Middle phase
【〜アドホックレルムとの戦い〜】
イヴァン王は、スクロールを手に眉をしかめ眼を通していた。その表情はいつになく険しい。そして吐き捨てるように言う。「馬鹿者」
各国の圧力が強くなることを肌身で感じていたゴロンゾとフラガッハは先手必勝とばかりに手勢を率いて挙兵。フレジェスを目指していた。当然、イヴァンの露知らぬことである。
シリル:おおーい!バカ!
ドラゴス:ヤバイ。脳筋がいた。
ロバート:ふむ。我々よりも脳筋ですな!
彼らは名誉挽回するべく功を焦っていたが、それ自体が失態であることは理解していなかった。
シリル:何を馬鹿な。私がフレジェスの信用を勝ち取れるという時に、これはイヴァン王の意思を無視した独走でもあるじゃないですか。
スターシャは青ざめた顔でイヴァンを凝視している。
「もはや、呼び戻すこともできまい。と、なれば加勢してやるしかあるまい。」
GM:フレジェス王宮謁見の間に直ちに呼び出されるシリルに伝えられたこの情報は、シリルにとって悪夢に他ならなかっただろう。宰相グラニアはいつになく厳しい口調で詰問した。「シリル様。これはどういうことです。話が違うではありませんか。」
シリル:「これは、ゴロンゾとフラガッハが勝手に独走しているだけでは。アドホックレルムの意思とは関係ありません。」
ロバート:「何が筋金入りの平和主義者だ!」
GM:「アドホックレルムはフレジェスの存続を確約してくださったのではないのですか!?」とフレジェス重臣はシリルを詰問する。
シリル:「申し訳ありません。」一体フラガッハ様はどういうわけで挙兵をしたんでしょう。
GM:まぁ、大国に攻め取られる前に…というのが理由だろう。けど…
内心フラガッハは焦っていた。イヴァンと口論してしまい、啖呵を切った手前、引っ込みがつかなくなっていた。
シリル:「私が二人を迎え討ちます!」
ドラゴス:こちらも対応を決めないとな。「まずどうすべきでしょう。」
ロバート:「まずはバルチモアに救援を願いましょう。」
GM:グラニアも頷く。「バルチモアにしてみれば属国への侵略。兵を派遣する義務があります。」
ドラゴス:「ああ、そうだね。では宰相。ウラヌス国王に使者として向かってくれ。あの人の説得は大変だ。」
GM:「わかりました。」
ドラゴス:「私もバルチモアのアンドレアル伯爵のところに行きます。バルチモアの増援を依頼しても、軍がすぐに来るとは思えない。その間、しのぐだけの兵が必要です。」
ロバート:アンドレアルが黒幕なら、兵は派遣しないかもしれないぞ。
ドラゴス:まぁ、そうわかったら…めっけもの、ということで。
シリル:私は直に駆け出す。兵を纏めてゴロンゾとフラガッハの下に向かいます。私が時間を稼ぎ、フレジェスの防備が調えば、あの二人も無理な戦はしないはず。
GM:シグナスは対応を話す。「ラン。領民を砦の内部に入れて、篭城に対する備えをする。」ランはおどおどしながら敬礼する。
ロバート:「私はどうします。」守備することになるだろうけど。
GM:「ベヘレム兵の鎧を纏って、シリル隊に続け、シリルならば信頼し、陣の中核に入れる。その後、奇襲しあいての混乱を狙え。」
ロバート:「了解。」
GM:「相手が混乱し、同士討ちを始めたら、俺も奇襲する。」
鋲打ち皮鎧を纏ったアドホックレルムの兵士達が山野を進む。彼らは皆、動きを阻害せぬスタテッドレザーを愛用し、それに衣装凝らしては戦場に向かっていた。
その先頭に立つのはゴロンゾとフラガッハだ。
「初めからこうすれば話は早かったんだ」とフラガッハは軽口を叩くが、ゴロンゾは今も不安そうだ。
「でもよー」
「もう言うな。いくぞ!」
シリル:何もかも台無しなしにして!私の努力が水の泡だ!「皆のもの!馬鹿者を止めにいくぞ!」馬を飛ばす。
バルチモアの動きは目に見えて活発になり、この狭いフレジェスに兵を固められれば勝てる戦も勝てなくなる。備えなきを攻めるのは戦の定石だ。少なくとも、後手に回るより今のほうが勝算が大きい。
フラガッハ決して論理的ではなかったが、それでも闘いの勘は冴え渡っていた。
シリル:「まてぇええい!」
GM:ゴロンゾは両手を広げて親友との再会を喜んだ。「おうシリル。いよいよ国取りするぞ。」
シリル:「今、私がどれだけ頑張っているかわからないんですか!」
GM:その返事にフラガッハは眉を吊り上げる。「お前の調査と、戦はまったく関係ないことだろうが!いつまでも火つきが悪いことを言っているんじゃない!」
シリル:「別問題なのでしたら、私のすることに横からしゃしゃり出てこないで頂きたい!」
GM:「なんだとー!」
シリル:「あなたは迷惑です!フラガッハ様。兵を退いていただきたい。」
GM:「バカを言うな!ここまで来てただで帰れるものか!それでこのフレジェスが大国に奪われてもみろ、我々が奪うのが困難になる。今なら私とゴロンゾとお前で、ここをわけなく分捕れるんだぞ!」
シリル:「なんと言われようと、このやり方には反対です!大義が無い!」
GM:「知ったことか!お前の理屈だ!私に押し付けるな!お前も手柄を立てないとマズイときだろうが!」
シリル:「だから今立てているんでしょうが!私に任せてください!」
GM:「ムカー!」フラガッハは沸騰した。「我々みんなの手柄にしようと穏便に言ってやってるのに、お前はひっこんでろというのか!」
シリル:「私がイヴァン王に任されたんですよ!」
GM:「イヴァンがお前に任せたのは事件の調査だろうが!フレジェスを奪えと言ったのか!もういい、私一人で行く。」と走る彼女に戦士が続く
。
シリル:「待てい!」と部隊を率いて道を塞ぐ。「ではあなたは了承を得たのか!」と武器を抜いて身構える。
GM:目の前に白刃がさらされるとフラガッハも息を呑む。「貴様!正気か!フレジェス人に肩入れして同胞に刃を向けるとは…!」
シリル:「フラガッハさん。今貴方は戦火の火種になっています。しかし、折角きてくれたのですから、私の役に立ってくれればいいんですよ。」
GM:「ふざけるなぁ!どこまで上から目線なんだ!お前の正義にも!お前のルールにも興味は無い!」
シリル:「フラガッハさん。あなたが協力してくれれば、もしかしたら王殺しの黒幕の炙り出しができるかもしれません。ここは相談して…」
GM:「頭がイカれてやがる!善悪問題のほうが国取りよりも大きな問題だと言うのか?そんなのはこの国を滅ぼした後にやれ!」
シリル:「それでは意味が無いんです!」
GM:「じゃ、それをハッキリさせて滅ぼすか!?私にはその差がわからん!」
シリル:「私たちが悪人になるか、大義名分があるかは、重要な問題なんです。」
GM:「バルチモア人みたいなこと言いやがって。」
シリル:「くそ、話の通じない人だ!あなたは!このことをイヴァン王に報告させて貰う!今回のことは覚悟をしてもらいますからね!」
GM:その時、陣の奥深くで突如として反乱が起こる。これはロバート隊の奇襲なわけだけど、シリル部隊に続いたというわけで、内部では大混乱が起きる。
ロバート:「かかれぇー!」
シリル:「ち、はじまったか…」もう、フレジェスとりの闘いが始まるぐらいなら…
GM:なら?
シリル:フラガッハ様と闘って止めます。
GM:シリルの刃を受け止めるフラガッハ。その攻撃を受けて闘争心に火がつく。「貴様ぁ!あくまでフレジェスに加担するかぁ!」
この闘いは夕暮れ時に開戦された。
フラガッハも奇襲を貰ったこともあるが、予想外に手間取り、逆に奇襲を受けるという事態になっている。
なにより、シリル軍とフラガッハ軍の対立は指揮を分断していた。
今や、アドホックレルムのほうが窮地に立たされていた。
シリル:なんと言われようと!私はフラガッハ様を…止める!
GM:そして混乱し被害を受けるゴロンゾ隊。今や彼の部隊がフレジェス全軍を受け止めているといっても良かった。
ロバート:ピクニックキルの人か。コイツ強いだろうな。
GM:ゴロンゾ隊の側面から奇襲、矢の雨が浴びせられる。ゴロンゾは新手に兵を向け、突撃するがあろうことか、目前にポッカリあいた谷底に兵は転落していく。
ロバート:シグナス隊?
GM:シグナス隊はホバー艇に跨り、崖から攻撃をしていたのだ。当然足場があると思ったゴロンゾ隊は気がつかず大部分が滑落してしまった。
ロバート:ラピュタの海賊だ!
GM:フラガッハはゴロンゾの苦戦に青ざめる。「ゴロンゾ!今行くぞ。シリル、バカやろう仲間の危機だ。手を貸せ!」
シリル:「断る。あなたが退いてくれるのならば命は保障します!」
GM:「わからずや!」
シリル:「それはこっちの台詞だ!」
GM:フラガッハももう意固地になっている状態じゃない。このままではゴロンゾは全滅だ。ここは引いて立て直すしかない。恥を忍んで引上げを宣言する。「くそ!くそ!退け!」
ロバート:「シグナスさん。退かせますか?」
GM:「まさかだろ。」とシグナス。容赦は無い。
ロバート:「ですよね」容赦なら私もない。
GM:「突撃!」相手の引き際に一気に追い詰めるのは兵法の定石、シグナス隊の間髪入れずの攻撃に、フラガッハ隊も甚大な被害を受け、遅れたゴロンゾは完全に的中孤立していた。
シリル:「ええー。」
GM:どちらに戦いますか?
シリル:えーと。この場合。ええい。フラガッハ様に攻撃します。
GM:フラガッハに攻撃するのね!?
シリル:はい、道義はフレジェスにありますし。
GM:フラガッハは今度こそマズイと感じたのか今度は鬼気迫る勢いで刃を繰り出す。これは、ゴロンゾの危機だ。自分たちも退却どころではなく絶滅かもしれない。「裏切り者!何が兵を引けば見逃すだ!騙しやがって!」
シリル:「あなたに言われる筋合いはない!あなたのやっていることがイヴァン王への裏切りだ!」
GM:ゴロンゾは見渡す限り周囲はすべて敵となっている。部隊はほぼ全滅だ。今では命令がよくわからないシリルの手勢もゴロンゾの背中を刺しているという有様なのだ。
シリル:おいおい。
GM:シグナス・ロバート隊に対し<ここで連絡が入る。なんと背後から挟撃するようにレルム軍の新手が現れ、攻撃にかかっているのだ。
ロバート:背後?フレジェス側ですか?
ドラゴス:おおーう。なんだと!
GM:アドホックレルム軍。シスの暗黒卿ルックのオレグの部隊は、フレジェスの内部に潜入し、内部撹乱の準備をしていた。人通りの多い交易路フレジェスへの潜入は難しくは無かった。
ロバート:そういうこと。
ドラゴス:それ、イヴァン王は初めから戦に備えていたわけか。
GM:そういうことだね。そしてこの兵力は篭城したフレジェスの開門の為に用意されていた兵士だった。
ロバート:城を守っているのって…
GM:ラン。
ドラゴス:メチャメチャ危なかった!これは作戦通り動かれたら国を取られていた。救援間に合わなかったぁ!?
シリル:イヴァン王もやるべき時はやると言っていた…しかし、私は…。
ロバート:「シグナスさん。挟み撃ちはマズイですね。」
GM:「ああ、お前は背後の新手を倒せ。」
ロバート:「よかった。ゴロンゾさんは無理そうでしたから。了解。」
GM:確かに潜入していた連中なら体格もすぐれていないし、対した数でもないかもしれないけど。
ロバート:新手に突撃します。「我々は後方に突撃するぞ!」
GM:オレグ部隊の突入で、ゴロンゾは喜びの歓声を上げる。「おお、オレグ助かったぞ!」しかし、オレグは返答を返さず黙々と戦闘を継続する。オレグにもこの顛末は不満なのだ。バツの悪そうなゴロンゾ。
ロバート:では新手の部隊に突入。「うおおお!やぁやぁ我こそはフレジェス王国近衛騎士団長、ロバートなり!」
ドラゴス:おおお!
GM:「アドホックレルムの……オレグだ。」戦場での名乗りは武士の華。
シリル:なんかロバートが騎士らしくなってきた。
GM:そこにはローブを被ったシスの暗黒卿のようなパラディンが立っていた。
ドラゴス:方やバケツ。
ロバート:「マジで……強そう……」
GM:オレグは近づくとロバートを見下ろした。「似合ってるな。お前にはその鎧はお前にはぴったりだ。」
ロバート:「どうも。(ペコ)……(激昂!)チネー!」
爆笑!
ドラゴス:小さ!(笑)
1ターン目
行動値10 オレグ
行動値4 ロバート
GM:ヘクスは縦列で接敵している状態から開始するね。右翼は切り立った崖、左翼はまっさかさまの奈落渓谷という感じ。
ロバート:関係ないけどね。
GM:行動値10。オレグの攻撃。(コロコロ)24で剣が振り下ろされる。
ロバート:「なんだその府抜けた攻撃は!」(コロコロ)回避8。はい。失敗。ガード。
爆笑!
GM:ダメージは124点。武器属性。
ロバート:超強ぇ!え、え、強くね?とバケツの中身がくるりと一回転して。
ドラゴス:すさまじい一撃。一人散る?
ロバート:<光壁の印>を使い、辛うじて生還。57点通りました。
GM:では君。
ロバート:イニシアチブに回復!(コロコロ)25点。回復!(コロコロ)50点回復。トントントン。
シリル:へこんだバケツが戻った。
ロバート:こう叩いて直している。
ドラゴス:問題は中身じゃないのか?
爆笑!
GM:中身ぐちゃぐちゃっぽい(爆笑)
ロバート:次はこちらの番だ!「チネー!」命中(コロコロ)24.
GM:攻撃は回避しない。<反動の印>捨て身の反撃。
ロバート:(コロコロ)ダメージは82点。衝撃。
攻撃は直撃、多少よろめくがここでカチンコの反撃。(コロコロ)命中24。
ロバート:無駄ぁ!(コロコロ)回避は4。失敗。
ドラゴス:無駄ぁ!(爆笑)
ロバート:ガード。(ボソッ)
GM:(コロコロ)ダメージは124点。やはり武器属性。
ロバート:ゴボー!強く…ねぇ?67点通った。回復…回復…うっうっ…
ドラゴス:ヤバイ。このままでは一人死ぬ。早く援軍をつれてこないと、ここで一人消える。
GM:一方その頃、バルチモアの領土に夜通し馬をかけてようやく隣接領土に入ったドラゴスである。碌な護衛も整えられぬままの強行軍である。こんな時間だ。中々に開門されない。
ドラゴス:「アンドレアル伯爵に取次ぎを!」
GM:「今何時だと思っている。うせろ!」と暗がりで顔が見えず王子だと気がつかない城兵は、ドラゴスを邪険に扱う。
ドラゴス:「くそ!えーと!メイジ!エンカウントアナザーワールド=サンに取次ぎを!」
GM:「なんだとぉ?」とろくな応対をしない兵士。その騒ぎを聞きつけ、メイジ・エンカウントアナザーワルドが現れる。「なんだ!騒々しい!」「それが…」
ドラゴス:「私です。フレジェスのダニエルです!」
GM:「うっ!直ちに開門しろ」と指示を出すメイジ。ドニエルのこの様子、夜分に来た事情。これはただ事ではない。門を開くなり、駆け、寄りよろめくドラゴスを抱える。「如何にした!」
ドラゴス:「フレジェスにアドホックレルムが攻めてきました。このままではフレジェスが陥落してしまいます。」
GM:「何!」とそこへ集まってくる兵士達。その中にはコブスンと仮面の騎士ボールスの姿もある。
ドラゴス:アイツらか…。
GM:ボールスはニヤリと笑い、ドラゴスを指差す。「そやつを捕らえろ。」
ドラゴス:「何!それはどういう意味だ!」
GM:「フレジェスの王子はここにはこなかった。途中で死んだとすればもはやフレジェス併合の障害はなくなる!」
ドラゴス:「ちょっ!ええ!…この期に及んでフレジェスの存亡がかかっているんですよ!」
GM:そして兵士達に目配せする。「お前たちはコイツには会っていない。いいな。」「はい。勿論です。我々はダニエルになど会っていません。」
ドラゴス:……なんとなくわかった。コイツがフレジェス併合の黒幕だ。何者なのか…まだなんとなくピンとは来ないが、コイツが首謀者だとハッキリわかった。
GM:兵士が取り囲もうとした時、「イヤー!」と叫びメイジがインタラプト。ドラゴスの前に立ちはだかる。「ボールス!貴様は我が主君ならず!その命に従う義務は無い!」
ドラゴス:アナザー=サン(じーん)
GM:「誰もあっていない…私は会っているわ!」と張りのある澄んだ声をことさらに尖らせて、階段の上をルイーズが降りてくる。正装に着替えていたようだ。
ドラゴス:「ルイーズ様。」
GM:ボールス以外が平伏する。
ドラゴス:「ルイーズ様!フレジェスは今、風善の灯火です。援軍が泣ければ陥落は間違いありません。ただちに援軍を派遣してください。」
GM:ルイーズは右手を挙げ言葉を吐く。「ウラヌス国王の臣下として、我がアンドレアルは義務を果たす。友邦フレジェスを守り、支援するのはバルチモアの大義である。援軍を送るわ。」
ドラゴス:「ありがとう…ありがとうございます。」頷く。
GM:メイジが頷き、アンドレアル伯爵の精鋭を借り受ける。
ドラゴス:「なんていったらいいか…」
GM:ドラゴスの両手を両手で握り、ルイーズは言う。「感謝の言葉は不要。アンドレアルの名は正義の元にある。私は家名を守るだけ。行きなさい。あなたを待っている人がいるのでしょう。」
ドラゴス:一礼。分かれます。
GM:「メイジ。彼の指揮下に。」「御意。」
ドラゴスはアンドレアル軍とともに領内に帰還した。
激しい雷雨が降り注ぎ視界は悪かった。遠くで見える戦の火は、まだ町には遠く、フレジェス陥落をしのいでいるようだった。
ドラゴス:ふー。間に合った。ロバートの部隊の旗色が悪いな。
GM:メイジが馬を脇に並べる。「アドホックレルム。討っても構わんな。」
ドラゴス:「できればアドホックルムの兵の引上げを優先してもらいたい。」
GM:「なんだと!」メイジは耳を疑った。「フレジェスはここまでされてアドホックレルムを討たぬというのか?」
ドラゴス:「そうは言っていません。ですがこのフレジェスには事情があるんです。三国に挟まれたバランス関係は、フレジェスの安定の為に必要なものなのです。」
GM:「武士なら決して口にせぬ言葉よ…ぐぬぅ」とメイジは困惑を隠せない。しかし、今はドラゴスの貴下なのだ。
ドラゴス:「申し訳ない…ですが、どうか…」
GM:「このクズのイディオットが!貴様の代りに我々に血を流せというのか!」
ドラゴス:「それは……」でも退けない。
GM:「ええい!忘れるな!この血を無駄にするなよ!」と怒鳴りながら、メイジは戦場に馬を飛ばした。部下に命じる「いくぞ!バルチモアの正義の御旗を立てよ!」
GM:では軍略判定。ここでの現状を理解してもらう。目標は14
ドラゴス:<聖地の印><地の利の印><不可侵の印>をあらかじめ使ってから判定します。(コロコロ)16.
GM:ふむふむ。現状は理解できた。ではまず状況の説明だ。しかし、遠路から見て、ようやく気がついた。アドホックレルム軍の乱れが整い、動きがよくなっていく。増援が来たのだ。
ドラゴス:ヤバイ…。マズイです。
GM:増援だと……。
ドラゴス:イヴァン王だ……。
GM:満身創痍のゴロンゾと全身傷だらけのオレグが、シリルとフラガッハに声をかける。「二人とも武器を下ろせ!」「おやめください!イヴァン王も戦地に到着されました。」
シリル:「戦をやめさせるために、フラガッハ様にはどうしても退いてもらいます。」
GM:オレグは必死に食い下がる!「馬鹿な!バルチモアの増援も来ているのです!イヴァン王とて部隊を減らしての急場参戦です。事態は決して楽観できない。すぐに合流すべきです!」
シリル:「この戦を王が望んだはずは無い!」
GM:「参戦していれば即ち王意です!」
シリル:どうしようか…でもここでアドホックレルム側についたら、フレジェスは滅んじゃうからな。やはりフラガッハを止めよう。
GM:オレグとゴロンゾは天を仰いだ。
「はぁ、ここが死に場所か…」と落胆するゴロンゾ。
オレグがその襟を掴む。
「私はイヴァン王に指示を仰ぎます。」「お、おう。」
「ゴロンゾ様はそれまでこの場を持ちこたえてください。私の部隊を残します。」「お、おう!」
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