Climax phase 

  

【〜王殺しの犯人〜】

GM:グラニアは一同を集め報告する。「バルチモア王国のウラヌス王に動きがありました…」

ロバート:いよいよ、バルチモアが動くか…

GM:「バルチモア軍は南方に兵を集めました。兵力は1万。軍事的な動きがあるのは間違いないでしょう。」

ドラゴス:これは指輪のことが露見したか……

GM:「私達への連絡はまだ来ていません。本来バルチモアが責める相手はバストラール。ならば前線の我々に無理難題を押し付けるのがいつものやり方ですが…どうやら此度は事情が違うようです。」

ロバート:「というと」

GM:「アンドレアルは戦の先陣の将としてボールスを指名し、彼が前線指揮官になるのでしょう……コブスンも勿論参戦します。」

ドラゴス:やはり、あいつか……でも何者なんだろう?

GM:「このままでは、バルチモアはどのような手段かわからぬまでも、我々を合併するでしょう。」

ロバート:「どうします?」


GM:「私はウラヌス国王に真意を問いただし、それを考え直してもらいたいと考えていますが…上手くはいかないでしょう。時間を稼ぎ、善後策を考えて下さい。」

ドラゴス:うーむ。

GM:グラニアの悩んでいる姿を見て、シグナスが訪ねる。「どうだ。厳しそうか?」「難しいかもしれません。バルチモアは何かを企んでいます。バルチモアには謀臣も多いので、我々は追い込まれているのかもしれません。私が帰ってこなければ、後々のことはドラゴスに任せましたよ。」

ドラゴス:「俺!?」


GM:「ドラゴスを中心に、纏まって下さい。いいですか。大切なのは纏まっているかどうかです。」

ドラゴス:「それはそうだけど!!?」

GM:「ここに辿り着くまでに色々あったでしょうが、理由なんてなんでもいいんです。ようはそれに納得できるかです。」

ドラゴス:「メチャクチャだ!!」

GM:「皆さん。メチャクチャではありますが、納得してもらいますよ。」

ドラゴス:「でも……」


GM:「それに私たちがここに来るまでに培った理由と納得は、メチャメチャなわりに納得のできるものだと思います。」

ドラゴス:「ここまできたら…腹をくくるよ…でも、この先、僕がまつりあげられるだけではダメだよ。」

GM:「ええだから、皆もドラゴスを中心に…」

ドラゴス:「グラニアも必要だよ。グラニアがいないとダメなんだよ!!」

GM:「……うん」


グラニアの旅は急ぎの旅であった。
日中はひたすらに馬の足を止めず、街道ごとで馬を乗り換えるなどをして旅をしていた一同。その日は宿舎を取り、翌日に備えている時の事であった。


GM:そんな一同に信じがたい情報が届く。ウラヌス国王が見知らぬ人物をフレジェス継承者として認め、後見人としてアンドレアルを指名したということである。

ドラゴス:「はぁ?」

ロバート:どうしてそれがまかりとおる?

シリル:指輪をもった影武者をもう一人作ったんじゃないですか?

ドラゴス:こっちと同じか?


ウラヌス国王の間は、既に張り詰めた緊張感に満たされていた。まさに針のむしろ。そのような場所には意思弱気者はそれだけで憔悴してしまう場であった。

平伏するグラニアを見下ろすウラヌスの瞳は冷酷そのものであった。
「ウラヌス国王陛下。我が国の知らぬ間に王を立てられても我々はそれを知らず、ゆえにそれを迎え入れる仕度も整いませぬ。よく言って聞かせます故、事情をご説明いただきたい。」

「グラニアよ。芝居はもう良い。ダニエルはどこの馬の骨とも知れぬ影武者なのだろう。」
「何ゆえそのような。」

ウラヌスが手を叩く。すると、どうだろうその場に現れたのはボールスであった。


シリル:お、おお!!

ボールスは仮面を外した。「余の顔…見忘れたか!?」
ダニエル王子であった。顔半分を酷い傷で破壊されているものの、残った部分は確かにその面影を感じさせる。


ロバート:あ、そういうことか…

ドラゴス:ボールスがダニエル?!

シリル:あの傷痕ってゴロンゾさん達に襲われたときの傷じゃない??

ドラゴス:国王暗殺の時に…ダニエル王子は現場にいた???


グラニアは唖然とする。そして、予想外の事態…もっともよくない事態にことが進んでいることを予感した。
「これを見て、どうして未だに白を切ることができる。」


シリル:あー、国王暗殺の犯人は『ダニエル王子』つまりボールス。

ドラゴス:待って待って。『国王を鷹を使って呼び寄せることができた』人物。

GM:アストラは国王と王子の鷹狩りに使っていた鷹の名前。

ドラゴス:で、バストラール、バルチモア、アドホックレルム以外で漁夫の利が得られる。

ロバート:勘当されていたけど、王位に継げる。

ドラゴス:全部当てはまるじゃん!!じゃ溺死したのは誰よ!?……

シリル:……

ロバート:影武者…かな。

ドラゴス:影武者?

ロバート:ホラ、暗殺している時、現場にいたなら、本人はロマリアにいっていない。とすると水死したのは影武者じゃない?

GM:アリバイにもなる。

ドラゴス:あーあーなるほど。この王子、父親を暗殺して国を継ごうとしていたわけか。ヒドイ。なんかいヒドイヤツだね。で、呼び戻されて王位を継ごうとしていたけど……

ロバート:ピクニックキルで顔をつぶされちゃった。で王子だと名乗りだせなくなった。

シリル:でも指輪が手に入ったから。

GM:そう、名乗れるじゃない、って。

ロバート:しかし……我々はさらに代役を立ててしまった。


ウラヌスは言い放った。
「この不忠者を刑場に引き立てよ!」


ドラゴス:グラニア!!!


シグナスは帰りのこないグラニアを、いつものように腕を組んで待っていた。彼が帰ってこないというのは、つまりそういうことである。
そして一団は帰ってくるグラニアを除いて。

グラニアは拷問の末、処刑されると、体はバラバラにされ門に吊るされたという。
不忠者に対してはバルチモアは何よりも苛烈な処置をしたが、人徳で知られる名士の殺害に多くの人々が嘆き悲しんだという。


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