Middle phase

           

【車椅子のバーディ】

サクノ:そして買い物に行った夏樹さんは帰ってこなかった。

士朗:やめてっ!

GM: ロイス取ってるもんね夏樹には。

士朗:そういうことなのね!?


GM: 「よ〜ぅ!」という風に声を掛けてくるのが愛。愛は家の玄関先で待っていて、車椅子は雨に濡れてる。

士朗:「伊丹……待っていたのか、ずっと」

GM: 「おかえりバーディー」手には鞄と紙袋を持っている。

士朗:じゃあその彼女の気さくさを見て「ふっ」っと憑き物が落ちたように笑う。「なんだおまえ……変わんねぇな」


GM: でもね、少し変わることがあるんだ。君、一瞬でなにかがわかる。まず、紙袋の中には弁当が入っている。そして彼女はそれを作るために手を切った。血の匂いがする。

士朗:あらぁ。「あ、なんだおまえ怪我してんのか?」

GM: 「あぁ?」と言いながら手を後ろに隠し「早く開けろよ」

士朗:「うん。その前におまえの怪我見せろよ」

GM: 「大したもんじゃないよ」

士朗:「バカ。いいから見せろって」

GM: 「……もういいや」と言って手を出すね。

士朗:「包丁傷じゃないか」

GM: 「う〜んと……飯がまずくなるよ。早く中に入ろうよ」

士朗:「やっぱり弁当作ったのか。おまえは不器用なんだからこういうことはさぁ」

GM: 彼女の方。「もういいや。恥ずかしいや。何も食べる気しないかと思って作ってやったんだよ!無理して食わなくてもいいぞ。私が明日、食べる」


士朗:「いや、待てよ。それ、貰うからさ。その、とりあえず入れよ」と言って自分家の扉をガチャリ。


GM: とりあえず食い物を用意してくれてるんだね。「もし、何も考えたくないなら私は帰る。風呂入って寝ろ」

士朗:「えぇ?」

GM: 「……もしも何か思う事があるなら調べてきた事を教えてあげる」

士朗:弁当をぱくついていた手を止める。「……教えてくれ。俺は知らなくちゃいけない。京極や向田みたいな人達をこれ以上出さないためにも」

GM: 彼女が調べてきたものを教えてくれるんだね。「私が耳にしてるのは、今回の事件は猟奇殺人犯の残虐な犯行で、人が引き裂かれて死んだみたいだと聞いてる。でね、一ヶ月くらい前かな、テレビでやってたニュース覚えてる?『貯水槽で死体発見』」

士朗:「貯水槽で死体発見?」

GM: オープニングだね。

士朗:「それとどう関係があるんだよ?」

GM: 「あんたの周りではよく事故が起こったじゃない。事故のたびに人が死ぬ。で、行方不明になったりもする。なんと、その沢山の死体の中からあなたの事故で行方不明になった人が出てきたの。かなりの数」


士朗:「え、ちょっと待て!それっておかしくないか?だって、飛行機事故にしろ、トンネルの事故にしろ、その場で死んだ人の死体が、なんで貯水槽から出て来るんだよ?」

GM: 「なんでもね、京極君から聞いた話によると……」

士朗:「あぁ?」

GM: 「正確には京極君のお父さんなんだけどね。警察に行ったら、もう京極君がいなかったんで、お父さんに話をしたら教えてくれたの。話によるとそんな中でもすごく特別な、普通の死に方じゃない引き裂かれたみたいな死体がそこにあるみたいなの」

サクノ:お〜。

GM: 「一般的な死体は発見された奴。普通じゃない奴はあそこにあったみたいなの」

士朗:「そうか。……それはきっと城島切夫の仕業だ。あいつは……」あ〜これ、伊丹に言うべきかな? 人狼であること。伏せるべきだな。

GM: 伊丹、なんかわからないという顔をしてる。

士朗:「……そいつはきっと……城島の仕業だ」ってブツブツ。


GM: 「城島切夫。長身の赤毛の男。確かにね、下水管に向かう彼の姿が目撃されてるわ。私は直接会ってないんだけど、ちゃんと日付までわかっているのよ。いつ、出入りしてるかって」

士朗:「ちょ……ちょっと待て!おまえ……城島を追っているのか?」

GM: 「もちろん。見つけて、やっつけるわ」

士朗:「おい、ちょっ……!!」

GM: 「あいつは満月の晩に殺人を繰り返しているみたい」

士朗:「満月の晩……?」

GM: 「あんたの事故は、必ず満月の晩に起きていたわ」

士朗:「そうだ……言われてみれば……」


GM: 「あんたさぁ。何にも言わないけど、きっとあんたに関わることで、身に覚えがあるんでしょ? なんとかするから……心配しないでね」

士朗:「……待てよ」

GM: って言われると彼女もちょっと睨む。「これからはワンマンプレイしないわ。ちゃんと、チーム組んでくれるんだよね?」

士朗:そこまで言って……う〜ん。「わかっ……当たり前だ。俺はもう他人事だとか逃げたりしている場合じゃなくなっちまった」

GM: その話を聞き、彼女も嬉しそうになって「じゃあ、まず調べ物だけしてくる。危ない時はまず連絡するから」

士朗:「あ、おまえもこれからは俺からの電話には必ず出ろよ? 留守電に吹き込むのは結構照れ臭ぇんだ」

GM: 「おまえ、変なことしか入れないからな」

一同:(笑)

士朗:「変なことってなんだよ!?」

GM: 「あの電話を聞いて私が……ああ、もういいわ!」「……いいや」と言い直した後に彼女は出て行くね。

士朗:「ったく……」じゃあ、出て行って、扉がバタンと閉まった時に、聞こえないように一言こう言おう。「わりぃ……伊丹」

GM: そして君がそれを言い終わった後のことである。

士朗:あ、その前に伊丹を『疎外感』から『友情』に切り替えます。

GM: そうだね。


愛が帰ると部屋は静かになった。今まで生活していた部屋なのにをまるで違う違和感を感じる。
(多分自分が変わってしまったんだろう。)


GM: そんな時、携帯電話が鳴るんだ。ピリリリリリリリ。でも、着信の先は京極からなんだね。

カナタ:え?

士朗:「京極っ!? どういうことだ? 親父さん? 違うな」そこまで来て、ピキーンと一人の男の顔が頭に浮かぶんだ。赤毛の狂犬のような男の顔が!


士朗:「……もしもし」

GM: 「ハローハロー! なんだ、しょげかえってんのかぁ?いいじゃねぇか羊の一匹二匹よう〜」

士朗:「城島ぁ!」

GM: 「楽しくやろうぜ。同じ人狼同士よう〜」

士朗:「てめぇ……! 楽しいだと!? 俺はてめぇとは違う!」

GM: 「あのさぁ。もし寝起きが悪いなら。後2〜3人、やってみるか? えぇと〜例えばお前の知り合いって言うと、伊丹ちゃんと、あと……夏樹さんか?」

士朗:「てめぇ!」

GM: 「そいつを挽き肉にして、コンビニのビニール袋に入れて持ってくからさぁ。お前は焼き肉の支度しといてくれや」


士朗:「ざけんなてめぇ!そこにいろ! 今すぐぶちのめしてやる!!」

GM: 「お、勘がいいねぇ。車椅子の彼女は後ろをキョロキョロ見てますよ? 可愛いね〜キコキコ漕いじゃってさ〜」

士朗:携帯電話を持ちながら外に飛び出します!

GM: 「頑張ったって逃げらんねぇっての。今から実況中継しちゃうよ〜」

士朗:ここは必殺《芳しき鮮血》を使うぜ。

GM: ああ、いいよ。

士朗:さっきの伊丹の匂いを思い出せ……!

サクノ:クンクンクンクン。


GM: ちなみにね、こっからは皆さん危ういと思ったら登場しちゃってあげてください。

士朗:マジすか?

GM: 城島との戦いになります。

士朗:おお〜。

GM: 果たして一人で勝てるのかな?

カナタ:毎ターン100ポイント回復するんだよね?

GM: そう。だから火力で押し切った時に、誰かが援護してやれたほうがいいかも知れない。

サクノ:ああ。

GM: 問題は、武器購入判定に失敗している人。

一同:(笑)

士朗:スタンガンならありますが!

カナタ:スタンガン二刀流か!?

士朗:京極の形見だもん!

サクノ:う〜ん。

GM: まあ、参加しなくてもいい。

カナタ:難しいところだな。

サクノ:難しいところだ。

GM: そうだよ。そもそも、これ、参加しないようには作っているから。


次へ

リプレイへ

トップページ

Copyright(C)ゴスペラードTRPG研究班 (c) 2018.