「消えた国王」

あらすじ

このシナリオキャンペーンの最初のシナリオにあたります。
王子(プレイヤー)に政略結婚が上がります。相手はあのドレイクの姫です。騎士たちの反対の中、国王はその話を一気に進めていきます。
結婚の日取りとなった日、ドレイクの姫は失踪してしまいます。そしてドレイクの部族とは一気に仲が悪くなっていきます。
国王は事態を重く見て、自らが和解の使者となりますが、国王まで失踪してしまいます。
王子がボスの姿を見定めて対決の意思をしめすことができればこのシナリオはクリアです。

食卓〜王子の婚約話〜

ランドルフ国王と王子の食卓にはそれぞれの騎士が随伴する。彼らの仕事は食事中は背後に控えることである。ちなみに、騎士の食事は王の食事よりやや早く行 い済ませておくのがルールである。
ランドルフ国王は食事の中タイミングを見計らったように提案する。
「お前に妻をめとらせようと考えておる。」
「言い方を考えていたがド直球になってしまったのう。」
「嫌とは言わさぬ。これは王族の務めじゃ。既に先方には使者を送っておる。」
「相手はドレイクの姫じゃ。」
「ドレイクは今族長がおらず、力は他の二つの部族からは劣るが…それゆえ今ならばこの不本意な話にも頭を下げざるを得まい」
★ここでいうドレイクの姫はマリエルです。既に助けている場合は面識がありますし、マリエルも好意的ですが、初めての場合はマリエルにとってもつらい話となるで しょう。

→この話を騎士はもう反対します。背後に控える王の近衛ですら「なんですって!」と驚きの声を上げます。

騎士ガノッシュ

壮年の騎士ガノッシュは王の近衛の一人でしたが、普段は口を挟まない彼もこの話には驚きました。
「ドレイクは我々が長年の戦いに明け暮れた相手の一つ。たとえ盟約を結んでいたとしても、あまりにも時期尚早過ぎませんかね」
→王は振り返り、ガノッシュを見ます。その瞳には獅子のような威圧感があります。
しかしガノッシュもたじろぎながらも話を続けます。「恐れながら陛下。これは私だけでなく騎士団の多くのものが持つ考えです。こんな言葉でお考えが変わるとは思いませんが、この気持ちだけは忘れないで下さいまし。」
ランドルフ国王「…ふむ。良く言ったガノッシュ。その言葉は覚えておこう」


薔薇の館にて

薔薇の館で食事を用意してくれるのは今日はルドルフです。
【騎士見習いのプレイヤー】は父親が偉大なために、この王国ではちょっとした有名人です。毎日興味本位で誰かがやってくるのだから、人気者は忙しいでしょう。
ルドルフは厨房に入る鳴りに、料理をしていく。
・ カブのシチューを作るルドルフ。くりぬいたカブ自体を器にして、トロトロのスープをいれた後最後に焼けた石をいれてグツグツと煮込ませ、それを出します。
具も、丸くくりぬいたカブであり、とろけるようにやわらかいのが特徴です。
・ またデザートもやはりカブ。薄くスライスしたカブの中に具を入れ、その上に黒砂糖を溶かしたソースをかけて出来上がり。「カブのテイラミス」と名づけるルドルフです。

● ルドルフは食事の時には講釈をたれつづけます。ゆっくりと食事ができないのが難点です。
ルドルフ騎士団の同僚セリエを紹介します。
「剣の稽古などは。うちの団のセリエならば申し分なかろう。一度手合わせしておきなさい。セリエに勝てば、腕前は立つと証明できるからね。
新参者の台頭に、中には内心不愉快なものもいるだろうし、英雄の息子などといわれてもそちらも困るだろう。」

騎士セリエ

雰囲気的には黒髪・切れ長の瞳の涼やかな女騎士。彼女は王宮警備の騎士団ではもっとも剣の腕前の長ける人物です。
ルドルフは一同とともにセリエを伴い中庭を歩く。セリエも「何かお話があるのだろう」とついてきます。
ルドルフの話が切り出されます。「どうだろうセリエ。一同と一度手合わせをして稽古などつけてやってみたら」
提案されると、セリエは悩んだあと、「私でよければ、お相手を勤めさせて頂きます」と笑顔を見せます。
自信というより、お力になりたいという雰囲気です。

練習試合

実践を模して対決されるセリエの服装は騎士としての鎧と、バスタードソードです。
当然興味津々と団の騎士団が集まってきます。ルドルフはさっさと仕事に戻そうとしますが、気持ちもわかり勝負をみせてやることにします。


セリエ

   <戦闘特技>   1魔法撃・3両手利き・5必殺・7マルチアクション
 HP 50/生命抵抗12+2d  MP 35/精神抵抗 12+2d  
攻撃  クリティカルの計算の簡略化・命中が8以上ならば+5点ダメージUP、10以上ならば+8点UP 12ならば+10点UPと適当に計算します。
・ 「必殺剣」    命中 16+2d  ダメージ 2d+16   効果:二刀可。クリティカル8で可能。攻撃回数は2回。
・ 「魔力撃」    命中 16+2d  ダメージ 2d+26   効果:二刀可。クリティカル9。攻撃回数は2回。これは魔力撃である。使わないと10点ダメージはおちる
・ 「打撃」     命中 17+2d  ダメージ 2d+18   効果:左手拳・攻撃回数は1回。これは魔力撃である。命中すると追加攻撃。魔力撃なしはダメージ−10点
・ 「追加蹴り」   命中 13+2d  ダメージ 2d+20   効果:追加攻撃。
・ 「治癒術」    魔法  8+2d  ダメージ 11点回復  効果:便宜上・2回まで可能です
・ 「スパーク」   魔法  8+2d  ダメージ 11点回復  効果:単体に雷撃のダメージです。マルチアクションの選択肢の一つです。便宜上・2回まで可能です
・ 「馬の攻撃」   命中  9+2d  ダメージ 2d+9    効果:常に攻撃します。しかし訓練ならば使わなくてもいいでしょう。

回避「回避する」  命中 15+2d   防護点 12点     盾を持てば防護点+2UPですが使う必要はありません。

・ セリエの攻撃は、なんとフェンサーです。セリエはエンハンスを使い、筋力は30以上ありますのでこれほどの重たい武器でも軽々と振り回します。
・ マイセン王国の特殊な鎧はフェンサーやグラップラーでも装備できます。彼女の装備品が充実しているのはそのせいです。
・ セリエは複数の敵を想定して打撃1回・通常剣1回・追加攻撃1回を行います。
→ セリエは王国でもかなりつよい部類に入ります。ベスト20に入るでしょう。これを倒すことができた場合、騎士たちはプレイヤーの実力を認めます。
 これは駆け出しの冒険者には難しいことですが、かなり程度熟達したものであるのならば不可能ではないでしょう。

鍛冶屋の紹介

ルドルフは一同に対して、武具屋を紹介してくれます。
執務室で仕事の割り当てをやっているルドルフは、制服とばかりに鎧を着ています。こんな着心地の悪いものを日常的に愛用しているのだから凄い人です。
それは彼が一日中歩き回っており、あまり着替えるような時間の余裕がないことでもあります。
・ 一ついい武具屋を紹介しよう。
・ 私が親しく付き合っている武器屋にグラールという人物がいる。山岳都市に住んでいる。そこにいってみるといいいだろう。
・ 自分の注文していた品がもうすぐ出来上がる頃だ。ついでに、とりにいってはもらえないかな。

グラールの店

グラールの店は山岳都市にあります。
それでもこの険しい山岳地帯は天然の要害として来るものを拒んでいるのである。住人の大部分はドワーフですが、勿論人間もおおくいます。
また武具を求めて冒険者たちが歩き回っている姿も発見できます。
・ 一同がやってくるとドワーフが訪れ、怪訝な顔で睨み上げる。不信人物を見る目である。「なんだお前、いつもの奴と違うのー」
そのドワーフ。黒く縮れた口ひげの屈強な肉体のドワーフで、でっぷりと太って見えましたが、近づくとありえないサイズの引き締まった筋肉です。
自分たちの事情を話すし紹介状を見せると、彼は理解したのか納得する。「しかし、けしからん。自分の使いに別のものをよこすとは・・・」
・ 彼はグラールではありません。名前をイバンと名乗ります。
・ ここて働いている職人頭であるイバンはドワーフ20人の職人のトップです。彼はここの主人であるグラールの支持を受けていろいろ作っている職人です。彼の話だとグラールも職人ですが、年をとってすっかり目が悪くなってしまい、細かいところまで目が行き届かないとボヤいている、と教えてくれます。
洞窟内部を作業するドワーフたちが働きまわっています。その仕事の熱心振りに彼らはこちらにあまり気がついていません。
イバンは時折彼等の作業に口を挟み、鍛冶の方針について話し合いを始めます。二人はまるで口論しているかのような激論を交わしますが、これがドワーフ語なのです。
→ やがてイバンは気がついたように一同を再び案内します。

一同を際置くまで案内すると、そこは洞窟内部の大きな空洞になっています。そこは空洞を細かく彫刻しくりぬいて作った巨大な部屋とやっています。その部屋の中、イスに腰掛け机の上で何かの作業をしている巨大な人影の姿があります。巨人グラールです。彼は長い髭をたらした老人で、非常に温和な雰囲気をしています。動きも緩慢です。
・ 手には鎧らしきものに刷毛を使って磨いている作業です。彼からすると非常に細かい作業なのでしょう。

彼は作業を止め、ルドルフの依頼した鎧を渡します。一つは彼の鎧。一つは軍馬の鎧です。
  料金はいらないと説明するグラール。「騎士団には恩が有る。返しても返しきれぬ音がな」と続けます。

彼はその日は止まっていくことを進め、その日の夜は食卓を共にすることになるでしょう。
彼自身は食事というものをする気配は無く、唯一やっていることはといえば、タバコをふかすことぐらいだけ、その彼の視界の中で食事をするのがドワーフたちと自分です。
グラールは居眠りでもしているかと思えばおきているという具合です。
・ グラールはかつて怒りとともに邪悪な剣を打ったのですが、それを後に後悔し、剣を折ることを誓いました。この時マイセンの騎士たちがともに魔剣の持ち主達と戦い、それらを破壊して回ったのです。それは100年近く行われました。ルドルフ達、一つ上の代でついに魔剣のほとんどは失われました。そのことをグラールは感謝しています。
・ 唯一つ、今でも最高傑作と考えている剣が行方知れずです。グラールはそのことだけを気がかりにしています。


冒険者の店にて

街の酒場にやってきた時のイベントです。酒場に立ち寄ることがなければスキップしてください。
クリームヒルトは酒場にやってくると冒険者仲間に歓待されているのがみえます。クリームヒルトの知人であるらしい一団が、集まってはその話題に花を咲かしています。
・ 「ドワーフの騎馬隊なんて前代未聞だ。」一同は大喜びし、クリームヒルトもほんのりうれしそうです。
・ 彼等の話によると、彼女の馬も鎧も全て仲間たちが送ったものなのだという。彼女はそれに大変感謝し、ことあるごとに敬礼しています。
・ うまくやっているのかという話にはしばし言いよどんだ後「勿論であります」と敬礼します。
→ 皆は一瞬心配となる様子です。

国王の不調

ある朝、ランドルフ国王が朝廷に顔を出さず、中々朝廷が開かれないという事態が訪れます。その頃になるとランドルフ国王は度々朝廷を休むようになり、騎士団 からも不安の声が囁かれます。
その日はようやく宰相ヒューモスが重い口を開いた。「国王陛下は今朝は体調が優れないとのこと。大事をとって休まれておる」
・騎士団はその知らせに狼狽するが、宰相は一喝します。
「長年の無理が祟ったのじゃろう。ここで騎士が狼狽するようでは、それこそ陛下にご心配をかけるというもの、各々が部署を守ってこそ陛下も休養に専念できるのではないか」

国王の遺言

ある日の晩、【騎士見習い】であるプレイヤーを国王が呼び出します。部屋に帰った【騎士見習い】はそっと置かれた手紙によって、国王に呼び出されます。
・手紙の内容は―
今晩使いを出すので、使いとともに内密に王宮に参られたし。(ランドルフ国王の署名もあります)

その日の晩に現れたのは、フードで顔を隠した女性、エルザです。エルザは言葉少なく一同を王宮、王の私室へと案内します。
その場にいた国王は顔色は悪く、何より随分と痩せこけています。そういえば鎧を外した王を見るのは初めてです。
王は言います。
「驚いたであろう。鎧は痩せた体を隠す飾り、普段は口に綿を含み、エルザには化粧をしてもらい顔色を隠していたのだ。」
「余は数年前から病にある。最近まではなんとかなったが、今宵天分を仰いで命脈が尽きたことを悟ったわ。」
「お前に頼みたいのは、余の死後、後見人にお前の父を立てたいということだ。お前の父はこの国で今なお声望がある。」
「そして王子を余の後継ぎとする。お前にはそれを伝えておく。これは正式に文書として残し、宰相に渡しておく」
「今それを公布せぬのは、盟約中の3勢力の同行が定まらぬからだ。もし余がいなくなれば、マイセンは他の勢力に攻められよう」
「余は最後の使命として、ドレイクの種族との講和の布石を打つ。後は王子に任せよ。」
「ドレイクとは協力せよ。知恵が回り油断できぬ相手だが、年月があれば信頼を得られる。バジリスクは滅ぼせ、個人的な関係は結べても種族としては人間は認めぬ奴よ。マイセンの為にならぬ。竜族は中立を保て、人の手で討てても数に限りは無く戦には終わりがない。人が力があれば竜族は自分から攻めてはこまい…」
「詳しいことは宰相に話をしておく。宰相には信頼できぬところもある…あやつは今でも魔剣を信じておるからな。しかし、この国を共に作った友人として、民を思い、慈しむ心が…あるやもしれん。余はそれを信じたいのだ。」

婚姻話

数日後婚約を承諾したドレイクからの使者が王宮を訪れると、王宮はにわかに騒然とする。宰相ヒューモスなどは、騎士団を代弁し強く反対を述べるが、国王のワンマンは今に始まったものではなく、国王は聞く耳を持たなかった。
事後承諾をせざる得ないとあって宰相ヒューモスの怒りは目に見えてわかるものであったが、数日後には宰相も平静を取り戻す。

輿入れの日

そんなこんながあってドレイクの姫マリエルを迎える日が訪れます。
王子は国王に伴われ国境近隣の村まで訪れると、彼らを迎えることとします。

場所:西方の砦

この場所は小さいながらも城塞都市となり、周囲を覆う塀の高さは実に10mとなっています。これは丘の上にあったこの地に壁を立て周囲を堀抜いたからです。弱点の水源は井戸によって保たれていますが、大軍はおけないという欠点があります。
いつもは砦などとして防衛に騎士達が集まるこの場所も今は別の賑わいを見せています。歓迎のための式典なのですから。

姫の遅れ

しかし到着の時間になっても一行は到着しません。約束の午前を遥かに越し、正午に差し掛かるころになってもやってこないのです。
・ランドルフ国王は騎士に様子を見させるように指示を出します。
→騎士が向かいまたしばらくたった後、森の中から煙が上がります。
ランドルフ国王もただごとではないと、第4騎士団のヴァロリーを派遣します。

襲撃者の痕跡

ヴァロリーから伝令で報告があったのは、それから半刻のことです。
・戦闘があったと思われる場所あり、そこでドレイクの輿を発見。
・ドレイクの姫君及び警護のドレイク、そして襲撃者の姿なし。
・煙りはドラゴンのブレスと思われるが、ドラゴンの姿はなし。

→直ぐに向かおうという騎士団ですが、国王は「騎士が大挙して森に入ればドレイクとの争いになる。」と一喝、第4騎士団を調査に残し引き揚げることにします。

ドレイクの姫の襲撃事件の真相。

首謀者は宰相/実行犯は宰相の手下ライオネルです。動機は込み入ったものです。宰相の正体は実は古い時代のドレイクです。彼は魔剣復活までマイセン王家に近づくという気長な作戦を行っています。殆んどのドレイクはあっても気が付きませんが、姫ほどの位になると彼がドレイクであることに気が付きます。宰相の双子の兄は現在ドレイクの長老アザンをしており隠遁していますが、マリエルを含めた王族は付き合いあります。見れば双子と気が付かれてしまうのです。
宰相はそれがばれたら失脚してしまいます。マリエルが国内に入るのは身の破滅です。なんとしても阻止しなくてはなりません。これは実行犯のライオネルには知らされない事情です(ライオネルには関心もありませんが)。
襲撃には予期しない横やりが入りました。ドラゴンが飛び込んで来ると姫をさらってしまったのです。ドラゴンは魔法使いアトラントの騎竜です。姫を守るつもりなのです。
ライオネルはドレイクの戦士を掃討しましたが肝心の姫には逃げられてしまいました。


関係悪化

それから
当然ながらドレイクとの関係はこれで一気に悪化していきます。ドレイクからは説明を求める詰問状が送られて来ます。それはみるみる国王の机の上に積み上げられていきます。

朝廷の会議は長引いています。朝に始まった朝廷は昼を回っても終わりません。議題はこの事件です。
・宰相「第三者の介入で事態が悪化した可能性があります。しかし、バジリスクはそのような策謀は使いません。竜と考えるのが妥当ですが前例の無いことなのです。」
★ここでPCの意見も訪ねられます。

食堂にて〜騎士の動揺〜

昼時になり、食堂に集まる王宮警備の第5騎士団と他の騎士団も、さすがに意気消沈しています。
ただ近衛のガノッシュだけはガツガツと食事をしています。
→女官ローザは「よくこんな時にガツガツ食べられますね」とあきれ顔です。

ガノッシュ「こんな時だからさ。考えてもみろ。普通なら戦になる。みんなも意気消沈してないで食った食った!」
ルドルフ「王も宰相も口には出さないが、騎士団の中にはこの結果に一安心しているものがいる。ドレイクとの婚姻だからな。しかし、仲間内の心の乱れはこの 後ほころびとなるだろう。心配だな。」
セリエ「そういえば、第4騎士団のベリナスは今でも襲撃地点を調査しているらしいな。彼は勘がいい。何かひっかかるものでもあるのだろうか…」


ベリナス

ベリナスとは第4騎士団の詰所にて会うことができます。王城の外周部1区画にあります。
騎士ベリナスは第4騎士団の団長補佐を務める騎士です。癖のある髪に切れ長の瞳に、口許の不敵な笑みの30代男性です。

★一同が訪ねるならば、以下のように答えます。
・まだ調査中だ。妄言を吐くわけにもいかんだろ?
・ 竜について聞いたら)ドラゴンが謀略に荷担なんてはあまり考えられないな。ありえるなら背後に誰かいるんだよ。心当たりはあるんだがな…。信頼もできる人物なんだよ。皆も口には出さないが心当たりはあるんじゃないかな。
→ アトラントのことを言っています。このこと他の団員に告げた場合、すぐには気がつきませんが、皆やがて理解すると、黙ってしまいます。
・一つだけ言えるのは襲撃者はもう1グループいた、ってことだ。

マスター情報

ベリナスは第4騎士団として始めに現場に到着した騎士です。彼は戦闘があったことはすぐに理解していましたが、「ドラゴンが」との点には疑問がありました。ドラゴンに殺された人がいたとして、何故消えてしまったかわからないのです。ご丁寧にドラゴンが死体を処分したとは考え憎いからです。
また現場には戦闘の後がありますが、どうにも集団対集団の様相があります。樹木には刀傷がありました。→ベリナスは少なくとも襲撃者はもう1グループいたと考えています。
少なくとも死体を処分したもう1グループがいるはずなのです。火の手が上がってから第4騎士団が来るまでの短い時間に死体を運び出すのは大変でしょう。もったまま隠れて見つかりでもしたら大変…と考えるならば死体は隠したと考えるべきでしょう。
ベリナスは襲撃地点の側に死体を処分した場所が無いか調べました。
残念ながら死体は発見できませんでしたが遺留品は見つかりました。ドレイクの戦士の者と人間のものです。装備を見るにマイセン王国内部の人間です。
ベリナスはこれを言うことが騎士団に対してよからぬことを理解しています。今は一人で犯人探しをするつもりなのです。

襲撃者の動機はベリナスにもわかりません。
ただドラゴンが魔法使いアトラントの騎竜であることは、アトラントを知る人間として想像できます。


国王の決断

ある朝この混迷を見かねてランドルフ国王はドレイクの元へ使者として自分自らが向かうことを告げます。・宰相を始め、多くの騎士が反対します。
ランドルフ「昨夜、神託が降りた。ドレイクの元へ向かい成すべきことを成すように、という事だ。」
ランドルフの表情は重苦しいものであったが、しばしの沈黙の後言葉は続く。
→ランドルフ「王子と姫が力を合わせねばならぬのは余の考えのみにあらず。これは天意である。1000年と数百年の間に、培った関係が芽を結ぼうとしているのだ。」
「かつて運命の女神は、魔剣を求めて合い争う人と蛮族と魔物に安息を与えたという。神に至る道より尊い道があるように、ドレイクを我が王国に加えることは信仰を越えた尊い道と余は信じる。」

その話を聞いていた宰相は突然に顔面を蒼白にし、唇を噛みます。見間違いでなければ、その表情は国王に向けられた憎悪に見えます。
ランドルフ国王は宰相の表情には気が付かず話を続けます。
ランドルフ「明日にでも、余は近衛を伴い西方の森に向かう。此度の交渉には司祭長のエルザも同行するように」
→ガノッシュは「わかりました」と敬礼、エルザは決意を固めたように頷きます。

王の遺言

王の出立・前日の晩、王子とプレイヤー達騎士は国王に呼び出されます。
ランドルフ国王は私室にて一同を待ち受けますが、その顔色は悪く、髪も所々白髪が混じっています。鎧を外した体は痩せ衰えていますが、今も瞳には力をたたえています。
部屋にはエルザも同席します。
★ここで訪ねるならば王は自分の容態の話などを話ます。王はもう長くないのです。

ランドルフ国王
「王子よ。お前と話をするのも今夜が最後になるかもしれん。これから言うことは、余の遺言と思って聞くのだ。」
「我が王国の始祖となったマイセンの王は、魔剣のダンジョンの中で我が王国を建国した。しかし、正確には建国直前に魔剣の誘惑に負け、周囲の部族との盟約を違えて魔剣を求めたのだ。そして滅びゆくマイセンの王国を救ったのはマイセンの王妃…運命の女神じゃ。」
「女神は言った。もし、それを求めさえしなければ、魔剣が与える力より偉大な王となり、魔剣も喜んで手元に訪れたであろう、と。そしてそれらがわかった時に再び魔剣は姿を表すと。」
「余は魔剣などいらぬ。しかし、この王国の平和を魔剣の復活が壊すことになるのならば、お前がなんとかせねばならぬ。よいな」
「余は必ず帰ってくる。しかし、万一のことがあれば、この国を背負うのはお前だ。」
「国務は宰相に、戦はハウザー大将軍に任せよ。ハウザーならば、帝国とも渡り合えよう…。宰相がもし余の意思を継げば、心配は無いが方針を違えるようならば気をつけよ。あの男は自分の考えを持っている。お前を軽視しはじめたら、手綱を握るのは危ういぞ。あの男をあまくみるでないぞ」


決別

王の出立の時、騎士団は王を見送りに中庭に並びます。中庭に集まった騎士団は現在仕事を受け持たぬ王都警備の騎士団です(一同も入ります)。皆今までと何 か違う雰囲気を感じ取っているようです。
ランドルフ国王は宰相の手をかり馬に乗ります。途中宰相に振り返り王は元気さを装うように笑います。
「お前は反対するかと思っていたぞ。」
宰相は平伏した後に王を見上げ、「私の意見など取るに足らぬものです」と上目遣いに見上げます。
国王と王子が今まで見た宰相の顔とは思えぬ無機質な表情です。
→これを見たランドルフ国王の顔は蒼白となります。
「お前……そうか」と宰相に対して言葉を漏らしますが、その意味など誰にもわかりません。
エルザも「陛下…いかが致しました?」と不安げに訪ねるばかりです。

マスター情報

宰相ヒューモスはこの時に国王が魔剣の継承者であると確信しています。国王を殺して魔剣を奪い取るつもりです。魔剣を手に入れる目的の前には今まで培った人間関係や王国などになんの未練もありません。
宰相の変貌と冷淡さをランドルフ国王は感じとりました。
→そして宰相はこの後、国王の尾行・暗殺のためにライオネルを派遣します。

王の失踪

空位の王座の横に王子が座る留守中のことです。恐ろしい知らせが入ります。
・ 伝令騎士からの知らせでは、ランドルフ国王の近衛達が全員に殺害されたということです。国王の姿は見つかりません。また同行したエルザも行方不明です。
・ 明らかに戦闘があったらしく、まるで戦争の奇襲のようだったそうです。
→この知らせに全ての騎士団は騒然とします。
宰相は狼狽する騎士を取りまとめると、矢継ぎ早に指示を出します。
「一同狼狽するでない!まず持ち場のあるものはそれを守ること。第4騎士団は国王の捜索をせよ。伝令を出し第2騎士団のハウザー大将軍に3勢力及び帝国の備えをさせよ。」
→これで王や王子に好意的な騎士団は全て捜索隊に派遣されてしまいます。
中立の騎士団は国境沿いに布陣します。
従って国内王都は宰相の手の者が治めます。

「王子。まだ希望は捨てるものではありません。恐らく近日中には詳しい情報が入るでしょう。王子にはお心を乱されぬようによく振る舞って頂きたい」
ローザは「王子は代理王になられるべきでは?」
宰相「女官長のローザか。差し出がましいことを申すな。まだ情報は何もそろってはおらぬ!」
→騎士達も宰相の言葉には頷きます。「国王の死など演技でもない」
ローザは平伏して下がりますが、不安を感じ始めます。「確かに…宰相様のおっしゃるとおりかもしれない、けれどいつもの宰相様らしくないんじゃないかしら。…まず王位の空白は防ぐべきなのに。」


事件調査

国王一行に何があったかの調査には第4騎士団が向かいます。第4騎士団からは随時報告がありますが、芳しくありません。それは以下の通りです。
・「国王一行は確かに間違いなく襲撃を受けている。しかし、犯人は最近連続して事件を起こしていたドラゴンではなく別勢力であるようだ。」
・「国王は旅すがら容態を急速に悪くし、西方の砦にて体を休めていた。これは極秘とされた。」
・「国王がその後ドレイクの元に向かい、襲撃地点に来た。」

マスター情報

このシナリオの時点では確認できないために重要ではないことですが、あらかじめランドルフ国王に何があったか話しておきます。
ランドルフ国王は西方の森に入った辺りで体調を悪くし、ついに動けなくなってしまいます。その時に腰を休めたのが西方の森の中の小さな祠ですが、そこにマイナーゴッド『運命の女神』が降臨します。運命の女神は王の天寿を時、王を迎えに来たのです。
そこへ襲撃者ライオネルが現れます。ライオネルは女神から魔剣を奪う使命を受けています。神に怯まず挑むライオネルは勇猛そのものですが、近衛騎士全員と司祭といえどもレベルの高いドレイクのエルザです。ライオネルは国王を取り逃がしてしまいます。国王は女神とともに消えてしまったのです。
この報告は運命の女神を知らぬものには殆んど理解できないことです。宰相だけはこれを事実と受け止めています。
ライオネルの話から、女神はランドルフ国王に剣を差し出さなかったことを聞いた宰相は、魔剣は王子に次がれるのではと考え始めます(半信半疑です)。

宰相の台頭

宰相はいよいよ本性を表していきます。
朝廷の様子は様変わりしていきます。国王がいなくなり宰相に権限は集中していくのです。
宰相は新しい法律を次々と作り始めます。
「マイセン王国に加わった蛮族の結束が弱まり、他の部族になびくおそれがある。部族は専用居住区に住み出てはならないことを法律で取り決める」
「ランドルフ国王に危害を加えたのはドレイクである可能性が高い。状況証拠だがほぼ確実だろう。ドラゴンの襲撃で姫を失ったドレイクがマイセン王国を逆恨みし、ランドルフ国王暗殺を企てたのだ。ドレイクに対しては宣戦布告を行う。」
「ランドルフ国王をドレイクが殺していれば、表沙汰にし、マイセン王国の分裂を狙うはずだがそれが無い。国王は生きているか、生死不明なのだ。王子の即位は真実がわかるまでは据え置く」
→こうなると反対する騎士団は朝廷にはいません。
女官のローザはこの流れは当然と考えますが同時に、宰相に対してもただならぬ不安を感じています。

食堂〜騎士の反目〜

食堂にいる騎士団達も会話が殆んどなくなってしまいました。普段は談笑に会話を弾ませる食堂では、今は騎士達が黙々と食事を取るだけです。

ローザ「宰相様…国王様の民族融和政策を転換し民族分離政策を敷いているわ。まるで王様になったみたい」
→騎士団からは反論の意見が飛びローザを怒鳴ります。「今までが異常だったんだよ。ゴブリンや血に飢えたボガードと国が作れるか。ゴブリンなんかはいまだに隠れて小さな事件を起こしてるんだぞ。」
「宰相様は俺達の意見を代弁してるんだ。」
「いっそあの方が国王だったら…」

不穏な空気に騎士ルドルフが割り込み静止します。
ルドルフ「よさないか。騎士はそのようなことを論じる役職ではあるまいし、もし思うことがあるならば、団の団長に申すべきだろう」
しかし、騎士達の不安は拭えません。ポツリと誰かが呟きます。「王子にこの難局が乗りきれるかな…」
「だってそうだろ?未だに戦の経験のない王子が、どうやって3部族と戦うんだ。悪いが王子の出番はないよ。」
(一般的に騎士団は王子の実力を信頼していません。それは好意的なルドルフやローザですら同じなのです。)


王宮騎士団への探索命令

ある朝、朝廷にてついに指令が降ります。
王宮警護の騎士団にもついに国王の探索指令が下ります。これによって王子を支えるべき仲間たちは完全にズタズタにされてしまいます。
王子がまはや何をいおうとも、その話は推し進められていきます。
・ ルドルフ達は「これも命令」と仕方無しに出て行きますが、不穏な気配を感じます。プレイヤーたちにはよく注意するように言うでしょう。

★ もしプレイヤーが後見人に指定されていた父親などに助けをもとめようとしても、その場所までは1ヶ月以上かかり、往復すれば2ヶ月はかかることがわかります。これでは王子に何かがあっても到底まもることはできないでしょう。
★ もし使者を出すなどして連絡しようとしてもその使いは宰相の手下に暗殺されてしまいます。

宰相の専横

王子のそばには次第に監視の目がつくようになります。王宮内部から出ることはいよいよできなくなってきました。
勢力は宰相が固めてしまい。まはや国内は宰相によって牛耳られているといっても過言ではありません。
・ 宰相は手のひらを返すように冷淡になっていきます。勿論自分の配下の騎士たちには寛容で信頼もあり、騎士団のうけはいいのですが、王族をないがしろにしていくのです。

@ ある朝廷の時には、王子が来る前から朝廷が開かれています。すでに王子の存在などないもののように振舞っているのです。
それを指摘しても宰相は「王子が遅れた」というふうに責任を転嫁します。
騎士団は、宰相よりなのでそれを鵜呑みにしてしまいますが、ローザだけはそのことを案じます
A 取り決め・法律の制定の際には宰相は勝手に王族の印を持ち出して法律の制定を始めます。もはや王の権威もあったものではありません。
B プレイヤーの騎士団の解体がささやかれます。ある意味他の騎士団の配属は栄転なのですが、こうなると王子はもう誰にもコンタクトはとれなくなります。その日にちは次第に迫ってきます。
C 宰相はひそかに自分の手下の騎士団とあっています。しかも、自分の周りに逆らうものがいないとして、公然と裏の話をするようになってきているのです。

ローザ受難

もはや、王宮内部で宰相に逆らうのは司祭たちと女官だけですが、司祭長のエルザもなく、女官には力がありません。こうなると宰相は邪魔な女官の粛清まで開始します。
ローザは大変おびえてしまいます。

あるときの朝廷でついにローザは宰相に対して、「王子と二人で、昔のように国づくりをしませんか」と口出しをしてしまいます。
ローザのこの言葉に対し、宰相は立腹すると「今の王子には国を告ぐ力もなければ、資格もない。それを口出し手国政を惑わすとはなんという愚かな女だ。」
と怒鳴りつけます。
「この女と女の一族を処刑せよ」と言うと騎士は騒然とします。さすがの騎士もその言葉には驚き、助命を嘆願します。
宰相もそうしてやっとかったのか、納得すると。
「ふむ。確かにわしも勢いあまった。女官に善悪がわからぬのは仕方ない。ではこうしよう。もう政治に口出しはせぬことをここで3度誓うのだ。そうすれば罪を許し、今までのようにここで働くことを許そう。」
→ 騎士たちも胸をほっとなでおろします。「今日の宰相様はどうしたのだろう」と首を傾げます。

ローザは目の前に王子がいるので、それを言うことに躊躇いがあります。ローザとしてみれば、どうしても宰相のやろうとしていることが理解できません。
返事をしないローザに今度は騎士たちがいぶかしみます。
ローザはついに返事をしますがその言葉は宰相の望んだ言葉ではありません。
「宰相様、私にはやはり善悪がかりません。だ、王子は精一杯努力しています。未熟であるということも存じています。それでも未熟だということはそれほどまでに悪いことなのでしょうか。それならばなおさらお力をお貸しすべきなのではないのでしょうか。」
宰相はその言葉に驚き、眉をひそめますが、ローザのことを考えるようになっています。
「ふむ…わからぬか。それならば仕方あるまい。お前は国の法をおかしわしに逆らった。罰を与えねばならん…しかし、このように国が乱れた状況で、お前のようなものが出るのも仕方のないことだ。先ほどの罪状を取り消す。かわりにお前は王子の側用人を解任する。別の仕事を何か与える。以後はそこで働くがよい」
★ 王子の仲間といえたローザもここで下げられてしまいます。

宰相をおいつめるために必要なこと

ここからはこり時間の少ないわずかな時間に宰相の尻尾をつかまなくてはなりません。そのための情報収集が必要となります。

襲撃者

 ベリナスは襲撃者の中に第三勢力がいることを話していました。
 宰相が最近出入りを許可するようになったというローブの集団を発見します。説明では宰相が情報収集のために派遣している密偵という話なのですが、その正体は宰相の子飼いの暗殺者です。ここで彼らが暗殺者とわかるべく場面は少ないですが、彼らがただものではないこと、戦士ではなくスカウト、しかも毒を使う類の相手であることを、ファイター技能・スカウト技能の持ち主はわかります。(技能レベル+知力ボーナス→12以上で成功です。)

王城に伝令騎士として第四騎士団のベリナスが訪れます。
彼は王城の一新の噂聞き確認に訪れたのですが、この結果に不安感じます。しかもこの不安は的中しそうです。
ベリナスは、一同にコンタクトを取ってきます。一同は、ベリナスから話を聞くことができますが、街の酒場などで密会するのがいいでしょう。
・ ベリナスの話から、ドレイクの姫の事件で「第三の襲撃者」がいたことを説明します。そして当時の自分の考えを説明します。その襲撃者はマイセン王国の人物で、毒を使う暗殺者であるということがわかります。その話から、宰相の子飼いの暗殺者である可能性があります。
・ ベリナスは事件当時ライオネルが密命を受けていたのが足取りがつかめないことを知りましたが、これはドレイクの姫の事件/国王の失踪事件の両方に通じます。
 国王襲撃の際にはやはり毒が使われていましたが、それがドレイクの姫の失踪事件で使われた毒と同じことを説明されます。
→ ベリナスは宰相の手勢を捕まえて調べれば、それらのことはわかると説明しますが、「それをやった場合、王子の命の保障はない」と告げられます。
これは誰かの騎士団の助けをかりないとできないことなのです。

なお毒については少々荒っぽいやり方ですが、宰相の手勢を捕まえれば確保できます。
ただし、手下はその事件のことを一切吐きません。事件にかかわった直接的な部下はすでに処分されています。

宰相のおもわく

ローザと会うことで、宰相の情報を得ることができます。
ローザは宮殿内の掃除などをする雑用をしています。
・ ローザの話から宰相は魔剣の獲得を優先し、部族融和には反対でした。そのことを国王と口論していたことが伝えられます。
・ これは実は変わったことです。この国では魔剣はすでに伝説で核心のある話ではないのです。それゆえ国王も困惑していたということです。この口論はドレイクの姫との婚約話にて上がりました。 

宰相の私室

宰相の私室などに入れば、宰相の情報を獲得することができます。
・宰相の私室に入るためにはスカウト技能レベル+器用ボーナス→12で成功です。
・ただし警報の罠があり、人知れず警備を呼んでしまいます。警報の罠はスカウト技能レベル+知力ボーナス→14で成功です。
宰相が非常に特殊なもの作っていたことがわかります。それはグラールの魔剣が使える人物を作ることです。
グラールという巨人の作った魔剣は、大変な魔力をもった魔剣であり、マイナーゴッドにすら有効なダメージを与えるといいます。しかし持つものに破滅を与えることと、もともと巨人のための剣なので人間は装備できないとされていました。
それを装備できるように宰相は何世代もかけて剣の振れる人物を作ることに専念していたようです。

宰相に対して直接的に会話をすることも可能です。
もし王子が父親の不満をあらわにし、マイセン王国を滅ぼしても魔剣がほしいといった場合、宰相は利用することが近道と考えます。
宰相は王子をまったく評価していませんので、王子がそのような愚かな意見を言った場合は、本意と考え、ある程度のことの真相を説明します。
→ 宰相は「魔剣獲得のためには国王に退席してもらうしかなかった」と告げますが、それ以上は語りません。
これはちゃんとした騎士団の団長がいないと証拠にはなりません。

打つ手なしなら〜

もしプレイヤーがここまでで宰相を追い詰める情報が乏しいと考えているようならば、ベリナスに再び登場させてください。
ベリナスは宰相の子飼いの密偵の一人をつれていますが、彼は何かにおびえています。
→ 彼は事件に関わったために宰相に口封じされそうになり逃げ出した密亭です。ドレイクの姫の襲撃には同席しました。
彼は宰相は姫の暗殺を企んでいたことを説明し、自分の安全を保障してくれるように一同に頼みます。

巡回騎士団のフランチェスカ

やがて商人の護衛やキャラバン警護をしていた騎士団かぜ帰還してきます。団長のフランチェスカはマイセン王国のうわさを聞いていましたが、この現状に不信感を感じます。
フランチェスカは金髪の真面目そうな女性騎士で、意思の強そうな瞳をしています。まだ年のころは若いようですがバリバリのエリートキャリアなのです。
・ フランチェスカは朝廷に帰還すると、ちゃんと王子が来るまで待ちますし、「王子が来ないのは遅れているせいだ」としても皆にも待つようにうながします。
「それは王子に対していっておかなくてはなりませんね。でも我々が先に話をしていては王子には何もわからないではありませんか。ここは待つのが道理です。」
→ もちろん王子が来た場合は説教をしてしまうのですが。「一国の王子が遅れてくるとはどうしたことですか」
一同に対して協力してくれるのは今のところ、このフランチェスカだけです。

フランチェスカの反応

フランチェスカは宰相が陰謀に加担していることを当初はまったく信用しません。
王子に対しても、「誰にいわれたかは存じませぬが、このような流言にまどわされていては国があれるばかりです」と告げます。
「宰相は人格者としても立派です。王子がそのようにおっしゃられるのは、宰相様への嫉妬なのではありませんか?」
・ 証拠を突きつけられても、なかなかに信じてくれません。「これは…私が直接最小様に問いただしてみます。これは何かの間違いです」

宰相との対決

こでフランチェスカをともなって宰相に挑めば宰相は知らぬ存ぜぬをと押しますが、かなわぬとなれば口封じを考えます。
この宰相、キャンペーンのボスなので現時点では勝てないでしょう。宰相が普通の存在ではないとわかればそれていいのです。

宰相 レベル17

生命点 280 精神抵抗23+2d(30固定)
マルチアクションで2攻撃と魔法を実行。
<攻撃>
「杖」      命中 23+2d 打撃点21+2d点 2回攻撃
「デスクラウド」 魔法 21+2d 打撃点30点  気絶すると:生死判定に−20修正。
「ペトロクラウド」魔法 21+2d 打撃点なし   6ラウンド後石化。
「ヘイスト」   魔法 21+2d 打撃点なし   1d6振り→ 5.6なら行動回数+1
<防御>
「回避」     回避 21+2d(28固定)  防護点 16点 

フランチェスカ

<戦闘特技>   かばう・鎧習熟1・魔力撃・鉄壁・武器習熟T
 HP70/生命抵抗12+2d  MP55/精神抵抗 12+2d  
攻撃
・ 「剣」      命中 19+2d  ダメージ 2d+22   効果:ルーンバゼラートです。効果は以下のとおり。
・ 「魔力撃」    命中 19+2d  ダメージ 2d+34   効果:魔力撃です。
・ 「治癒術」    魔法  8+2d  ダメージ 15点回復  効果:14回まで可能です
「オートヘイスト」   ヘイストが自動的にかかっています。 1d6振り→ 5.6なら行動回数+1

回避
・ 「回避する」  命中 17+2d  防護点 19点      背後への攻撃を通しません。なぜか異様に硬いのですがこれは特別性の装備のおかげです。
→武器『ルーンバゼラート』効果によって生死判定はターンエンド時に行います。それまでに回復した場合死亡しません。

宰相をこの時点で撃退することは不可能です2ラウンド目の最後には増援軍がやってきます。
この時この増援をやぶって脱出しないとならないでしょう。
増援はプレイヤー人数+2人やってきます。

宰相の手駒 レベル5

生命点 25 精神抵抗8+2d(15固定)
マルチアクションで2攻撃と魔法を実行。
<攻撃>
「棍棒で攻撃」 命中 14+2d 打撃点18点 
「短剣で攻撃」 命中 13+2d 打撃点17点  毒:生命判定16 失敗すると毎ターン1d6点のダメージ。加算する。
「鍵縄で攻撃」 命中 11+2d 打撃点なし   命中すると回避−2修正。
「エネルギーボルト」 魔法7+2d(14固定) ダメージ10点固定 抵抗すると5点。
<防御>
「回避」    回避 7+2d(14固定)  防護点 2点 ・・・27点で即死する。
→ 斬られるだけのいわば雑魚。倒して経験点をかせげ。

王宮脱出

王宮から脱出しようとする際、当然宰相としては追っ手をかけます。
城門がすぐにも閉められるように指示が出されます。この時、城の雑用をしていたローザは城門から入ってくる日用品の入った馬車を受け取りに向かっていましたが、馬車をひっかけて城門を閉じられないように、わだちに細工をしてくれます。
勿論このままでは脱出も閔なんですが、馬で馬車を飛び越えられるようならば、脱出もできます。
★ ライダー技能レベル+敏捷ボーナス→13で成功です。
→ 失敗した場合、フランチェスカが拾い上げ、跳躍しますのであんまり大きな心配はありませんが、王子としては失点は少ないにこしたことはありません。

場外に逃れた一同、フランチェスカの騎士団は、すぐさま脱出経路を考えますが、たよるべき宛がわかりません。
フランチェスカは囮となることを決定し、王子を逃がすことを優先します。
「王子。私が囮となりますので今のうちにどこかに身をお隠しください。我々以外にも王子の行いに耳を貸す騎士団がおります。その騎士団を見つけ出してください。」
「もし無事でしたら、必ず合流致します。」


フランチェスカは追っ手の大半を引き付ける囮となりますが、一同の元にも追跡者は訪れます。
追跡者の数は20人ほどになります。一度に10人までしか戦いません。

この戦闘で窮地になるか、10人を撃退したときです。
空から羽ばたく影があらわれます。その影は巨大なドラゴンです(ドレイクの姫マリエルと花畑で会っていればそのドラゴンだとわかります)。
ドラゴンは襲撃者にブレスを吐いて追い散らすと、地面に降り立ち、翼を地に着けて声をかけます。
「乗れ 人間!」
→ ドラゴンの背に乗るともはや追っ手は追いつくことはできません。ドラゴンは一同をつれて西へと飛んでいきます。

魔法使いアトラント / ドレイクの姫マリエルとの再開

そこは切り立った岩山にある洞窟です。普通の方法ではこの山に登ることも不可能でしょう。眼下には西の森や西方砦の姿が見下ろせます。
風すさぶ山脈の岩肌に舞い降りたドラゴンは、一同を首をふりふりさっさと降ろそうとします。
「ええい背中がむずがゆいわ。降りろ」と怒鳴ります。
そしてその声を聞きつけたのか洞窟の置くから一人の人影が近づいてきます。
三角帽子に長いひげの老人で、神経質そうな頑固そうな顔をした老人です。手には長い杖をもっています。

「王子。無事であったか…それは何より」
その言葉の中、背後から別の人影がやってきます。人影はそれよりも小柄な影で、老人のすぐ脇を抜けて一堂に近づきます。
一同に対して手を取り、安堵の顔を見せるのは、水牛のような角をもった黒髪の少女・ドレイクの姫マリエルです。
(マリエルとあうのが初めてでなければ、一同は再会を祝うでしょう。マリエルとしては、こんな山奥の洞窟です。心細くて仕方がなかったようで。)。

魔法使いは髭をなで、一同の様子に視線を向けます。
「わしはアトラント。元マイセン王国の王宮警護騎士団の団長じゃ。ランドルフのばか者とは古馴染みよ。」


 

序章第二話〜消えた国王〜エンディング

これで2話目のシナリオは終了です。途中経験点として1000点獲得し、成長させてください。
王子が宰相と対立し、王城を脱出できればこのシナリオはクリアです。

アトラントについて

アトラントは自分の騎竜であるドラゴンを使い、マリエルを安全な洞窟につれてこようとしたり、助力しようとしていました。
今回も王子を助けてやろうと協力してくれているのです。
アトラントは国王の言うような民族融和は反対なのですが、国王とは深い友情があります。
国王の民族融和政策に起こって飛び出したアトラントですが、王国に危機にはなんとか力になろうとしているのです。
ただし国王と喧嘩しているので、決して謝ろうとはしません。
彼は尊大でわがままな頑固爺なのです。


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