白の花嫁編 第3話

あらすじ

帝国内部に忍び寄る魔の手。それを駆逐する為に行われる非合法の活動。
コーデリアを加えにわかに騒がしくなるローランド家にも、その事件の陰は少しずつ迫っていました。
蛮族との戦を控えたローランド家の人々と、そしてコーデリア。
やがて訪れる戦は、彼らにどんな爪痕を残すのでしょう。

ストーリー・GM用

帝国内部に侵入し潜んでいたオーガ達の駆逐の為に行われたのは、誰の目にも止まらぬように非合法戦闘員を派遣して、オーガを極秘に駆るという手段でした。
そしてそれがオーガであるかどうかもわからないという対象が次々と消されていきます。
ローランド家のコーデリアもその危険にさらされていくこととなります。
コーデリアを守るためには、その活動を妨害しなくてはなりません。

レッサーオーガでありながら人を愛するコーデリアという例外を守れるかがこのシナリオの全てです。

登場人物

ブランカ

ブランカ

白い肌と銀の髪とあいまって冒険者から白騎士と呼ばれている人物です。
そんな彼女の正体はレッサーオーガです。もともとの姿の持ち主・エリックの婚約者コーデリアの心臓を食べてしまった彼女は、コーデリアの体を得ますが、婚約者エリックとの出会いに心を動かされ、次第に愛するようになっていきます。
彼女は愛と罰の両方を受けることとなるのです。
ローランド家の娘・ガートルードとは盟友の中になりますが・・・

ジョン

ジョン・ローランド

冒険者とも仲良く付き合える帝国の騎馬隊の指揮官です。
今回の事件でついに引退することになる彼ですが、
ブランカの秘密を知ってしまいブランカを排除するという使命を帯びます。
これがジョンの最後の仕事となるのは高名で知られる彼にはなんという皮肉でしょう。

エリック

エリック・ローランド

金髪の長髪を後ろに流した青年貴族でマユは濃く意思の強い印象を受けます。
誠実で正義感溢れる騎士です。
若いながら武名も知恵もあり、戦では常に功績を挙げています。
父親も名門騎士で、国を問わず活躍することはある意味主君である皇帝には困ったものとして扱われますが、結局のところその勇猛さと知恵を頼りにしています。
コーデリア(ブランカ)を妻として、愛を注いでいますが、人間としての常識的判断からもし真実を知れば混乱するでしょう。
彼には耐えられない事実です。

ガートルード

ガートルード・ローランド

帝国騎士であるジョン・ローランドの娘で兄にはエリック・ローランドがいます。
元気で快活な娘で、行動力があり、何かと危ないことにも首を突っ込んでしまうところがありますが、その行動力と前向き思考は周囲に好感を与えます。
ローランド一族は皆女子供に至るまで戦地に立つこともあるという筋金入りの戦士の一族だけあり、本人もかなりの腕前の馬上術を使います。
指揮官としても有能で、近年は副官としても活躍、小規模な活動には指揮官ともなります。
コンプレックスはガートルードという名前で、『狂った暗殺機械ガートルード』という盗賊ギルドのリーダーと同名であることから自己紹介に苦しみます。
そのため彼女は度々自己紹介では偽名を使います。
尚、兄からは『狂った暗殺機械』と馬鹿にされることがあり、一瞬で怒ります。
今回コーデリアの真実にローランド家では一番早く察しますが、その後は理解者となってコーデリアを守ります。
展開次第ではシナリオラストで死んでしまいます。

バルバ

オーガウォーロードのバルバ

オーガの部族を率いる部族の王です。
この部族はドレイクのファーロの教えを守り、非常に文化的な生活をしていますが、
オーガだけあり、戦ともなれば勇猛でまた作戦なども使ってきます。
彼らを率いるバルバはそれらの作戦などの立案から指揮まで戦の全権を預かる人物です。
ブランカの家族としては兄のように付き合い、またバルバも彼女には好意を感じています。
ブランカが人の里に行くことには戸惑いもありましたが、彼女の運命を祝福し、それを認めました。
しかし、彼女とエリックの婚姻話ともなれば心穏やかではありません。
今回ブランカの結婚に関して、納得できず。ついにそれを認める主ファーロに対して離反してしまいます。

ファーロ

ドレイクのファーロ

バルバとブランカの部族を作り上げた創造主で彼らには父にも神にも等しい存在です。
配下の種族に言葉を教え、教養やモラルなど全てを教え、また愛し合うことなども教えるなど支配者の範疇を越える人望を持ちます。
部族を治めるドレイクは人間を現時点では敵と考えていますが、交易などを行い交流を交わすことで文明の発展も必要と考えています。
ブランカの知識は貴重なものです。
彼は共存は必要だと考えていますが、領地を開拓する意味からも最初の戦いは避けられないとも考えています。
劇中では、バルバの離反によって傷付きながらも部族のために戦わなくてはならないという苦労人姿を見せます。

ナホトケン

冒険者。今回の事件には興味本位で首をつっこみました。性格はひねくれもので皮肉屋・態度はでかいし嫌な奴ですが、好奇心は旺盛で自分から厄介ごとに首を突っ込み、また意外と人情家でもあります。腕前には自信があり・判断力もあり・頼りにはなるのですが、一匹狼を気取り集団が増えるほど勝手な行動を選択するタイプです。
ナホトケンはすでにバセロン・クリムトとコンタクトをとっており、事件の詳細について聞いています。
バセロンとクリムトからにしても、ナホトケンは黙らせておきたい相手なので、資料を公開して第三者としての立場を容認させました。
ナホトケンとしても知り合いがいるわけでもなし、今回の事件は傍観者としても構わない、とそれを納得してしまいましたが、帝国内部で行われる組織的な犯罪に対して内心は正義感か(もしくは天邪鬼的思考か)何かをくすぶられ、見過ごせないとも考えています。そういう意味でPCをつついたという経緯があります。

ナホトカ

冒険者。今回の事件は関心はありませんが、ナホトケンのおもりとして同行しています。性格は無感情と思えるほど冷静沈着。表情はまったくかわりません。独走するナホトケンの御付・兼・お目付け役です。感情を伝えるのは苦手で、ナホトケンのことは尊敬しているのですがその気持ちは伝わらないりません。
ナホトケンとナホトカはすでにバセロン・クリムトとコンタクトをとっており、事件の詳細について聞いています。
バセロンとクリムトからにしても、二人は黙らせておきたい相手なので、資料を公開して第三者としての立場を容認させました。
なお、バセロンとクリムトが後悔した資料は見せただけですが、一目見た瞬間をナホトカは全てを暗記してしまい。自分でリストを書きお越し用意してしまいました。

バセロンとクリムト

バセロンとクリムトは肉体派だけど頭の悪い弟と理知的な魔法使いの兄というコンビの兄弟です。二人はナイトメアで、兄弟ともにナイトメアとして有名です。
弟・バセロンは筋骨隆々として引き締まった快男児で、野性味たっぷりの青年です。頭はあまりよくありません。判断は兄にまかせきりのお兄ちゃん子です。
兄・クリムト燃えるような赤い髪の切れ長の瞳の長身の魔法使いで、理知的な印象を与えます。弟を溺愛しています。

帝国内で起こる殺人事件などに関与しています。
この事件を起こしているのは、実は帝国の非合法機関です。国内にオーガがいるとわかった時点で極秘にオーガ達を駆る作戦が行われているのです。
当然この犯人達が捕まったとしても、トカゲの尻尾きりでこの事件はもみ消されてしまいますし、必要ならば第二・第三の刺客を作ります。

 事件の前には予め下準備として、情報収集をする冒険者の存在がいます。それがバセロンとクリムトなのです。
二人がオーガであると判定した場合、対象は極秘に始末されます。その後刺客が送られますが、必要とあらば、衛視たち協力して事件を起こします(一部です)。
バセロンとクリムトは善悪を判断基準にはしていません。あくまでオーガかそうでないかです。そしてその情報を伝えたあとにうえが判断するのです。
基本的に上の判断はオーガならば抹殺の一辺倒です。バセロン・クリムトは一応自分の考えから、温情を願っていますがそれは無理な願いともわかっています。

シナリオ本編

はじめに

帝国内部に忍び寄る魔の手。それを駆逐する為に行われる非合法の活動。
人と蛮族との生存競争は善悪を問わず、生きることが正義・商社こそ全てであると言うのならば、それらの全ては一体なんなのか。
あるドレイクは「共存こそ、神が望んだ新たな時代の夜明けである」といった。
ある人間は言った、「100回ぐらい失敗があったんだから、次はきっとうまくいく」と。
二つは同じ意味の言葉かもしれない。

導入

冒険者の店にて

冒険者の店はいつものように新米冒険者が出入りしています。新しい仕事が無いかとか、そういった事柄を尋ねる者たち、最近の事件の情報などを尋ねる人たちもいます。
そんな中、酒場の一角にはちょっとしたスペースが開いています。
あきらかに4人がけと思われるテーブルを一人どっかと腰を下ろし占領している姿が見えます。ナホトケンです。
彼は瓦版を読みながら、いつものように不機嫌そうな顔をして、時折机の上に足を乗せます。
・ それを見かけたルーサーは「てんめぇ何度言ったらわかりやがる」と袖をまくりますが、彼の相棒のルーンフォークがそれを制すると、ナホトケンのテーブルに料理をおきます。「食事ですよ」と声をかけられて、はじめて足を下ろすナホトケンは無礼この上ない男です。

態度悪いぞナホトケン

ナホトケンは一同と顔を合わせると手招きします。やはり態度はよくありません。
・ 彼は瓦版をぶっきらぼうに机の上に投げつけます。「どいつもこいつも動き出したようだぜ?」
・ 瓦版には前回のモーラックの事件についてかかれています。帝国の発表には「蛮族のことを研究していたモーラックはついに蛮族側の人間となり、帝国の情報を漏洩していた」などと色々な罪状がかけられていますが、彼がオーガである事実はかかれていません。
・ 瓦版には他にも色々な記事がかかれいます。帝国内で現在人々の失踪事件が起こったり、猟奇殺人事件が起こったりしているということです。
・ ナホトケンは別のメモを見せます。「これは火事だ。不審火が結構あってな。」とそのメモほ渡してくれます。
→ 冒険者技能+知力ボーナス+2d→目標値15で判定します。
もし、モーラックの極秘資料に目を通している場合、この犯罪のと不審火に遭っているのが帝国に潜伏しているオーガ達の所在地であることがわかります。
またこのことをすぐに察した場合は判定不要で成功としてみなします。
資料に目を通していない場合、関連性はわかりません。
→ モーラックの資料の中身に目を通していない場合はわかりません。
その場合、ナホトケンは一同に対して「まぁいいや。時間に余裕があるのなら調べてみるといい」と声をかけます。
説明を求められない限り説明しません。「借りを作りたくは無いだろう?」

朝市 〜ガートルード〜

ルキスラ帝国市場は、周囲から多くの食材などが流れ込む活気あるものであり、その賑わいには目を見張るものがある。この地に運ばれる食材は多く、下町でも大抵のものは手に入るというものである。朝の買出しに人々がごった返し、取引などが行われている。

ガートルードと出会う。
一同が市場の中の屋台で、食品を買い込んでいると、突然背後から、「わ!」という声がする。
→PCが動揺して品物を落としてしまうようなら、ガートルードは困った顔をして「ゴメンゴメン」と両手を合わせて謝り、しくじったなとばかりに舌を出す。
・ ガートルードは現在は朝の散歩と説明。

ガートルードの質問

彼女はPCに対して訪ねてくる。
・ 「実はちょっと聞きたいことがあって、探していたのよ」
・ 「兄の婚約者のコーデリアさんなんだけど、あんまり私たちに心を許してくれないというか、時々何かもの思いに考え込んで、沈みがちになるの。」
・ 「冒険者活動をなさっていたとは聞いているので、騎士の一族である私たちのことを嫌うというわけではないと思うのだけれど、何かもっと別に胸に秘めたものがあるのではないかと思うの」
・ 「例えば・・・、そう好きな人がいるとか?」

逆恨みの冒険者崩れ現る

帰り道、ガートルードと一同を取り囲む男達が現れます。
男達は手に武器を持ち覆面で顔を隠しています。こんな町の往来で襲いかかろうとするのだから、只者ではありません(愚か者の類)。
「てめぇローランド一族のガートルードだな。」
「違います」ときっぱりとガートルード。
→ 彼女は小脇の露店から果物を手に取り、「私は・・・ええっとプラムよ。」と名乗ります。
一応彼女は事情を尋ねます。

彼らの言い分
・ 彼らはローランド一族と対立した山賊野党です。といっても犯罪者というわけではなく、冒険者の中でもあまりモラルのしっかりしていない冒険者であり、ローランド一族に恥をかかされ、いまでは「悪名高い冒険者」→「賊徒」となってしまっています。
・ 今回はその逆恨みにガートルードを襲い、拉致して身代金に金を手に入れようと考えています。
・ 一族の中で一番弱そうなガートルードに目をつけ、襲い掛かってきた辺りはかなり最悪な連中でしょう。当然彼らに面識はありません。
→「この狂った暗殺機械め!」

事情を聞くとガートルードは一同に目配せをして「やっておしまい!」と相手にユビを指します。
・ 一同は彼らを倒さなくてはなりません(倒さなくてもいいけど、露店はメチャクチャになります)。

敵データ・前衛に「名高い傭兵」が3体

後ろには魔法使いのボス。データ「悪に手を染めた神官」です。

勝利すると「悪に手を染めた神官」は逃げ出します。
ガートルードはプラムを法張り、つぶやきます。「なんだ。プラムよりソルダムのほうが甘いのね。今度はソルダムにしようかしら?」
そういって食べ後残るプラムをフルスイングし、相手にぶつけます。
「私は甘くは無いわよ?」

シナリオ本編

● 今回のシナリオは調査を時間の経過としつつ、コーデリア(ブランカ)&ローランド一族と交流していくというのが目的です。
→ ローランド邸には度々カオを出しておく方がシナリオのためにはいいでしょう。調査の途中顔をだしておくようにしましょう。

● なお連続殺人事件/及び火災事件の調査に関しては、真相を知ってもやりようがありません。
→ 帝国の非合法活動の指揮官となっているゴーバッシュのもとに辿り着いて、特例としてコーデリアを見逃せるようにするのが精一杯です。

調査とローランド家の顔出しを交互に行ってください。

事件の調査開始

ルキスラ帝国内部の事件

ルキスラ帝国内部の事件を調査すれば、以下のことがわかります。
例@
・ 殺害現場、深夜・橋の上。目撃者なし。死因は刺し傷。犯人は不明。
・ 40代男性。妻との二人暮し。飢饉の際に都にやってきて、職を探し、教会のボランティアをしていた×1の妻と再婚。貧民外で生活。その後は肉体労働関係の仕事をする。
・ 妻の話だと、無口であまり昔のことは話したがらず、過去のことを口にすることは無い。以外と普通のことも知らず「朴訥な方」だというのが第一印象。
・ 趣味は寝る前の晩酌。ただし勤勉で金は全部妻に渡していた。どうやら飲み友達に金持ちがいておごってもらっていたらしい。最近のみ友達が殺され大変落ち込んでいた。
・ 事件当時は建設現場からの帰り、その日現場作業員は現場に止まっていたが真面目な彼は帰宅することにし途中襲われる。

例A
・ 殺害現場、自宅・書斎。目撃者なし。死因は刺し傷。金庫があらされ物取りの犯行と思われる。犯人は不明。
・ 50代男性。資産家。妻子なし、独身。資産家なのに使用人の一人もおかない。故人の話だと「趣味は夜一人で金の枚数を数えることである」とか。
・ 裕福な資産家として数年前に引っ越してやってくる。資産家として帝国内で大成し、色々と幅広いビジネスに手を伸ばす。近くコネを利用した人材斡旋業を開く直前の事件だった。
・ 家の改築の際に、作業員と仲良くなり以来のみ友達となる。しかし、周囲の話だと、何か二人は以前からの知り合いのようだったように話が弾んでいた。
・ 記憶障害があるらしくモーラックから、記憶障害患者として説明されている。
・ 亡くなる前日、二人組みの冒険者(人間「バセロンとクリムト」この時点では名前不明)が、聞き込みに訪れ、口論となった上に追い出される。
商売相手が融資を受けようと訪ねたところ、約束の時間になっても現れず困惑、その後通りがかりの衛視に説明し、中に入ったところ発見。

例B
・ 殺害現場、人気の無い路地裏。夕方から深夜。目撃者なし。死因は刺し傷。犯人は不明。
・ 30代女性。中流階級雑貨店に勤める夫あり。子供もいる。
・ 5年前一家で引越しをするところ事故に会い一時家族は離散。川の氾濫による橋の崩落で妻のみ離れ離れになり、その後自己にあい馬車は行方不明になる。その後妻は発見されたものの記憶障害となる。夫の甲斐甲斐しい看病の末、記憶障害は直らないものの、社会には復帰、働き者の妻として評判の妻となる。子供もよくなつき、家族は円満であった。記憶障害ということもあり、モーラックの患者であった。
・ 事件数日前から、近辺でおきる殺人事件に怯え、外出はしていなかった。夫の務めの雑貨店は家からしばらく離れにあり、事件当日は妻と子供の二人が家に残されていた。
・ 5歳になる子供の話によると、夕方に訪れた2人組みの来客の後、ついていくように出て行き。「すぐ戻る」という言葉を最後に出て行ったきり、子供は直感的に「もう帰らないのでは」と不安になったという。
夜帰ってきた夫が心配になり探し回り、深夜になって冷たくなった妻を発見。医師につれていく。医師は衛視に通報。

例C 火事
・ 火災現場、人気の無い寂れた教会。深夜。目撃者なし。
・ 特殊な事件。普段は人気の無い教会から出荷し、瞬く間に炎上。近隣住人からの通報で防火団が組織・衛視達も集った。場所は都市の郊外であったために、被害はまったくなし。発見したのも偶然遠くの空が赤く炎上していることを気がついた、はずれの邸宅の住人である。
・ 建物は老朽化していたこともあり全壊。しかし、その後建物から発見された遺体は実に30名なも及ぶことがわかる。何者であるか、身分などはまったくわからず、本人を特定するものはなし。これだけの人数がいて、どうして脱出できなかったのかも不明。彼らも何か脱出しようとした形跡は見られるものの結局はできなかった様子。
・ ベテラン衛視は犯罪の可能性があるとして調査していたが、今朝になって打ち切りが上から通達される。

●衛視・騎士団からの情報収集
・ 犯行の手口は、同一のもので鋭利なナイフを使って背中から裂いたものだ。巧みの技といえるほど綺麗な切り傷で、相手は抵抗できなかっただろう。筋肉と臓器の隙間を通すようにカットする手口の犯罪者がいたが、既に帝国の刑務所の中で、奴の反抗であるはずが無い。
・ 犯人のものと思われる遺留品はあまりにもなさ過ぎる。また捜査の打ち切りも上〜通達されているおかしな事件だよ。

事件の調査

事件の調査は小出しにしていくのが一番だと思いますが、捜査が鋤でない場合どんどん飛ばしていってください。ここでの書き方もけっして調査者として明確にはかかれていませんから、マスタリングをうまくこなさないとなりませんし。
このシナリオがキャンペーンである以上、全壊の事件と連想してしまうのは当然ですから、事件の詳細に関しては比較的早くつきとめられるかと思います。
尚、それでもモーラックの極秘資料と結びつかない場合は、ナホトケンをもう一度出しましょう。
→ その場合は、モーラックの資料の写しなどを彼からもらえます。
彼の行動の動機の説明が必要な場合、ナホトカが話します。
ナホトケンは「俺は多分筋金入りのアナーキストなのさ」といい「デカイ奴がただ嫌いなんだ」と説明します。

ナホトケンはすでにバセロン・クリムトとコンタクトをとっており、事件の詳細について聞いています。
バセロンとクリムトからにしても、ナホトケンは黙らせておきたい相手なので、資料を公開して第三者としての立場を容認させました。
ナホトケンとしても知り合いがいるわけでもなし、今回の事件は傍観者としても構わない、とそれを納得してしまいましたが、帝国内部で行われる組織的な犯罪に対して内心は正義感か(もしくは天邪鬼的思考か)何かをくすぶられ、見過ごせないとも考えています。そういう意味でPCをつついたという経緯があります。

なお、バセロンとクリムトが後悔した資料は見せただけですが、一目見た瞬間をナホトカは全てを暗記してしまい。自分でリストを書きお越し用意してしまいました。

 

★★★事件の真相について★★★

この事件を起こしているのは、実は帝国の非合法機関です。国内にオーガがいるとわかった時点で極秘にオーガ達を駆る作戦が行われているのです。
当然この犯人達が捕まったとしても、トカゲの尻尾きりでこの事件はもみ消されてしまいますし、必要ならば第二・第三の刺客を作ります。

  事件の前には予め下準備として、情報収集をする冒険者の存在がいます。バセロンとクリムトです。
二人がオーガであると判定した場合、対象は極秘に始末されます。その後刺客が送られますが、必要とあらば、衛視たち協力して事件を起こします(一部です)。
バセロンとクリムトは善悪を判断基準にはしていません。あくまでオーガかそうでないかです。そしてその情報を伝えたあとにうえが判断するのです。
基本的に上の判断はオーガならば抹殺の一辺倒です。

バセロンとクリムト現る

ある程度調査が進んでいくと、バセロンとクリムトが現れます。顔見世のタイミングは事件の真相に対して、辿り着いた後でいいでしょう。

ガートルードに対して聞き込みをしているバセロンとクリムトの二人の姿を発見します。
・ 彼らはゴーデリアについて色々と聞き込んで調べています。「人となり」「以前と何か変わったことは無いか」など質問は多岐に及びます。
もっともガートルードはコーデリアに対して面識がありませんので、詳しく説明をすることはできません。
ただ、コーデリが人間であるということに疑問は持ちません。

バセロンとクリムトは冒険者であるPCが現れた場合は質問を打ち切ります。
この事件に関わっている冒険者達ならば、事情はすぐにわかってしまいますし、必要を求められれば、冒険者達とだけ話し合います。ガートルードなど関係者の家族とは会話を持ちません。またこの話を口外することも止めます。
●説明は全てクリムトが行います。
・ 彼らはそれらの真相を話し、事件を帝国が起こしていることを認めます。
・ そしてこの真相を口外しても誰も信じず、帝国がPCを疎んじるだけであると告げます。
また彼の倫理観では、オーガを駆逐することは正しいことです。温情をはさむかどうかは依頼人が決めるべきことですし、依頼人に対して(人情)含めた、報告はしていると説明します。

 

上司ゴーバッシュ

バセロンとクリムトに依頼すれば、その上司であり直接の依頼人である帝国の重鎮と会うことができます。
一同との顔合わせは、帝国の王宮の一室で行われます。裏口から案内され、侍従官の部屋に通されるのです。
・バセロン・クリムトは御用達なのか顔パスです。

全身にいかついカタナキズを浮かべた男で、特にカオはメチャメチャに傷が走っています。その堀の深い顔に隠された双眸は暗がりから光をのぞかせているという容姿は侍従とはとても思えません。彼の名前がゴーバッシュです。
・ ゴーバッシュはバセロンとクリムトが冒険者を連れてきたことに対しては大変に驚きます。本来は口外せず誰にもしゃべってはいけないことなのです。
・ ゴーバッシュは一同に対して調査を打ち切りにするように嘆願されても、受け入れません。また受け入れられる立場でもありません。
・ 今回の事件は宗教的な倫理・帝国の治安上の問題など、あらゆる面から見ても見過ごせません。
・ ゴーバッシュは一同にバセロンとクリムトからの資料を見せてくれます。その資料には、二人の調べた対象について事細かに記され、また彼らの意見も添えられています。彼らも「この対象は社会に適応し、犯罪を起こす可能性は無い」などと、何ページにも渡ってつづっています。
→ それらを見せた後ゴーバッシュは「君たちはたった一つの特例が欲しいのか?」「帝国の政治に言及したいのか?」と訪ねます。
 「君たちは政治家じゃないだろう。だから帝国の考え方に口出しすることは許さん。」
「だが、君たちは事件の真相を知る人物だ。無視もできん。」
「私に出来るのは、・・・せいぜい調査資料を紛失することだけだ」と譲歩してくれます。
「バセロンとクリムトも・・・それを望んで君たちをつれてきたのだろう。二人は無視するのは難しいほど帝国の暗部に首を突っ込んでいるしな」

バセロンとクリムトに対しては「しかし、大概にしないと、いつかは命を落とすぞ。味方でないのならば脅威として排除されるのは明白なのだからな。」

→ 「忠告しておく。帝国の内部に関わるような人物は見過ごすのは難しいぞ。皇帝はそのような者達のことを知ったら・・・ゆるしてはおかないだろう。」
「そして皇帝はこの事件に危機感を感じておられる。」

ローランド邸〜幕間〜

ローランド邸の一幕

ローランド邸は騎士の家系ということもあり、武芸の訓練に必要なものは大体揃っています。
丁度一同が訪れた時、コーデリア(ブランカ)とガートルードは表で弓の稽古をしている最中でした。
遠くにおかれた弓矢の的に対して射撃し、中央の赤丸に近い方が得点となるという訓練であり、一種の遊びでもあります。
→ コーデリア(ブランカ)とガートルードはともにどっこいどっこいの腕前ですが、ややガートルードのほうが弓はうまいようです。
・ ガートルードは時折コーデリアの的を射抜いて邪魔をするなど、遊び心満載です。困ったコーデリアは苦笑するばかり。
・ 二人に弓矢の手ほどきをしている母親は、ガートルードをたしなめます。「コラ、おやめなさい」

やがて一同の下にエリックが訪れます。彼はコーデリア(ブランカ)の武芸の腕にも驚き、「冒険者をしていたというのは本当だったんだなぁ」と声を洩らします。
・ 的を見ると、コーデリアの的はどれも当たっていますが、赤丸に入っているのは少しだけ、ガートルードはすべてぎっちりと赤丸を埋めています。
・ ところが母親の的には矢がわずか1本だけです。
→ エリックは「母さんも腕が落ちたか?」と笑いますが、母親の射た矢は既に刺さっている矢にまっすぐと向かい、その矢を割ってまったく同じと頃に刺さります。
● コーデリア(ブランカ)は「恥をかいてしまった」とカオを赤らめ、両手でカオを覆います。

ローランド一族の家訓

● 一同の下に館からの使者が訪れます。ジョン・ローランドからの使者が一同を呼びに来たのです。
● 用件は「今度蛮族討伐作戦がジョンに舞い込むことになったそうでその件についてかと」と従者は説明します。
ローランド邸は現在非常に忙しく、数多くの客人をもてなし、ちょっとした食事会か開かれています。
やってきている客人は騎士がほとんどですが、中には冒険者なども混じり、随分と無礼講な雰囲気で行われています。
・中庭にはテーブルが用意され、人々が立食パーティをしています。その一角にある館のテラスではイスにこしかけたジョンが騎士達と話をしています。

一同が訪れると、料理をいそいそと運ぶガートルードの姿を見ます。
「なんで私が給仕の真似事なんか」と呟きながらも、一同が来ると、何故か表情を輝かせます。
「お母様、お客人がきたので私は案内を」「まだリゾットは出来上がっていませんよ?」としぶしぶ置くに下がります。

●ジョンの話
ジョンはテーブルで騎士達と話をしていましたが、一同を見ると手を振って呼びます。
・ 「食事はまだかね。まだだったらどうだ。ちょうどもうすぐリゾットが出来上がる。食べていきなさい。」
・ 「実は今度蛮族の討伐軍の指揮を任された。ついてはそれに詳しい者の話を聞きたくてな。」
→ 彼は一同冒険者に席を進め、一同に席の仲間達を紹介します。皆、騎馬隊の騎士であったり、今度の事件に参加する冒険者だったりとします。
・ 「うちの家訓で戦の前には皆でよく話し合って物事を決めるようにしている。」
●質問
・ 「敵の規模はどれぐらいだ?」「300〜400が帝国の情報だが、それと主な主力はなんだボガードか?」
→ PCの知る情報
敵の主力はオーガで、騎士団と呼ぶに相応しいものです。数で数えても少なくとも1000名はいるでしょう。
蛮族は普通政治力が無いので、仲間を集めることは困難であり、戦となっても数はあつまりません。
しかしドレイクのファーロがいるので準備が整えば異種族合わせて2000になるかもしれません。 
・ジョンが今回指揮を任せられたのは1000名ほどですが、これが少ないと見ているか多いと見ているかは戦局に左右するでしょう。

・ 「相手のボスは?」
→ PCの知る情報
敵のボスはオーガウォーロードとドレイクカウントです。ドレイクカウントが戦においてどのような役割をするかは未知数です。知らない場合は大きなハンデとなります。
・ 「地形は?」
→ PCの知る情報
バルバロスの顎です。ここは相手にはホームグラウンドですが、こちらからいけばアウェイになります。
塔の正面は盆地で荒野となっており、戦にむいています。

人段落ついた時のこと、料理が遅いことに気がつき、ジョンは「見てきてくれ」と声をかけます。
厨房ではローランド家の恩たちが忙しく働いていています。
どうやら遅らせている原因はコーデリア(ブランカ)にあるらしく、その周囲では彼女の失敗の後始末に終われています。
・ コーデリアはおたまで口元を隠しながら、料理を凝視しています。
・ ガートルードの話だと、料理の味加減がほとんどわからないコーデリアは味が一食に染まってしまうまで調味料を入れてしまうというのです。
・ 奥方も困り果て、久しぶりの難題に苦しんでいます。ガートルードは「もう何もしなくていいから」とコーデリアにダメだしをします。
・ コーデリア(ブランカ)は敗北を認めたくありません。わずかなチャンスに花嫁修業をしておこうと手を出しますが、あまり成果は上げられません。
→ ガートルード「コーデリア。私たちはリゾットを作っているの。残飯をつくってるんじゃないのよ。まあ・・・見た目はかなり近いけど。」

ドーベルマンのキラージョー

● 冒険者の店に逃げるようにやってきたコーデリア(ブランカ)。一同の姿を見ると安心します。どうやら自信を無くしているようです。
● 一方、コーデリアを探しに来たエリックはコーデリアを発見。一同も一緒に館へ案内します。「今日は私の愛犬を見せよう」「可愛いぞ!」と自信
マンマンです。

エリックはコーデリアに自分の愛犬を見せてやることにします。愛犬はドーベルマン。あきらかに強そうです。そしてまったく可愛げがありません。
エリックは猟犬として扱っているらしく、あきらかに獰猛です。
エリック「名前はキラージョー。フリスビーなんてしないよ」
・エリックに「どう?」と訪ねられたコーデリア。「・・・可愛い」と呟くものの、カオは苦手そうです。

エリックは「そうだエサを上げよう」と室内に入っていきます。
とたんにドーベルマンは吼える吼える。コーデリアに吼えまくります。コーデリアは困りますが元がオーガですから怯えません。
なんとか黙らせようと、犬の口を両手でつかんで閉じさせます。
イヌとコーデリアはハアハアと息を荒げて凝視、そんな時エリックが帰ってきます。
・ コーデリアは狼狽します。なんとかPCに助けを求めます。「どうしたらいいか?」「どう説明したらいいか?」普通無い展開ですから。

一方それを見ていた2階のガートルードは笑い転げ、窓から落ちるのが見えます。

エリックは男としてアウトですか?

● 再び冒険者の店に逃げるようにやってきたコーデリア(ブランカ)。一同の姿を見ると安心します。
● 彼女はエリックのことが好きになってきています。ところが最禁忌がついたことがあります。エリックは女性の目から見て、いや一般的に言っていい男かという点です。彼女は悩んだ挙句、一般的な意見を聞こうと訪ねてきます。

どんな解答でもコーデリア(ブランカ)は一応なるほどと納得してくれます。
帰り道コーデリアを家まで送っていくと、部屋から出てきたのはパンツ一兆で鉄アレイを持ってはにかむエリックの姿です。
「やぁお帰り。心配したぞ」とエリック。コーデリアも笑顔ですんなり部屋に入っていきます。「心配かけてゴメンなさい」

逃げたオーガ

ゴーバッシュの元にまで辿り着いているようでしたら。
上記の2つのルートのイベントが全て終わった段階で、事件がおきます。
酒場でも街角でも、出入りしているローランド邸でも構いません。バセロンとクリムトは冒険者であるPCに対して、声をかけてきます。
→ 彼は一大事であるとばかりに、一同を一目のつかない場所に案内して小声で話します。
・ 追跡していた潜伏オーガに非常に攻撃的なものがいて、そのオーガはこちらのイリーガル要員を殺害、逃亡している。
・ オーガは手傷を負っている。階級は騎士団務めの馬番をしていたという奴で、おかげで内部の情報を相当持ち出していた。
・ 相手が逃走する前に襲撃をかけたんだが、返り討ちにされた。警戒されていたこともあるが、今までのレッサーオーガと違い、今度のオーガは戦闘向きのタイプだ。
・ 隠れ場所はそう多くない。炙り出すのも時間の問題だ。
→ 気にしているのは、「コーデリアがかくまわないか、だ。」「彼女を巻き込みたくは無いだろう?」

事件チャート

@ コーデリアのもとに馬番に化けていたオーガ(人の姿のまま)が現れます。彼はコーデリアにかくまってもらうように願います。
コーデリアも最近の事件は耳にしており、苦しんでいたので、この哀れな姿を見過ごせません。かくまってしまいます。
・ この時PCが見張りなどしていれば、発見できます。
・ もしPCが見張りをしていなくても、コーデリアはどうしていいのかわからないのでPCに連絡をよこし、事情を説明します。

A このことは遅かれ早かれ、家の人々に気がつかれます。
エリックはコーデリアの内心にはあまり気がつかないのでスルーしてしまいます。父親のジョンは戦の準備にしばらく外出してしまいます。
娘のガートルードはそのことを気がつきます。首をつっこみ事情を尋ねます。しかし、答えられない事情やコーデリアの素性は聞きません。
エリックとの係わり合いに関係のある内容だと「エリックに先に話をすべき」として、自分はそのことには触れません。
・ オーガはファーロを敬愛していますが人間といま戦いたいとは考えていません。ここは素直に逃げてファーロのもとに戻り報告をするつもりです。

B バセロンとクリムトがやってきて、オーガの始末に乗り出します。
コーデリアはそれを拒否し、やはり逃がすことを選択したいとしますがPCに諭されれば今の自分には何をしていいかわからないし、何もできないとわかります。
  どちらにせよオーガは自分の失敗でコーデリア(ブランカ)を捕まえさせるわけにはいかないと、こっそり逃げ出します。

C 逃げたオーガとの対決となります。
 これには騎士団も出て行き、対決となります。オーガは追い詰められ騎士団と対決しますが、その中で自分の主人を発見してしまいます。彼は結局変身することは無く、人の姿のまま討ち取られてしまいます。これがファーロのためであったのか、それとも主人のためであったのかわかりません。
・ 追いついたコーデリア(ブランカ)やガートルードはその結末にショックを受けますが、ある程度の納得もします。
・ コーデリア(ブランカ)にはこれが明日のわが身ではないかという不安に駆られます。
→ ガートルードはここでようやく自分の考えを話します。

ガートルードの気持ち

「私、実は結構秘密が多い方なの。
私 ガートルードって名前にコンプレックスがあって、とある著名人と同じ名前なの。しかも著名人は悪人なのですもの。困ってしまうわ。
だから、時々偽名をつかうのよ。」 
「誰にだって、人に言えない悩みやコンプレックスぐらいあるわ。」
「私が言いたいのは、あなたの悩みも私の悩みと同じぐらいよ。鼻で笑ったらへそを曲げるけど、私は気にもしないわ。」

「あなたと兄さんには色んな課題があるみたいね。
うまくいかない可能性のほうが大きいけど、そんなことが今までも繰り返されてきたのよ。今度こそは多分うまくいくわ。
100回ぐらい失敗があったんだから、次はきっとうまくいくと、未来は読み解くのよ?」



クリムトの愚痴

バセロンとクリムトはその結果を見ては疲れたように溜息をつきます。一同と顔を合わせると愚痴をいいます。
「見ろ。奴は最後までオーガにならなかった。穢れも無く、変身もしない。ならば結局オーガだったのか? 証明なんてできないわけだ。
だが、結局彼が本物であるかなんて、誰にわかるというのだろうな」



バルバロスとの戦い

今回の戦はジョンとエリック・ガートルードが出陣することになる。コーデリアと奥方は留守番である。
PCが参加すると意思を示した場合は同行し、案内及び、ガートルードの補佐を任せられことでしょう。
→ 基本的には案内として同行がすじですが。

この戦に参加した場合は以下の報酬が出ます。
・ この戦は帝国のための戦なので、名誉点が10点加算されます。また帝国への貢献として記録されますので、何かのコネになるかもしれません。
・ 騎士叙任などを目指すものの場合、こぞって参加することでしょう。
・ また参加することで2000ガメルの報酬が約束され、前金で支払われます。戦に出た場合、敵一人倒すごとに200ガメル支払われます。20人倒せば4000ガメルの計算なので決して安い仕事ではありません。

蛮族のアジトまでの道中

森を分け入った山岳地帯の果て、切り立った山にある峡谷に作られたくりぬき形の塔が彼等のアジトです。
騎士団はその拠点まで兵を進め、騎馬隊を中心に盆地で戦い決戦に挑みます。
バルバロスのアジトを目前控えた平原が主戦地となることが伝えられています。
正面からの戦いで優勢を制していた蛮族は、この広大な平原を正面から迎え撃つという構えを取ります。

平原の戦い

相手はオーガによる騎士団。互いに正面から見据えています。救いというのは、相手は山岳地帯が地形であったために平原での部隊はほとんどが歩兵で、相手の騎馬隊は多くありません。この状態ならば、正面からの突撃の勝負はこちらに有利でしょう。

相手騎馬隊との戦い

相手との初期の距離は広く。それゆえ射撃戦のみが有効となります。

ビジュアル

ジョンとエリックを含めた騎馬隊は悠然と相手騎馬隊へ向けて進行していく。
騎馬隊一部が分かれ、側面側に移動し、馬を一斉に静止、馬に備え付けられていた鞘から、ロングライフルを取り出し構える。
 その手際は見事なものである。両手を開けて腰だけで馬を安定させつつ、銃を構える。これがローランド一族が独自に訓練した騎士団の動きである。
この射撃はなれない馬はたちまちに混乱を起こす。相手の騎馬の訓練度は低い。

・ 相手は弓矢の射撃を行ってくる。こちらに対して放たれる弓矢は命中−2修正で10回訪れる。陽動・挑発がされていた場合1d6減る。
・ 仲間の発砲があり、馬を沈めなくてはならない。ライダー技能+敏捷で12が目標となる。

接近戦

・ まず行われるチャージ攻撃。相手の馬列は乱され、落馬するオーガの騎士達。オーガの体格は大きい、それゆえに馬を得るのも困難であり、無理に乗るには鎧などを軽量化しなくてはならない。それではこの突撃を食らってはひとたまりも無い。
・ チャージまでの移動距離は十分。スーパーチャージを習得しているものでも使用できます。


乱戦状態

たちまち起こる乱戦。周囲は馬上の敵、落下した敵と埋め尽くされます。

相手のオーガの数は50体を、今回は防護点は7です。固いので攻撃回数があっても苦戦するかもしれません。
敵の数は固定で10人です。足りなくなった分はすぐにくわわり10人を下回ることはありません。
・ オーガの攻撃は目標値17・ダメージも17点です。
・ オーガは自分が攻撃した後、馬にも攻撃させます。馬の攻撃は14目標でダメージは14点です。

この戦いではエリックも共に戦ってくれます。
・ エリックが攻撃すると、オーガの生命点は0になります。エリックは毎ターン1匹ずつしとめていきます。

指揮官・オーガウォーロードのバルバ

そんな中、蛮族の塔よりラッパの音がふかれると巨大な影が踊り出ます。それは巨大な竜です。そしてその竜の上にはあのオーガウォーロードの姿があるてはありませんか。
ドレイクのファーロ「王も時としては騎士のその背を委ねる。それができてこその王よ。ではバルバ、参ろうぞ」
オーガウォーロード・バルバ「は! いくぞ人間!」

バルバとファーロ

バルバが来て戦況は一転する。バルバの巧みな指揮は蛮族に動きを警戒にし、相手の陣形を見下ろしながら、バルバは相手を緩急つけた分断作戦に出る。
こうなると騎馬隊も乱れたところから、討ち取られていくこととなる。
情況を誰よりも性格に把握しての指揮は、帝国騎馬にはできぬ動きであり、この動きに戦況は追い詰められていく。

またバルバの勇猛さも人並み以上である。
ハルバートを手斧のように二振り握り振り回されると、周囲の騎士達は次々となぎ払われてしまう。バルバに届く危ない攻撃はファーロが身代わりしてでも止め、バルバに対しては決して攻撃を通さない。

そしてファーロの魔法も驚異的である。ファーロの魔法メテオストライクはこちらの陣形をいとも容易く砕き、指揮をメチャクチャにしていく。
こうなると、勝負にはならない。しかし、バルバの指揮は撤退すら許さないのである。

バルバ 対 ガートルード

ジョンは兵士の撤収に入る。ガートルードの役目はバルバの指揮を阻害することである。
そんな中、一騎の騎馬が竜に向かって猛然と走っていく。走るのはガートルード。

バルバもそれが強敵であることがわかると、竜を降ろし、槍をもって向かっていく。
そして槍が振り下ろされたというとき、ガートルードは相手の槍の穂先を駆け上がると、二振りの短剣の一つを抜いてバルバに襲い掛かる。
バルバと打ち合わされる刃。
バルバは槍の柄に乗られて片手が利かず、頭上ではファーロも支援できない。ガートルードは最大に集中したカウンターをもってバルバの片手打ちへと反撃をあわせていく。

もし支援できないようなら、ガートルードは討たれてしまう。

バルバはその時、ガートルードの乗る槍の逆手を放すと、ガートルードの腰の短剣を引き抜く。そして深深と刃をうずめる。
苦悶の表情で沈み込むガートルード。勝敗は決したのである。
振り返るバルバの先、帝国騎士団は撤収を終えていた。
・ ガートルードはバルバと同じ上空での戦闘なので支援は困難です。しかしここで射撃攻撃なとで攻撃し命中させることができれば、助けることができます。

もし支援できるようなら、ガートルードは助かる。

バルバはその時、ガートルードの乗る槍の逆手を放すと、ガートルードの腰の短剣を引き抜く。
あわやというところでバルバに刃から逃れるガートルードは地上に落下する。

そこへオーガの騎兵隊が馬を走らせる。
向かう騎兵達の槍にガートルードもまたバルバの槍を構えて向かい合い、逆に駆け出していく。
槍が当たると思われた刹那、ガートルード高飛びのように槍をつかって跳躍、相手の馬の上、騎手を蹴落とし、馬を奪い取るとさらに駆け出していく。
・PCがいるのならばここでPCを拾っていくだろう。

エンディング

ガートルードが死んでしまっている場合は、ガートルードの葬儀でエンディングとなる。
これはコーデリアにとってバルバとの決別を考える原因となる。
ガートルードが生きている場合でも、今回は痛い敗戦となる。

経験点

ここで戦闘したのは
レベル13のオーガウォーロード、レベル7のオーガ50体。
クリア経験点1000点 魔物経験点・3630 → 合計4630点です。



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