Middle phase

           

【カナタ〜狩場の羊〜】

GM: というわけで、その日の終わり。満月の時になりました。

士朗:あお〜ん!

GM: 帯刀はすごく調子が良いようで、はつらつとした笑顔になります。

サクノ:ふっふっふっふっふ、はっはっはっはっは!

士朗:違う! それキャラ違う!

GM: 彼は町に出ると。「10年経つとやっぱり変わるな」などと言いながらカナタの手を引っ張っていき……。

カナタ:「どこらへんが変わったんだい?」

GM: 「ああ、俺の知ってるところもあんまりなくなった。そうだ! おまえの服買ってやるよ」

カナタ:「え?」

GM: 「なんか買ってやるよ」

カナタ:「あ、あたしはこれでいいんだよ」

GM: 「なに言ってるんだ。おまえがいい物を着ないと、一緒に連れてる俺の質が問われるんだ」

カナタ:「はあぁん?」

GM: 「おまえ、どこの世界でも連れてる女の質が見られるんだぞ?」

カナタ:「あんたいったいどんな世界に住んでたわけ?……ま、いいんだけどね。でも実際あんまりそういうのは着るなってみゆきに言われてたんだ」

GM: 「へ〜」

カナタ:「シンジも気持ち悪がるしね」

GM: 「シンジは気持ち悪がるだろうな。だが、シンジの物じゃないだろおまえは」

カナタ:「まあ……そうだけどねぇ」

GM: 「おまえの親も大した親じゃないな。俺が言うのもなんだが、別れて正解だったんじゃないのか?」

カナタ:「……みゆきのことは悪く言うな」

GM: 「そっか。気を悪くするな。残念なことか、幸運なことか、親がなくても子は育つ。それがおまえだ」

カナタ:(苦笑)

士朗:ピコンピコン。(自分を指差してる)

GM: 帯刀はそのことを全く忘れているのか「人間らしく生きたいとか、人間の物真似さえしなければ案外楽しく生きられる」

カナタ:「あたしのことをどっち扱いしてるのさ。前は人間だって言ったじゃないか」

GM: 「なんだおまえできないのか?」

カナタ:「ん? なにを?」

GM: 「あ〜つまり、その、親のことを忘れて生きることはできないのかなと思って」

カナタ:「ほ〜。なんか忘れる必要ってあるのかい?」

GM: 「……ふっ。所詮ただの人か」

サクノ:うぉい!? おまえどういう扱いだよ?

GM: 「あ〜! そうだった! 俺もそっち側だった! 満月の夜はちょっとテンション高くなっちまってな」

カナタ:「そうみたいだね」

士朗:満月の時でも喋れるんだね。

GM: 「いや、なんかのアドレナリンの分泌でこのまま一気にイっちまうかも知れないが」

カナタ:「そりゃあマズイね。確かにおかしなテンションだよ」

GM: 帯刀はすごく嬉しそうに、カナタに服を買ってくれる。君が試着室で着替えなどをしていると、帯刀はずっと「ま〜だか? ま〜だか?」と言ってるね。

士朗:子供かおまえは!

カナタ:「ゆっくり選ばせろよ!」




GM: 突然カーテンをビシリと開けて「おい!」と言うわけだ。

士朗:ほんとに自制が効かないなぁおまえ!満月だからとかじゃなくて自制が効かなねぇなぁ!!(笑)

サクノ:ダメじゃねぇか!(笑)

士朗:子として恥ずかしいわ!


カナタ:……ジロリ。


GM: 「あの子供、達也とかいったな。あいつが危険にあるようだ。アドレナリンの分泌を感じる」

カナタ:「な……な?」

GM: 「恐怖の匂いだ。おそらくなにか命の危機が迫っているんだろう」

カナタ:「いきなり? なに? それはっ? ……急ごう」

GM: そうだね。帯刀はもう、ここだ! という感じで一気に走っていくんだね。鼻が利くんだろう。

カナタ:スッゴイ! こっちは耳が利くんだ。

GM: 工事中の下水管に行くんだね。この辺りは身元不明死体の発見現場を通る。

サクノ:あ〜。

カナタ:「……なんか気味悪いな」

GM: 君はあんまり知らないけど、帯刀は言うね。「ここはFHの死体置き場だった場所だ」

カナタ:「そうだったの!?」

士朗:FH側だったんだ! てっきり高田所長のだと思ってましたよ。

GM: はっは! ……そうだよね。

カナタ:「ねぇ。あんた、なんでそんなことを……」


GM: 中の方は犬の吠え声と悲鳴が聞こえるんだね。

カナタ:「……ちょっと先行くよ!」ここは一気に走っていこう。

GM: そうだね。君が走っていくと中には巨大で奇妙な化け物がいるね。

カナタ:ぅおい!


いろんな生物を混ぜ合わせた巨大な肉塊が蠢いていた。
その前に達也がいる。べそをかきながら犬の首輪を引いている。
ペスは半ば肉の塊に取り込まれているではないか。


カナタ:うわぉ〜?

GM: 達也が転ぶ。足が肉の塊に捕まり、喰い付かれる。

カナタ:斬りかかりたいです!

GM: 「待て!」と言って帯刀がすぐさま手を掴むね。

カナタ:「なにっ!?」

GM: 「同化する。あれはUGNの戦闘員だ」

カナタ:「はぁ?」

GM: 「成れの果てだがな」

士朗:あ〜やっぱりな。


カナタ:「戦闘員? あいつらどこまで!!」

GM: 「あいつらは一般の人間達を使って、うまくいかなかったらあいつに同化させて処分する」

士朗:うわ〜。要するに死体……。

GM: 「死体処理役だ」

士朗:え、これが詰まってたの?

GM: 「いや、これは後で放ったものだろう」

士朗:あ〜なるほど。


GM: 「この町には結構これが放たれてる」

士朗:うわ〜半端ねぇ。

GM: 「下水の中とか相当な数がいるはずだ」

カナタ:「……どうしたらいい!?」


GM: 帯刀は一瞬黙る。達也が肉塊に引き込まれてしまいます。【肉体】で判定して8以上出して止めてください。

カナタ:8!

GM: しくじった場合、達也はそのまま引き込まれてアウト。

士朗:うお〜厳しい!

カナタ:りゃっ!(コロコロ)

士朗:あっいった! 9!

カナタ:オッケ!


GM: そうだね。達也の体を掴む。必死に耐える。まず、中のほうが同化するんだ。一気に内側に筋が走っていくのが見える。

カナタ:「なっ!?」


GM: 「高田所長の『クリーナー』だ。内部から喰らっていくぞ!」帯刀はペスに呼びかけを行うんだね。ペスに対して、ロイスをタイタスに変えるように指示するんだね。

一同:おお!?

サクノ:「ウォウォウォウ!」

GM: 「力を貸せ! 振り絞れ! お前にはまだ最後の一咬みが残されている!」

士朗:犬かっけぇ!

GM: ペスは最期にロイスをタイタスに変えると、最後の力で達也の足を噛み千切るんだね。

カナタ:うわぉう。


GM: この時、この生物に融合しているのでペスは少し力が増してる。足が千切られたので、ようやく達也くんは解放され、帯刀は何とかその生物の侵食値の上昇を抑えようとしている。同化しないようにしようとしているんだけど、やはり無理なんだね。あまりにも侵食率が高くてジャームみたいになってる奴は防げないんだね。

サクノ:ふんふんふん。


GM: 「出るぞ! こいつの足は遅い。不意をつかれなければ問題はない相手だ」で、まあ、再び【肉体】判定を。これで出られたら君も喰われませんでした。

サクノ:達也くん片足がなくなっちゃう……。

GM: なくなっちゃう。

士朗:一番突かかってくる奴が。でもねぇ……死ぬよりましか。


カナタ:(コロコロ)あ、低い!

GM: カナタが追いつかれて、帯刀一瞬君に飛び掛り、喰い付かれながら君を引き剥がして走っていく。そして表まで出た時、帯刀の異変に気がつく。食いつかれたその腕が…無い!

士朗:うお〜! もう!

GM: 表まで出るけど、この腕が治んないんだね。

カナタ:「……なんで」

士朗:満月なのに。

GM: 満月でもね。やっぱり、この『クリーナー』すごい強いです。喰い付かれたらダメって奴だね。

士朗:あ〜。

カナタ:ん〜!

GM: 帯刀は転んだカナタをかばい体中に傷を負いながら、二人を表まで引きずり出す。

カナタ:(消え入りそうな声で)「……すまない」

GM: 吹き出す血は一瞬で癒えていき、人狼に一瞬姿を変えるんだが、達也くんに顔を見せたくないのか、そのまま背を向け「いいってことよ」と言うね。笑顔を見せる。無事でよかったなって顔。

士朗:銀狼?

GM: まあ、白狼なんだけどね。……というわけで、彼はその後病院に届けられますが、一応教えてくれるんだね。「病院も全部グルだけどな」

カナタ:「はぁ〜……」

GM: 「この町はUGNが全部金を出してる。警察も病院も、全部だ」

士朗:なんてこった……!(笑)

カナタ:「え……じゃあ、どうしたらいいの?」

GM: 「病院の患者は必要とあれば全てUGNに送られ、警察の情報は全てUGNに伝えられる」

カナタ:「どういう町なんだ! ここホントに!?」

GM: 「昔から長い癒着があったようだ」

士朗:UGNが悪の巣窟ですけど!

GM: こんなに悪でいいのか!(笑)

カナタ:「……じゃあ、達也はどうしたらいい?返して大丈夫なの?」

GM: 「大丈夫だ。もし奴らに捕まったら、俺が助けに行く」

カナタ:「……」


GM: 「病院に渡すしかないんだ。俺たちに治せない」

カナタ:「ふう……そうだね」帯刀と達也のネガティブが『悔悟』になった。帯刀のポジティブは『誠意』……いや、ちょっと違うかも知れないけど『執着』にしよう。借りを返さなきゃ気が済まない……。とにかく、なにかできることないかなって感じで。


「ごめんね帯刀……あんなにはしゃいで楽しそうだったのに」


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