Ending phase 

          

【士朗〜夏樹〜】

あれ以来人生が変わった。
変わらないほうが無理というヤツだ。


士朗:(ナレーションを引き継ぐように)『変わったことに後悔はしてねぇ。むしろ感謝してる』


夏樹さんは、うつむき加減についてくる。
どうにも遅れがちで、時々話が上手く噛み合わない。


GM: 自分は人狼化の後遺症残ってるからね。時々夏樹さんが物凄く怪我をしている時がある。

士朗:ああ、暴れてたんだ。抑えきれないのか。

GM: そういう時にお互いの会話がうまくいかなかったりするんだね。

士朗:ああ〜自分でもわかってきちゃったからね。


手には晩御飯の袋も持っている。大好きなものを作ってあげようという気持ちすらすれ違う。


士朗:やべ。DVじゃないすかコレ。


交差点。信号が代わりスクランブルが人ごみで満たされる。
人ごみの中に、あの人影を見る。
父・大神帯刀の。
一瞬の静止、士朗の背にぶつかる夏樹。
買い物袋がこぼれる。


士朗:「父さん?」


帯刀と視線が合う。
その瞬間、一瞬全ての人々の視線から二人が逸れる。


GM: 最後の戦闘だ。大神帯刀はこの一撃で君を奪っていく。そして最後のロイスを断ち切り。

士朗:ちょっと待って!? え?《ワーディング》したの?

GM: 《ワーディング》だね多分。


一瞬の刹那、全ての人の視界から二人が消える。


士朗:ぶつかって……荷物が落ちて……?

GM: 荷物が空中を待っている時。

士朗:あ、ドンとぶつかったら気が付いたら士朗と帯刀だけなんだ。やべぇ! それ一瞬だよ!

GM: そして帯刀が抜刀。一閃!

士朗:じゃあこっちも、そうだ!夏樹さんの刀を抜く!





GM: 勝負だ!(コロコロ)命中値は27だ!一合当てたらロイスが切れる。簡単に言うと夏樹さんのロイスを失った時バッドエンドになる。

士朗:うぅ〜わ!

GM: この一撃を受けた場合、必ず夏樹さんのロイスを切ってもらう。

士朗:うぅ〜おぅキッチ〜!

GM: 《カウンター》として処理するからね。高いほうが当たる。それだけだ。

士朗:うお〜!? 了解! じゃあ人狼化はOKなんだね?

GM: 人狼化はOKだよ?でも、まあ多分見えないけどね誰にも。一瞬で終わってるんです。

士朗:じゃあ、一瞬でぶわぁーん!人狼化って言うより、ここの赤い線だけがサァーって来て、目だけが金色になって! まあ言ってしまえば半狼状態。

GM: そうだね。これがカガリの状態だ。みたいな。

士朗:そう。カガリの状態。「この刹那! 真の栄月!」

GM: 一撃を刀に込め、そして引き抜く。

士朗:(コロコロ)あ? 30? 33だ。

GM: 33。それはね、……勝つんですよ。


一撃が通った!
そしてその瞬間、帯刀の大切なロイス『大神士朗』を帯刀は切り。


士朗:うぅおおおお〜!

GM: 二人は別れる。一瞬の攻防。誰の目にも留まることはなく、刃は鞘に戻る。

士朗:うわぁ〜!

GM: そして、帯刀は最後に、崩れ落ちる荷物に手を沿え、夏樹はそのこぼれた中身を落とす事もなく、何ごともなかったようにすれ違う。

士朗:ああ、じゃあこっちも刀収まってるんだね、その時点で。


GM: そう。そして夏樹。


荷物落とさなくてよかったと思って目線を戻し
一瞬だけハッと帯刀とすれ違ったのに気付き


士朗:「……夏樹さん……もういいんだ」

GM: 「あの人……」……

士朗:「ああ、いたよ。親父が。そして……親父と話は付いたんだ。瞬くような刹那だったけど、親父は確かに言った。『おまえの道を行け』ってね」


GM: 夏樹はもう振り返ることはない。君のほうに向かって、君に歩いてきてそして『一緒に生きることができる』というエンディングに入るんだね。

士朗:ああふ!(嬉しそうだ)

GM: 二人は歩いていき、そして振り返ることはなかった。もしかしたら彼と二度と会うことはないのかも知れないが。

士朗:「それでも……いいさ」


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