Middle phase 

  

【〜ロンサン〜】

戦が終わり、予想外に被害の少なかったことになり街は平穏を取り戻しつつあった。戦が市外まで到達していれば、状況は変わっただろうが、それを回避できたのは幸運だった。


GM:さて、ではフレジェスに場面を戻そう。ロバートを伴い、ドラゴスは街中の巡察を行う。

ドラゴス:身分を隠して、というのも不思議だけど。人々の生活を見ることも仕事の一つな気がしてきた。


GM:そんな中、茶店の一人の人物が目に入る。

ロバート:ほぅ

GM:悩みの色を濃く宿した口ひげの男性は、唸り声を上げては腕を組んでいた。身なりを正した服装は、身分低からぬ装いであったが、どうにも悩みこみ注意力散漫である。

ドラゴス:商人という感じには見えないな。

GM:不意に男の一人がその荷物にしめしめと手を伸ばし、そそくさと拾い上げ歩いていく。客は気がつく様子も無い。

ドラゴス:その男を追いかけよう。どうするかな。追跡しよう。後をつける。

GM:身彼は裏路地に入ると、置き引きした荷物を開いて戦利品を確認している。

ドラゴス:路地裏で荷物を奪い取る。

GM:「何しやがる!!」

ドラゴス:「帰せ!!」メンチを切る(コロコロ)意思判定!!9

GM:ロバートの勇気が急激になえていくのを感じる。

シリル:負けてんじゃん(笑)

爆笑!

ドラゴス:(コロコロ)意思判定17。「メ!!」

GM:睨んでいたチンピラは「お返しします!!」と手渡し駆け出す。


ドラゴス:荷物を確認するけど。

GM:どうやら、ユニオンからの旅人のようだ。持っている手紙からロンサンという人物で、ユニオンでも知られる名士のようだ。

ロバート:手紙はどんな内容?開封されている。

GM:読んでも大丈夫な内容だ。なんでもユニオンの猟師が水死体を引き上げてしまったらしい。それが身分低からぬ人のようだ。

ロバート:まずくね!!?

GM:埋葬した猟師は、考えた挙句、地元の名士に調査を依頼したらしい。無縁仏にするのは忍びない、という内容だった。

ドラゴス:ヤベェ…

ロバート:あー、これはマズイですね。

ドラゴス:名士がさっきのロンサンだろうな。とりあえず荷物を帰しに行こう。


GM:ロンサンは必死になって荷物を探している。置き引きとは考えず、どこかに落としてしまったと考えているようだ。

ドラゴス:「あ、これ落としましたか。」

GM:「これはこれは…私はロンサン。遠くはユニオンから着ました。異国の地で難儀しておりました。」

ドラゴス:「また随分遠くから。どうしてまた。」

GM:「いや、それは」と言いにくそうな顔をしている。「面倒ごとに巻き込まれたというところですか。」

ドラゴス:「実のところ…私はその荷物を見てしまったんです。手紙のことも存じています。」

GM:「ああ、見てしまいましたか。それは他言しないでもらいたい。いくらか謝礼を支払います。どうかどうか。」

ドラゴス:「いえ…お金は要りません。内密にしなくてはならない話しなのですか。」

GM:「この国の状況を見るに、いろいろ困った事情がある様子。ことと次第を公にすれば、いらぬ争いの火種になります。」

ドラゴス:「それでは国に戻りますか?」

GM:「悩んでいます。無縁仏を残すことは、あまりに哀れです。内々、国にこのことをお話したほうがいいでしょう。しかし、関われば私の身に害が及ぶかもしれません。あなた方も口外すると身に災いが降りかかるでしょう。」

ドラゴス:「そうでしたか。良ければ後で王城においでください。私は宰相のグラニア様にコネがあります。内々に伝えておきましょう。」

GM:「おお、どうかよろしくお願いします。」

ドラゴス:と直に国に戻ると。迎え入れたとき、王座に座っているのが俺。


GM:かくして名士ロンサンも登城、挨拶に訪れる。平伏した顔を起こしてびっくりする。「おお!!さっきの!!」

ドラゴス:「ロンサン。大丈夫。ここには信頼できるものしかいない。事情を皆に話してくれ。」

GM:「ははー」と平伏。そして皆の前で話をする。「私はロンサン。貿易商国連合の弁士の一人だ。諸国を遊説して回っている説客の一人です。」「実は今一人の猟師の頼みを聞いて、この国に来たのです。『猟師は国の騎士の遺品を返還したい』というのです。」とさっきまでの話が説明される。「指輪があるのです。」


ドラゴス:「グラニアさん。その指輪は大切なものなのですか?」

GM:「王位継承にかかわる品でしょう。確かな人物しか所持していないもので、私達が現在用意したものは、見知ったものから聞いた概観を燃したものです。」

ドラゴス:「本物とは違いますか?」

GM:「ウラヌス国王が与えた品…おそらく実物とは微妙に違うでしょう…」

ロバート:これは先んじて確保しないとマズイじゃないの?


ドラゴス:「それはお持ちですか?」

GM:「いえ……」と動揺しているロンサン。

ドラゴス:「ロンサン。決してあなた方を害するつもりはありません。ご迷惑をおかけしたことはお詫びします。お察しの通りその指輪は重要な品です。我々にお譲りいただけないでしょうか…」

GM:「………」


ドラゴス:「ロンサン。あなたはことと事態を把握し、おそらく真相を予測した後にここに来ましたよね。それは、何故ですか?」

GM:「はい……不義で知られる王子が豹変し善政をしていてることは私も感心がありました。このままよく国を治めて欲しいというのは、仁者ならば誰もが思うことです。ですが、どのような人物か、見定めなくては答えを出せぬのでは…と思いました。」

ドラゴス:「では、どうです。」

GM:「あなたがこの国の王子であることに疑いは無い、と感じました。民を見れば明らかです。そして領国はよく栄えております。」

ドラゴス:「ではお譲りいただけますか。」

GM:「はい、ですが、指輪はいまだ猟師の手にあり、私の手元にはありません。猟師に難がないというお約束をいただければ御内密に案内いたします。」

ドラゴス:「はい。その猟師には決して迷惑はかけません。」


ユニオン
貿易商国連合はその名の通り豪商が議員をつとめる商人国家であり、国のほとんどは商人であったが、勿論港には猟師もいる。
この国は元々貴族という者がおらず、それゆえ庶民と議員の間に身分的な上下は無かったが商人の格付けはそれ以上に絶対であった。


ドラゴス:僕も一緒に行くよ。

ロバート:ロバート私も一緒に行きます。

GM:猟師の家に近付くと、帰り道の子供達に出会う。「おおマリオ。アンソニーはいるかね?」「父ちゃんなら家で漁の仕掛けを作っていると思うよ。俺もいまから手伝うんだ」

ロバート:お礼を支払えばいいかな。

GM:室内では立ち込める血の匂い。凄惨な殺害現場が広がっていた。血を流して倒れる猟師アンソニーの遺体。

ロバート:先手を打たれたか……

シリル:もみ消しにかかっている?

ロバート:指輪は…?

GM:奪われている。

ロバート:絶体絶命じゃないですか!?

ドラゴス:「もうしわけありません。こんなことになってしまい。」

GM:ロンサンは泣きじゃくるマリオ少年を抱えて部屋から出させる。「ここは急ぎ国に帰りなさい。彼の死はあなたの責任ではない。」

ドラゴス:「はい。申し訳ない。」


GM:さて取り急ぎ国に戻った二人。報告を聞いたグラニアは考える仕草をする。唇に僅かに指を当てての熟考。「仕方ありません……気になるのは、何故指輪を持ち去ったかです。」

ロバート:「王子が偽者であると証明するためではありませんか?」

GM:「死を発表するだけならば別のやり方もあります。」

ドラゴス:「ん、確かに。何故、指輪を必要としているか……わからないな。」


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