【〜人狼対峙〜】

GM: そして夜。その日の夜。満月の晩である。


泥のように眠り、頭が痛く吐き気がする。胃がムカムカし吐き戻す手前だ。
嫌な夢を見た。血みどろの学友。ぐちゃぐちゃの血溜まりの中に立つ男。赤毛の長身の男。ニタニタと笑って何かをかじっている。うっすらと目を明けると、夢の中の光景が広がっていた。


カナタ:うぉい。
サクノ:うわ。
士朗:「……っなんだ?」


薄暗いはずの室内は、まるで満月の灯りが全てを照らすようにこうこうとし、血溜まりには赤い月が浮かぶ。


士朗:「……ちょっと待て。ここは……どこだ?」


肉片やら内臓やらが巻き散り、嫌な匂いが立ち込める。恐怖の匂いだ。


士朗:「……そうだ。向田の別荘だ。俺は京極や向田と一緒に…………これは……? ……なんだ!?」


「だずげで……」嗚咽が響く。


士朗:ダッシュ! そこに走ります。

GM: なにかにつまづく。


足元に血溜まりは京極だった。もげた首が恨めしく睨み、苦悶の表情を浮かべている。臓器が長く床に広がる。


士朗:「京極っ!?」

GM: ロイス持ってないよな。

士朗:は! ……持っていない。

GM: じゃあダメでした。

カナタ:うへ〜。

士朗:……そういうことか。


雫が男に組伏せられている。
バキバキと音を立てて、雫の掌が握り潰される。


士朗:「……くっそ〜。向田から離れろ!」

GM: 声をかけると振り向く。赤毛の男だ。「よう兄弟。どうして女の悲鳴ってのは俺等を興奮させるんだろうなぁ? お前とは長い付き合いだったんだが、今をもってようやく初めまして≠ェ言えるぜ。」

士朗:「く……くそう」ここでロイス取るのってオッケー?

GM: 雫ちゃんに? 取りたい?

士朗:そりゃあ……。

GM: (笑)じゃあ続けようか。

士朗:京極が……。

GM: 彼は頑張った。でも、スタンガンじゃね。

士朗:ぐぐぐ。ロイスを用心し過ぎちゃったかな……。

GM: 「今さら何言ってんだよ。旅客機でも、客船でも、顔見知りじゃねぇか?それともお前?本当に自分が運のいい奴だなんて思っていたのか?」


士朗:「……てめぇ、城……島!!」

GM: 「本当にいつも変わらねぇよな。お前はいつも俺の足元でオネンネ。俺はお前の寝顔をみながら晩餐だ。」

士朗:「この野郎!」城島に殴りかかりに行きましょう。とりあえず向田から離れさせようと。

GM: そうだね。〈意志〉判定をしてください。

士朗:来ましたね〜!

GM: はい。

士朗:は〜は〜ぜ〜は〜! ふんっ!(コロコロ)よしっ! いったぞ!8が出てる!

GM: この〈意志〉判定は始めがなんとね、15なんです。

カナタ:うっ! そうか……始めとかあるのか。

士朗:マジですか!? 13だ。届かず。

GM: 次判定する時は14になるんだけど。


悲鳴を上げる雫の指を引き抜いては、ガリガリとかじり出す。まるで獣の牙だ。


GM: その男は黒い獣のようになっていくんだね。

士朗:「う……うわぁ!?」


雫は足も折れ、右手首を失いペタペタと床を這いずって逃げようとする。
ジョージは雫を軽々放り投げると、パスでもするかのように士朗へ渡し、そのまま上から二人を踏みつけて抑えつける。
「どうだ? お前も食ってみないか? いけるぜ?」


士朗:「この……クソ野郎が!」


GM: 「お前にもわかるだろ。恋する乙女っていい匂いがするんだわ。フェロモンの関係かなぁ?」と目の前で雫の指を舐めてはかじり始める。「無くなっちまうぞ?」では、〈意志〉判定を。

士朗:くっそ〜。あ、ここで〈意志〉判定?

GM: 成功するまでできるんだけど、ちなみに失敗した時の……ドンドン無くなっちゃうよ?

士朗:うわぁ〜。凄い。これは確かにバイオレンスだ。今度はいくつで?

GM: 14。

士朗:……。(コロコロ)……雫ごめん!

GM: 2回目をしくじった。これで君は思うわけだ。なんだろう? 喉の奥からなにか渇望。『喰いちぎってやりたい』という感じなんだね。でもそれは自分の狼男の本能で……つまり、しくじることによって次のターゲットを雫に決定します。

士朗:お〜ぉ!?

GM: 次しくじったら雫を喰らいに行きますね。

士朗:げげげげげげ。なんてこった。

カナタ:……これは死ねる。

GM: これからは『変身する』と宣言してもいいです。

士朗:……ああ。

GM: 宣言した時に〈意志〉判定をし、成功すれば戦えます。失敗すれば雫を襲います。

士朗:でもこのままじゃな。

GM: で〈意志〉判定で先に本能を抑えようとしてもいいです。その場合、どんどん雫はバラバラになるけど、目標値は落ちていきます。一回でも成功すれば、判定なしで変身できます。

士朗:すっごい厳しい二択だねぇ。今までの中で一番厳しいよ。

GM: 厳しいねぇ。

士朗:……わかった。

GM: はい。


士朗:ここで〈意志〉判定にすると、自分は助かっても雫は痛めつけられるんだね。

GM: そうだね。

士朗:で、変身して失敗すると俺は雫を殺しちゃう?

GM: 殺しちゃうね。喰い殺しちゃう。

士朗:成功すれば……。

GM: 戦える。

士朗:次の達成値は?

GM: 13。

士朗:13!? 8以上は厳しい話だよ!

GM: 成功するとは言えない。雫は死んでしまうかも知れない。ちなみにこの時、雫のロイスがあると、雫はちょっと頑張る。

士朗:……ここでロイスを取るのはずるくない?

GM: ずるいですよ? ちなみに城島はすぐには殺さない。彼の手口はいつもバラッバラにして喰っている、だからね。

士朗:……。

GM: さあ……。ここで変身するのは結構キツイわな。変身するならもうちょっと。でも、まあ、それはヤバイよな?

士朗:ロイス切っか……。

GM: ロイスは切れる。

カナタ:……しかし、その人が助からなくなる可能性はある。

GM: そうだよ。その人は助からないかも知れない。

士朗:じじい取っちまたよ。……今ここでじじいを切ったら。

GM: でも、なんとなくわかるかも知れないな。なぜ宗一郎さんが自分に備えさせていたか。なんでこんなに自分を過度に鍛えたか。

士朗:そういうことだったのか。「……今だったらじいさんの言ってたことがわかる。そうか……じいさんこれを見越して」……ここで変身だ!

GM: 8以上!

士朗:うおお!(コロコロ)

GM: 7! 1足りないね!

士朗:じゃあここで! しょうがない! じいさん! ごめん! じいさんのロイスを切ってタイタス化、昇華して達成値を1Dあげる!


GM: とロイスを切った瞬間に……この時初めて覚醒するんだね。今から「覚醒」を決めます。この場合はどんなのがいいかな? ……これか! 「眼前で君の心の拠り所となるものが虐げられ弄ばれていた。それは抗う術を持たず、ただ蹂躙されるままだった。守る力が欲しい」

士朗:あ! それですね。

GM: 『犠牲』だな。「衝動」は……振りましょうか折角だから。
v 士朗:(コロコロ)7が出た。

GM: 『闘争』

士朗:じゃあ、それいただきますか。これはちょっと違うよね。

GM: 本能だから。

士朗:初期侵食値は32!


GM: これにはジョージもびびるんだね。「おまえオレに対して……なにしてやがる! 同族じゃねえか!?」

士朗:「ざけんなぁ!」覚醒した瞬間、雫から城島を引き離すんだ。「なんだ!? 力が急に?」

GM: 戦っていき、組み合っていき、そして自分の変貌にようやく気付く。

士朗:がぁぁぁぁ!「……爪がっ?」

GM: 城島も人狼と呼ぶにふさわしい黒い獣になっているのだが……しかし、城島よりも遥かに君のほうが力が強いことを感じる。彼よりも君の方が強い……存在なのだ。

士朗:あ、そうなんだ。それなら一気に圧倒したいけど……戦闘だよね(笑)。

GM: この場合止めちゃってもいいんだね。彼も倒すつもりはなく、殺意に押されてる。

士朗:じゃあ片手ぐらいもいでやるわ。向田を持ってた手をバキバキバキベッキーン!

GM: バキバキバキを裂いて砕け散ったとき、城島は「がぁぁぁぁ!」と叫び……。

士朗:……恨みを買ってしまった。

GM: 驚くべきことがあるんだね。城島はクリンナッププロセスに《高速再生》を使って100点回復しちゃう。


一同:100!?


GM: 1ターンで殺さなければ必ず傷が癒えてしまうという。

士朗:超強いじゃないですか。

カナタ:なんですかコイツ!?

GM: 火力系で戦え。彼は引き裂かれながら退がり、傷口は瞬く間に消える。自分でもわかるよ。この力が自分にもあったんだ。

士朗:え?

GM: 手の怪我が一瞬で治ったり。

士朗:ああ!

GM: こいつも同じように手を裂かれても血がもう止まった。

士朗:「狼? あいつ……狼だ!!」

GM: 彼は引き下がりながら「この借りは忘れないぜ」そして窓をぶち破って去っていくのだが、この時表に出て始めてわかるんだね。この辺りにいる周りの人間、誰も生きてないと。

士朗:「待て!! ……なんだこれ?」

GM: というわけで、気を失う雫ちゃんと、そして君のシーンだね。


〜この日、コテージ近辺の泊まり客30人が亡くなった。強い力で引き裂かれた猟奇殺人事件。生存者は士朗と雫だけだった〜


士朗:逮捕されるんじゃないすか? 俺。

GM: いや、これは人間にできる仕業じゃないんでね。

士朗:ああ、なるほど。雫どうなるんだろう?


GM: 心がもう……よくわかってないみたい。あの時のことも、よく覚えてないかも知れない。もし思い出したら、そのほうがかわいそうだけど。

士朗:う〜ん。


GM: 多分京極君が殺されるところは見てるだろうし。

士朗:う〜ん。やっちまったぁ……。ダークにしか行かねぇ。


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