「王国の剣」

前回のおさらい

マイセン王国の国王を害し、王家に災いを成していた宰相の真の目的は王国の伝説にある魔剣であった。宰相はいずれ王子の前に現れるとされる魔剣を求め、王子の身を手に入れることを命じられたライオネル。そして王子を守るべく結集したマイセン王国騎士団。両者の対決はついにマイセンの戦となる。
湖岸都市郊外の戦いで勝利を納めた王子はこの冒険の始まりにして終わりの地。王都を目指す。

挙兵

真相を耳にしたハウザー大将軍の判断は早いものです。
「宰相はドレイクとはいえ、この国に対してあまりにも大きな功績がある。たとえ本来の目的が問題あるものであったとはいえ、本来ならば罪を減刑できるもの。
しかし、国王の殺害に関わったばかりではなく、この世界の均衡を破るという考えならば、ことは国に留まらない。我々は人の部族を代表してでもそれを止めなくてはならない。」
「国王の死後、宰相の動きが怪しいのは、それほどまでに事態が早く展開しているということであろう。とすると、もはや一刻の猶予もならない。宰相を倒し、先に国を正さなくてはならない。」
・ ハウザーは中央に戻り、王城を掌握することを決定します。

いよいよ将軍の挙兵に騎士団一同は嫌がおうにも盛り上がりを見せます。しかし、将軍の表情には影があります。
将軍は王子に対して、説明します。
「この戦をすることは自国民が血を流すことです。国内に兵をむけるのを誰が望みましょう。」と説明する。
・ 「王子のお知り合いのローザ達は、状況が理解できればこちらに協力するでしょう。しかし、宰相は一つの大きなカリスマ、自分の部下となった者たちの造反にはそなえているでしょうし、まして戦場での説得は困難。場合によっては、彼等を救うこともできないやもしれません。」
・ 王子の狼狽に対して、厳しい意見を将軍は上げます。
「既に私の配下の情報官を送ってありますが、帰りが遅い。既に亡き者にされた可能性もあります。ことは一刻の猶予もありません。今は手段を選んでいる場合ではないのです。これはもう国の問題ではないのです。王子、国王というのは、時に国以上の問題にも立ち向かわなくてはならないのです。そして決断を迫られるものなのです。」

開始状況

宰相の立てこもる都に向けてついにマイセン王国騎士団が進軍します。その旗印となるのはハウザー大将軍と騎士団を率いる王子なのです。
・戦に敗れた宰相に対して従う蛮族はもはやいません。蛮族は元々宰相に対して反感をもっていますので、宰相のために命を投げ出してまでして戦うものはもはやいません。
・宰相は先の戦いで力を使い、それによって宰相には周囲からも疑念が浮かび上がっています。今やマイセン王国の多くの民が宰相を得体の知れない男と考えています。

町の風評

戦に怯えを感じています。都で戦が行われるということに皆不安を感じています。そして宰相に対しては皆が恐れを抱いています。
・宰相は豹変しました。
今までの宰相は国を思う一貫性がありましたが、今の宰相にはありません。人だろうと蛮族だろうと使えるならば手当たり次第に使い使えないとすると切り捨てるやり方はかつての名宰相とは思えません。

マイセン騎士団天幕

都に迫る騎士団の天幕の中。王子と周囲には近衛と騎士団が揃っています。ランタンの明かりに照らされる一同の顔には、一様に憂いが浮かんでいます。
その一同の眼前に膝をつく騎士は報告をします。彼は先んじて都に送った使者です。
「宰相様は使者すら受け入れませんでした。場内で徹底交戦に望む構えを見せています。」
「宰相様を警護し、城を死地と定めたのは第3騎士団のライオネルと第8騎士団のセレスティです。」
セレスティを既に倒していた場合はライオネルのみとなります。

アトラントも髭をしゃくりながら「宰相様…か」と未だに様付けする騎士の言葉を呟きます。騎士は失言に困りますが、マイセンの騎士は元来宰相には好意をもっているのです。


ドレイクの竜

陣内の一角に設けられた広場には、一匹の黒い竜がいる。アルスランです。
→世話をしているマリエルは重苦しい表情をしています。
・アルスランは先ほど一度見回りに飛翔した後、帰ってきてから黙り込んでいます。「アルスラン様には何か思い悩むことがあったようです。」

訪ねるならばアルスランは王子達には答えます。
→「あの王城はかつてマイセンの先年迷宮があった際に魔剣が納められていた最上部の建物…。陰遁していたがため気付かなんだが、あの建物は因縁深い建物じゃ」
「いかに星を読んでも…どうこの後女神が剣を手渡すかわからぬ。しかし、全ては運命。魔剣は必ず王子の前に姿をあらわすじゃろう。ヒューモスが何を望もうと、どう策をろうしようと…運命は変わらぬ。」

城内突入

城内突入には手引きしてくれるものがいるらしく、ハウザーは約束の日にちまで皆には待つようにと告げます。
・約束の日にちは満月の夜です。
・協力者の名前は協力者の安全のために明かせません。

予知夢

王子はその日の晩に悪夢を見ます。それはやけに現実的な夢で、どこかの光景を除き見ているかのような内容です。
場所は拷問室のようで、そこで見知った女性が、助からないだろう拷問にかけられています。その女性は長年王子の世話をしてくれていた女官のローザです。
彼女は何かの厳しい拷問に自白を強要されているようですが、吐く様子はありません。彼女が見上げたところには小窓があり、満月が浮かんでいます。
★これは予知夢ですが、運命の女神の信者以外はそれを確信できないでしょう。

王子がその話をするならば、ハウザー将軍は協力者のローザが捕まり城攻めが失敗する可能性を考えます。
しかしその説明をせずにハウザー将軍に任せているとハウザー将軍は約束の定時に裏口から協力者の支援を受けて侵入をすることにします。
⇒城内にいるローザは捕まりますが、拷問を受けてもその情報は漏らしません。しかしライオネルは内部に手引きしようとしたことを推測すると、兵の少ない裏 口からの攻撃を考えて、ハウザー将軍の作戦を看破します。

満月の夜

当日・満月の夜
ローザに扮した第3騎士団の手引きを受けた一同は、裏口からの突入を敢行します。
しかし、それこそはライオネルの作戦です。一同を待ち構えていたのは周囲を取り囲む弓兵と、格子が下げられる裏門です。
→非常に絶望的な戦闘になってしまいますので、こうなると死傷者も出てしまうでしょう。

伏兵

●矢の雨
弓矢の攻撃命中値は12なのですが、夜間に不意討ち+混乱で−4修正がされます(暗視があれば−2)、矢屋の本数は一人の1D6回。普通には当たらない場合は、 矢の本数回を回避のマイナス修正に加算して下さい。
→回避はファイターまたはフェンサー技能+敏捷度ボーナス+2D6です。


救援

伏兵に待ち構えてられてしまった場合はハウザー将軍は救援の為にも城攻めを強行しないとなりません。

ビジュアルシーン〜投石〜

『「投石器」を用意せよ。その将軍の指示に兵は動き始める。しかし堅固なマイセン本城今から攻略して間に合うだろうか。
「いや違うもっと角度をつけて」「将軍これでは飛び越してしまいます。」兵の質問に将軍は不敵な笑みで答える。「そうだ。城内にこれで兵を放り込む」
「城内の様子や見とり・現在の配置の詳細はわかっている。私はカタパルトには自信がある。誤差1mで落とせる…だが、この複雑な建築物。風がどう働いてい るかわからん。私はここで試射したことはないんだ」。兵士一同「そりゃあそうでしょう」と頷く。
「もう一つ。カタパルトは人を飛ばす武器じゃない。中に落ちた物が無事かどうか…」
「誰かやるかね。いないなら、提案者の責任をとって私がやるが…」』

一同を攻撃していた伏兵に動揺が現れます。どうやら正面城門で何かあったようで、混乱が始まっています。
・もしクリームヒルトが第1騎士団でないのなら、ガタガタのバケツのような騎士クリームヒルトが訪れます。
→クリームヒルトは一同に対して「正面から強行突入したであります」と報告します。
ハウザー将軍のことを訪ねるなら)しばしの沈黙の後「突入の際に先人に立ち酷いケガをしたであります」と報告します。

城への秘密の抜け穴

秘密の抜け穴は国王の間へから場外に伸びる抜け穴です。王族には知らされているものの、それ以外はほとんど知らされていません。宰相が知っているかさえ疑問です。
・王子は父であるランドルフ国王の言葉を思い出します。「抜け穴は城側から抜ける時は安全だが、城へ向かうときは危険だ。そういう意図で作られてはいないのだからな。」
⇒この秘密の抜け穴を使えば城内には侵入できます。それ以外は正面から攻め込むことになってしまうでしょう。

郊外の祠

城への地下道は、郊外の古びた祠にあります。祠は小さなもので古代マイセン国王を型どった石像とその足元にはマイセンの歴史を型どったレリーフがあります。
★『レバーの発見』スカウト技能+知力ボーナス+2D6で目標値14です。
→石像の台座レリーフに後付けされた継ぎ目を発見します。
これを開けると内部に空洞があり奥に鉄ごしらえのレバーが見えます。
★『罠』スカウト技能+知力ボーナス+2D6で目標値15です。
不用意に手をつっこむと、内部で上の石像を支えている支柱が折れます。石像は沈み突っ込んだ手を押し潰します。⇒発動すると問答無用で手首を失います。

⇒これを開けるならば、祠の裏手から物音がします。物音の側に歩いていくと地下へと続く石段が続いています。


地下道

地下はまっくらです。入り口左右には明かり台となる石像があります。進んでいくと石像がはさらに左右に立ち並んでいます。

さらに先へ先へと進むならば行き止まりになります。

★『発見』冒険者技能+知力ボーナス+2D6で目標値15です。
→石像は動きます。
→石像の目線が下を向いています。よく調べてみるとこの通路は二重構造になっているらしく、下には空間があります。

★『罠』スカウト技能+知力ボーナス+2D6で目標値15です。
→これは空洞内部の支柱に乗せられたシーソーのような作りの通路です。石像が集まりバランスが悪くなればゆっくり傾斜します。
⇒傾斜した場合は、来た方向(北)と先の方向(南)の二つの方向に進めます。

もし、穴を開けて下へ降りた場合は薄い石のタイルを張り合わせただけの足場へと出ます。一人二人だけならば乗ることはできますが、さらに体重がかかると足場は崩れ、一同はさらに下へ落下します。下は湖面になっており、落下ダメージは30m・30点になります。

地下道・北方向の扉

北方向の地下道に来ると扉があります。
・扉には鍵がかかっています。鍵の目標値は16です。
・不用意にノブに触ると精神抵抗15で石に変化します。呪いの魔法です。

この扉の中には通路とスイッチがあります。
⇒スイッチはシーソーの支柱をスライドさせるもので。城から出る場合はこうすることで道ができます。
⇒道をさらに進むと地下道・南方向の道に出ます。

地下道・南方向

おそらく城へと続くだろうまっすぐの道。弧を描く脇道があります。
⇒弧を描く脇道は地下道北方向に出ます。ここでレバーを倒せば地上に出ます。

城へと続く道

通路を歩いていると天井が突然迫ってきます。釣天井です。
★冒険者技能+敏捷ボーナス+2D6で落下するまでの3Rの間に3回の判定を行い合計達成値が50で突破できます。
⇒しかし明かりを灯す石像をここまで動かして天井の支えにしてもいいです。
★もし10以下の失敗度なら挟まります。
冒険者技能+筋力ボーナス+2D6で目標値19です。全員が失敗したら潰れて死にます。誰かが成功したら鎧を失うだけで脱出できます。皆で協力して判定する場合協力する人+1につき+1ボーナスあります。


王の私室

最奥の螺旋階段を登り終えるとたどり着くのは小さな扉です。扉は王の私室の壁に繋がっており壁には絵画がかかっています。
・壁の絵画は、若き日のランドルフ国王と幼い王子、そして今は亡き母である王妃です。
・王子は幼い頃は母親は一緒にいてくれたことを覚えていますが、父は戦に出ていました。ランドルフ国王は王妃が病にあったことを知りませんでした。ランドルフ国王が帰ってきた時、母は既に他界していました。

ビジュアルシーン〜宰相動揺〜

『宰相ヒューモスは苛立ちとともに怒声をあらげている。
「ライオネルは何をやっている。奴等を粛清せよ。」
「第三騎士団はどうしたのじゃ!無能どもが…」
「そうじゃ!王子は捕らえよ。殺すでない。ここが大切なところじゃ」

その指示を受けた第3騎士団は騎士は顔を見合わせる。どうもこうもない…不可能な命令である。彼らは物も言わず部屋を出ていったことすら宰相は知らない。』


城内「ローザの死」

城内での戦いとなると、激しい激戦となり、問答無用で多くの騎士・神官が巻き込まれていくこととなります。
探すのならばここでかつて世話になったローザを発見できるかも知れません。
→ ローザの手引きで中に入ろうとした場合は、ローザは拷問にかけられていますので、残念ながら無事ではないでしょう。
死体が見つかるという展開に抵抗がある場合は、拷問を受けた姿で見つかるとしてください。

無事な場合ローザは、一同と鉢合わせし、「宰相様なら地下に行きました。あそこには墓所しかないのに・・・」と教えてくれます。
「裏切りものめ」その言葉を聞いた第三騎士団の騎士は背後からローザを切りつけようとします。
→ ここでローザを守れるスキルほ誰かが持っていなかった場合、ローザは絶命してしまいます。
「王子様。ご立派なお姿になられて…」と呟き、絶命してしまうのです。


ビジュアルシーン〜宰相の恐慌〜

『「宰相様…。お逃げ下さい」いまやそう叫ぶセレスティの声も虚しい。
ヒューモスはセレスティに対しても憎しみの視線を向ける。「貴様こそ何をしている。今こそ忠誠心を見せよ!奴等を撃退するのじゃ」
青ざめるセレスティ「…宰相様」

「我が計画は後一歩だと言うのに…」その呟きに退出し死地に向かうセレスティが反応し、歩を止める。
「…計画とは何です」。

宰相は狂っていた。
「魔剣じゃ!魔剣に決まっておろうが、マイセン王国にあれば誰もが知っていよう。」
「ワシがなんのために今まで取るに足らん人間どもに混じっていたと思う!マイセン王家がいつか手にする魔剣を奪うためじゃ。そんなこともわからんのか?」
「ランドルフも排除した!王子の手に魔剣がくるはずなのじゃ」

セレスティは呆然とし、唇を震わせる。「そんなことのために…」
宰相「そんなことじゃと?ふん。凡庸な俗物にはわからぬわ。神に至る道なのじゃぞ?!」

セレスティ「あなたが道を踏み外さなければ私も他の者も、あなたを尊敬し讃えたというのに!!
私達がともに越えてきた道程より尊いものがあるというですか!?」

宰相「…何を言っておる。そういえばお前は誰じゃ?」

剣の柄に手をかけるセレスティ。悲しみと強い意思を湛えた瞳。もはやその人物は自分の見知った宰相ではないという残酷な確信。
宰相の瞳は冷淡だ「ほぅ…、魔剣の事を知り欲を出したか」

悲しい…、セレスティの心の慟哭すら届かない。セレスティは刃を向ける。もはや他に忠誠のありようを見せるすべもない。
「宰相は殺され、魔物に成り代わっていたと民には伝えましょう。やはり私は暗殺者…真実は闇に葬るのみよ。」

宰相は狼狽するどころか含み笑いを始める。まるで滑稽なように笑い始める。
「ご立派な口舌だな。ワシもよくよく考えてみれば…回りくどいことをしたようじゃな。女神に言わせたらワシもまた滑稽な姿であろう。ではシンプルにいこう。食い散らかし後は奪うだけよ。」
宰相の異形の変貌。セレスティは剣を向け飛びかかる。』

※このシーンはセレスティの死の真相になります。時間が無ければ割愛しても構いません。プレイヤーがセレスティに関心が無い場合スキップしましょう。


セレスティの死

宰相の部屋でセレスティを発見できます。セレスティはひどい姿です。全身は引き裂かれ砕かれています。セレスティはそんな姿で床をはい回り、目前にある落ちた自分の剣を探しています。
・セレスティはもう助かりません。目も見えなくなっています。 一同が来たことを理解すると、最後の力を振り絞り報告します。
・「国王失踪も全ては宰相が企んだものだった。宰相は私の前で暴露したわ」
・「宰相は魔物だった。見たことの無い強大なドレイクよ。普通に勝てる相手じゃないわ。」

・セレスティはうわ言のように呟きます。
「宰相様をお救いできなかった。例えドレイクでも、わかりあえたかもしれないのに。」
「そればかりか、私は王子とも敵対し、あまつさえ国の分裂に加担してしまった。」
「今まで生きてきたのが間違いだったのよ。私はあのルキスラを追われた日、死んでしまえばよかったのよ」
⇒ここでセレスティを諭すならばセレスティは一同に感謝します。
「ありがとう。もし私に時間が許されているならば、もう一度あなた達と…」と言いセレスティはぐったりとして動かなくなります。セレスティはもう目を覚ますことはありません。
彼女の死に顔が穏やかであるか、悲痛なものであるかはプレイヤー次第です。

変貌する回廊

『一同の到着。その時同時に踏み込んだ王子の足元から石畳は大理石へと変貌する。天井は高くそびえ、壁には彫刻と彫像があらわれる。
その場にいた宰相は、一同の到着に対して本来狼狽するべきであったが、振り返った彼の口から漏れたのは含み笑いであった。
「クックッ…。色々な策謀を用いたが、結局は定められたものがある。運命の女神の申すことも正しいとは思わんか?」その宰相の目前には巨大な両開きの扉に手を触れた宰相は、一同に対して不適な笑みと、誰に対してのものかわからぬ憎しみの視線を向ける。』
→現れたのは最後の間です。この扉の向こうに魔剣があります。

ライオネル

『頃合いを見計らったのは、姿を現したのはライオネルであった。魔剣の間の出現に興奮を隠せないヒューモスとは対照的に関心無く魔剣の間を眺める。』
・ヒューモスはライオネルに対し一同を倒し、魔剣を守る女神を滅ぼすことを命じます。しかしライオネルは「興味ないな」とヒューモスを突っぱねます。
「魔剣だの、神だの、俺には関心が無い話だぜ。だが奴等は別だ。奴等は俺が斬る。それが終わったら…お前との方をつけよう。」
宰相とライオネルはにらみ合います。

ボス戦1

宰相は門を押し開け奥に進んでいきます。
一同が宰相を追いかけた場合ライオネルは王子は素通りさせますが、他の一同の前には立ちはだかります。
・ライオネルは王子が魔剣の元に行くのは何かしらの因縁があるのだろうと納得していますし、宰相が魔剣をあっさり獲得してしまってはライオネルとしても困 ります。そこで王子だけ先に行かせることにしたのです。
⇒尚ここで一同が集まりライオネルと対決するのも構いません。その場合でもどのみち宰相は中々魔剣にたどり着けませんから。

ビジュアルシーン・エンディング布石

ライオネルは王子についていくマリエルを見ては声をかけます。
「おいおい。お前こんなところまで来たのかよ。怖くねぇのか?」
マリエルはライオネルに向き直ると言います。
「私も随分冒険したんですよ。もう怖いものなんてありません」

※非常に大切なセリフですから忘れずに、ね。


『魔剣士ライオネルとの戦い』

ライオネルとの対決はプレイヤーが全員か王子が抜けているかで若干の変更をします。
・ライオネル戦で王子が抜けている場合生命点上限は300とします。また他の第1騎士団の支援もあります。
・ライオネル戦で王子が抜けていない場合、周囲から第3騎士団が現れます。第1騎士団は第3騎士団と対決をしますので支援はできません。

ライオネル

<戦闘特技>   両手利き・双撃・魔力撃T・全力攻撃T・U・キック・薙ぎ払い/追加攻撃・投げ
 HP 400 /生命抵抗23+2d  MP 200/精神抵抗 23+2d  

攻撃 命中値は+1〜+5までさらに強化できます。
・ 「飛びかかる」 命中 23+2d  ダメージ 2d+12    効果:ターンはじめに行います。行動回数に入りません。
・ 「咆哮」    精神 23+2d  ダメージ 2d+12    効果:毎ターン1回実行します。全体が判定し、失敗したら次の自分の行動終了時まで―2の修正を受けます。

主行動です。下記のどちらかを宣言します。
・ 「魔剣で斬る」 命中 23+2d  ダメージ 2d+65    効果:2回攻撃です。対象は別々の目標も選択できます。
・ 「武器狙い」  命中23+2D  ダメージ:なし      効果:魔法武器以外の基本武器の筋力差分耐久ダウン。彼の筋力は80。従って魔法武器を以外なんでも破壊
・ 「薙ぎ払う」  命中 23+2d  ダメージ 2d+40    効果:剣を一本とし、周囲5人に1回攻撃です。

魔法  あまり使いません。
・ 「精神攻撃」  魔法 13+2d  ダメージ 15点精神に 効果:精神攻撃魔法。スティールマインド。MP10点吸収。
・ 「回復」    魔法 13+2d  ダメージ 20点回復  効果:キュアハート。
・ 「ファイア」  魔法  13+2d  ダメージ 18点/9点   効果:相手が抵抗するとダメージは半減します。
ヘイスト時・1d振り5.か6ならば+1回行動。
・ 「薙ぎ払う」  命中 23+2d  ダメージ 2d+65    効果:剣を一本とし、周囲5人に1回攻撃です。

回避
・ 「回避する」  命中 18+2d  防護点 21      固定値ならば回避は22として判定します。


ライオネルとの会話

●戦闘中のライオネルの会話は以下のものです。
「俺は魔剣を持つ神を殺すためにヒューモスが育てた魔剣使いだ。俺は何代も転生しながらここまで来た。」
「この巨人グラールの魔剣は、常人では扱いこなせず人の精神を病む。俺も3回の転生をして初めて振り回せた代物だ。お前らの剣とはものが違う」
「リーンカーネイトを繰り返し鍛え上げられたが、おかげでこの剣にどっぷり浸かっちまったぜ。」
「誰が魔剣を手に入れても別に構わん。そいつを俺が斬るとしよう。」
→魔剣を手に入れる気か?)「バカなことを俺の剣はこの魔剣よ。他のどれも手になじまねぇのさ」


マリエルがヒューモスの元へ向かう

もし総てのPCがライオネルとの戦いに残り、宰相ヒューモスを先に「魔剣の間」 に行かせてしまった場合、ヒューモスに魔剣を奪われてしまう恐れがあります。
→その場合はヒューモスの後を追って、マリエルが魔剣の間に向かいます。

ライオネルはやはり驚き、「お嬢ちゃん。怖くないのかい?」と訪ねます。アリ アは「私だって強くなったんですよ。怖いものなんてありません」
・マリエルを呼び止めるとマリエルは一瞬立ち止まってから振り返ります。瞳には不 安の色がありますが、助けを求めることはありません。「すぐに来て…。待って ます!」と駆け出します。

ビジュアルシーン〜ドレイク達の戦い〜

『開かれたフロア。中央に備えられた魔剣の台座への石段を昇るヒューモスを呼 び止める少女の声。
ヒューモスは振り替える。「姫か…ドレイクの血も薄れたものよ。」

姫はその顔を見据え、剣の柄に手をかける。
「あなたはアルスランおじいさまに似ていると聞いていましたが、どこも似てなどい ないわ。
部族も愛さず、未来を語る共もなく、マイセンに生きて、マイセンを愛さない。 あなたは醜い化け物だわ。」
ヒューモスはほくそ笑みマリエルに向き直る。その指が杖を握り直そうとした時、 突然に天井が崩れ、瓦礫降り注ぐなか巨大な咆哮が起きる。竜に転じたアルスランで ある。翼を広げるマリエルも舞い上がり、アルスランの背に舞い降りると剣を引き抜き 構える。

ヒューモスは動じない。それどこれか不敵な笑みを漏らすと一同へと踵を返す。 一段二段と階段を下り姿は変貌。竜ともならぶ巨大な獣に変貌したヒューモスは アルスランとマリエルへと襲いかかる。』

合流について

マリエルがヒューモスと対決し時間を稼いでくれている時の流れです。
→一同が到着した時見るのは引き裂かれ血に沈むアルスランとアルスランが呼んだであろ う隕石の山です。隕石は総ての中央にの巨大な獣の周囲にあり、獣には負傷はあ りません。獣はやがてヒューモスへと姿を戻すと、足元に視線を戻します。
刃を構える血まみれのマリエル、それを払い時に武器を打ち付け会うヒューモス。 マリエルももう限界です。
→一同が到着したのは「いよいよ止めをさそうとしたとき」です。

剣の間

そこは広大に広がる聖域。開かれた空が広がり、天にはただまばゆいばかりの光が降り注ぐ。青く繁る草、石像に絡まる蔦。王城の地下にはあるはずのない空間が広がっています。
・石像の顔にはどこか見覚えがあるものがあります。
・アルスランとヒューモス、タぺストリーなどでみたマイセンの建国王など。そして中には巨人グラールや魔剣士ライオネルを模したものもあります。

その晴天の空が暗闇に覆われます。赤黒い世界は瞬間的に世界の色を塗り替えてしまいます。石像の影は血だまり、蔦の絡まる木々は木々ではなく古びた剣です。木々から垂れる蔦の影を見ると交首台の縄であり、影には吊るされる人が映っています。
再び訪れる光に景色が戻りますが、それが表裏一体であることがわかります。
これらは同じものなのです。光の中に立ち並ぶ十字架は闇の中のいくつもの剣なのです。

ヒューモス

その中央には巨大な祭壇があり、今まさに一人の男が登っていきます。宰相ヒューモスです。
・ヒューモスは振り返り、この光景をたからかに解説します。
「王子。見ての通りじゃ。万物は表裏一体。栄光の影にはいつも悲惨な争いがある。」
(※そういう意味じゃないんですけどね。)

魔剣

ヒューモスは再び祭壇の上を仰ぎ見ます。そこには神々しい光を放つまばゆい剣が突き立てられ収められています。しかし剣は時折暗闇に覆われ赤い影が走ります。
「見よ。誰もがあれをもとめている。あれを前にして善だの悪だの論じるのは愚かなことじゃ」

女神

その魔剣の前、ヒューモスに向かい合うように一人の影があらわれます。光を背にした女性は輝いています。「女神か…」とヒューモスは呟きます。
・王子にははっきりわかります。その姿は幼い日に別れた母と瓜二つです。
→PCがそれに困惑するならヒューモスは解説します)
「そういうことじゃ。マイセンの国王ランドルフを愛し結ばれたのはこの女。女神は人間に転生をして、ランドルフを愛し、お前を生んだのじゃ。お前は女神の子よ。」

ヒューモス「女神よ。ようやく剣を手放す気になったか。ワシはお前を滅ぼすのにライオネルまで作ったというのに、全て無駄手間だったようじゃな。」

ビジュアルシーン〜女神とヒューモスの問答〜

女神はヒューモスに視線を送ります。それは哀れみ等も宿していますが毅然としたものです。
「…ヒューモス。何故魔剣を求めるというのですか。あなたは蛮族と人との国を作り上げました。これは神の摂理すら変える偉大な功績です。それらをなげうって何を求めるというのですか」

「ふむ…確かにそうかもな。思えば、お前との出逢いが無ければ、何もかもはじまらなんだ。」
「ワシはな。人には使命があり、全てのものには役割があることを悟った。どんなに小さな命にも使命があり、悲しい運命も偉大な未来の礎だということを、お前という存在の輪廻転生より学んだ。確かにそこには人も蛮族も無い…」
「しかしワシは同時に偉大なことを成し遂げるワシの存在すら、ほとんど自由の効かぬちっぽけな存在であることを知った。運命の前ではワシも、他の全ても等しく等価なのじゃ」
「ワシは憎む。ワシの非力さをな。運命を切り開くことのできぬワシの非力さを。」
「ワシは、お前の与えた星読みを使い、運命に逆らったのじゃ。ワシは神を目指した。その他の全ての未来が塵芥になろうと、ワシは神の手からの解放を望む」

運命の女神はそれを聞いて黙ります。そして、悲しそうに目を細めます。
「愚かな。
我が高弟ヒューモス。あなたは何もわかっていません。
人使命などなく、全ては因果の産物。運命が人を縛ったわけではないのです。
いえ…運命などは無い。
どんなに小さな命も何かを成し、悲しい結末も偉大な未来の礎となるのは、彼らが懸命に生きた証なのです。そして全てのものが運命を持つかに見えるのは、強く抗う命も・傷つき怯える命も等しく神の存在ほども尊いのです。」
「ヒューモス。あなたが偉大だったのは、あなたが必死に生きていたからです。今のあなたは運命という言葉と魔剣に躍らされているだけなのです。」


ヒューモスにはもう何の言葉も通じません。
「クックックッ…ワシが神になった暁には、人が何を成し、成さぬのか…ワシが決めてやろう。どのように輪廻転生し、何に埋まる変わるかもな。」
→その狂気の瞳に女神も息を飲みます。しかし道を譲りはしません。
ヒューモス「またお前を殺してやろう。王妃であったお前を殺したようにな。」

ラスボス1

宰相ヒューモスとの対決が一騎討ちである場合でも、マリエルは王子とともに宰相ヒューモスに立ち向かいます。
・ヒューモスのデータは宰相を使います。ただし状態異常による死亡は女神が回復してくれます。

もしヒューモスとの戦いが全員によるものである場合は、ヒューモスのデータは魔神ヒューモスになります。

宰相ヒューモス レベル17

生命点 280 精神抵抗23+2d(30固定)
マルチアクションで2攻撃と魔法を実行。
<攻撃>
「杖」      命中 23+2d 打撃点21+2d点 2回攻撃
「デスクラウド」 魔法 21+2d 打撃点30点  気絶すると:生死判定に−20修正。
「ペトロクラウド」魔法 21+2d 打撃点なし   6ラウンド後石化。
「ヘイスト」   魔法 21+2d 打撃点なし   1d6振り→ 5.6なら行動回数+1
<防御>
「回避」     回避 21+2d(28固定)  防護点 16点 

戦闘中間イベント

⇒王子がピンチとなったら(行動不能・生命点1等)頃合いを見計らって以下のイベントを発動して下さい。プレイヤーが強い場合は宰相に回復魔法などを使わせてもいいでしょう。

宰相は片がついたと思うと魔剣に向き直ります。目の前に立つ邪魔な女神を腕の一振りで壁に叩きつけると、宰相は台座より魔剣を引き抜きます。
突如として周囲には広大な迷宮が現れ始めます。ヒューモスは興奮に打ち震え笑います。女神はよろよろて王子に近づき治癒を始めます。

ヒューモスの興奮とは裏腹にヒューモスが神になる様子はありません。むしろ周囲は王城はマイセンは巨大な迷宮に変貌を開始しはじめたのです。
ようやくヒューモスも事態に気が付きます。「な、何故じゃ。」
・女神「マイセンの迷宮が始まります。ヒューモスは確かに神のような力を手に入れるでしょう。しかしそれも迷宮の中だけ。魔剣はヒューモスを解き放ちはしない。」

ランドルフ

ヒューモスは怒りに打ち震えると、魔剣を振り上げ、女神に迫ります。
「黙れ!」

その剣が中空で別の剣に受け止められます。剣を携え一同を庇うように身を乗り出したのは、国王ランドルフです。
ランドルフはチラリと王子をみたあと、ヒューモスに対して刃を振るい両者は激しい切りあいを演じます。

魔剣の選択

女神は王子に声をかけます。「まもなく…運命の時です。全てはあなたが選択するのです。」女神は王子と目線を合わせると頷きます。
視線を対決する二人に戻した時、打ち合わせた二人の剣は互いの威力に弾かれ手元を離れるとこちらへと突き刺さります。
一振りはマイセン王国の伝説の神域の魔剣。
一振りはマイセン国王の剣カーテナオブマイセンです。

⇒これが最後の選択になるでしょう。王子はどちらか片方を取れる場所にいます。二振りはとりにいく暇はありません。
どちらかを選んで下さい。

カーテナオブマイセン〜マイセンの王〜

カーテナオブマイセン
カーテナオブマイセンを取った場合は、宰相は魔剣を取ります。
宰相は「バカが」と嘲りますが、その視界が背後に向けられます。
⇒カーテナオブマイセンの効果が発動します。1分間の現実時間で可能な限りマイセン王国の人々の名前を上げて下さい。
上げた人数分の命中回避ボーナス・追加ダメージボーナスを得ます。

★そして再び宰相との対決です。


最後の戦いに一同で挑む場合も同じです。

戦闘終了後

ヒューモスの死

ヒューモスを倒した時― ヒューモスは傷口を抑え、よろめき倒れます。荒い息に流れる血もはや決着はつ きました。
見上げたヒューモスは、王子の手にした剣「カーテナオブマイセン」に視線を移 します。
「そうか、私はわかっていなかったのだな。このマイセンを守り、呪われたマイ センで何かを成す者が持つ剣こそが…魔剣だったのだ。」
「くく…思えば、宰相の座に収まり…魔剣に手が触れるかのような錯覚は、錯覚 などでは無かったのだな」
宰相は自嘲のように笑うと、突然にくぐもった声を上げ、ゆっくりと体を横たえ ます。

〜カーテナオブマイセン〜

王子が最後の戦いをパーティで戦うにせよ、一人で戦うにせよ。カーテナオブマイセンを選択した時点でエンディングは「戴冠式」→「マイセンの王」となります。

※もし王子が一人で戦いを終えた場合は、宰相との戦いが終わり一段落した時点で残る騎士団は一同と再会します。

戴冠式

王子の前にはランドルフ国王がいます。ランドルフ国王は何も語ることはなく、ただ満足したように自らの王冠を外します。
それは戴冠式です。
・王子は国王より直接王冠を受けとります。
→王冠を受けた王子をランドルフと女神は祝福します。
振り替える王子を何処からともなく現れたマイセン王国の騎士団が祝福し、歓声を上げます。マイセンに新しい王が生まれたのです。
ランドルフと女神はその喝采の中、何処へと消え去ってしまいます。宰相達の亡骸ももうありません。



魔剣〜ダルグレムの魔獣〜・王子の一騎打ち

魔剣を選択すると―
瞬く間にその体は巨大な魔獣に変貌を始めます。その腕には魔剣がくっついているかのように固く握られています。
宰相に襲いかかったのは自分の意志でしょう。宰相は悲鳴を上げると一瞬で撒き散ります。

ランドルフの死

続いて視界に入ったランドルフ国王が目につきます。
ランドルフは「…バカ者」と呟きます。
もはや体は自由には動きません。強大な穢れが流れ込み。意識は霧散しそうになります。
★精神判定をします。目標値は30です。
⇒成功したらランドルフには攻撃しません。ふと気が付くとランドルフの姿は消え去っています。
⇒失敗したらランドルフへ攻撃します。
嫌な手応えがし、床に血が飛び散ると、ひしゃげたランドルフの王冠が転がります。

女神の死

続いて獲物に狙いをつけたのは、女神である母です。女神は逃げません。ただその目を覆わんばかりの惨状を見て王子であった魔獣をみます。
「あなたなら、マイセンの王になれたのに…」
★精神判定をします。目標値は30です。
⇒成功したら女神には攻撃しません。ふと気が付くと女神の姿は消え去っています。
⇒失敗したら女神へ攻撃します。
口の中に嫌な味が広がりどこかでボリボリと音がします。足元の血だまりの中には母の手足が落ちています。

マリエルとの別れ

もう気が狂ってしまいそうです。しかし魔獣はこの部屋にいる最後の獲物に目をつけました。マリエルです。マリエルはあまりのショックに動けません。
★精神判定をします。目標値は30です。
⇒成功したら…すぐには攻撃しないだけです。マリエルを逃がそうとはできますが…。
⇒失敗したらマリエルへ攻撃します。

マリエルは逃げません。
それどこか落ちているカーテナオブマイセンを拾います。マリエルは涙を流して構えます。
「私は、怖くないなんていいましたけど。嘘をつきました。本当は…あなたを失うのが怖かった」
→マリエルに対して飛びかかる魔獣。マリエルの肌が引き裂かれ肩口に牙が食い込みます。しかし、偶然か奇跡かマリエルの剣は魔獣の手にした神域の魔剣に打ち合わされ、二つの剣はともに砕けます。
意識を覚醒させる王子ですが、王子の姿はもはや魔獣。しかも手の内のマリエルはみるみる冷たくなっていきます。
マリエルは最後の力を降り注ぐと王子の穢れを吸出します。それは最初で最後のマリエルの口付けです。
王子が人の姿を取り戻した時、マリエルは笑顔をこぼし目を閉じます。

戦闘終了後

〜魔剣/マリエルの死〜

王子が最後の戦いを、一人で戦い、かつ魔剣を選択した場合は「マリエルとの別れ」となります。マリエルは死にますが王子は人の姿に戻ることができます。本当は穢れを負ったマリエルはレブナントになるのですが、不幸追い討ちが続くとプレイヤーの感情が死にますので、ある程度はあっさり流して下さい。「満足したマリエルは死を受け入れ、穢れは転生して引き継いでいる」のでしょう。

こうなるとマイセン王国の国王となる王子は、祝福されて国王となるというよりは、力で覇権を奪う形になります。国王の一つの形ではありますが、恐らく王子は「過ちを犯した」と感じるか「これしかなかった」と頑なになるしかないのではないでしょうか。それを理解してくれるマリエルももういません。

リフレイン

長い年月が立ちます。元王子は次第に一つの不安を感じます。鏡でみた自分のやつれ果てた容姿がまるでかつての宰相ヒューモスのようになりつつあるのです。その姿がこの後の長い年月命を終わるその時まで心を蝕んでいくでしょう。



魔剣〜ダルグレムの魔獣〜/パーティバトル

●パーティー戦闘において魔剣を選択した場合。
やはり、宰相は魔獣となった王子に殺されます。しかしこのままでは王子は次々と人を殺めるでしょう。
→パーティーの残り騎士団は全員で王子を倒さなくてはなりません。

魔剣破壊

王子を助けたいとして、皆が頑なに攻撃を拒んだ場合は、死んだはずのライオネルが現れます。
ライオネルは突如飛び込んで来ると魔獣の腕の魔剣に自身の剣を打ち合わせます。剣は互いの威力に弾かれ砕けちります。魔獣は叫びのたうちます。そのまま振り回される一撃がライオネルに当たるとライオネルは回避できず吹き飛ばされます。

「アイツに自由をやるよ。俺やじじい(ヒューモス)が欲しくても手に入らなかった奴だ」とライオネルは呟き息を引き取ります。ライオネルの死に顔はやすらかです。


戦闘終了後

〜魔剣/ダルグレムの魔獣〜

王子がパーティーで戦い、魔剣を選択した場合は「ダルグレムの魔獣」となります。もう王子はいません。化物と成り果てた王子には選択肢はありません。パーティが王子を倒すという選択をした場合は受け入れ、ラスボスは王子となります。何か方法がないかと拘り続けるならライオネルに魔剣を折らせます。
王子の死か・ライオネルの死ではあまりに結果がわかれます。もしライオネルの死では軽すぎるとGMが感じた場合は「マリエルとの別れ」を使って下さい。

マイセン滅亡

王子がいなくなった場合はマイセン王国は衰退し滅んでいきます。周囲の蛮族と戦いを続けるハウザーには国内の内政には手が行き届きません。宰相すらいないマイセンでは衰退を始め、残念ながらマイセンは10年後にはルキスラ帝国に吸収併合されてしまいます。

終わらぬ戦

王子が生きていた場合も、魔剣を選択してしまった場合は、心がやすまることはありません。武力を用い周囲と戦いを続ける王として恐れられていきます。

★魔剣は力のシンボルですがマイセンという集合体には反対の立場です。個人が以下に強く神に近いかを指す武器なので、それを選んだ時点で孤高の人生を歩まなくてはなりません。



エンディング 

マイセンの栄光

振り替える王子と騎士達の視界には騎士団の姿が見えます。王城に突入していた 騎士団はこの間にたどり着いたのです。
→騎士達もおおよそ総てを理解します。
→宰相が魔物であったこと、その宰相が一時自分達と関係を結べたことをです。

ランドルフがいた場合

「王子よ」と声がかけられます。ようやく落ち着いて再開を果たす王子とランド ルフ国王。ランドルフは満足げに頷きます。
国王ランドルフは、自らの王冠に手をかけると、それを外します。戴冠式です。
→ひざまづく王子の頭に自らの王冠をのせます。
よりそう運命の女神とランドルフ国王。

新王

立ち上がった王子に…いや新たなマイセン国王に対し人々の歓声が響きます。気 が付けば場所はマイセン王場の謁見の間になっています。並ぶ騎士団長達の敬礼 、騎士達の歓声が場を満たし、砕けた天井から降り注ぐ光が新たな国王を照らし 出します。
・ランドルフと運命の女神の姿はもうありません。彼らは変えるべき地に帰った のでしょう。

最後に―

このマイセン王国に新たな時代が訪れました。新王はドレイクの姫と結ばれ、新 たな時代を作っていくでしょう。


かくしてこの一連の事件は終わります。王国は新たに王子が正式に国王を継ぐこととなります。
幸先には幾多の苦難が待ち受けているのでしょうが、彼と騎士団は乗り越えていくでしょう。

王子…ではなく新たな国王となったPCは妻となるマリエルとともに、国の民への宣言をし、眼下に広がる王国の全てを見渡します。
振り返ったPCを見て笑顔をこぼすマリエルはよりそうと語りかけます。
「私には怖いものなんてないと言いましたが、嘘をつきました。あなたを…そしてあなたと私達の未来を失うことが怖かった」そう笑顔を零します。
そのマリエルの笑顔は安堵とこの蜜月が長くつづくだろうという自信に満ち溢れています。



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