パーティ・サイドB
そしてあのセッションが終わり、後日のことである。某所で再びパーティが編成されていた。この時、もう一つのセッションの幕が開けようとしていた。
神楽:ヨロシクお願いします! いつも来る度に収録されてる(笑)
ちゃわん:ヨロシクお願いします〜! グランクレストは初めて、っていうか。TRPG自体も始めたばかりの初心者なんだよね。
GM:大丈夫。GMとしてバッチリ・サポートするし、ここにはムンタロもいる。
ムンタロ:了解。
GM:実はこのセッションは既に一度行われたセッションなんだ。
一同:???
神楽:再収録ですか?
GM:少し違う。今回は同じ時代の同じ戦を主題に取り上げてみた。つまりその時代を別の切り口でセッションしてみようというものだ。
ちゃわん:あれ? ムンタロ君はそのセッションは参加したの?
ムンタロ:そうなんだ。でも呼ばれちゃってる。
GM:ムンタロは補足とその時割愛したイベントをさせて貰う。勿論君は自由に動いていい。君に割り振られるシーンは前回のシーンとは全然違うから、君が出来ることも当然違ってくる。
ムンタロ:あの時、出来なかったことをやってもいいんだね。
GM:そうだね。
そんなわけで第二パーティ。サイドBの面子を紹介しよう。
ちゃわん
『リプレイを手に取ったこと』から全ては始まった。直球な初心者独特の垢抜けたプレイが好感度の高いニューエイジ。「球種不足はロールプレイを勉強して補いたい」という本人の意向に反してストレートの球速が伸びていく。今後が楽しみ。
神楽
ゴスペラードの新世紀を支えるルーキー。荒削りながらも良心と行動力のかみ合った新メンバー。その実力はちゃわんと五十歩百歩。pixivファンからリプレイ起用と、縁というのはわからないものだね。
この二人にムンタロとGMレサ夫が加わってサイドBは始まる。
GM:さてさて今回は大国に抑圧された辺境部族の反乱をテーマにセッションを行います。PC@は支配者たる大国バストラールの若き『駕篭の鳥王子』、PCAは滅ぼされた『部族の英雄』だ。
ちゃわん:サイドAのイベントはやはり起こるの?
GM:サイドAでやったことは反映されるけど、そういうことは気にしなくていい。自分の好きなようにやるといい。多分矛盾はないよ。
神楽:じゃあ俺は部族の英雄がいいな。強そうだし男なら一度はやってみたいキャラクターだから。『英雄』(笑)。
ちゃわん:じゃあ王子で。初心者丸出しでも大丈夫だからね♪
GM:ムンタロは自己紹介〜
ムンタロ(以後シルヴァナ):私はバストラールの女騎士をやります。
GM:そうだね。君はこの『王子』に仕える騎士だ。
ちゃわん:ヨロシク〜
かくして、二つ目の歯車が回り始める。
PC3雛鳥王子・フィンチ
『駕籠の鳥(カナリア)王子』
カルディアの子に生まれながらも、他の兄弟に遅れを取る若き王子が君だ。彼らの鼻をあかしたい一身で、君は王国に敵対的な臣下ランカスター伯爵の元に兵を進めた。そして無残な敗北を期す。
それが君の道を開くことになるとも知れずに――
ちゃわん(以後フィンチ):僕の名前は『フィンチ・フォン・バストラール』。フィンチは小鳥の名前・愛玩鳥なんだよね。(小鳥の画像を見せてくれる)。どうしても鳥の名前からは離れられなかった。
GM:ハンドアウトから汲んでくれてありがとう。
フィンチ:年齢は12歳。性別は大人。
GM:大人?
フィンチ:あああぁ男!間違えた。ちょっと緊張しただけ(笑)
GM:子供だろう
爆笑!
フィンチ:体も小柄で華奢、他の兄弟に比べて体力的にも劣っている。
GM:お前いつまで経っても大きくならねぇな。
フィンチ:「みんなのようにはいかない」って劣等感を持っている。ちょっとひねてしまっているところがあります。所属はバストラール。うん。ロードでクラスはルーラー。最前線で戦うつもりは無いんだ。経歴は名君。名君はお母さん。
GM:お母さんのカルディアについて話しておこう。カルディアは現在27歳。15の時に君を産んだわけだ。
フィンチ:若い。
GM:軍事大国バストラールの女王で侵略と併合によって一躍列強にのし上がり現在のバストラールを作った人物です。多くの子供を持ちますが、夫おらず、国は女王を頂点として政が行われています。
シルヴァナ:カルディア女王が私の主君で、仕えている直接の主が、このフィンチ王子になるわけだな。
GM:そうなるね。では経験を。
フィンチ:経験表ももう一つは、『二つの顔』。僕は実は王子でありながらも、民の暮らしや生活、商業とか、文化、異文化が大好きなんだけど、別に力とかは持ってないし、今はまだ考えたことも無い。でもとにかく異文化が大好きなの。
シルヴァナ:市井に、暴れん坊将軍。
フィンチ:暴れはしないよ〜(笑)
GM:表の顔が目立たないから、裏の顔も目立たないんじゃない?
50人の王子の一人で、未だ雛鳥なんだからね。何かの祭典で女王の横にズラリと並んでも――
フィンチ:モブ?
爆笑!
シルヴァナ:いちいち覚えてられない(笑)
フィンチ:信念は『人』。人を大切にする。やっぱり民の暮らしをみていると国を実際動かしているのは人なんだなって思っている。でも人を大切にしなくてはいけない信念には、多分これからなっていく、のかな。
GM:そうであって欲しい(笑)
フィンチ:僕は国っていう大きな意味での人っていうよりは、僕の中で特別な人を守って行きたいと思っているんだ。
GM:さて信念にいこうか。信念は?
フィンチ:人を殺すのが苦手。戦争も苦手。

シルヴァナ:「お前人も殺せないのか?」と他の王子には馬鹿にされる。
GM:この国じゃね(笑)。他の王子は戦争してるだろうし。未熟者で通っている。
フィンチ:やっぱり、なんて言われても、僕は人を殺すのが怖いんだよ。死にたくない。死ぬのも怖い。名誉とかも僕の中では大きなものじゃない。命あっての物種、だから。
GM:珍しいよね。戦記物でそういうキャラクター。
フィンチ:でも、自分が正しいかどうかもわからない。さらにいうと虫が苦手。大嫌い(笑)
GM:虫は殺していいの?
フィンチ:虫は命無いから! 五分の魂とか無いから。
爆笑!
GM:それはやばそうだよ(笑)
フィンチ:虫のいない世の中を作りたい。
GM:異文化とか行くのは大変だと思うよ(笑)
フィンチ:虫のいない国に行きたい。
GM:どこだよ! 生き物が極端に少ない酷寒の大地かよ!
フィンチ:本の中の知識ばかりなんで、まだあんまり知らない。得意な技能は『回避』『情報』『聖印』回避は訓練の中で避けるのだけはうまくなった。当てることより、避けることが上手くなった。
GM:かっこ悪いな(笑)。
フィンチ:レイピアは持ってるけど、使ったことは無い。ルーラーだからね。妨害したり邪魔したり支援して戦うのが僕の戦い方。でもダガーをたくさん持っている。
GM:なんで!?
フィンチ:異国のナイフを集めるのが好き。収集癖があります。投擲して技を使えるんだけど――
GM:それ投げるの?
フィンチ:……投げられない。これは投げられない!
爆笑!
GM:一応因縁を説明しておこう。
■因縁 ランカスター伯爵 推奨感情・感服/不信感
『海では海賊・山では山賊』と揶揄される程の破天荒な領主であり、君主であるカルディアともドンパチ小競り合いを繰り返す危険な人物です。仲間になると頼りになりますが、信頼がおけません。
フィンチ:ランカスター伯爵どんな人だろう? 隣国の人?
GM:いや、国内の有力諸侯で、実力をつけ過ぎたために危険視している。宰相は難癖つけては滅ぼしたいと考えている。
フィンチ:ふーん。
PC4部族の英雄・ジィク
GM:次はPC4の発表。まずこちらからハンドアウトを読み上げよう。
『部族の英雄』
遡る事数年前――
辺境部族の英雄として大国バストラールに立ち向かった君は善戦虚しく敗れ、祖国を失った。英雄である君がバストラールに下ったのは理由がある。それは自分を破った姫・ヒルダガルデもまたバストラールの英雄だったからだ。自分の気持ちを纏めることも出来ぬまま、今は姫の側近に落ち着いていた。その君の心が揺れる。辺境部族の最後の反乱が起ころうとしていた――
神楽:神楽です。ヨロシクお願いします。今回はグランクレスト初めてなので。
フィンチ:僕も! 僕も初めて。
神楽(以後ジィク):名前はジィク。22歳の男性です。身長180。
結構大きいね。
ジィク:部族の英雄と呼ばれるぐらいだから、それなりに体格もいい。アーティスト(邪印使い)のクラスはアームズ。武器は両手剣・グレートソードこれを振り回すタイプで、防具は軽い。これは部族の戦士だから。ソフトレザーとかしか着ていない。
シルヴァナ:部族の中の専属戦士っぽい。
ジィク:そんなわけで技能も重武器・回避。そして一般特技でさらに一つ得意な技能を増やして、騎乗。
GM:もうそのために存在している専属のアタッカー。
ジィク:ワークスは護衛。これは姫様に負けて護衛をすることになったので、護衛ということで。
GM:ちなみに開始時点でどのようにして部族が負けたのか行います。このオープニングは結構長いよ。
ジィク:じゃあ所属は、始めは部族。これがバストラールになっていくような感じね。出自は英雄。部族の英雄なもので、経験は惨敗。
GM:まずはそれをリアルに味わってもらう。
ジィク:リアルにか!?(笑)
GM:そこで死ぬことはないから大丈夫。
シルヴァナ:オープニングで殺されてはかなわない(笑)。
爆笑!
ジィク:いいわ。楽しみにしている(笑)でジィクはその戦で負けてバストラールに組み込まれる。自分としてはこれからどうやっていくべきなのか悩んでいる。
GM:普通なら自決したり、復讐したりするのだろね。
ジィク:これもセッション中で決めていこうと思う。どういう風に生きていくか、そもそも生きていくのか、まだ定まっていない。自分を捕らえたヒルダ、しいてはバストラールを見て見定めたい。
GM:それでいいよ。
ジィク:信念は『忠誠』。これはバストラールのヒルダに対して。ほぼ完膚なきまでに叩き潰された部族であって、それでも拾ってもらったことに忠誠を感じている。
シルヴァナ:部族への忠誠じゃないんだね。
GM:そういう忠誠を重んじる人柄だったんだろうね。それが二君につかなくてはならないということに悩んでいくというわけだ。
ジィク:まぁ、そんな感じで。そして禁忌は『暴露』。秘密を明かしません。胸に秘めて誰にも打ち明けない。墓まで持っていく。
GM:相談事や何かあった時、それを黙ってしまって打ち明けないというわけか。忠誠心との兼ね合いもよさそう。
ジィク:ダイスを振って決めたわけだけど、これはいいかなって。ハンドアウト的に何か色々とありそうな気がしましてね。で好きなもの、趣味嗜好では音楽。
シルヴァナ:太鼓とか、吼え声とか?
ジィク:いや、バストラール王宮で流れる曲を聴いて、「これはいいな」と思っている。リラックスできるな。部族で暮らしていた頃は聞いたことが無かった。
GM:それって凄いよね。部族を滅ぼしたバストラールにあって、その音楽はいい、と感じたわけだ。
ジィク:色々あった。昔は中々受け入れられなかった。見るもの全部が嫌いだった。でも、次第に受け入れられるようになって、その始めが音楽だった。「少なくとも、これはいいな」
GM:部族のことも思い出すけど。
ジィク:「……これだけは、ここがいい」
GM:因縁はヒルダガルデ。これはまた紹介しておく。
■因縁 ヒルダガルデ 推奨感情・友情/隔意
大国バストラールの姫君がヒルダガルデです。君を助けた姫ヒルダは母親と常に対立、国家の方針に従いません。彼女は歳若く、未熟です。助けが必要です。
GM:国家の王子は王女は問題児ばかりで、ヒルダも問題児の一人だ。
ジィク:へぇ
GM:彼女は平等であるべきだという考え方を持っていて、国の中に会って『王など要らない』を公言する危険分子だ。
ジィク:まじっすか。
GM:「身分があって上下が生まれるなら、私は身分など要らない!」と言っている人なんだ。
シルヴァナ:思想的には女王とまったく噛み合わない!(笑)
フィンチ:50人も王子・王女がいるというのに誰も一致しない。
GM:ヒルダは馬とかも乗れない。歩兵の前に立って旗を持って走っていくような姫様。
ジィク:それジャンヌ・ダルクでしょう?
GM:ジャンヌ・ダルク違う。身分が高すぎる。
ジィク:ヒルダに対する関係は主君。感情は友情。友情なんだけど……これがどう変わっていくかは、セッションが始まってから見させてもらおう。
フィンチ:主君に対しての感情が友情なんだ。
ジィク:ちなみにヒルダはいくつですか。
GM:そういえば言っていなかったが14歳だ。
フィンチ:若くない?
ジィク:いや当時なら15ぐらいで一人前だから、おかしくはないんじゃないかな。
そして物語が始まる。
二つのパーティは、どのような運命を迎えるのか。
一足先に、読者さんがご覧下さい。
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