白と黒の竜

あらすじ

帝国での建国祭でのこと、はじめて編成された竜騎士隊のおひろめが行われます。しかし、その当日・本番、竜騎士ロナウドの黒竜は暴走すると、ロナウドを踏み殺し、国内を荒らす暴走を開始します。時同じく竜の兄が国に訪れます。彼はアルメナス文明の魔法使いに攫われた行方不明の弟を探しにこの地にやってきたのです。
一同は竜の依頼を受け、黒竜を倒さなくてはなりません。

 登場人物 

ゲルニカ

ゲルニカ

トロルの集落で生活し蛮族を学んでいる異端の学者。
角を隠さぬナイトメアとしても知られ、
積極にライフォス・ティダン・キルヒアなどの神官達とも穢れについて論じたりしています。
本人は宗教家ではないですが、その言葉は時々宗教家のようなものも含みます。
そういう自身の考えについては人に話して理解を求めようとはしていないようです。

ガガック

ガガック

ボガードの戦士で双剣という二つ名を持ちます。
元々は他の部族の出身でしたが、誇り高く・女子供の虐殺を戦士の恥と考え行わなかったために部族を追われ、
ここにたどり着きました。
ボガードの中ではそこそこの年で、年季が入っている歴戦のツワモノです。(ゲルニカ編・第3話)

ジョン

ジョン・ローランド

帝国の騎馬隊の隊長です。
ロナウドの竜の演舞の前座をしたりと、今回は損な役回りをしなくてはならない不幸な人ですが、
究めつけには暴走した竜を退治することまで皇帝に命じられます。
そういうわけで冒険者の依頼人となります。
彼は冒険者にも好意的な人物であり、非番の日も世直し冒険を行っています。(ゲルニカ編・第2話)


ロナウド

帝国の新しく入った竜騎士です。元々は他国で竜騎士として活躍していましたが、戦場で度々問題を起こしていたので、国を追われこの地に訪れたということです。実際は竜騎士ではなく、古代魔法王国が束縛した竜を操る秘石を持つ魔法使いです。非常に派手好きで功名心が高く、演出にこだわります。

黒竜/マクロカムイ

ロナウドが使う騎竜ですが、実は心を失ったレッサードラゴンです。3000年ほど前のアルメナス文明の魔法使いにとらわれ、依頼人の命令で生き物を殺す心無い抜け殻となっています。今では放っておくと生き物を勝手に殺す破壊衝動の塊と成り果ててしまいました。オーブによって操作されます。

アルメニ・マシロカムイ

マクロカムイの兄で、非常に温厚な竜です。精霊を操る術に長けており、一挙手一同は精霊や生命を生み出す、神のような竜です。しかし、それをおごらず、小さな生命にも対等に話をする姿は自然界の賢王というに相応しい人柄でしょう。
今回一同に弟を助ける・・・叶わなければ倒すことへの助勢を依頼します。


 ことの始まり 

『打ち上げられる花火の音。
今このルキスラ帝国の首都はちょっとしたお祭りになっていた。元々賑わいのある町並みは今日は一団と混雑している。それもそのはず、今日は年に一度の建国祭である。騎士団はパレードを行い、露店が通りを賑わし、酒が無料で振舞われる。その噂を聞きつけ人々がこの地に次々とやってきているのである。』

 トロルの集落のPC 

いつもトロルの集落で生活しているPCですが、本日のところは買出しに訪れました。
トロル達が持っていたり、他の蛮族を倒した時に手に入れるアイテムなどを売りに出し、日用品や武具を買い入れるのです。こちらから売りに出すものは希少なものが多いために、高値で売れるでしょう。
・ リグニア石を3つ持っています。
・ リグニア石は病気に効く薬です。リュンクスなる伝説の魔物の体内に溜まり、石のようになることからこの名前がつけられています。幻獣リュンクスは伝説上の存在で、自分達が目にすることはありませんが、トロルはこれをいくらかもっています。元々病魔に強いトロルにとってはただの戦利品に近いものなので、溜まったリグニア石を売りに出すことに彼らは抵抗はありません。
→ 一つ3000〜1万ガメルで売れるでしょう。
・ 買い出さなくてはならない品は、鋤や鍬などの類から、油やランタンの日用品、衣のために必要な布地などです。
それらを馬車で運ばなくてはならないので、合計して1万ガメルは必要になります。
⇒ まずこのPCは手持ちのリグニア石を売りさばきそれらの品物を購入しないとなりません。

 冒険者の店・盛況につき 

普段はここまでの混雑などありえない「蒼き雷の剣亭」。人々がごった返しています。それこそ普段は立ち寄らない商人から、観光客までです。ルーサーも客の対応に大忙し、ほとんど手が空きません。
地方からこのお祭りを見るために集まった人々は、普通の宿屋が一杯になってここに舞い込んできたのです。
→ ルーサーは客に対応しています。大体が「何を見たらいいか」とかいうような内容です。
・ 「帝国についに竜騎士団ができたらしい。もっともまだ先駆けみたいなものなんで、1匹しかいないんだが、それが普通の騎竜じゃない。どうやらレッサードラゴンらしいんだな。」
・ 「竜騎士ロナウドの竜らしい。」
★冒険者技能+知力ボーナス+2d6で目標値14
→ 竜騎士ロナウドはリーゼン地方デュボール王国出身の騎士という噂で、戦場では獅子奮迅の活躍をした騎士として噂されています。彼の竜の大きさはけた違いで、騎竜ではないと見るものの度肝を抜く存在です。
彼の竜は全身を黒い鱗で覆われ、その鱗はまさに鋼のよう、振るわれる尾は剣のようだといわれます。

★セージ技能+知力ボーナス+2d6で目標値14
→ 竜騎士ロナウドはリーゼン地方デュボール王国出身の騎士という噂ですが、本当は違うようです。戦場では獅子奮迅の活躍をした騎士として名高い人物で、それは嘘ではありません。しかし、彼自身は活躍せず彼の竜が強いようです。
その竜は非常に獰猛で、静止が遅れれば自軍も滅ぼしかねないといわれています。
またデュボールの竜騎士はロナウドを嫌っています。理由は定かではありません。

 竜騎士お披露目式典 

→このイベントは冒険者でも/トロルの集落の民でも必ず見るようにして下さい。
竜騎士の活躍を見られると聞き、人々は物珍しさに集まってきます。
竜騎士が式典に出ること自体はありますが、人々の前で演習までするのは初めてです。
砦の裏手にある騎士団の訓練所は。本日ばかりは公開され、人々がごった返しています。
・ 竜騎士饅頭が売られたり、ロナウド・フィギアが売られたりしています。
・ ロナウドのブロマイドも売られています。
彼の顔は顔の濃い口ひげのダンディーな紳士で闘牛士のような格好が描かれています。
  ★冒険者技能+知力ボーナス+2d6で目標値14
→ 竜騎士ロナウドは戦の際も鎧を着ないらしいのです。いつも派手で目立つ格好をしています。

祝砲と花火の中、行われる式典はまるでサーカスの見世物のような違和感すら覚えます。
騎士団たちによって行われる整然とした騎乗術もロナウドの出番のための前座に過ぎません。どれほど見事な技術でもこの扱いでは、霞みます。勿論騎士団の内心はじくじたるものでしょう。
・騎士団を指揮しているのはジョン・ローランドという騎士です。ジョンはゲルニカ2でゴブリン退治などもしていました。知っている人はいるでしょう。ただそうだといううだけなので読み飛ばしてください。

※ この案はロナウドの強引な要求で成立しました。騎士団はもとより、皇帝のユリウスすら不満です。おそらくこの式典の後では、皇帝はロナウドを呼び出し、詰問するでしょうが・・・


 竜騎士ロナウド 

ついにロナウドの登場です。 天に響く竜の咆哮。人々の顔が恐怖に引きつったり(冒険者)、好奇心に輝いたりします(町の人)。
雲の切れ間から姿を現した荘厳な黒竜の姿。その背にのり、赤いマントを背にはためかせるダンディーな紳士こそロナウドです。
ロナウドは突然空中で竜の背を飛び降ります。落下する間もポーズを取りつづけるロナウド。なんと竜は、すかさず舞い降りると空中にてロナウドをキャッチします。アクロバティックな登場の後、舞台に下りたロナウドは歯を輝かせます。 ・一斉に騎馬隊の騎士達が、足元に唾をはき捨てます。

ロナウドは高らかに名乗ります。
「誇り高き無双の武人にして、雷鳴の申し子。帝国の守護神。我こそは誉れ高き竜騎士。ロナーウド!!」とロナウドは派手なポーズをとります。
・ 熟練の冒険者達は青ざめます。あまりに芝居がかっています。
・ 一方子供達は熱狂しています。ロナウド・フィギアを掲げて叫びます。「ロナーウド!!」

確かにロナウドの動きは素晴らしいものです。
ロナウドは遠方より竜に指示し自分に向かって炎を吹かせます。竜は自分の吐いた炎を通り越してロナウドを救出、瀬に載せて舞い上がります。普通の動きではありません。竜はロナウドの手足のように動き、ロナウドの巧みな騎乗術を見せます。

冒険者達や騎士
・ 「ロナウドは確かに凄い騎士だ。蛮族との戦いではいつも最高の戦果を上げている。7日間に7つの集落を滅ぼしたという話だ」
・ 「だが、あいつの不在の間に騎士団や村が食べられてしまうという事件が起こっただとか。」

 まさかの悲劇 

見事な演舞を終えてロナウドは締めくくりに入ります。
「誇り高き無双の武人にして、雷鳴の申し子。帝国の守護神。我こそは誉れ高き竜騎士。ロナーウド!!」とロナウドは叫びながら再び竜の背に飛び乗ります。
その時ハプニングが起きます。ひらめいたマントが頭にかぶさり、ロナウドは思わず背中より転落してしまいます。
体をしたたかに打ち付け、「痛た・・・」とマントを外すロナウド。騎士団たちは一斉に小さくガッツポーズします。タイミングまでばっちりです。

しかし、その頭上では緊急事態が起ころうとしていました。
先ほどまで大人しかった竜は唸り声を上げ、目を赤く血走らせます。口元からチロチロと炎も見え隠れします。
ロナウドは、顔面を蒼白にすると衣服に手を突っ込みます。取り出しのは赤い水晶球ですが、それは二つに砕けています。
ややあって、見上げたロナウド。それに対して竜は無慈悲に前足を振り下ろします。
哀れロナウドは大の字に竜に潰され、絶命してしまいます。
しかし、コトはそれに留まりません。竜は咆哮をあげると、天に向かってブレスを吐きます。
・ 人々は一斉に逃げ出します。会場は大混乱です。
・ 冒険者達はそれを見て脱兎のごとく逃げ出しています。

 騎馬隊の受難 

騎士団は、舌打ちをします。考えられる限り最悪の状況だからです。
団長のジョン・ローランドは、一同を振り返って声をかけます。「さっきガッツポーズとったやつ・・・」
皆が挙手します。「私もだ」と竜を見据えます。
「騎士団諸君。いつまでもピエロをしているわけにもいかん。飯を食える仕事をしよう。」

そう掛け声をかけるなり騎馬隊が竜に向かっていきます。
騎馬隊は巧みな馬術で竜を翻弄、円陣で取り囲もうとします。竜の攻撃に落馬するものも絶えませんが、それを後続の騎馬達は拾い上げながら、竜を翻弄します。
騎士団の仕事は、本格的な戦いにならないように翻弄し、人々を逃がすことです。

しかし、竜の力は予想以上です。竜は剣のように尾を振るい騎士団をなぎ払い。また炎を吐き散らします。
騎士団たちも次々と負傷者・離脱者が出てきます。
ジョンは果敢に竜に向かっていきます。振り回された尾が当たる寸前に尾に飛び乗ると、背中に駆け上り、槍で頭部への攻撃を始めます。竜はこれにはたまらずついに、羽ばたき、ジョンを振り落とすと天へと舞い上がっていきます。
落下するとジョンを愛馬が受け止めると、ジョンは口惜しそうに天を見上げます。
・人々の逃げ去った会場。足元には踏みつけられたロナウドのフィギアがあります。

 導入@ 

 依頼〜冒険者の店〜 

数日後冒険者の店では依頼が出されます。
「ロナウドの竜を仕留めたものに50万ガメル。」しかし、あの式典を見た後にどうして誰が挑めましょうか。
冒険者の店のマスター・ルーサーからはある程度の噂が聞けます。
・ ロナウドの竜はあれからすぐに近隣の村を襲い始めたって噂だ。騎士団が追いかけて対応しようとしているが、いかんせん足が速すぎる。まず追いつけない。追いつけても逃げられてしまう。こうなると戦いにならない。
・ 元々あった賞金は10万から日々加算で今じゃ50万・・・もう少し待てばという噂もあるが、待っててもそれで事態が悪くなったんじゃなぁ。
・ 一応、自分達に依頼を出しているのは帝国の騎士・ジョン・ローランドだ。
彼は騎馬隊を指揮している。式典で竜の前座やったり、竜退治をやったりしていた騎士だ。

 依頼人「ジョン・ローランド」 

騎士団にてジョンは依頼を引き受けてくれる冒険者を待ちます。
詰め所は戦場のように大忙しです。沢山の騎士団が出入りしています。一同がやってきてもまともな対応はできず、ジョン・ローランドのいる執務室を指差すばかりです。
ジョンは体のあちこちに包帯を巻き、髪の毛も所々チリチリに焦げています。
一同を見ると大変驚き、「よく来たな。まぁ座りなさい」と一同に席を勧めます。「茶」と奥に声をかけますが、持ってくるものがいないのに気がつくと自分で準備します。
・ 「もう知ってのとおり大変なことになっている。」
・ 「竜騎士団計画は当然のように白紙、皇帝は保証とか色々な負債処理にてんやわんや。当然我ら騎馬隊にもしわ寄せがあり、我々も大忙しだ。」
・ 「今までにたちどころに3つの集落が全滅。生存者は0だ。100人の集落だったんで、死者は300人ぐらい。」
・ 「騎馬隊が追いかけっこしていても、こちらの馬がばてるだけだ。飛んでる奴には勝てん。」
・ 「騎馬隊は早いが、弱点として道の無いところは走れん。あいつはそれがわかってるらしく。どこかの森に入っちまってる。森を探さなきゃならんのだが、騎馬隊の専門外でな。冒険者の出番だ。」
・ 「伝説になるような大仕事だ。竜退治だからな。50万ガメルポンとだすぞ。生きて帰ってくればな。死んでも葬式代ぐらいは出す。必要とあら場馬とか経費とかもだ。不可能ってことを除けば・・・いい仕事だ。」
・ 「一応竜を発見したり情報だけでも1000ガメル〜1万ガメルだ。そういうこともあって冒険者がいくらかは乗り出してる。」
・ 「ロナウドの持っていたオーブ(水晶球)は調べ中だ。どうやら魔法の品らしい。たぶん別ったところでどうにもならん。詳しいのはデュボールの竜騎士だ。当然デュボールに早馬を出した。結果はすぐには帰ってこない。デュボールが嫌っていた竜騎士をうちが騎士にしたんだから・・・当然仲良く力を合わせて・・・とはいかんだろ?」
・ 「もし竜のねぐらがわかったら連絡してくれ。騎士団とか有志とか派遣することになる。そこからが勝負だ。」

 導入A 

 トロルの集落 

買出しに行っていたものも、集落に戻ってくることになるでしょう。

集落はあれから随分と大きくなりました。
トロルの集落は崖にある洞穴の中にありますが、その穴の周囲には木を組まれた砦があります。砦の塀は3mと高く、二つの見張り台が作られています。この崖を裏手に回っていくと、段々畑になっており、上の水源の水が自然に下へと循環する作りの畑になっています。ここにはコボルトの集落があり、コボルトが生活しています。

一同が帰還するとゴブリン達が集まり荷物を運び込んでいきます。ゴブリン達は互いに譲り合ってなかなか仕事をしません。しかし彼らを監督するボガードが現れると、ボガードにどつかれないために我先にと働き始めます。

 ゲルニカ 

一同がやってくると、額に角をもった人族の娘が姿を現します。銀の紙に白い肌、白銀の鎧を着ている彼女はゲルニカです。一同を迎え入れると、隣に寄り添ってゲルニカは歩きます。
「久しぶり人里はどうであった?」

ゲルニカ側からの報告
「段々畑も完成したし、やがては麦も取れるだろう。衣食足りて礼節を知るという言葉もある。食に困らなくなれば言葉を聞く余裕も出てくる。まずはそこから・・・だな」
「富貴を知れば、乱れもあるだろう。人を受け入れれば尚のことだ。心乱れれば、全ては悪しき方向に行く。全ての根本は心であり、そこだけは私にもどうにもならぬし・・・どうにかしてはならないとも戒めている。」
・ 竜の話を聞くと、ゲルニカは驚きます。

「竜というものに面識が無いので、私はどう解釈していいのかわからないが・・・」
しかし、それを聞いた後に笑みをこぼします。「無事に帰ってきたから言えるが、よい経験をしたな。」

 ドラゴン現る 

そんな折にゴブリンが駆け込んできます。
当然ゴブリンが話す汎用蛮族語か妖魔語だが、彼らは急いでいるのか地が出てしまい妖魔語でまくしたてる。
「森の中に竜が現れた。ボガード達がやっつけに向かった。当然俺逃げた。勿論コレ知らせるため。
「臆病で逃げたわけじゃない。でも案内はごめんだ。場所は滝の下。これだけいえばわかるから。」

ゲルニカ
・ 「族長のハーゲンは昼間は休んでいる。我々でいこう」
・ 「ボガードは実力差など考える種族ではないし、止めるものがいないと物事は大事になるばかりだろう。行こう」

 滝の下にて 竜「アルメニ」 

この山は水源が豊富なようで、人里から離れればいくらかの小川があるようです。その小川が集まり川となり、崖の一角より下って滝となる場所があります。ほとんど人が立ち寄らない場所なのですが、蛮族と暮らすようになってか何度か足を運ぶようになりました。

一同が訪れると、そこでは既に10体ばかりのボガードが一匹の竜に対して果敢に攻撃を仕掛けています。白い鱗の竜は暴れる様子も無く、さりとてボガードをわずらしそうに、払おうとするばかりです。
果敢と表現すべきか無謀と表現すべきか、ボガードはどうすれば竜にダメージが通るのかを試行錯誤しながら挑んでいます。戦いそのものを好む種族なので、興味や関心もそういう分野で発揮されているようです。
・ 竜はPCが竜騎士の演舞で見たものと非常に良く似ているのですが、同時に雰囲気は見れば見るほど別物です。
・ 一同がボガードにやめるように指示すれば、ボガードは従います。いわば一同の子分なのです。
・ 竜は右の羽に鉄の杭のようなものが刺さっています。どうやらバリスタの矢のようです。

 竜・アルメニ登場 

竜はドラゴン語で話し掛けます。ドラゴン語が通じないようならば妖精語で話し掛けます。
それも難しいようなら魔法文明語で話し掛けてきます。
・ドラゴン語がわかるようなら、会話は通じます。
・妖精語だと内容は把握できます。
・魔法文明語では単語づつは理解できます。
→ 全てわからない場合、ゲルニカが通訳してくれます。
「ドラゴン語は通じるか。妖精語は語弊を招く恐れがある」
「まず人族としては失礼に値するかもしれぬが・・・あの蛮族は貴殿らの縁者か?」

「これは失礼をした。
貴殿らの土地とは知らず、丁度山川の霊気に誘われ羽を休めていたところ。いらぬ心配をさせてしまったか。」
「私の名はアルメニ・マシロカムイと申します。貴方の名は?」
「私は旅をしてこの地に渡ってきました。しばしの休息の後旅に出るつもり、ご心配には及びません。」

●キズ
「道中、人に襲われましたな。大抵は互いに手を出さぬものなのですが、どうやらこの地の眷属はここで何か諍いを起こした様子・・・、どのようなことかは存じぬが許されよ。」
「何、羽のキズ一つ大きな問題にもならぬでしょう。私も不注意があったのです。早々に発てば良かったものを、話し掛けてしまったので。」
→ キズを癒してやるのならば竜は感謝します。

●竜の目的
「実はこの地へは弟を探しにやってきたのです。風の噂で弟がこの地に流れてきたという噂を聞いたもので。」
「話せば長くなります。私の国は南です。一年を通して花咲き乱れる美しいところでした。父も母もそこが気に入りそこに暮らすことにしました。父と母が部族を率いて渡りをした後も、私と弟の・・・マクロカムイは、あの地で暮らすことが多かったのです。年の離れた弟で・・・私にしても可愛かったのです。」
「当時人族はアルメナス文明という時代にあり、魔法の力高めていました。私達が住んでいた地にも人はいたのですが、彼らはさほど文明の恩恵を受けていなかったので、私達も安心していました。そこに新しい人間が訪れたのです。」
「弟のマクロカムイは人懐こいほうでして、早速会いに行ったのですが、私は当時自分の部族に掟を作るために出ていたので、不在だったのです。帰ってきた時弟の姿はありませんでした。アルメナスの魔法使いが連れて行ったと村人は教えてくれました。」
「勿論私は怒りました。弟のうかつさも、苛立ちましたが、足を踏み込んできた人の傲慢さも深いでした。しかし、村人も同じように弟を案じていることがわかったので、私は事態をなるべく穏便に解決したいと考えました。」
「私は弟を探したのですが、結局見つかりませんでした。島の人々が入れ替わり立ち代りしているうちに、私も弟は死んだものだ・・・と思うようになりました。」
「つい最近のことです。弟が人間と共に野山を焼き生き物を殺しているのだと、風が知らせてくれました。どうやら弟は随分前から人の戦に身を乗り出していたようなのですが、風・の申すことですから、いつからかなどわかりません。私は驚いて弟を探すたびに出ました。」
「弟がわるさをしていることは、人里によるたびに耳にしました。残念です。」
→ ロナウドの竜を説明したのなら・・・
「おお、もしかしたら、私の弟かもしれません。しかし、その粗暴な行い。戦続きで花を愛でる優しさも失ってしまったのでしょうか・・・」

「私は風渡り、水訪れるこの地で風が便りを運んでくれるのを待つつもりでした・・・」

 アルメニの依頼 

一同がロナウドの一件を説明するとアルメニは一同に頼みます。
「どうやらこの事件をまとめる責任が私にはあるようです。かといって私が探し回ると人も心穏やかとはいかないでしょう。弟の居場所を探すのを手伝ってはいただけませんか。」
「申し訳ありませんが、私には今、差し出すだけの礼の品はありません。」
→ 報酬の見込みはありませんが・・・協力を約束すると竜は大変に喜びます。

 冒険者現る 

もし冒険者とトロル村のパーティが別々にあるようでしたら。パーティの合流はこの後に行います。
冒険者達はこの山に竜が下りたという噂を聞きます。なにぶん夜間であったために竜の色はわかりませんでした。
・見つけた冒険者達は竜が逃げなかったために馬車に乗せたバリスタを撃って竜の羽を射たと自慢しています。
→ 一同の到着はその真偽を確かめるためというのが妥当です。
冒険者に対してここでトロルの集落のPCは説明と説得が必要になるでしょう。
冒険者は事情を聞けば荒事にしないように考えてくれるかもしれません。
それとも蛮族としてこちらを攻撃してくるでしょうか。
★ シナリオに現実味や人間の介入を与える意味合いからは、ここでNPC冒険者パーティなどを出すのがいいでしょう。もし冒険者側のパーティがいなくても、遭遇のイベントがあるのが望ましいはずです。
・ そうすれば、冒険者が捜索している事実もわかりますし。

⇒ もし蛮族として攻撃してくるようなら(NPC冒険者は蛮族に敵対的です!)、ここでトロル達を引き連れたボガードが現れます。ボガードは腰に二本の剣を差し、崖の上から見下ろします。そして彼が引き連れているのは彼よりも遥かに大きいトロル達ばかりです。数は50体います。
  ゲルニカは「ガガック!?」と叫びます。
  ガガックといわれたボガードは、そのまま声をかけます。
「無謀な奴だ。竜に話が通じなかったらどうするつもりだ?」とゲルニカの無謀を諌めます。
「人族の戦士よ。お前達はここで誉れ高き死を望むか?」と冒険者達に声をかけます。

・ 戦闘すべきではありません。ゲルニカは内心は反対ですが、場合によってはそういうこともあるのかもと案じます。
・ 冒険者が50体のトロル・ドラゴンを相手に自身満々に戦いを挑むことはありません。NPCなら白旗です。
もしPCがやりたいようならば、それはしょうがありません。
全員でフォースをかけてから、攻撃しましょう。
・ 人に友好的なドラゴン・アルメニですが、トロルの集落の人々が賢明なのは理解できますし、ここで攻撃する人間にはやはり共感できません。もし戦闘になればトロル側に加勢するでしょう。
・ 人違いであることがわかれば、冒険者はアルメニに共闘します。勿論蛮族には気を許しません。

 情報収集やアルメニとの対話 

 アルメニとの対話 

アルメニの元には食糧やら治療やらにたびたび訪れることになるでしょう。
これは情報収集や異動の合間に入れて下さい。

● アルメニは食事をしません。
一同が与える食事は喜んでもらいますが、飽食することはなく、霞を食って生きているようです。
訪ねるとアルメニは笑います。
「生きる以上何かを食しますとも、ただ皆さんの見えぬものを食しているのです。草木と同じです。」
● ゲルニカはアルメニに過去のことを尋ねます。
ゲルニカ「聞いてもよろしいか」 アルメニ「何なりと」
ゲルニカ「第一の剣が生まれる前は、人族はいなかったという。それ以前はどのような世の中でしたか」
アルメニ「さすがに私もその時代には生まれておりませんでした。ですが祖父の話によると、世には獣と我々と精霊のいる世が在ったのだろうと。」

ゲルニカ「どのような世界でした? 今と何か違いますか?」
アルメニ「いえ、何も違い在りません。映し世を知る限りでは、生と死が繰り返されております。確かに人はいなかったそうですが。獣が人という名を得たのが剣ではないかと、私は解釈しています。しかし、名を得るのは素晴らしいことです」

ゲルニカ「人は・・・そのような世において、安らぎを求めたのでしょうか? ライフォス神が生まれたのはその時代です。」
アルメニ「人は強い種族でありません。安らぎを求めるのは人のみにはありませんが、切実に欲していたのでしょう。人意外にも優しさを他者にふるえる者もいましたが、いずれも強いもの・・・それだけの余裕があるものでした。ライフォスはそれが強い者のみではない。誰でも優しく慣れるのだと証明された方だと思います。」
「竜がそれに惹かれる気持ちもわかります。」

ゲルニカ「穢れはその時からあったのですか」
アルメニ「いえ、私はあまり知りません。穢れに対する考え方は、あなた方のほうが複雑だと聞いておりますが?」
「無知なる私の考えですが、理に逆らう願いが穢れならば、誰もが穢れておりましょう。しかし、その願望がかりにかなってしまったら穢れになります。つまり願っても叶わぬ。これが理、願いて無理を通す・・・これが穢れ。」
   「我々竜は何でもできるわけでは在りません。自然界のものは全てそうです。できることをする。それだけです。」

ゲルニカ「もし人のできぬこと目指し、それを為しえる行為が穢れであるのならば、神はどうなのでしょう?」
アルメニはゲルニカの中に不安があるのを見抜きます。
「道を探しておられるのか?」
それから笑顔を見せます。大袈裟な表情なので笑っているとわかります。
「簡単なことです。神と呼ばれる人々は、どんなに非力に見えても、それが成しえるものだったのです。」
「自分が小さいから、無力だからと思わないで下さい。人はもっと強いものです。」

→ アルメニ「私は時々人を思うのです。
できることを見定められぬ人は用意に穢れますが、そんな人だから挑める無謀があると。
人は輪廻を信じるのでしょう?それでしたら穢れることを怖れるよりはやってみるのがよいでしょう
天を目指すも、噛み付くも・・・いいではありませんか。どんな生き方も人の生き方です。」

 帝国での情報収集 

人の情報は人里のほうが入ります。情報収集は冒険者としてのネットワークなどを使い情報収集することがいいでしょう。 冒険者達の情報
・ 竜を「英雄の遺跡の山(トロルの集落)」でみた。→これはアルメニのことです。
・ 竜は立ち寄った村を必ず焼き尽くす。目的は殺戮で腹を満たすわけじゃない。

→ 昔のロナウドの仲間をやっていたという冒険者が着ているらしいです。詳しい情報は酒場のマスターのルーサーが知っています。
ルーサー「昔、ロナウドと一緒に冒険していた盗賊のサップという男がいる。今アルカトラズという高級宿屋に泊まっているらしい」
アルカトラズはルキスラ帝国にある高級な宿屋です。貴族の館を使用した広大な敷地。敷地の周囲を囲む堀と、入り口はただ一つのつり橋だけ。荷か庭にはドーベルマンが放たれ、傭兵達の警護厳重な場所です。
・ ここは何かわけありのお客さんが、絶対の安全がほしくて訪れる場所です。
・ 警護執事・武装メイドのサービスつき、国外逃亡の場合は、脱出までを手引き、完全対応なのですが、一泊1万ガメルと価格は法外なのです。

 サップ 

サップは貧弱な黒人で、その黒い顔をさらに青くしています。おどおどして落ち着きがありません。武装メイドがその両脇にいま。一人はカタナを手にもち、一人は笑顔で応対しつつ太ももに銃が下げられています。
「俺は昔、あいつと一緒にパーティを組んでいたんだ。あいつが魔法使い、俺が盗賊だよ。」
「ロナウドは戦士というより魔法使いだった。ほらふきで有名な奴で自分は古代王国の魔法使いの末裔だと嘯いていた。」
「ロナウドが竜騎士として仕官したと聞いて、俺は詐欺でもしてるんだと思ったんだ。それでゆすりにいったんだよ。」
「でもあいつは本物の竜騎士になってた。でもだったら、俺も少しぐらいうまい汁吸わせてくれてもいいだろう。」
「はじめ俺は10万ガメル貰ったんだ。でもあいつはもっと儲けてる、欲が出てきてもっと欲しくなった。」
「そしたら・・・あいつ俺を殺そうとしやがったんだ。竜に俺を殺せって・・・俺は怖くなってここに逃げ込んできたんだよ。」
→ 一同がサップを害しようとした場合・または官憲に突き出そうとした場合、メイドは止めます。
「あと3日待て。3日で金が尽きる。」

 デュボールの使者 

・ どうやらデュボールから使者が来たらしい。
→ デュボールからの使者については、依頼人のジョンから聞くことができます。
  ジョンの情報
「デュボールからの使者の話だと、ロナウドは竜が忌み嫌う禁忌の魔法に手を出していたらしい。」
「竜の心を壊して、虚ろに体を操る魔法。つまり生ける屍を作る魔法らしい。」
「今ではその魔法は失われたらしいんだが・・・その一端が受け継がれていたらしい。それをどういうわけだか彼が手に入れた。当然、デュボール騎士団は騎士団に入りたいとして訪れた彼とその竜の異常を知り、調べ始めた。勘のいいロナウドはあわやというところで国外に逃亡したらしい。」
「デュボール騎士団はロナウドを追ったが、ロナウドの情報を口外することに躊躇いがあった。竜の心を殺す魔法の存在など明かしたくは無いのだから・・・」

「操霊術師の知人に聞いたんだが、この魔法は本来は危険な魔法らしい。人を殺させつづけると、心が無くても悪意が宿るらしい。おそらく竜もそのような悪意が宿っているのだろう。」
「残念だが・・・魔法が遺失とあっては竜は倒すしかないだろう。」

 黒竜との対決 

ある程度、調べものによる情報収集によって現状が把握できた場合、竜の居所がわかります。
騎士団・冒険者の店の双方に情報が届けられます。
・ 黒竜が現れた。竜は帝国の南方の森に潜んでいたが、森を焼き始めたので居場所がわかったらしい。
・ 森までの道中が危険なのと、馬が通れないこと、加えて火事になっていることで、騎士団はうまい手が見つからないらしい。
・ バリスタで武装して攻撃しようとしても、森の木々が邪魔で攻撃ができないのだ。

一同がそのことをアルメニに伝えた場合、アルメニは弟マクロカムイとの対決に乗り出します。
・ ボガード達はこの戦いに参加したがります。ボガードはそこらあたり命知らずです。
・ 勿論ゲルニカもPCに同行をします。

黒竜のいる森ではまるで火山の噴煙でも上がっているように中央が炎に覆われています。またその炎に照らし出されるように黒い竜の姿が浮かび上がっています。
・ルキスラ帝国の騎士団も森の外周には到着していますが、とても近づける様子ではありません。

 ボガードやる気満々 

黒竜は目を血走らせ、今や破壊の限りを行っています。周囲の足場はその熱量によってドロドロに溶け、今は岩までが溶け出しています。
・ この状態だというのに、なんとか解決の糸口がないかと冒険者は集まっています。
・ 一同が手をこまねいていると、ボガード達は皆武器を取り出し、丸太を担ぎ始めます。
「これを投げ込んで、足場にする。燃え尽きるまでに戦い、燃え尽きそうなら丸太を乗り換える」と説明します。
→ 冒険者「俺はやらないぜ。人間手のは勝つために戦うものだ」と撤収します。

ボガードはその通訳を受けるとPCに対して「何故逃げない」と訪ねます。
「なるほど、逃げないのなら、まだ勝ち目もあるのだな」とボガードはほくそえみます。

 ビジュアルシーン 〜対決アルメニ〜 

一同に危ない橋を渡らせるアルメニではありません。
空より舞い上がると、燃え盛る溶岩の上に着地します。足場では水蒸気が上がりますが、アルメニは気にしません。
アルメニの足元にサラマンダー達が生まれると踊り狂います。
アルメニは弟に呼びかけます。
 「帰ろう弟よ。南の地。お前の故郷に」
しかし弟である黒竜にはもはや言葉は通じません。それどころか辺り構わず炎を吐いては焼き尽くします。
一同に降りかかる炎に対して、アルメニは片翼を広げて炎を払います。
飛び散った憎悪の炎は木々を焼き、生き物に叫び声・いななき声をあげさせます。
アルメニに振るった翼の風より生まれたシルフ達が炎を押し返します。
そしてシルフ達はアルメニの様子を確認します。アルメニは瞳を瞑ったままです。
アルメニの動きは全て精霊を生み出します。しかし、黒竜は何も生み出しません。ただ壊すだけです。
「弟よ・・・。もうそこには昔のお前がいないというのならば、私がお前をとめなくてはならぬ」

再び炎を吐く黒竜。アルメニは何かを唱え始めます。竜の炎、しかし、アルメニは雨雲を呼び寄せると、降りしきる豪雨で炎を防ぎます。今度は雨雲が放つ雷撃が黒竜を撃ちます。火花が散り鱗が焦げます。
それだけでは終われません。溶岩は豪雨で固まり足場ができているのです。足元から風によって雨から守られたサラマンダー達が駆けては黒竜に襲い掛かります。
しかし、黒竜は何もものともしません。今度はアルメニに飛び掛り襲い掛かります。
アルメニは黒い竜に圧倒され始めます。神のように精霊を操るアルメニもうまく殺す技術は、あまり長けていません。アルメナス文明の時代から実に3000年、殺すことに練磨された黒竜はアルメニに迫ります。
キバが食い込み深手を負い、翼も鱗も血を吹いては今や白い姿は、朱に染まります。

 PC助勢・黒竜との戦い 

・ ここで一同はともに戦わなくてはなりません。
・ 黒竜はデータはレッサードラゴンですが、すでに死をものともしません。
また特殊な能力として「耐える」を持ちます。回避しないことで、防護点を通して生命点に与えた貫通ダメージを1/2に半減します。また毎ターン30点生命点が回復します。
ブレスは吐けません。雨が降りしきるからです。

・ この戦いではゲルニカは指揮を担当します。
これによって一同の命中力は+2されます。ゲルニカの澄んだ声は戦場でもよく通り、一同を鼓舞します。
それはまるでバトルソングのようです。一同の命中力をさらに+2・ダメージを+2します。
→ 結果命中+4・ダメージ+2となります。

●3ターン目
普通にはこの竜は倒せません。
ゲルニカはPCに頼みます。
「相手が防御に専念されては勝ち目はない。いずれキズはいえてしまうぞ。」
「私に試してみたいことがあるのだ。無茶かも知れないが粘ってくれないか・・・?」
ゲルニカは自分の考えをアルメニに話すようです。アルメニはそれを承諾。ゲルニカを載せて舞い上がると風のように空をかけ姿を消します。

●6ターン目
アルメニが帰還します。風となって現れたアルメニは天を駆け、一同の上を旋回します。
アルメニの合図によって雨雲は去り、天よりは光が降り注ぎます。そしてその風に運ばれて、花びらが天より降り注ぎます。アルメニは咲き乱れる花々を引き連れて戻ってきたのです。
花びらが舞い降りる中、黒竜は天を見上げます。
 もはや攻撃を回避することはありません。防御行動もしません。しかし、植え付けられた衝動のためか攻撃だけはしてきます。しかし、ブレスは吐きません。

 エンディング 

黒竜を倒せば一同の勝利です。
アルメニは舞い降りてきて、倒れた弟の姿を見ます。もはや瞳は閉じられ、開くことはないでしょう。
リルドラケンにはこの表情が安らいだものであるとわかります。
そして突然不思議なことが起きます。倒れた黒竜の周囲より花が咲き乱れ始めたのです。それは焦げたこの大地に広がります。アルメニもこれを見ては満足したように瞳を閉じます。
・ ボガード達の生き残りは、ほとんど役に立たなかったというのに自分達の勝利のように大騒ぎします。
・ 冒険者達はようやく集まってきては、黒竜の体を解体しアイテムを探します。
→ これに嫌悪するPCもいるでしょうが、アルメニは止めません。それどころかそれを諌めて、好きにさせるようにと告げます。「あれはあのように土に還るものです。それに形に縛られてはいけません。彼ならここにいるではありませんか」と花畑を見ます。

「ですが、ありがとう。貴方の優しさが沁みます。」

 報酬 

● 依頼を受けた冒険者達は騎士団より50万ガメルの賞金を得ます。
● アルメニの依頼を受けたトロル集落のPC・冒険者達はアルメニからは感謝の言葉をもらいます。
「ありがとう。なんといってこの気持ちをつげたらいいか。皆さんにどのように報いたらいいか、わかりません。」
「ですが、私は皆さんのことを生涯忘れないでしょう。もし私に何かできることがありましたら、おっしゃって下さい。私はどこにいても必ず駆けつけます。」
→ アルメニは感謝の言葉を継げた後、翼を広げて羽ばたいて去っていきます。

ゲルニカ「ドラゴン語には文字は存在しないそうだ。ドラゴンは全てを記憶する。だから文字はいらないのだ。」

それからしばらくした後、このトロル村に客が現れます。
ワイバーンやペガサスなどが日を変えて訪れます。どうやらアルメニの噂を聞いて、一同に対して感謝の気持ちを抱く生き物が集まってきたようです。
→ もし飛行用の騎獣が必要ならばここで獲得します。

 経験点 

経験値は例によって1000点です。
多分最大の難関となるだろう「黒竜」は15レベルとして扱います。


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