諸注意

このシナリオでは既にイリューシア・ゲルニカと同行しているところから始まり ます。今まで彼女と出会ったことがあり、彼女に好意的でない場合はこのシナリ オはやるべきではありません。また、蛮族に対しても好意的でなければこのシナ リオはできません。

ゲルニカ

イリューシア・ゲルニカについて。
銀髪・碧眼の女性で頭部の角を隠さぬナイトメア。冒険者でもあり、自分達の後 輩でもあるのですが、並外れた探求心から、依頼にとらわれず自分から調査や調 べものに励んでいます。
中でも穢れについては強い関心がありライフォス・ティダン神殿に教えを乞うな ど精力的に活動しています。
彼女が特殊な点は、蛮族に対する姿勢です。蛮族に対しても友好的な立場を取る ので冒険者やティダン神殿には疎まれ嫌われているのです。

登場人物

ゲルニカ

イリューシア・ゲルニカ

角を隠さぬナイトメアとして知られる冒険者であり、蛮族に対しても好意的な関 心を持つ学者です。
穢れ理論に関心があり、ライフォスやティダンなど歴史の起源の神々のことを学 び、教えを乞いますが、
その蛮族よりの発想が周囲を狼狽させます。
無謀なところがあり、自分の選択が人に影響を与えるということがわかりません 。

ガガック

双剣のガガック

漁村に住み着いたボガードの戦士で、人間の虐殺を「戦士の恥」として拒んだた めに罰を受けています。
そのため彼は3日に渡り一騎討ちしないとなりません。
短命なボガードにあり、たどり着いた境地は戦士と呼ぶに相応しいものです。

アンテレシア

ゲルニカのことを案じるライフォスの神官です。ゲルニカを敵視するティダンの 狂信者からゲルニカを守ろうとPCに警護を依頼します。


導入@「アンテレシア」 ●ゲルニカにこのシナリオで初めて会う場合の導入です。

いつものように冒険者の店にてたむろっている一同。ちょうど暇を持て余してい る時期のことです。冒険者の店に来客が訪れます。
来客はフードをした女性で年齢は40くらい、品のいい美人です。服装から察する に司祭であることが伺えます。
→彼女は店のマスター・ルーサーに話しかけます。話を聞いていたルーサーは一 同に視線を向けると、一同に手を振り、ちょいちょいと指で招きます。
・彼女はライフォスの神官で名前をアンテレシアといいます。アンテレシアは神 官の中でも中間的な役職にあります。

アンテレシアから一同には依頼を持ちかけられます。
・内容は人物の警護です。警護するのは冒険者のイリューシア・ゲルニカです。
・ゲルニカはライフォスやティダンに教えを乞い、穢れについてよく議論してい ます。ゲルニカ自体は探求心に溢れ、アンテレシアは好意を抱いていますが、同 時に危険な思想もあり悩んでいます。
ゲルニカは人よりは蛮族側にたってものを論じるのでティダン神殿には疎まれ嫌 われているのです。
前回のティダン神殿との議論は危険思想が爆発…今後はどのようなことに巻き込 まれるかわかりません。熱狂的なティダン信者にはリンチされかねません。
・アンテレシアはそんなゲルニカの身を案じ、アンテレシアがティダン神殿を説 き伏せるまでの間の警護を依頼したいといいます。
・期間は恐らく1ヶ月以内となるでしょう。何もないかもしれませんが、争いに なるかもしれません。
・報酬は1人2000ガメル。危険があった場合危険手当てを出すとも告げられます 。

ゲルニカとのコンタクト

そうしてイリューシア・ゲルニカとはあっさり出会うことができます。
★イリューシアの外見は上記を参考にして下さい。

彼女が宿屋に帰ってくると、主人からは「あちらだよ」と紹介されます。
・ゲルニカはウェイターに食事を注文しています。
油で上げた魚と、サラダ。あっさりしたポトフを注文しています。

→一同が彼女に近づくならゲルニカは席を進め、話を切り出す前に手で制すると 「食事は済ませたかね」と食事に誘います。
●ゲルニカに依頼の説明をすると、ゲルニカは言い返さずしばらくの間は話しに 耳を傾けます。
・「なるほど…。そういう話であるならば、君達の仕事を断るわけにはいかない ね」
・「しかし、私を案じてくれることは有り難いが、冒険者をしていれば自然と危 険にもさらされよう…。それから遠ざけようという考えならば、協力しかねるな 。」
「君達も冒険者だろう?冒険するなという助言は有り難いが煩わしい…」

●もしPCが強く危険を主張するならば―
ゲルニカは苦笑し、笑顔を浮かべます。
「大袈裟な…。私は神官でもないし、学者としても駆け出しひよっ子。神殿が騒 ぎ危険視するような大物でもない。」
「言葉尻をつかむ過激な信者が暴力に訴えるとするなら、私よりも守らねばなら ぬ危険な人物はいくらでもいると思うがね?」
「…まぁ、気をつけよう」とだけ呟くと話しは打ち切ります。

導入・漁村

一同がある漁村にたどり着いた時のことです。
漁村は貧しくひと気がありません。商店らしいものもありません。この様子では 宿屋などもないでしょう。
・並外れて人気が無い村です。人を探しても中々見つかりません。
・調べてみるとどうやら村人は何かを恐れ隠れているようです。
・村人は一同がコンタクトを取ろうとすれば、取れます。村人から入る情報は以 下の通りです。

村人の情報

「この町の外れには強そうな蛮族が住み着いてしまって困っている。もう1ヶ月 にもなります。」
「蛮族は村外れの丘の上に一匹が住み着いているだけなのだが、時折船でいずこ からともなく蛮族が来るようだ。蛮族達はやがて帰っていき、一匹だけが残るの だが、そんな夜にこそ唸り声が響いて恐ろしくてたまらない。」

村長の依頼

一同が話を聞き込みなどしていると、数人の連れを引き連れた男(村長)がやっ てきます。
・彼は自分を村長だと名乗ります。
・村長は一同を冒険者と見込んで蛮族退治を依頼します。蛮族の詳しい情報は上 記と同じものです。
・今のところ、村ではなんの被害もありません。しかし、蛮族は見るからに強そ うですし、被害が出てからでは遅いというのが村人の考えです。
・報酬は1000ガメル。村には大金です。干し魚などで良ければ、それらも報酬に 加算してもいいと提案します。

ゲルニカの関心

これらの話を聞いたゲルニカはこの事件に関心を持ちます。
・「海風吹き付ける丘の上は住みやすい場所ではあるまい。丘の上にいるのは何 か理由があるのだろう」
・「蛮族が住み着いて1ヶ月。村人に被害が出ていないというのも気にかかる。 あるいは蛮族では無いのかもしれぬ。」
→「どちらにせよ。会ってみるのがよかろう」


丘の上

漁村を見下ろす丘は吹き付ける潮風にさらされ、背の低い草が繁るだけの草原に なっています。丘に上ると、漁村や海が一望できます。

丘の上には1人の蛮族の姿があります。蛮族は屈強な体つきをし、草地に腰を下 ろし、木を削っています。

蛮族の正体

蛮族は知名度7のボガードです。村人でも見ればわかりそうなものですが、村人 はよく確認などしていません。
彼の場合はボガードソーズマン:知名度9です。

・ボガードはどうやら槍を削っているらしく、一同が来ても僅に視線を向けるだ けで再び作業に戻ってしまいます。
・一同が退治するつもりで現れた場合、彼は「待て」と静止します。
→会話ができるかその反応で見計らったボガードですが、もしPCが会話など不要 と考えているならば、戦闘も考えます。
→会話をするのならば、そこで彼は話をします。
「3日待て、3日後には何がどうなるにせよ。俺はもうここにはいない」
彼にそれ以上の説明を求めても、彼は説明しません。

ゲルニカ興味津々

ゲルニカはこの聡明なボガードに関心があります。
彼女は本来蛮族が話す言葉「妖魔語」で、話かけます。
・ゲルニカは「私はゲルニカ、名はなんと申す?」と尋ねます。ボガードは不意 にかけられた妖魔語に顔を上げ、しばし間を置いたのちに「ガガック」と答えま す。
・ゲルニカは傍に腰を下ろし妖魔語で「邪魔か?」と訪ねます。ガガックは「夜 には去れ…」と目を合わせずに答えます。
→ゲルニカはこのことを通訳した後に、「夜までここに留まり事の次第を確かめ る。」と説明します。
・「皆は嫌ならば帰ってもよいぞ。」

ボガードの隣に

ゲルニカは夜までの間、ここで時間を過ごします。歩き回り地形を確認したり、 どこが死角になるのかを見て回ったりします。
一同が協力するようならば、どんどん力を借ります。

●死角を探す。
レンジャー技能+知力ボーナス+2D6で目標値12
→この場所は丘からは死角になる斜面です。ここからならば夜に何が行われるの か様子を確認できます。

●風向きが変わる。
レンジャー技能+知力ボーナス+2D6で目標値12
→日がくれていくと風向きが変わります。ゲルニカは気が付きますが、技能で成 功したものも気が付きます。

●お使いの依頼
ゲルニカより、「村で水と干し魚などを貰ってきてくれないか」と頼まれ20ガメ ルばかりが渡されます。
どうやらガガックの分のようです。
反対意見には「飢えたボガードと肩を並べられるかね」と、笑顔まじりに話かけ ます。


ゲルニカは夜までの時間今度はまったく話をしなくなります。
ボガードのガガックの側でスクロールに目を通したり、ガガックの横顔を絵に描 き始めたりします。
★ガガックはなんだかんだいって冒険者達一同に気を許しませんし、元々ボガー ドの為に会話を重視しません。PCに質問されても知らんぷりし、木で槍を作り続 けます。一本が済むとまた一本を作り始めるという様子です。
→ボガードのガガックの寡黙さにPCが困惑するようならば、ゲルニカは助け船を 出します。
『ボガードは会話を重視しない。お互いを知るためにはまずは観察することだ。 』


やがて夜のとばりが降りると、丘の上は松明の灯りのだけが照らし出します。辺 りには虫の音が響くばかりです。
・ボガードのガガックは一見すると落ち着いて見えますが、その雰囲気には一分 の隙もなく、緊張感すら感じます。これは夜になってよりはっきりしてきます。
→ファイター/フェンサー/グラップラー技能があるものは技能レベル+精神力 ボーナス+2D6で判定します。目標値13に達したものはわかります。
緊張感は周囲に伝わりますが、心は落ち着いています。心が乱れていないので、 虫も歌う声を止めないのです。
これは大変難しいものです。周囲に発する闘志は時としては不快になります。こ れを緩やかに流すのは達人といえるでしょう。
・ゲルニカにはこれはわかりませんが、ガガックが経験を積んだボガードである とは理解しているようです。煩わせまいと穏やかに灯りのもと指でスクロールの 文字をなぞっています。

蛮族の船

やがて入江に松明火が見えます。どうやら、船が海より港に入ってくるようです 。船は10人まで乗れる小舟ですが、船の上には大柄な影がいくつかあります。
→ガガックはそれを見ては身を起こします。
こちらに目線を向けたときにはゲルニカも立ち上がり一同に立ち上がるべく合図 を送ります。
・ガガックが手に槍を持ちます。ガガックの目線は入り江よりこちらに向かう大 きな影です。

●何が起こるのか、敵か味方かわからない相手に一同も大いに悩むでしょう。
しかし、今は状況がわかりません。
→一同が引き上げるか悩んでいる場合は、ゲルニカは一同を丘の死角に案内しま す。

3度の試練

やって来たのは、ローブを羽織り、曲がりくねった杖をついたゴブリンと、それ に率いられつつも、明らかに屈強な蛮族が4体です。
・ゴブリンはゴブリンシャーマンです。知名度13。レベル5なので強いですよ。
・率いられて来たのはボガード達です。ボガードは知名度7のモンスターです。

ゴブリンは仰々しい手振りでガガックに声をあらげます。その口調から敵意はあ りありと見てとれます。
→以下は妖魔語で話されます。PCがわからない場合はゲルニカが通訳してくれま す。
「お前ガガック。裏切り者。お前の顔など見たくない。」
「しかし、お前も双剣のガガックと呼ばれたボガード。お前の罪を許すために3 度機会を与える。」
「お前が3度の戦いに勝利したならば、お前の罪を許そう」
「嫌とは言わせん。お前はここで死ぬのだ」

1つ目の戦い〜ビジュアルシーン〜

『ゴブリンの合図とともに控えていた屈強なボガードが歩み出る。ボガードはガ ガックよりも若く力強かったが、経験の浅さが見てとれる。
いきなり駆け寄り力任せの大降りな一撃が空を切る。すかさずガガックは槍を叩 きつける。突きかかる。
蛮族同士の猛攻は、若いボガードがガガックに圧倒されるが、その時ガガックの 槍が折れる。しかしガガックは用意した別の槍に持ち変え、反撃の隙すら与えず 圧倒。ついに止めを刺す。』

それを見ていたゴブリンは憎々しげに睨み付け、度なり散らします。
「お前ガガック。おのれ!見ておれ。明日の晩には貴様を殺す。」
→ボガード達は戦いに破れたボガードを抱えると、ゴブリンの合図とともに引き 上げていきます。


手当て

戦いが済むとガガックは、再び焚き火の傍に腰を下ろします。
一同が近づいて見るとわかることですが、ガガックの体も傷ついています。ガガ ックが戦いなれた熟練にせよ、若いボガードを相手に戦うことは骨が折れるらし く、身体中には擦り傷などが見えます。
・ゲルニカはガガックの体の手当てに入ります。これにガガックは驚き、「手当 て…何故だ?」と疑問を問いかけます。
「すまないが…立ち聞きさせてもらった。明日もあるのだろう。
女というものは、男に心残りを残させてはならないのだ。快く送り出すものなの だ。」と手当てを続けます。
ガガックもその言葉に言い返すことも無く、手当てに身をゆだねます。

ガガックからの話

★ここからは、一同に対しても質問に答えてくれます。
・「俺はかつては双剣のガガックと呼ばれる戦士だった。ボガードだけでなく、 トロル達からも認められる戦士だった」
・「俺はこの手で百人を越える人間の戦士を殺してきた」
・「しかし俺は戦士と戦う喜びを知ると、かつて若かりし頃のように、誰彼問 わず殺すことを楽しめなくなっていた。我が部族が人間の集落を襲った時、俺は 女・子供・武器を持たぬものは見逃した。俺が殺す価値は無いものたちだった。 しかし、族長はそれが気に入らないらしい。」
・「俺は名を奪われ、3度の試練を与えられた。これが済めば、俺は再び誇り高 い戦士に戻れるのだ。」
→「いいのか、全てが済んだら、俺は再び人間を襲う。」
ゲルニカは一同の答えに任せます。ゲルニカ自身もそれはそれでいいと考えてい ます。戦うことは間違いではありませんから。
ただ、ゲルニカとしてはそれは少し勿体無いかなとも考えています。

翌日の朝/ガガックの準備

次の日もガガックは槍を準備します。棍棒のような杭のような槍は突いてよし叩 いてよしの武器ですが、強度が脆いという問題もあります。何本か用意しなけれ ば、とても戦いには臨めません。
・もし、仮にガガックに武器を進めたとしても、ガガックは拒みます。双剣の名 を失ったガガックは武器を持つことを固辞します。

案じるゲルニカ

ゲルニカは一同に話しかけてきます。
・「ガガックはああ言っているが…あのゴブリンはガガックを嫌っている。何か 企んでいる可能性もある」
・「もし、ボガードを束にして送ってきたらことだな」
→「斬るは容易い。しかし失うものが惜しい」
※ゲルニカは、蛮族対人という構図を作ることに不安があります。そうなるとボ ガードを退治した自分達は、下手するとなし崩し的に戦士である『双剣のガガッ ク』と対決する可能性があるからです。
ゲルニカとしては、好んでそうなるのは避けたいと考えています。
→ゲルニカは漁村の村人の様子を見てくることを進めます。村人も不安がってい るでしょう。

漁村の村人

昨夜丘の上で蛮族が何か騒いでいたのは村人も気が付いています。ですが、村人 は怖くて見に行くことはできません。
・一同が来ると村人は群がり、説明を求めてきます。一同がガガックが村人を殺 めないと説明しても勿論信用しません。強く話しなどしようものならば、逆に不 信がられてしまうでしょう。
・村人は協力できることはしますが、力添えなどは拒みます。やはり怖くて仕方 がないのです。


二日目の晩

そしてその日の晩もまた、入り江より船でゴブリンとボガードが訪れます。

ゴブリンは今回は、剣を携えたボガード(ボガードソーズマン:知名度9)を引 き連れてやって来ました。ボガードもまた歴戦の戦士らしく、ガガックに見劣り しない精悍な面構えです。
ゴブリン「今度こそ、お前を地獄に送ってやる。」
しかし、ボガードはガガックに対して話かけます。
「戦士ガガック。俺は先人として尊敬している。俺は戦士としてガガックを葬る ためにきた」と告げます。
ガガックも「よろしくたのむ」と漏らし、互いに武器を抜きます。

ビジュアルシーン〜二度目の試練〜

『鉄の剣を携えたボガードの剣士との戦いは、苦戦が強いられていた。機敏な動 きで剣を払うガガックだが、武器が持たない。打ち合わせつつも、ガガックの武 器はついには使い果たされ、丸腰となる。ボガードは勝ちを確信する。しかしそ の心にこそ隙があった。
ガガックの捨て身の体当たりに馬乗りに組み伏せられたボガードに対して、ガガ ックの拳が殴り付けられる。この機微が戦場で彼を生かし続けてきた。』

ゴブリンは何か魔法を唱えようとするが、そばのボガードはゴブリンの口をふさ ぐ。「見てろ」とボガードはゴブリンを制止する。

ガガックが勝利を迎えると、やはりボガードは死んだボガードの剣士を担ぎ上げ 、引き上げていく。
→ゴブリン「お前の仲間に戦わせたのが間違いだった。次は最強の刺客を送る。 何があっても殺してやるぞ。」と吐き捨て帰っていきます。

手当て

やはりゲルニカはガガックの傷の手当てをします。
→ガガックも、それには逆らう様子はなく手当てを任せます。


その日の晩

ゲルニカは草原に横になって休みます。すぐ脇にはガガックの姿があります。
野生の動物のようなボガードのガガックは、眠るときも腰を落としただけで、緊 張を解きません。それゆえにガガックは脇で眠れるゲルニカの気がしれません。

虫の声を…

ふと、夜に物音を聞きます。冒険者技能+知力ボーナス+2D6で目標値14です。
→それはゲルニカが寝返りを打った音なのですが、ふと気が付くと、ガガックが 小脇より、木の槍に手をかけます。ガガックはそれを手に、しばし止まります。

不意にゲルニカより、「―やらぬのかね」と呟きがもれます。
ガガックはその言葉を受け、槍から手を離します。
「あぁ、やらぬ。それは戦士ではない」
→ゲルニカはあくびをした後その言葉に一言つけくわえます。
「そうだな。それに、もしそのようなことをしては、虫の声を聞くことは…二度 と無いであろうしな。」

ガガックはハッとし、周囲に耳を澄まします。やがて周囲からは虫の声が響きだ します。
その虫の声にやがてゲルニカの寝息が混じります。


3日目・昼間

最後の夜までの昼間はとくにやりべきことはありません。
ゲルニカに話をするならば色々彼女の考えを話してくれるでしょうが、別段とり とめのないことです。
・「ガガックの部族はトロルを中心として行う戦士の部族なのだろう。習慣はボ ガードのそれではないし、ボガードでは他の部族を併合できない。」
・「ボガードは人に比べると短命だ。ガガックもかなりの歳なのだろう。しかし 、何年生きたという以上の経験は積んでいるな。」
「飾り気はないが、男に生まれたらあのように生きるべきだろうな。」
「別に他意は無い。不快に感じたら詫びよう。」

最後の夜

ゴブリン達が引き連れて訪れたのは鎧をまといガガックより一回り大きいボガー ドです(ボガードトルーパー:知名度10)。
その中でもガガックの前に歩み出たのはガガックと似たような容姿のボガードで す。ガガックはその姿に見覚えがあるのか「お前か…」と呟きます。
★相手のボガードはガガックの弟になります。ゴブリンとしてはガガックが殺し にくい相手を選んだのですが、ガガックには加減はありません。

ビジュアルシーン〜第3の試練〜

『向かい合うボガード。武器を構え、焚き火が崩れるのを合図にたちまち武器が 打ち合わされる。ガガックは両の手に二本の槍を構え、ボガードは剣と盾で応戦 する。ガガックの強烈な一撃はボガードの盾を割ったが、槍の1つを失う。対す るボガードの攻撃は残る片手の槍を砕き、ガガックの武器を奪う。しかし、両者 な油断など無い。
ボガードの繰り出す突きが、ガガックの肩口を捕らえる。ガガックの苦悶の声、 この時ガガックは身を前に押しだし刃を体深くに埋めると、折れた槍の穂先を握 り直し、ボガードの喉に突き立てる。これが勝敗となった。』

ゴブリンの横槍〜加勢〜

ゴブリンはこの結果に怒ります。後ろのボガードトルーパーに指示を出し「やれ !」とガガックの抹殺を命じます。
★ボガードトルーパーの数はPCと同じです。PCで加勢してやるといいでしょう。

当然ゴブリンは人間の加勢に激昂し「人間に加勢を頼むとはやはり裏切り者だ」 と罵ります。
→意味がわからなかったり相応しい言葉が見つからなかった場合、ゲルニカがゴ ブリンに反論します。
ゲルニカの言葉は妖魔語ではなくより上位の蛮族の言葉で話されます。
「愚か者めが!掟を破りしはいずれか!?」
「ガガックの不足した戦士を補ったに過ぎぬ。異論があるならばお前もガガック も掟を破りし罪にとうものぞ。」
→ゴブリンはびっくりして土下座します。上から指示される以外に耳にしない言 葉で機が動転してしまいます。

★あとは戦闘で勝利するだけです。

戦闘終了

戦闘が終了すると
ゴブリンは逃げ口上を吐き捨て引き上げます。
「おのれ、ガガック。確かにお前は戦士に戻ったが、部族はお前を受け入れたり はせぬ。どこへなりとも消えるがよい」

ガガックは一同に向き直ります。勿論戦いでガガックはひどい負傷をしているわ けですが、戦士に戻った今は些事です。
「…やるか?」とガガックは一同に問います。
→戦士としての拘りから戦闘する場合もあるでしょう、(傷ついたボガード1匹 を囲み殺すのは如何なものでしょうが)。一同が戦闘する気ならばガガックとは 戦闘できます(生命点は15点まで減少しています)。
→一同がガガックとの決着を望むならば、ゲルニカは止めません。ただし、ゲル ニカ自身は決着には関心がありませんので、一人さっさと荷をまとめます。
⇒戦闘をするのならば、ゲルニカはここで一同を見届けたのちに立ち去ります。
一同が一体一で挑まない場合はガガックに加勢します。結果、ゲルニカは討ち取 られても異論はありません。

●依頼を論じるなら、もうガガックはこの漁村をたつことになりますので、倒す 必要はありません。

●ゲルニカは「またにしよう」と提案します。
「私は戦士ではないし、手負いを囲み殺すのは趣味ではない。どうしてもと論じ るなら、止めはせぬが、私は引き上げさせてもらう」「見れば双方いずれは世に 名を知らしめる身やもしれん。縁あらばいずれ決着をつけることもあろう。」と 話します。

⇒戦闘しない場合は、ガガックの手当てをした後、一同は翌朝にわかれます。
ガガックは「お前達は変わっているな」と言いますが、三日間で見慣れたのか歪 んだ顔が笑みだとわかります。

エンディング@

ガガックを倒すか・ガガックが出ていった時点で漁村の村からの依頼は完了しま す。顛末は報告するもしないも自由です。報酬を獲得して下さい。
⇒経験点は1000点です。

エンディングA

アンテレシアの依頼を受けた場合、エンディングには続きがあります。

『一同を取り囲むのはフードに身を隠した男達。男達は手に武器を持ち、怒鳴り 声を上げる。「おのれゲルニカ。異端の教えを説く邪教徒め。誅殺してくれん。 」
怒鳴りつけられたゲルニカは目を真ん丸にする。一同に対して弁護を求めるよう に声をかける。「私は布教活動など行ったことはない皆も言ってくれ。」』
→と皆の答えでエンディングに入ります。

この導入の場合、その後さらに2000ガメルの報酬が入ります。


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