ワグナー博物誌

《あらすじ》

歴史的な傑物ワグナー博士は権力欲の権化であり、書をもって歴史を作ると豪語 する傲慢な人物である。
パトロンである大貴族の令嬢フランソワは時期女王に名乗り出ることを目論む姫 君。
そして行われる女王擁立の式典。
鍵となるのは博士が執筆中の博物史―。

互いの野心が火花を散らす。戦闘を重視しない学者の戦いの物語。


《シナリオ舞台》

このシナリオの舞台となるのはソードワールド2.0の“年輪国家アイヤール”です が、これは別の世界観に流用できると思います。

※シナリオ使用上の注意 舞台をアイヤールとする場合の注意です。
このシナリオは元々アイヤールの過去の女王選抜をテーマにしています。
幸いこ のシナリオは女王決定では無く候補擁立までなので時間軸を現在にしても構いま せん。


★年輪国家アイヤールについて

蛮族(モンスターまたは妖魔)に囲まれた大地を切り開き周囲に壁を立てて作ら れた国家で、領土拡大の旅に城壁が引かれることから年輪国家の呼称を持ちます 。
政治は女王による王政。貴族の委任統治も進められているようですが、女王の権 力は強いです。
蛮族に囲まれた土地での統治という考えから、強い女王が求められ、女王の選出 という考え方を持ちます。
→後は普通のファンタジー中世社会を想像すればよいかと思います。


《追加種族》

このシナリオには新たなオリジナル種族が登場します。

★ケレイト

半獣人で獣のような耳や尾を持った種族ですが、ケレイトは特にキツネに近い外 見特徴を持ちます。
身体能力や五感に優れ100人規模の部族単位で生活します。
・言語は地方語や妖精語などを使います。
・宗教は土着の自然信仰をしていますが、敬虔かつ謙虚な姿勢が滲みでた現れで す。
・文化はインディアンに近い生活をしていますが、文化レベルは低くはなく、自 然環境の中に適した文化レベルをもっています。移動式の住居などで暮らしてい ます。
・性格は閉鎖的で保守的な面はありますが、交流に対しては前向きです。
思慮深く謙虚で礼儀正しい、反面誇り高く、争いになればしたたかに出し抜き、 罠にはめる知恵なども持っています。
★耳や尾が近年高価に取引されます。


《使用ルール》

今回のシナリオはソードワールド2.0は適切ではありません。
ガープスなど戦闘以 外の分野・ロールプレイを重視するシナリオが適当です。
このシナリオは戦闘は重視せずダイスによって判定する局面は極めて少ないもの になっています。

●ソードワールド2.0

…PC1はセージ8〜10レベルが推奨ですが、他のスキルは必要ありません。
…他に参加するPCのレベルは最大5〜7レベルぐらいに止めるべきでしょう。

【セージの判定】

・目標値17ぐらいが妥当です。15ならPC@なら余裕。19なら難しいと考えれば いいでしょう。

《プレイヤー人数》

このシナリオはGM1・PC1という人数にて書かれている1:1シナリオであ る。
しかも既存のPCは使えないか使う場合は工夫が必要となる。
→参加人数に対する対応としてNPCアルフとNPCテッドのポジションをPC とすることで人数対応もできるだろう。

PC@【学者:博士助手】

基本的にシナリオ中でPCとかかれたポジションである。
[歴史的な傑物。ワグナー博士の助手であるPCは博士とともに博物史を書き上 げる仕事をしている。
パトロンの思惑をよそに対立するワグナー博士。火花を散らす権力欲に板挟みの PCはどうするのか。

★非常に高いレベルのセージが必要。

PCA【傭兵:PC@の幼なじみ】

シナリオ中でNPCアルフのポジションである。この場合アルフは上司、PCは 部下となる。
[大貴族に仕える雇われ傭兵であり、清濁併せ持つ貴族の世界にあって汚れ役を こなすのがPCの傭兵団。使い捨てのリスクの見返りは高額の報酬とあって、こ の仕事はやめられない]

★唯一の戦士系

PCB【ストリートキッズ:テッド】

シナリオ中でNPCテッドのポジションである。この場合NPCテッドはいない 。
[土木の人足である父親とともにこの町に来た少年。自分自身も働き続けないと 生きられない貧困の日々。足抜け出きる場所はどこかにあるのか?」

《シナリオ登場NPC》

●ワグナー博士(博士)

外見:尖った鼻尖った髪の毛の老紳士。刻み込まれたように皺が深く一見して偏 屈そう。眼光は未だに鋭く野心も剥き出し。

設定:ペンで歴史をつむぐ権力者を目指している博士。
偉大な人物として思うが ままの権威を得たがパトロンとは不仲。
パトロンの姫君が女王候補名乗るも非協 力的。


●フランソワ(姫)

外見:きらびやかな服装を身を纏った姫君。金髪にグリーンの瞳。
見たまんま姫 さまだが、世間知らずで高慢ちきな印象を受ける。

設定:博士のパトロン。博士の知名度を使い女王候補に名乗り出た大貴族の令嬢 。
嫉妬深く権力欲が強く、忍耐に欠ける。ほしいものは手段を選ばずに得る。


●マリー

外見:金髪の少女。その仕草や表情をもって可憐な印象を受けるも、貧相な体格 に荒れた肌など難点も多い。
大変綺麗な声をしている。

設定:王族の血筋を持つ少女。本人は知らないが博士がその存在を見い出し、女 王候補に加える。
貧民育ちであるために、現在の世界に対する強い変革願望を持 つ。

●エリザベート

外見:漆黒の癖のある長い黒髪に真っ白の雪の肌。胸もあらわな黒いドレスをま とった魔女のような出で立ち。
黒い髪とドレスが重なると1つのシルエットに見 える。年齢不詳。

設定:かつて唯一博士を破った天才的な調香師。“女王献上のコロン”の一件で 失脚。
博士の唯一のライバル。実は博士を愛している。

●アルフ

外見:赤毛碧眼、屈強な体つきのナイスガイ。
角張った顎とややタレ目な脂っこ い雰囲気。

設定:PCの友人。初等部時代の憧れ。不良で下級生に虐待を加え退学になる。
傭兵出身なのに貴族校に入った特例ながら、ちくられて退学になったことには憤 りがある。現在は傭兵をしている。

●アラミス

外見:ブルーの髪に赤い瞳癖の無いロン毛の青年。
目付きは鋭く端正な顔立ち。 ピシッとした服装を好み見るからに固そう。

設定:法律家で市民の味方。いじめを受けた過去を持つ青年。
助けようとした従 者がいじめ相手に撲殺され、心に深い傷を負う。潔癖な性格。

●テッド

外見:くたびれた帽子、汚いシャツ、穴だらけのコートを来ており、半ズボン・ 不揃いの靴という出で立ち。
肌は褐色。

設定:アルフに憧れを抱く下町のストリートキッズ。
いつか騎士になりたいとい う夢を胸にアルフの勧誘に乗り危険な旅に同行する。

●イヨ

外見:実った稲穂のような鮮やかな黄金色の髪と尾を持った獣族(ヴァーナ:ア ウリル:部族名はケレイト)。
その髪は時に黄金色にも見える。大きな瞳、柔ら かな視線が安心感を与える女性。

設定:ケレイトの部族の姫君で巫のようなもの。
薬師として香りを調合するのに も長け、博士とは調香でツーカーの中になる。人懐こい性格。

●ユノ

外見:髪の色は緑。でっかい頭に大きな瞳が2つ。
手足は短くまだ幼い。重心バ ランス悪そう。

設定:PCが始めに会うケレイト。臆病だが好奇心旺盛。中々仲良くならないが 仲良くなるとべったりする甘えたいざかり。
まだ爪があまり伸びない。戦士とし てはまだまだ。

シナリオ本編

《1〜ワグナー博士〜》

博物史を手掛けている学者は著名な人物であったが権力欲の権化であり、彼は執 筆した作品をもってこの世の理を代筆する男だった。 PCはその助手であり、その速記術を持って手の震える権威の言葉を書き留めて いた。


“権威”には協力者であり宿敵がいた
ワイヤールの女王候補である姫は当初か ら権威である博士に協力者し支援してきたが、やがて政治と権力の頂点である王 位を狙う姫と、歴史の執筆者として頂点に君臨を目指す博士は対立した。


シーン〜PCの日常業務〜

PCは主人であるワグナー博士の屋敷で働いている。
手の震える博士の言葉をか わりに書き留めた後、それをまとめて筆記するのが仕事である。


博士はその日は不機嫌である。
パトロンである姫君フランソワとの相性は最悪。今日は姫が女王候補に名乗り出 るということもあり、博士は身の程知らずとして侮蔑の言葉を漏らす。


シーン〜PC:回想・博士と姫の出会い〜

●コロン

博士は多くの作品を世に出した傑物として、知られる人物であったが浪費癖があ り常に資金には苦しんでいた。
そんな博士がパトロンをもとめるのは当然のこと。
博士のパトロンに名乗り出たのは、いずれ女王候補になると噂される姫を有する 大貴族であったが、彼は博士の権威のみを求め、知識への尊敬はなかった。
そう…二人は二人三脚ではなかった。
・姫が博士とあった時、姫は新しいコロンを使っていた。都で人気のコロンを買 い付け上機嫌の姫に、博士は慇懃無礼に返した。
「姫、確かにそのコロンは都の乙女の心を射止めて離さない。都では下町の娘ま でがそのコロンを愛用し、裏路地に至るまでその香りに満たされておる。」
その言葉に顔色を蒼白にする姫。無知を嘲笑う挑戦的な言葉に打ち据えられると いう姫は、その時から彼が嫌いだった。


博士は姫を認めていなかった。姫は著名な博士の後見人としての知名度を求め、 博士は彼女の財による支援を求めた。


《エクストラNPCシーン》

[テッド@]

新聞売りをしている少年テッドを見掛ける。
テッドはどこかで捨てられた印刷物 を集めて売るという仕事で生計を立てている。
→PCに買ってとせがむテッドだったが辺りのチンピラがやって来ては仕事を邪 魔する。

・上納金を払えないテッドの地位は低く、チンピラはテッドをボコり、新聞を踏 みしだくと引き上げる。


★PCが助けられない場合、アルフがテッドを助ける。ただしアルフはテッドの 将来には感心がなく、ただの気まぐれである。


《2〜マリー〜》

@ある日、姫とともに劇場に訪れた。
新しい劇場のこけら落としに有名オーケス トラが呼ばれ、前座には町の有志の少年少女合唱団が呼ばれた。
姫は有志の合唱団には興味は無く下町の市民を見下ろす特別席にいながらも彼等 を卑下していた。
博士もまた同様の心境だったが、年をとっているだけあり、ま た劇場の招待をしたのが自分が親しい付き合いをする建築家ということもあり、 気分を害する無礼は働かなかった。


★火花

ここでも姫は言うことを聞かない博士に対して何かと意見し、博士を従えようと 圧力をかける。
「博士。あなたの歴史書も女王の権威あってのものよ?」

⇒博士はそれに屈折辛口に返す。
「しかし“姫君”。あなたはまだただの姫君にすぎん。事の善悪は書に学ぶべき ではないかね?」



A有志の合唱団の合唱が始まる。所詮寄せ集め合唱団にハーモニー等無く、それ はオーケストラに慣れた耳には騒がしいだけの耳鳴りに過ぎなかった。
あの声を聞くまでは―
合唱団の中、一人の少女の歌うソロは郡を抜いて素晴らしいものだった。
息を詰まらせ、視線を集める。ハーモニーとは無縁の圧倒的な存在感。
歌うのは下町の娘に過ぎなかったが、その歌声は天使のようだった。


歌が終わって拍手も忘れる人々の中、彼女は手を広げて喝采を求めた。
その姿は人々をへいげいする女王のようであり、それだけのカリスマを彼女は持 っていた。
少女の名をマリーといった。


〜マリーについて〜

彼女は貧民達をまとめあげるカリスマを持ち、裏路地の正義のように活躍してい る。
人買いから人を助け出したり、犯罪者を通報したり、病人に薬を届けたりし ている。
マリーは一匹狼で理想家、たゆまぬ努力をするタイプであり、本心は打ち明けな い。
彼女は実は王家の血胤であり、持って生まれたカリスマがある。マリーは母の教 育もあり、いつか王家の身分として世を正したいと考えているのだが、病んだ母 を思い家を出れないでいる。


〜マリーの生活〜

マリーは貧民街で生活をしている。母親は病に病んでおり、生活に苦しんでいる がマリーには苦労をかけまいと頑張っている。
⇒そんなわけで、マリーは父母の情より大切なものがあると育てられ、貧民であ りながら高潔で誇り高く尚且つ正義感に強く慈悲深い性格となる。


★マリーと出会うには

@合唱団からマリーの情報を得る。
→マリーの活躍・教会の司祭がマリーに詳しいこと・母親が立派な人物だとわか る。

A合唱団の練習をしている教会の司祭も情報を知っている。
情報は
→貧民街で暮らしていること・母親が立派な人物だということに加えて、母親が 貴人ではないかという話を聞くことができる。


マリーの反応

…マリーは合唱団や歌姫になるつもりはない。
しかし女王に名乗り出るところまで具体的には考えが及ばないし、また病の母を 見捨てたりもできない。


母の反応

…マリーには女王になってもらいたい。もしマリーの邪魔に自分がなるのならば 自決してでもマリーを女王にする。
そしてマリーには「情けが仇になること」「母を死なしたのはマリーの弱さであ ること」を死をもって説く。

⇒マリーを説得できた場合マリーは博士とPCに従う。
@マリーの母親を説得できるならば、マリーの心は動き
A同意を情けが仇になることを説けばマリーは従う。マリーが歩くのは女王の道
…市勢の幸せなど望めない道である。

B博士は悟る。
彼女は王の器にある。身分あるものであると。
マリーを調べる博士は、彼女が王族の血筋を持つ娘であることを知る。
そして、自分に囁く悪魔の囁きを聞いた。


「自分は王を見い出した男として歴史に名を残すのだ」と。
この時から博士と後援者の関係は次第に揺らいでいくことになる。


《エクストラNPCシーン》

[テッドA]

昼飯に炊き出しをもらいに集まるテッドを見掛ける。
テッドと話をしているとテ ッドに悪い知らせが舞い込む。
工事現場で働いていたテッドの父親が現場の事故で、重症になったのだ。

・現場監督の話だと、上の指示で工事を急がせたツケが回り、それが手抜き工事 になったらしい。
しかも上からは逆に厳しいお叱りが来ているらしい。テッドの父親の治療代も無 い。


●法律家アラミス

労働者組合が頼ったのは、法律家のアラミスである。
アラミスは一度市民の弁護 についてくれた人である。
(捨てられた貴族の愛人と子供のために慰謝料を請求してくれた)


事情を聞いたアラミスは、工事事故を工事計画を早めたのが問題として上申して くれるが、テッドの父親の治療代は請求してはくれない。
貴族もそこまでは責任 を持たない。

→テッドは父親を無くし、アラミスに父親を見殺しにしたと憎しむ。


《3・女王候補達》

女王の健康不良からの退位が囁かれると、女王は時期女王候補達との謁見の式典 を用意する。
女王候補は一人や二人ではなく多いときには数十人もいる場合もあ るという。
女王候補には後見人たる貴族がつき、その品格や女王にふさわしいかを試される が、この式典はまさにこれから始まろうとしている女王継承戦争の幕開けに他な らなかった。


《ケレイト》

蛮族とさげずませる獣の部族ケレイトの毛並みは良く、珍重され、それは毛皮の 材料としてもてはやされた。
しかし、ケレイトを知るものは少なく、ケレイトの 研究のために博士が向かう。
博士に支援した姫はケレイトを獣として毛皮の材料にしようと考え、博士の博物 史の内容にまで言及した。
一方博士は、ケレイトを1部族として書き、時の権力 に逆らう。
姫は一計を案じると博士を害し、書きかけの博物史を助手に書き上げさせること を考えると、子飼いの騎士を派遣する。

警護騎士として一同と行動を共にする騎士の隊長アルフはPCのかつての旧友で あった。10数年来の友人との再会である。


《エクストラNPCシーン》

[テッドB]

ムシロを持って歩き回るテッド。
テッドは橋の下をねぐらにしていたが、橋の下 に浮浪者の集団が現れ追い出される。
空き家を求めて裏路地を歩いていたが、この辺りのガキ大将アイアンに呼び止め られ口論・喧嘩となる。

→敗れたテッドはムシロを捨てられ、空腹のために座り込む。

★PCが助けられない場合、アルフがテッドを助ける。ただしアルフはテッドの 将来には感心がなく、ただの気まぐれである。


《〜エリザベート〜》

@博士はマリーに全てを用意した。自ら教養を与え、護衛の騎士をつけ必要な財 力も与えた。
しかし、彼女が女王候補の中に切り込むにはあまりにも武器が少なかった。
悩む博士。
何か彼女に武器を与えなくては、声のひとつも発せずに有象無象を従える超然と した権威の剣を。

そんな博士の脳裏を過るのは人生に唯一度の敗北の記憶である。
そして博士は語る―

10年前。権威の階段を昇る若き日の博士と戦った女性・調香師のエリザベートで ある。
エリザベートは若く美しくそして才覚のある女性であった。
女王に捧げる香水を用意して競うのは全てを知るものとして博物史を執筆中の博 士と調香師エリザベート。
博士がここで用意したコロンはまさに至高の芸術品であった。
しかしエリザベートがその日用意したコロンは、神がかり的なコロンであった。
歴史に二つとない奇跡のコロンを纏って場に現れた時、時の女王ですら彼女に膝 を折ったという。
しかし、この事件は結果的にはエリザベートの敗北に終わる。
エリザベートの香 水は大変に素晴らしいものであったが、女王をもってしてもエリザベートが纏う には及ばなかった。
女王は自らが及ばぬことを知ると怒りにエリザベートを追放した。

博士には今でも疑問だった。人間の体臭と混じって初めて薫るのがコロンである なら、このような結果は分かっていたはずではないか。
何故エリザベートはあの場に自らコロンを纏って現れたのか…。


A博士は今マリーの剣にエリザベートのコロンを求めた。
エリザベートは10年の放浪の月日の果てに病の床にあった。
エリザベートの姿に 博士は深い悲しみに囚われ、エリザベートに同情をした。
病にあるエリザベートにはもはや繊細な香りの嗅ぎ分けは不可能だろう。
彼女の手に渡されたレシピを見た博士は、何か重要なものが足りないことがわか る。
あの日のエリザベートに到達できないことを知る博士は、エリザベートに秘 伝を求める。

エリザベート「ノン。言えないわ。愛しき人。
この秘密は私が墓の中まで持っていくわ。貴方は生涯私の出した問いに悩み続け なさい。」

博士は「あの香りはこのレシピから作られる」というヒントを手に、この香水を 手に入れるために挑む。

→ケレイトの土地に材料の一つがあることを知っている博士は旅に出る。


《PC@〜過去・初等部〜》

助手であるPCは、貴族出身校の出身だった。
少年時代彼は過ちをおかしていた。

当時、自分には憧れの上級生アルフがいた。タバコやバクチを知り、さらには夜 間の外出から喧嘩と破天荒なアルフの生き方は、まさに不良であったが、自分は そんなアルフが目をかけてくれるという優越感を感じていた。
そしてそんなある日アルフの誘いのままに、下級生に虐待を加えてしまう。

ある日アルフと下級生は姿を消す。アルフは事件がばれて退学、下級生は心に傷 を持ち転校した。
自分はアルフは自分たちを口外しなかったと尊敬していた。

★…しかし真相はこうである。下級生はアルフのいじめに傷つき、お付きのルー ンフォークに相談。ルーンフォークは内密に学校に話すとアルフの処分が決まっ た。
逆上したアルフは下級生とルーンフォークが帰路についた時に襲い。ルーンフォ ークをバットで殴り殺す。下級生もそれに逆上。
もっていた万年筆でアルフを刺す。
ルーンフォークは主人である下級生の復讐を妨げ、よく諭した後に亡くなる。 かくして当時の3人は離ればなれになる。

⇒PCはこの事実を知らないが、調べればすぐに知ることができる。


★テッド

アルフは一人の貧民の少年テッドを従者にしていた。テッドは人足であったが、 騎士になれると信じている少年テッドはアルフに誘われるままについてくる。


《4・ケレイトの集落》

ケレイトの集落はアイヤールの人々とは付き合いは無い。ケレイトは不安に近づ きつつも自分の姿は表さないのだ。


@博士はケレイトの興味を引く仕草を行う。
流れる小川の水を手で掬わず直接飲んだのだ。水が綺麗でなければ行わない仕草 で大地をくりぬき森を開き平野で暮らすアイヤールの人々ではやらない仕草であ る。
→ケレイトはその日から博士に関心をもった。


A蛮族のいる森である。騎士達の緊張はひとしおであったが、博士は逆に無用心 にも思えるほど行動的だった。風の流れを読み、気配を消して歩く博士の足取り は蛮族にも追い付けないものだった。
そうやって訪れた吹きさらしの岩だなの上。同じく難を逃れてやって来るケレイ トの少年。
少年は一同に警戒したが、博士は彼を迎え入れる。緊急非難というヤツだった。


Bケレイトの少年は好奇心旺盛だった。彼は面白そうなことをする博士には感心 を持ち、一同のところに遊びに来た。
くっつかず離れず、でもやり取りをする仕草はケレイトの大人の感心を引き。 やがてケレイト族がやってきた。

★ケレイト族は槍を持っていたがおとなしい部族だった。彼等は出会い頭に座っ ては槍を横に向けて置いては向かい合った。
博士は「戦う武器を横にするのは、争いを望まないという意味だ」と話す。


彼らは博士に何をしに来たかを尋ねたが博士は学者であると名乗り調香に来たと 告げる。
博士とケレイトの交流は概ね良好であった。


Cケレイトの部族に気に入られた博士は、薬師であるケレイトの姫から調香の秘 伝を学ぶ。姫も自分達の知らない香りに感心があり、二人はそれを論じる。

ある時、話が弾み博士が話した調香勝負。ケレイトの姫はそれに心当たりがある らしい。しかし、それは言えない。
「その女にそこまで言われては、わらわの口からは言えぬ。しかし、謎解きの鍵 は既に放られておる。後は手前で考えてくりゃれ」


D蛮族の移動と遭遇するケレイトは部族の存亡をかけて蛮族と戦うことになる。
⇒この戦いに参加する一同。


<★★★戦闘★★★>

この時PCはゴブリンまたはボガードと戦闘する。
⇒もしPCが戦闘をこなせる場合もっと強力な敵と戦ってもかまわない。
オーガやモンスターを複数にしても構わない。
・このシーンの目的は『博士の死』『PCが戦闘できない』という表現である。
⇒気絶してもモンスターは護衛のアルフが撃退する。



激戦の末にケレイトは蛮族を打ち破るが、この戦いで博士は酷い怪我を負う。 博士を気遣うケレイトの姫。流す涙すら清らかであり、博士はその時に姫の香が 香ることに気が付く。
その夜危篤を迎える博士はエリザベートに手紙を書く。「私は君の謎を解いた」 と書き記し、昏倒する博士。
博士はうわ言のように「博物史に問いの答えを書き留めよ」と呟き命を落とす。


《裏切り》

@ケレイトの部族は博士の死を悼み、アルフに誘われるままに博士の最後の仕事 を引き継ぐことにする。
博士の完成できなかったコロンを作り上げるべく、その秘伝を伝授すべく、ケレ イトは姫と警護の一団を送り、融和の贈り物を用意する。
→アルフの目的はケレイトの献上である。

★この時PCには従うか逆らうかが問いただされる。
勿論真相を知ればテッド達は反対する。しかしアルフに始末されてしまうだろう 。
逆らえば勿論命は無い。
従うならば博士の偉業を引き継ぐ栄光が得られる。
アルフを撃退できても次は軍隊が派遣される。


A都市についた一行を迎えたのはアルフの裏切りと、冷酷なる姫の罠であった。
アルフはケレイト一団を姫への貢ぎ物として献上する。ケレイト達は毛皮とされ 珍重されているのだ。


《姫:フランソワの暴虐》

帰還したPCがどう動こうと現時点では抵抗できない。権力は圧倒的なのだ。

★フランソワはPCに対して以下の行動を取る。

・博物史を取り上げ改竄
→自分の血筋の正当性を上げために歴史を改竄しようとする。
・ケレイト狩りの正当性の根拠を書かされ、姫の思いのままの文面にされてしま う。そしてケレイトは無惨に切り裂かれ尻尾や耳を刈られてしまう。

→この時PCには従うか逆らうかが問いただされる。
逆らえば勿論命は無い。投獄されてしまうだろう。
従うならば博士の偉業を引き継ぐ栄光が得られる。


《逆らった場合〜PC投獄〜》

★PC救済

PCがエリザベートに手紙を渡すことができれば、エリザベートは博士の愛に答 えるべく動く。
博士の博物史を守るためにPCに協力することになる。

★PCが投獄された場合アラミスが面会に訪れる。

アラミスはPCが正義感に突き動かされた場合、助力してくれる。
・自分が動けない場合、アラミスに依頼することでエリザベートにたいしてコン タクトを取ることが出来る。


《エリザベートの支援》

エリザベートが博士の死を知り、死に際の手紙を受け取った場合、エリザベート は博士にかわりに自分達の後見人に名乗り出る。
→当然姫の怒りを買うだろう。


「ご婦人。あなたはもはや都落ちした存在。もはや返り咲けぬ身のあなたが、や がては女王になるこの私に楯突こうとは、身の程を知らぬ行いではなくて?」

⇒エリザベートはそれに屈折辛口に返す。
「しかし“姫君”。あなたはまだただの姫君にすぎません。事の善悪は権威に学 ぶべきではありませんか?」


★この言葉に姫は博士同様貴族のカリスマを見て肝を冷やす。エリザベートも同 様に手強い相手だと姫は認識を改める。
…同時にこれは用意ならない相手だと考え、何か妨害を考える。


《5・女王候補擁立》

マリーを女王にするためにはいくつかの条件をクリアしなくてはならない。
・マリーの後見人の貴族を探さなくてはならない。
→これはエリザベートの助力が得られればOKである。

・女王の歓心を得なければならない。
→コロンをまとって現れたのならば女王の心中穏やかならず関心を得る。
コロンの謎を説いたことを話し、博物史を女王に手渡せば女王は全てを理解し納 得する。


★ケレイト狩りの解決策。

ケレイトを救うには姫以上の権力者の介入が必要だが、姫と対決できるのはマリ ー以外にいない。しかしマリーはまだ姫としての認知は低い。
幸運なことに、近く王都で時の女王と後継者候補である姫君の謁見の式典が用意 されていた。
マリーがここで女王に進言し受け入れられるならば、ケレイトの未来を変えられ るのだ。


★マリーの剣と盾

マリーが持つ武器・声とカリスマも謁見の場では武器として足りない。
やはり一番の武器は女王が扱えなかったコロンを纏うことである。
しかしコロンは諸刃の刃。女王を怒らせてしまうかもしれない。この時にエリザ ベートのコロンの謎を記した博物史を女王に献上するならば女王は全てを理解し 、協力してくれるだろう。


【コロンの謎】

コロンはホルモン分泌の影響を受けて甘美に薫ったのである。
エリザベートは博士を愛しており、彼女は博士と戦うことで彼の理解者であり友 であろうと思ったのである。
女王は恋に憧れもしたが、身を焼かれることは無かった。


★完成したコロンについて

エリザベートのコロンに名前をつけるのならば、それは「高潔な愛」であり、マ リーがコロンをつけた場合、マリーの香りは「未来への情熱」である。


エリザベートの香りには香しさの反面不思議さや、相手の疑問を書き立てる香り を立てるが、マリーの香りはどこか空気を澄ませるような香りがし、気が付くと それをかいだ者達も自分の中の香りを引き立たせる効果がある。
美しいものは美しく―
猛々しいものは猛々しく―しかし、飾る者にはその飾りを奪うような香りを持っ ている。


【博物史】

博物史にはコロンの秘密を加筆しないと最後の武器にはならない。これが完成し てはじめて女王も認める博士の博物史となる。


★★★難問@『博物史の奪還』★★★

おそらく博物史はフランソワに奪われ、その屋敷におかれることになるだろう。

勿論警備は厳重―
・周囲は掘りがあり1つの橋しか出入り口がなく、番兵がいる。夜は門が閉ざさ れている。
・中庭には犬が放たれ警備の傭兵が巡回している。

⇒アルフの協力を得れば内部に侵入が可能。しかし基本的にアルフは協力はしな いために騙さなくてはならないかも。
⇒盗賊等の所有するスキルがあれば侵入も可能。だがリスクがある。

<奪還失敗>

奪還を失敗していた場合でも荒業で回避できる。
博物史全てを暗記していればどちらが正しいか女王は自分で判定してくれる。
…勿論かなり高い目標値が必要になるだろう。


《難問A『姫の妨害』》

姫はエリザベートの存在を恐れており、エリザベートがマリーの後見人につくこ とをなんとか妨害しようとしてくる。

@姫:フランソワは妨害を即時実行しようとするが、父親はそれを制する。

「エリザベートは金で動かず権力には屈しない。
向こうは実のところ手詰まり。必ず非合法な手段で博物史の奪還を狙うだろう。
それを転じて弱味を握るのだ。」

⇒PCが非合法な手段で博物史を奪還しようとした場合、姫の父の言うとおり奪 還失敗したPCは人質となりエリザベートへの交渉材料にされてしまう。


《エリザベートの別れ》

@エリザベートは次に会うときは、女王謁見の直前であることを話す。
・エリザベートは都を追放された身。都には入ることはできず、都の郊外で謁見 の前夜にだけ会うという約束をする。
※姫の父はエリザベートと交渉する機会を伺うが、エリザベートは誰にも会おう としない。
これは誰もエリザベートには会えないとした『エリザベートの罠』である。
このため、万が一姫側に人質などがとられてもエリザベートとの交渉事態ができ ないので、相手は困惑躍起になってエリザベートを探す。


【フランソワの調略】

姫フランソワは対立候補擁立に気が気でない。それだけ博士を恐れている。なん とか候補擁立を断念させようと考える。


●フランソワの交渉

彼女はこっそりお忍びで騎士とアルフをともないPCの元を訪ねると、PCに女 王候補擁立を断念させるべく交渉。
⇒高額の金での取り引きをもちかける。


エリザベートは姿無く。
マリーは反対。
ここではPCの判断のみを問われる。


A前夜には郊外の屋敷にてエリザベートと再会できる。
エリザベートからはいくつかの話がある。
・PCには「最後の武器になるのは知識であり今までの経験であること」を話す と、2通の手紙を渡す。
→1通は「女王にあった時に手紙を渡すようにと」手紙を
→1通は「明日の朝に明けるように」。
・自分は『女王候補の擁立』までしか協力できない。そして多分もう二度と会う ことは無いと話す。
「事が無事成すことを祈ります」
・マリーには「今から館の入り口に立ち、夜分に訪れるだろう客人を館へと導き なさい。そしてそれが終わり次第街の宿に入り、もうここへは戻らぬように」

★エリザベートに交渉しようと深夜にお忍びで姫の父が来る。
フランソワの父はマリーを見た時に娘フランソワの敗北を知る。


GM情報 フランソワの父はエリザベートのマリー後見の辞退を交渉に来たが、エリザベー トは毅然として断る。
「私の命は愛のためにある。その愛は今マリーに注がれている」
エリザベートは用意したコロンを見せ「私のコロンがあなたを破滅に誘うでしょ う」と明日の敗北を示唆する。
マリーに会っていたフランソワの父もまた予感すると、フランソワの勝利のため エリザベートに詰めよりエリザベートを殺害。コロンを奪う。

・しかしこの時客人をもてなす際に振る舞われた酒にこそ秘密があり、ここに体 身香という薬を入れている。父の体の匂いがエリザベートとあっていたことを示 唆するだろう。

・またエリザベートは女王のコロンのレシピとその秘伝の謎を自身の死をもって 封じ、PCだけが持ち得る知識として独占させる。
これでPCの命には価値が生まれる。

B翌日の朝、PCはエリザベートの暗殺を知る。
エリザベートは一人であったために犯人はわからず、この式典の中に犯人探しは おざなりになる(貴族の圧力)。
PCへの手紙は―
「私の死を持ってコロンのレシピ、ワグナーの博物史の欠けたページの秘密を隠 します。
この秘密があなた達を守る盾となり、あなたの知恵が武器となることを願う。 あなた達とケレイトの幸運を祈る。〜エリザベート〜」


《5・女王の御前に―》

@ついに女王謁見の式典を迎える。

★フランソワとマリー

フランソワとマリーは互いに着飾り共に純白のドレスで現れる。
フランソワはマリーに「私こそが唯一咲き誇るバラ、雑草風情が何を誇るという のかしら?」とマリーを挑発。
マリーは「一輪の薔薇しかない花園などありません。人が明日に求めるのは楽園 ではないのでしょうか。」と反論する。


A王座の女王の前に貴族、騎士が並び、女王候補が拝謁する。
・フランソワはケレイトのイヨの尾で作った扇(イヨでなくとも構わない)を献 上する。
またフランソワの手元に博物史があれば、それも改竄されたのち、ここで女王に 献上される。

・マリーはコロン纏い現れる。その爽やかな香りに女王のみならずフランソワも 息を飲む。
→女王はマリーに対してコロンのことを訪ね、それがエリザベートのコロンであ ると知る。


Bマリーに対して女王は内心心穏やかではない。女王はマリーにも敗北をしたは 認めたくない。


《対決@〜女王の詰問〜》

“マリーの香り”は女王に少なからず不快感を与える。
「女王の怒りを想像できないなら、心の流れを推し量れないならば大した人物で はあるまい。」
そう考えた女王は詰問したのちに、うまく答えられないならさっさと処刑を考え る(女王は暴君でもある)。
→女王の怒りを沈めなくては会話の前に殺されてしまうだろう。
→女王に対し「PCがコロンの秘密を知る唯一の人物である」と話をするならば 、女王はPCと一同の処刑を躊躇する。


※注意…ここでまごまごし、いい澱むならば、PCは窮地に立たされるだろう。


《対決A〜コロンの秘密〜》

女王は香りにおいて自分が劣ることに苛立ちを感じ、尚且つコロンには隠された 秘密があると考えている。→PCが「女王にコロンの秘密を話す」というのなら ば、女王も興味津々、食いついてくる。

★エリザベートから女王に宛てての手紙

内容…エリザベートは女王に対して女王の香りは荘厳、しかし同時に権威に飽き 飽きしていると示唆する

【Q『女王であるがゆえに望んでも手に入らぬものは何か?』】

Aこれの模範的な答えは―
「真実の愛」「自由」である。

●[10年前、エリザベートと博士が対決したあの日、エリザベートが博士の愛の 証として輝き向かい合ったこと]


●[エリザベートが愛を纏って現れ、女王はその愛の香りに焦がれたこと]


→これをよく説けば、女王は理解する。

●女王の内心

女王が
自由を求めて手に入らず―
愛を求めて手に入れられなかったこと―
それゆえに女王は知らず知らずに身を焦がす渇望に焼かれていたことを―



『女王であるがゆえに望んでも手に入らぬ愛の香り焦がれていたこと』




これを女王自身に伝えられれば女王は心を動かされる。



・これは口頭で伝えるか、もしくは博士の博物史に書き示しておけば大丈夫であ る。博物史なら女王はその場で博物史に目を通し理解する。


《対決EXT〜博物史の真贋〜》

PCが立て板に水のようにサラサラと女王に話を通せればよし。通せないような らば、博物史を読んでもらえばいいだろう。

しかし博物史が姫フランソワに奪われて奪還できていない場合、博物史は改竄さ れて提出される。
PCがそれを証明するのは困難になる。

●真贋を問う!

女王は助手であるPCの記憶に関しても一定の評価をする。そこで女王がランダ ムに開いたページの内容を正確に答えられるかを問う。女王は実に1時間の時間 をかけてまでそれを調べ上げる。

⇒無事に答えられた場合、PCの言葉を認め、姫フランソワの博物史の改竄も疑 いPCに博物史を返還する。


《クライマックス:フランソワとの対決》

マリーの博物史を認める女王にマリーはあの日の真実を踏まえて自分の考えを述 べる。
マリー「女王陛下は決して香りにおいて劣るわけではなく、自身の王座の香りに 飽きていたのではないでしょうか?
それゆえ愛の香りに焦がれていたと存じます」

●女王はその気持ちに気が付くと、エリザベートに詫びたいと思い、彼女を探す ように言う。
しかしエリザベートは既にこの世にない。

それでも女王はエリザベートがここにいる錯覚にとらわれる。エリザベートの残 り香を感じたのだ。
・その香りはフランソワの父から香るエリザベートの体身香である。

女王はそれに気が付くとフランソワの父を詰問。フランソワの父は追い詰められ る。
→フランソワは父が罰せられることを知ると、騎士の剣を奪い自ら父を刺し殺す 。

「女王陛下のお手を煩わせるまでもありません。我が父の罪は私の手でかくのご とく断じました。
この血をもって我が身の潔白とさせていただきたい。」




女王は悩む。

「エリザベート暗殺は断ずるべき罪。
しかしフランソワも権力に対して人並み外れた情熱を持っている。
たとえ血に染まる薔薇としても、摘んでしまうのはあまりに惜しい。

時に無垢な花が戦火に散らされるように、血染めの薔薇が必要な時代もある。
今はまだそれを決めかねる。」


かくしてフランソワの罪も許される。


《エンディング》

女王を説得した場合、ケレイト狩りは禁止となる。
また女王は博物史の正統性を認め、博物史改竄を行った姫フランソワに大して厳 しく“注意”をする。


★ケレイトがどうなるか―【ケレイトの擁護】

ケレイトの擁護をしたい場合、ここで女王に進言しなければならない。女王はケ レイト族について知らず真贋もわからないのでPCが進言しない限りわからない 。
⇒PCが忘れているようならば、女王は「無礼な問いを出したな、博士。詫びを したい。何か望むものはあるか?」と問いかければいいだろう。

⇒PCが成功していればケレイトも助かるはずです。


女王は最後に博物史の執筆をしているPCに声をかける。
女王はPCに対しては―
「お前こそがワグナーの博物史だったのかもしれぬな」と苦笑する。

「書きとめよ!!
かくのごとく愛がこの世にあったことを!
女王の名において、その書が真実であったことを記すのだ。」




★マリーは―

マリーは支援者・後見人がいないというハンデを持ちますが、華々しいデビュー となりました。
・彼女には苦難の道がありますが、彼女の幸運を祈ります。


★姫:フランソワは―

フランソワは父の死はショックですが、この事件でただの令嬢ではないカリスマ を身につけます。
執念というまでの権力欲を持ち、これからは親類血族を率い継承戦争を戦います 。
マリーの宿敵となります。


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