから、そこにはわんさかいるんだ
ろうなぁ〜(嬉しそう)」
一同はスラムで医者を探しに行きます。しかも美星は追われる身あんまり動き回
すわけにはいきません。
GM「一応一人は見てくれる医者がいる。今からこちらに向かってくれるらしい
」
コシロー「へぇ」
GM「程なくして彼がつくね」
シュウ「よし。私が見に行こう。追っ手だったら大変だからな。」
GM「ドアを開けるとそこには屈強な完全サイボーグが立っている。白衣を来て
いるもののはち切れんばかりの人工筋肉の大男だ。」
シュウ「…」
GM(大男)「患者がいるらしいな」
シュウ「お前のような医者がいるか。頭部に引きちぎり攻撃だ!」
GM「『な、何をする!ぐわぁ』と大男。ぶちぃ!』
シュウ「油断も隙も―」
ニコ「…あの鞄見ていいですか?」
GM「医療鞄だ」
ニコ「…医者免許とか」
GM「ある」
ペッツ「ネットで顔を照合する」
GM「紛れもない医者だ」
…
……
………
そして大爆笑!
混乱に近い笑いが場に溢れかえる!
ニコ「シュウさん!!(笑)」
コシロー「(爆笑腹を抱えて笑う!)」
ペッツ「な(笑)、無いわ(笑)」
アイザック「なにやってんすか!?レサ夫さん!(笑)」
シュウ「えぇ!!?だって、どうみても武装サイボーグでしょ!?(激しく狼狽)」
スズ「いや!分かるよ♪
うーんでも、お前“オイシイ”じゃない♪」
シュウ「ちょっ…(首)くっつかないかな…」
GM「無理」
シュウ「…医者を呼んでくれ」
大爆笑!
「もう、その医者がコレなんですよ!(笑)」「マジ受けるわ(笑)」「ゲラゲラ!(
笑)」
一同笑いが込み上げしばらく収集つきませんなぁ〜
シュウ「わかったよ。わかりました。俺!引っ込んでます。任せるから!もう…
」
その変にふてくされた態度がさらに笑いを誘います。そういう意味で主役を期待
したわけじゃないんだけど、実に見せますね。
“師匠!”
GM「というわけで、首の接続手術中の医者と―」
コシロー「…ププ(笑)」
シュウ「いいだろ!?もう!」
GM「一応美星の治療は済んだことで進めます。医者が他に見つかったでもいい
です。こんなとこで時間を食いたくないからね」
コシロー「師匠〜ププ(笑)」
ニコ「師匠!(笑)」
シュウ「しつこいぞぉ!お前らぁあ!!」
美星の治療が終わり数日の時間が経とうとしていた。ヤクザからの襲撃もなく、
この数日間は何事もなく過ぎ去っていった。
ニコ「この数日でパイル直りま―」
GM「直りません」
ニコ「ぎゃぱぁ!」
コシロー「案外襲撃くらいあるかと思った。」
スズ「わかんないよ〜♪これからかも?」
アイザック「おい何だよ。すぐ行かないのか?(ウズウズ…)」
シュウ「美星の容態を見てからだ。」
アイザック「まだるっこしいな。『やっつけたぜ』と報告すりゃいいんじゃね?
」
シュウ「お前がなんで今の仕事についたかわかったよ(苦笑)
いいな『美星と話をしてからだ』
容態は?」
GM「では治療の甲斐があってか、ようやく峠を越えた美星が意識を取り戻す。
」
コシロー「大丈夫?」
GM「ぞろぞろ部屋に入ってくる君たち、という感じかな」
シュウ「気が付いたか美星?」
GM「美星は誰だか分からないという感じかな。知っているのは10年前のシュウ
の姿だから。」
シュウ「茶でもいれてやるか…」
ニコ「無事で良かった。えと状況を説明します。君は組の事務所が襲撃を受けて
―」
アイザック「俺は働いたぜ。ミスしたわけじゃない(苦笑)。いっぱい倒した。み
んな見てたよなぁ?」
ペッツ「無様に誘導されて―」
コシロー「まったく護衛にならなかった」
アイザック「酷くないですか?それはGMの陰謀ですよ〜」
スズ「(任せるとばかりに会話には不参加。“―そういうガラじゃない”らしい
。)」
GM「美星もようやく状況が分かってきた。貧血のせいもあるが、顔色は悪く表
情は青ざめ、唇を震わせる。『あいつら…』」
シュウ「茶だ」
GM「茶を受け取ってもしばらくの間は動かない。考えはあの事件に囚われてい
るらしい。」
ニコ「無理ないから」
GM「ようやく茶を口に含み、何か思い出したように呆気に取られシュウを見る
。」
シュウ「(無言。思わず目線を反らす)」
コシロー「師匠!」
ニコ「師匠!」
コシロー「師匠、自己紹介ですよ!」
シュウ「おまっ!デリカシーの無い奴等だな。」
GM「『シュウ大人(タイレン)』と美星は思わず漏らす」
ペッツ「師匠(シースー)じゃないんだ。」
GM「シュウ兄ちゃんみたいな。もっと尊敬をこめた感じかな。」
シュウ「美星。久しいな。見違えたぞ」
GM「美星は複雑な表情。二人とも望むような再会じゃありませんから」
それはそうです。
シュウは死んでサイボーグと成り果て、美星は組を失ったばかりです。
美星はこんな姿のシュウを見たかったわけじゃありませんし、こんな再会を望ん
でなんかいませんでした。
シュウ「取り敢えず今は休みなさい」
シュウは復讐の話は切り出しません。
美星は多分そういう判断をするでしょう。世の中は帳尻を合わせなくてはならな
い。そういう生き方を習って来たのですから。
そしてシュウもそうするだろうと、美星もGMも考えていました。
しかし―
シュウは復讐の話を切り出しません。
まだるっこい時間が過ぎます。
アイザック「いつまでこんな無駄な時間過ごすんだ?やることはわかってんだろ
?奴等をぶっ殺すんだよ。」
コシロー「だよね。シュウさん、どしたんだろ?(いつも“やりすぎるぐらいに
、やる”のに)」
ニコ「気兼ねしてるんなら気にしないで下さいよ!俺はやりますよ!」
シュウ「復讐には反対だ。」
「え…」「マジすか?」
「このノリで!?」
→これにはGMも驚きます。因縁めいた展開なのに話が進みません!?
シュウ「俺達ヤクザは斬った斬られたが常。一々恨みつらみを述べていたらきり
がない。」
アイザック「しかしですねぇ(苦笑)」
ニコ「美星は…」
シュウ「家族が死んで悔しいのも辛いのも自分の弱さだ。私情だ。
美星が子供だから、それには耐えられないというなら…、そんな判断もあるだろ
う。
だが、俺は子供扱いはしない。もう美星も子供じゃない」
アイザック「そりゃそうですけどねぇ。そんな風に人は諦められませんよ。」
GM「シュウも妻子を殺されているんだし(苦笑)」
シュウ「あれはもう決着がついた。昔のことだ。俺が殺されても、妻子が殺され
ても、人は過ぎ去った過去はこらえなきゃならない。」
スズ「いいじゃねぇか。
そいつがそう言ってんだから、さ。」
一同スズを見る。
…
……
スズ「どうせ俺達は人の喧嘩に首を突っ込んでんだからさ。」
…
……
シュウ「……」
スズ「でも、ま♪
お前ホントに今を生きてんの?」
シュウ「(ピクリ)…」
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