Middle phase
【〜シリルの後悔〜】
ベヘレムに帰還したシリル。そこに下された謹慎の処分は、シリルの責任を問うものであった。
しかし、同士討ちを罰するこの処分には、もっと重い罪があることがシリル自身わかっていた。
GM:というわけで7レベルのシリルは1レベル降格し、6レベルです。
シリル:仕方の無いことです。首を跳ねられてもおかしくなかった。
すっかり意気消沈し、部屋に閉じこもるシリルの有様に、妻のレトワールは困惑し、元気付けようとしたが、事情を知らぬ妻の言葉で彼が癒されることは無かった。
そんな中、副官のアルカナが報告に部屋を訪れた。
GM:締め切ったカーテンを開け、光を入れようとしたアルカナだったが、外は生憎の曇り空。シリルの心のようにどんよりしていた。「ふーむ。シリル様、アドホックレルムの戦士ではヒドイ言われようですよ。」
シリル:それはそうでしょう。「どんな?」
GM:「シリルは長年共に戦った戦士を見捨てて、新参者のフレジェスと手を組もうとした。シリルにはベヘレムで独立の野心がある。なんていわれています。」
シリル:「そんなこと、あるはずがありません!」
GM:「ええ、バルチモアの情報操作でした。ウラヌス王はシリル様とレルムの不仲を突いて離間の計を謀ってきたようです。まぁ、イヴァン王が舵取りをする以上、民がどう言おうとそれが関係するとは思えませんが。」
シリル:「王に疑われていないことが救いです。はぁ」
GM:「なんでなんですか…説明して下さい。」
シリル:「……」
GM:「イヴァン王が、いずれこの領地を攻めるのはわかっていたことじゃないですか。それを無視して同盟を図るなんて…独断専行も甚だしいです。」
シリル:「私はフレジェス人をベヘレムに引き抜きたかったんです。レルム人の中でもっとも私が彼らに好意を示せば…彼らは私の配下になるのではないかと……レルムの人々を悪役にしても、私は同盟を結びたかった……」
GM:「その為に戦友が死んだんですよ!」
シリル:「はじめから…フレジェスに来た時から、フレジェスに肩入れするつもりで調査を行っていたんです。」
GM:「なんて人だ…!」
シリル:「………」
GM:「あなたは初めからダニエル王子が偽者かどうかは関係なかった、ただ苦境の彼らを併合することしか頭になかったんだ」
シリル:「…そのとおりです。嘘は言いません。」
GM:アルカナは絶句。
シリル:「アルカナ…私は、彼らを平和的に併合すること自体が間違いだと…思ってはいません。ただ、それはレルムを犠牲にしてまで行うことじゃなかったんです。イヴァン王が参戦した時、私もそれを気がついていたんです…でも、やめられなかった。そこが一番罪深いことなんです。」
アルカナは冷たい瞳で泣き崩れるシリルを見下ろし、静かに部屋を出て行った。
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