Middle phase

           

【士朗〜人狼〜】

GM: というわけで士朗ですね。愛とはちょっと気まずい空気でギクシャクしているけど、学校生活はいよいよ楽しい休みへと突入していくわけだ。

士朗:うわ〜! こんなシーンでこっちに振られるとは!

GM: というわけで雫ちゃんに言われるんだね。「夏場なので、実は私、お父さんがリゾートを買収して」

一同:買収!?

GM: 「ペンションを貰ったの。だからその、お泊りに行かないかしらと」と言って声かけてくれる。

士朗:「……ああ〜」

サクノ:ずいぶんリッチな友人だな。

GM: 「いい話だな」と京極君が口を挟む。

士朗:一抹の不安を覚えながら。

GM: 「大丈夫、心配ない。私がちゃんとコ○ドームを用意していくよ」

士朗:(笑)

GM: 「君は何も用意しなくていい」

士朗:「いや……その……」

GM: 「私に任せておけ」

士朗:「いや、おまえには色々任せられないんだ。いいから大人しくしていてくれ。というかできれば……」

GM: 「『来ないでほしい』そういう風に言いたいんだね」

士朗:「いやぁ……そういうわけじゃないが。そのぅ、別におまえを省こうってわけじゃないんだ。ただ、なんていうかその、な。学生の本分は勉強っつうか、ほら、おまえは俺と違って優秀な学生だろ?」

GM: 「君は……不良か? じゃあ、君と同じ、人間のクズさ」

一同:(笑)

士朗:……渋いなぁ。


GM: そんな話をした後に……。

士朗:「おい、いいのか向田」

GM: 雫ちゃんは「京極君を誘わないと、あることないこと学校中に言いふらすと脅されました」

士朗:(苦笑)「……あいつは。まあ、じゃあ仕方ねぇな。他に誰が行くんだ?」

GM: 「一応、二人で。伊丹ちゃんは誘わないことにしました」

士朗:「へぇ、珍しいじゃないか。おまえと伊丹、仲いいのに」

GM: 「……骨折するから」

サクノ:骨折する!?

士朗:「……ああ〜それは確かにな」

GM: 「あの場所で骨折されると、ホントに事なんです」

士朗:「そんな場所なのかい?」

GM: 「一応、山のほうなんです。ペンションって言ってもね、赤字経営が続いていてあんまりいい場所じゃないんです。避暑地っていうからには海に行きたかったんですけど残念ですが山」

士朗:「へぇ〜」

GM: 「でも、この際いいかなって思ったんですけど」「この際いいな」と京極くんも言うわけだ。

士朗:(笑)


GM: 「大切なのは夜の時間を共有できるという事だけだ」

士朗:「ちなみに俺が断ったら……」

GM: 「君は一生後悔するだろう」

一同:(笑)

サクノ:いったいなにが起こるんだろう。

士朗:「おまえ、なにたくらんでるんだよ」

GM: 「君が知りたいことを私は知っているよ」

士朗:「それって……」

GM: 「城島君の事とかね」

士朗:「え」

GM: クイッ。

士朗:「おまえ」

GM: 「話を聞きたかったら、私と一夜を共にするしかない」

カナタ:ハード過ぎる!?

GM: 「支払えないコストではないと思うのだがね」

士朗:「仕方がないな、京極」

GM: 「『仕方がないな、京極』もう一回言ってくれ」

士朗:「何度だって言ってやる。仕方がないな、京極。城島の情報を諦めよう」

一同:爆笑!

GM: 「ああああ〜!」

士朗:「じゃ、そういうことで」

GM: 「待ってくれ! 待ってくれぇ!君と私の仲じゃないか! 雫ちゃんがどうしても君と一緒に行きたいって言うんだよ!」

士朗:「離せ! もう話は終ってるんだ!」

GM: 「雫ちゃん、それでいいのか!」雫ちゃんも「あ〜なんでこんなこと言うの〜?」と京極君にしがみついたりするわけだね。

士朗:なんだこの? なんか『金のがちょう』みたいになってるよ!? 「ったく、わかったよ! せっかくの向田の話だ。俺も一緒に行くさ」

GM: 「じゃあ……」

士朗:「でもな、一つ条件がある」

GM: 「なんだ?」

士朗:「無条件で城島の情報をオープンしろ」

GM: 「ふっ、なにを言ってるんだ。本当に君の事を愛している男である私が、そんな汚い方法を使って一線を越えると思うかね?」

士朗:(苦笑)「越えようとしてたじゃねぇか」

GM: 「ちょっとしたお茶目だよ。お茶目。君の怯える顔が見たかった」

士朗:「俺が怯えるってわかってて言ったんだ」

GM: 「怯えてくれたね」

一同:(笑)

士朗:「つまり、俺が嫌がっているという自覚はあるって事だな」

GM: 「その話はまた今度にしよう。二人には乗り越えなければならない壁が沢山ある」

士朗:「大きいだろ。そしてそれは決して乗り越えられない」


GM: そんな話をしながら3人は電車か何かに揺られ「楽しいね〜」とか言ってトランプとかしてる。

士朗:なに、真ん中に挟まってる状態!? きっついな〜(笑)。あ、じゃあちょっと行く前には伊丹に声掛けてくるよ。

GM: 伊丹の方はね。

士朗:あ、伊丹は電話しても出てくんないんですよ。あの件があるから。「伊丹? あ〜この間は その……悪かった。 言い過ぎたよ」これ全部留守電です。

GM: 留守電だね。

士朗:「ちょっと夏休み、向田と京極とさ、向田のペンションに行くって話になったんだ。少しこっち空けっから。あ、ほら……そのぅ、おまえ大怪我してるだろ?」みたいな言い訳がましいのもちょっと入れとこう!

GM: 怒るな♪楽しみだ。怒らせてるトコが、また無神経でかっこいい。

士朗:余計に気ぃ使ってるのか……。

GM: こういう気の使い方はむかつくよね。

士朗:「いいみやげ、持ってくるからな」

GM: 最悪! 京極君といい思い出を作ってくるんだ。

士朗:最悪だ! どうしよう。さっきからレサ夫さん、俺に厳しい二択ばっかりぶつけてくる。

GM: いやぁ! ぶつけてないよぉ!? ギャルゲーなら普通。

サクノ:ギャルゲーっぽいね。


士朗:「とりあえず、なにが言いたいかっていうと……俺もその、気持ちの整理を付けたいっていうか」


GM: そこでトランプを楽しむ雫ちゃん。「ほら♪ 士朗君の番ですよ」と声が入る。気持ちの整理を付けたいで女の子と一緒に旅行に行ってしまう!?いいよ?

士朗:そっか、どうしようっかな?

GM: そうだね。しどろもどろになっている内に30秒経過してツーツー。

士朗:「あっ!」

GM: もう一回かけるのは余りにも。

士朗:「う〜ん」


GM: というわけで、ペンション来るんだけど。

士朗:「あ〜来ちまった」

リゾートと行っても、そこは大きなコテージが立ち並ぶ場所で、家族連れやら泊まり客が結構来ている。
それぞれのコテージには水道や灯りだけでなく、風呂やベッドまで完備されており、部屋も何部屋かあるため、ちょっとしたペンション気分が味わえる。


GM: 京極くんは……。

士朗:「なんだよ士朗、浮かない顔して」そんな感じだよね?

GM: そうだね。

士朗:「あ〜」

GM: でも、彼の方はちょっとわかってるんだろうね。「周りにあの男がいて、不安がってるんだろ?」

士朗:「城島のことか?」

GM: 「ああ、連続猟奇殺人犯だ。私の親父が追ってた」

士朗:「その話、おまえ伊丹にしたよな」

GM: 「伊丹が調べてたからな。危ないと思ってな」

士朗:「危ないと思ったなら何故伝えた!?あいつがそういう事を聞いたら弾丸みたいに飛んでっちまうのわかってんだろうが!」


GM: 「あいつは……な。ほっといても自分でもたどり着く。そういう奴だろ。それに、こう言っちゃ悪いが、おまえの幸せを守りたいと思っているのは別に彼女だけじゃない。俺もだ。俺に仮に『やるな』と言っても、俺は俺でやるだろう」

士朗:「……いやぁ、そうじゃなくて、ヤバイだろそんな奴!」

GM: 「ああ。やばい。だから、何かあったらおまえを見殺しにしろと言うのかね?」

士朗:「……見殺しとかじゃなくてよ」

GM: 「俺も警察の息子だからな。ある程度の事は危ないとわかっているし、それ以上のことはしないように考えている」


士朗:「だったら早速だが、城島のことを教えろ。他に何を知ってる」

GM: 「あいつは、もしかしたら今も連続殺人を繰り返しているかも知れないが、10年前ぐらいかな、不意にやめたんだ」

士朗:「10年前に不意にやめた?」

GM: 「ああ。殺人事件を起こさなくなってな。以来ずっと指名手配だったが、どうやら生きていることがわかったらしい」

士朗:「おっと、その点だ。なんであいつは生きてる?俺と同じ事故に巻き込まれた奴らはみんな死んだって聞いた」

GM: 「あいつがなぜ生きているか、それはわからん。俺も正直言って、なにが起こっているかわからないんだ。ただ言えるのは、その事故はとても人が普通助かるような事故じゃない」

士朗:「ああ、わかってる。それは俺が身を持って……体験したことだ」

GM: 「そしてこれを知ってるか?おまえ最近、毎月のように事故に遭ってるんだ」

サクノ:毎月のように遭ってたんだ!?

GM: 段々、間隔が狭まってるような感じ。


士朗:一番初めの出だしっていうのはいつ頃なんだろう?

GM: 5年とかそれぐらい前でね、一回事故に遭ったなと思って、それから3年ぐらい経ってまた遭って、そして……13回だからね。ガーッと。

士朗:最近になって多いんだね。「……言われてみれば確かに」

GM: 「なにか関係があるんじゃないかと思ってる。その時にあいつが関わってるのも、ほぼ確かだろう」

士朗:「ちょっと待て。城島が俺を殺すために事故を起こしているっていうのか?」

GM: 「可能性は考えている」

士朗:「それだとおかしな話だぜ。俺はその城島って奴を知りもしないし、この間おまえに言われてようやく知ったばかりなんだ。そんな奴がどうして俺を狙う」

GM: 眼鏡をクイクイと上げて言う。「私は君の生活を逐一チェックしているし、メクドナルドでなにを食べたかもよく知っている」

カナタ:怖ぇっ!

士朗:「いや……(焦)そこは敢えて突っ込まないでおいてやる。だから先を喋れ!」

GM: 「ああ。君の事を狙っている人間がいることは確かに事実だ。調べてみたら、おまえの家の周りを徘徊する姿を発見した。間違いない。あれは城島だろう」

士朗:「だとしたら俺一人を殺すためになんでそんな回りくどいするんだ」

GM: 「今までおまえの家に奴が近付くことはなかった。私がチェックしたから間違いない」

サクノ:怖ぇ〜(笑)。

GM: 「だが、ここまで来たということは次なにがあるかわからない。家にいれば夏樹さんも危ない目に遭うかも知れないし、おまえもそれを望まないだろう。何よりおまえのことも案じられる。一応この事は安全な場所で話したくてここに呼んだ」

士朗:「そうだったのか……」

GM: 京極君は鞄の中からスタンガンをくれるんだね。彼も備えているみたいだ。「こういうのも持っていないとな」

士朗:じゃあ素直に言う。「悪いな京極」向田も話してるんだよね?

GM: 向田は話してないね。向こうで料理とかしてる。

士朗:「向田もこのこと知ってるのか?」

GM: 「実は知らない」

士朗:「……そうか」


GM: 「都心から離れてるからここなら安全かと思ってな」

士朗:「あいつには黙ってやっててくれ。きっと余計な心配すっから」

GM: 「ああ。そのつもりだ。」

士朗:スタンガンってなんか効果ありましたっけ?

カナタ:ありましたね。

士朗:今回ばかりは京極に大感謝だ。でもスタンガンで戦うヒーローださ過ぎだけどな。


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