ゲルニカ1〜巣立ち〜

ゲルニカとジョルジュ

あらすじ

一同は冒険者の店「蒼き雷の剣亭」のマスター・ルーサーの依頼でお使いで辺鄙 な山村にいる薬師のマーサを訪ねます。そこで出会う娘ナイトメアのイリューシ ア。一同は山村の生活に首を出しながらイリューシアの成長から旅立ちまでを見 ていきます。最後の試練は冒険者でなくては困難でしょう。イリューシアに力を 貸し旅立ちに助力して下さい。
彼女が冒険者となりパーティーに加わるまでの話ですが、実質パーティーに加え なくても構いません。戦力にはなりませんから。

登場人物

ルーサー

ルーサー

冒険者の店の主人で『蒼き雷の剣亭』の主人です。
ルールブックにあるサンプル・キャラクターにある人物と同一人物です。
駆け出しの頃、当時のベテラン冒険者のマーサに面倒を見てもらい尊敬していま す。
今は恩返ししたいと考えています。

マーサ

マーサ

辺境の山村で薬師をしている老婆で、かつては冒険者でした。
コンジャラーとレンジャーをもっています。
引き取り手の無いイリューシアを引き取り育てています。

ゲルニカ

イリューシア

角持ち(ナイトメア)として生を受けました。
流れ者の冒険者の父は身ごもった 母を捨てるように再び出ていき、母は周囲の反対を押しきりイリューシアを出産 しましたが、イリューシアの角に腹を裂かれ命を落としました。
イリューシアはそのような境遇を受け入れて生きる不思議な少女になりました。
根本は『何故私は生まれて来たのか』です。
イリューシアはぶっきらぼうに話し、「私は〜だ」と話します。
同年代でも年下 に見て話す癖があり、年上にも物怖じしません。生意気と感じる大人も多いでし ょう。
またナイトメアには珍しく、角を隠しません。
またバカにされたり苛められても 気にせず、どこ吹く風というタフな一面があります。

ジョルジュ

ジョルジュ

イリューシアと同じく牧童をしています。
まったく喋ることが無いために、愚鈍だとか、知恵遅れだとか言われて村では罵られています。
爪弾き同士でイリューシアとは仲が良く、寡黙な二人は言葉の無い風のような時間を過ごしています。

ゲルニカの出生

これは冒険者であるプレイヤーがまだ駆け出しの頃です。

導入

場所はルキスラ帝国にある「蒼き雷の剣亭」から始まります。冒険者の店として 賑わいあるその店に、新たに足を踏み込んだのはPC一同です。
この頃は自分達はまだまだ経験も足りず、行う冒険も『何でも屋』程度の仕事ば かり、選り好みする身分ではありませんが、悪態の一つも出てくるそんな時分で す。

ルーサー

一同にこの店の主人ルーサーから仕事が依頼されます。
・「期待させて悪いが―仕事内容は単純なお使いだ。山一つ向こうの田舎の山村 に薬を届けてくれ。村にいるウィッチドクター(コンジャラー&レンジャー)の マーサという婆さんに届けて欲しいんだ。」
・「婆さんからは既に金は貰ってある。渡せばいいだけの楽な仕事だが、山岳に は野犬なんかが出るんで、一応は危険…か」
・「報酬は必要経費こみ1人500ガメルだ。」
→ルーサーからは儲けのない依頼なのですが、新人冒険者である一同には気を使 ってくれているのです。

山村

村は峠を越えたところにある山村で、峠までの道のりは森にある険粗な山道を歩 いていかなければなりません。足場は悪く、冬ともなれば雪がつもり身動きがと れなくなるでしょう。

山村は高原地帯にあり、山間の村よりはいくらか気温が低く感じます。人口は百 戸ほど、宿屋には期待できないでしょう。

村人の反応
・村人の反応は冷淡です。閉鎖的な村人は冒険者達を恐れています。なるべくな らば我関せずの立場になろうと、「さあね」「知らないね」と非協力的です。
・また村人は閉鎖的な環境においてはままありますが、迷信深い性格をしていま す。ナイトメアのPCなどは苦労するでしょう。

イリューシア

一同が付近で聞き込みなどして歩き回っている時のことです。
毛長牛達を引き連れた少女に会います。落ち着いた雰囲気の端正な顔立ちの少女 で、可愛らしいというよりは綺麗なという印象を持ちます。何より印象的なのは 額にある一本の角です。
・「マーサは、村外れの家に住んでいる」
・「私はマーサと一緒に暮らしているから案内しようか?」
・名を訪ねるのならば)「私の名はイリューシア。貴方は?(―と訪ねたものに 問う)」
※イリューシアの話し方は口数少ないですが、穏やかなものです。表情もあまり 変わらないのですが、瞳が一同を見つめている様は他の村人とは違います。
→イリューシアに案内を求めても、イリューシアは「牛に草を食べさせに行くか ら、その後でなら」と告げます。

マーサの家

マーサの家は小さい家で、裏手には牛等をいれる牛舎があります。
→マーサはしわがれた老婆で、目には強い意志があり、偏屈そうにも見えます。 一同がやってくるとぶっきらぼうに「入んな。お使いに冒険者を送るなんざ、ル ーサーも偉くなったもんだね。」とぼやきます。

室内は暖炉のある居間。その一角に設けられた調理場があります。部屋はマーサ の部屋と、もう一つの部屋(イリューシアの部屋)がある他には、薬品庫と調合 を行うため小部屋があり、地下には氷室があります。

世間話

マーサからは世間話がされますが、マーサは訪ねない限り詳しい事情は話しませ ん。
・村の連中は余所者を嫌うから、嫌な思いをしただろう?
→理由)さぁね。閉鎖的な村だからね。イリューシアのことが無ければもう少し マシだったかもしれないけど。
・今日はもう遅い。寝床と食べ物に文句を言わなきゃ、泊まっていくがいい。

→イリューシア)家族が誰も引き取らないんで、拾ってやったのよ。部屋なんて のは使わなければ汚れるだけ、掃除させてると思えばいいのさ。
→イリューシア2)会ったのかい?、見ての通りのナイトメアで村の皆には嫌わ れている。家族も育てる気はないね。もっとも、父も母もいなくなっちまったか ら、顔を知らない分ついてるかもしれないよ。
→イリューシアの家族)父親は冒険者で流れ者、イリューシアの母と出会って子 供を作り、そしていなくなった。母は出産時にイリューシアの角が腹を裂いて命 を落とした。

イリューシアの仕事

イリューシアは毛長牛に草を食べさせる牧童のような仕事をしています。牛を運 ぶために長い棒を持ち、草地を回り、牛がはぐれないようにするのです。
→到着するとイリューシアは毛長牛の毛をブラシで鋤いたりして大切に扱ってい ます。毛長牛も穏やかでイリューシアに任せています。


牧童のジョルジュ

同じく牧童と思われる少年が近づいてきます。少年はイリューシアを見ると笑顔 を見せます。
少年は一言もしゃべりません。まるで喋れないかのようですが、言葉を発するこ と自体が無いのです。
→やがて少年は草地に腰を下ろすと、笛を吹き始めます。イリューシアも、その 音色に耳を澄まします。二人は会話することは無く、ゆったりとした時間を過ご します。

イリューシアとの話

イリューシアはPCに対してはあえて一歩引き、自分から話しかけることをしませ んが、PCが間に苦しんでいるようなら話しかけます。
・「【PC】達は冒険者なのか」「ならば村では、難儀しただろう。冒険者は嫌わ れているからな。」
→「昔、村に冒険者が来て、村の娘と子を成したが、流れ者ゆえやはり流れて、 女と子は捨て置かれた…と聞いている。」
・「私は冒険者は嫌いじゃない。冒険者が来たら問いかけことがあった。今はど うしようかとも思っている。」
・「冒険者達は、何故この村に来るのだろう? ここは辺鄙だ。」

・「外はどうだ?私は村の外は知らない」
→「興味はある…が―。」
→「私にはしがらみがある。心惑わされたままではどこに行っても駄目だろう。 」
「ただこの村にいつまでもはいれないとわかっている。私もまた余所者な のだろう。」

・マーサについて)「村で薬師をしている。唯一の薬師として尊敬されているが 、元々が余所者のようで皆距離を置きたがる。」
→「私を拾い育ててくれた。」

・ジョルジュについて)「言葉を喋らぬので、頭が悪いと思われている。しかし 、私にはそうは思えない。」

・「冒険の話を聞かせてはくれないか?」

悪ガキ

イリューシアの帰り道、ジョルジュ達の列と離れ、帰路を迎える一行の前に子供 達が集まります。
子供達は「やーい角持ち」とイリューシアに罵りの言葉を投げ掛け、石を投げつ けます。
→イリューシアは石を避けるでもなく、表情を変えるでもありません。子供達は 怒らせようとより罵りの言葉を荒げます。

一同が庇ってあげない場合は、イリューシアは角を立てて(ナイトメア変化)し 、子供達を追い返します。
→イリューシア「おい、わらし(自分が同い年にも関わらず)。あまり慌てて転 ぶなよ」

●イリューシアと話をするならば―
・「怒る理由もない。すきにさせておけばいいだろう。」とどこ吹く風です。

マーサの家

その日の夜はマーサの家に泊まることになるでしょう。マーサの家は珍しく大人 数なので、マーサ自体は騒がしさには閉口します。

イリューシアは一同を伴い屋根裏に案内します。
屋根へは取り付け式の階段梯子にて昇ります。
屋根裏には何もありません。ただっ広い空間と、換気のための窓が一つあるばか りです。
・一同はワラを運んでシーツをかける簡易的なベッドを作ります。

晩の食事

晩の食事は、堅焼きのパンとミルクとチーズを煮込んだスープです。パンはチー ズにつけたり浸したりして柔らかくして食べるようです。飲み物はミルクです。
《食事時》
●「食べ物代は払うんだよ。部屋代もね。」とマーサはぶっきらぼうに話し、イ リューシアは「…マーサ」と困った顔をします。
●一同がさっさと食事をするとイリューシアは驚きます。「さすがにオノコだな (年下にも関わらず男子呼ばわり)。もう少しパンを用意しよう」とパンをナイ フで切り分けます。
→「スープはもう無い。ジャムでいいか」
●食事が終わるとマーサはパイプを吹かし、イリューシアは一同に茶を勧めます 。窓を開け放ち冷たい夜風を入れては熱い茶をいれてくれます。
マーサ「窓を閉めな。寒いじゃないか。」
マーサは立ち上がり部屋に戻ります。「あんた達も好かれたもんだね」と振り返 り呟くとマーサは歩いていきます。

イリューシアの問い

イリューシアは一同に質問します。
・「角持ちは何故生まれるの」
・「穢れとは何?」
・「生まれた時に善悪は定められるのか?」
→「マーサから字を習い本を読んだ。しかし、皆の意見は違う。…穢れとはなん であろう?」
「マーサは教えてはくれない。知らないのだという。」

翌日の朝

一同が目を覚ます時には、イリューシアの姿は見えません。朝早くに毛長牛を連 れていったらしいということがマーサから告げられます。
→一同は用意された食事を食べて出立することになるでしょう。用意された食事 は、パンにスクランブルエッグという感じです。卵は希少なのでイリューシアは 歓迎してくれているのでしょう。
・一同にはチーズとパンなどの弁当も用意されています。

・マーサからは帰り際にルーサーに依頼として薬を頼みます。ルーサーに対して 支払われるのは500ガメルです。
→これを見ればパーティへの報酬が破格であることがわかるでしょう。それはマ ーサも知らなかったことです。マーサが耳にしたら、「あんた達もまだまだ駆け 出しって事だ」と鼻で笑います。
「でもルーサーを責めるんじゃあないよ。子供扱いされるあんた達が悪いんだか らね」

狼の襲撃

一同の帰り際のことです。(見掛けたことがあるかもしれませんが)牛飼いの少 年が走ってきます(ジョルジュです)。少年は一同の手を引き、身ぶりで何かあ ったことを伝えます。彼はどうやら一同に助けを求めているようです。

ちょうど一同が訪れた時です、毛長牛を狼が襲おうとしているではありませんか 、狼を追い払おうとしたイリューシアは逆に狼に咬まれて手傷を負ってしまいま す。
狼はさらにイリューシアへと攻撃を仕掛けます。その時毛長牛達は狼へと迫り、 逆に小突いて押し返し、吠え声を上げます。毛長牛は子供を守るようにイリュー シアの回りに円陣を組みます。
・一同は狼を撃退しなければなりません。狼の数はPCと同数です。
・一同が勝利した場合、イリューシア達を守ることができます。まさか狼に負け て食い殺されるなんてことはないでしょうが…場合によっては加減をして下さい (狼の半数を倒した場合戦意喪失するなど)。

狼の撃退

イリューシアを助け出した場合は、イリューシアは安堵の溜め息に尻餅をつきま す。傷は幸い浅いものですので治癒の魔法かポーションなどで回復できるでしょ う。
→イリューシアは毛長牛を引き連れて一度引き上げることにするでしょう。

マーサは帰ってきたイリューシアに対しては傷の確認だけします。
一同には感謝の言葉をかけます。「ありがとうよ」
マーサ「イリューシア。怖かったかい」
イリューシア「…うん。でも毛長牛も皆も守ってくれたから大丈夫。」
イリューシアは一同に感謝の言葉を漏らします。「危ないところをありがとう。 」そう言って深々と頭を下げます。

イリューシア「私は毛長牛を守っていたつもりだったけど、毛長牛も私を守って いたのだな…」と呟きます。

報酬

冒険者の店に帰りルーサーに報告すれば、ルーサーから報酬が支払われます。
→マーサから預かった金を受け取ったルーサーは、報酬とわりにあわない依頼で あったことがバレたことを理解します。
「色々な人に会っておくことだ。勉強になる」とルーサーは言います。

●マーサについて―
・「俺が駆け出しの頃はベテラン冒険者だった。偉大な冒険者ではなかったが、 酒の飲み方・博打に打ち方・借金の踏み倒し方を教えてくれた。」
・「話を聞いてくれる大人で、ガキの頃はとても頼もしかった」
・「引退して山奥ひっこんじまったが俺には大切な人だよ。」

それから―

それから暫くの月日がたちます。PC達パーティーも駆け出しとして精力的に冒険 をこなし、成功したり失敗したりを繰り返していきます。その間もルーサーから はちょくちょくとマーサのところへの使いを依頼されます。イリューシアとも仲 良くなったような気がします。
・もっともイリューシアはあまり表情を変えませんから、なんとなく気を許して いるのかとわかる程度なのですが。

マーサの風邪

また例によってマーサのところへお使いに訪れた時のことです。
一同を出迎えるのは珍しくイリューシアでマーサではありません。訪ねるならば マーサは風邪を引いているといいます。
・マーサは病床にあります。年をとってこじらせた風邪なので、治りは早くあり ません。
直すべき医者こそが薬師なのですから仕方ありません。

イリューシア森へ

一同が訪れるとイリューシアは手が空いたことをいいことに薬草を探しに出ます 。
→一同が同行しない場合は夜になっても中々帰って来ません。薬草が見つからな かったのです。

森の探索

森に入る場合は、薬草の探索をしなくてはいけません。
●森の中で迷わないための野外判定は、レンジャー技能+知力ボーナス+2D6→目 標値14です(イリューシアが同行することで3のボーナスがあります)
●森の中で薬草を探すための探索判定は、レンジャー技能+知力ボーナス+2D6→ 目標値14です(イリューシアが同行することで3のボーナスがあります)

これらの探索を成功させて帰還するならば、マーサのために薬を作ることができ ます。

調合

マーサの傍らで薬を作るイリューシアに対して、マーサは「量を間違えるんじゃ ないよ。私を殺す気かい」と悪態をつきます。
★マーサはもう歳です。体も崩し、長くはないでしょう。多分今年の冬は越せな いかもしれません。

冬の大飢饉

その年の秋〜冬にかけて凶作になります。都会でも物価が上がり、生活必需品が 高騰するのですから、辺鄙な田舎となれば大変でしょう。
冒険者の店に戻ってきた一同は、主人ルーサーが出入りの商人と話をしているの を聞き付けます。
・商人の話ではこの飢饉で辺境の村では集落が全滅したり、土地を捨てる人々が 出ていることが教えられます。
・時悪く、時節は冬。雪に閉じ込められてしまえば集落の全滅は一つにとどまら ないでしょう。

一同が来たことを確認したルーサーは、手を振って一同を呼び寄せます。
「お前達に頼みたいことがあるんだ」
・「マーサをうちで引き取りたいと考えているんだ。多分マーサはそれを拒むだ ろうから力づくででも連れてきて欲しい」
・「報酬は1人500ガメルと3点の魔晶石を3つやろう。」
→イリューシアのことを話すなら)「そうだな、1人くらい増えても構わないぞ 」

一同が山道を通り始めた時、空に立ち込める暗雲から雪がパラパラと降り始めま す。この様子では雪は積もってしまうでしょう。帰路は困難なものになりそうで す。

閉鎖的な村人

一同が村に訪れた時、村は以前にもましてより閉鎖的です。村人は顔を会わすこ ともせずそそくさと姿を隠し戸口に引きこもります。
・今、村人は古くからの悪習を行おうとしています。飢饉のおりに山に生け贄を 捧げて神の怒りを沈めようとしているのです。しかし村人には後ろめたさもあり 、目を合わせたくないのです。

マーサの家にて―

マーサの体はより弱っています。衰弱してしまい、熱を出して咳き込んでいます 。もう長くはないでしょう。こんな状態では雪の山道を越えることはできません (また彼女も望みません)。
・イリューシアはマーサが長くないことを知っているのか、瞳の光には憂いや翳 りがあります。
・それでも生きるためにイリューシアは毛長牛の世話や、薬草を取りに出なくて はなりません。

薬草取り

冬場の薬草取りに入るイリューシア。PCが同行を提案するなら、イリューシアもPC を快く同行を求め山に入ります。
冬の山は実り無い、不毛の地です。探せど探せど枯れた木々の中薬草を探すこと 自体が困難です。ましてこの飢饉では仕方ありません。

●森の中で迷わないための野外判定は、レンジャー技能+知力ボーナス+2D6→目 標値14です(イリューシアが同行することで3のボーナスがあります)
●森の中で薬草を探すための探索判定は、レンジャー技能+知力ボーナス+2D6→ 目標値17です(イリューシアが同行することで3のボーナスがあります)

生け贄

一同の帰り道、イリューシアの前を通せんぼする少年がいます。いじめっ子です 。
いじめっ子少年はいつものようにイリューシアを嘲る言葉は言いません。何かを いいたげですが言葉が出てきません。
→聞き出して下さい。
・「ついてないな。お前は生け贄とかになるんだぞ。」
・「山の神様のお供え物になるんだって親父がいってたぞ」
・「ジョルジュもなるんだと、次はお前だぞ」
→少年は罵りの言葉とともに、案じています。

それを聞いたイリューシアは「何!」と声をあらげます。少年に対して向き直る と「教えてくれてありがとう」と頭を下げ脱兎の如く駆け出します。
●ジョルジュのことを確認しようとしても連れていかれた後です。
→連れていったのは村長と一部の人々でまだ帰っていません。彼ら以外の村人は 生け贄の祭壇の場所を知りません。
→場所を知っているのはマーサだけです。

巣立ち

「なんだって!?」話を耳にしたマーサは怒声を上げてベッドより身を起こします 。「村の馬鹿共はまだそんな与太話を信じてるのかい」しかしマーサにはもはや 立ち上がる力すらありません。
→一同が名乗り出るなら解決をPCに任せます。場所もマーサが教えてくれます。 そして…
イリューシアも名乗り出ます。
「マーサ。いつか話そうと思っていたけど、その日が来たとわかった。私は村を 出る。」
「マーサはこのまま、自分が動けなくなり別れが来るまで私に世話をして欲しい なんて…思わないでしょう?」
「私が今旅立つことが、一番マーサが望むことだと思う。」
→イリューシアの言葉を聞いてマーサは驚きます。「お前は強い子だよ」と頭を 撫でます。

イリューシアは木の棒の穂先に刃をつけた槍を持ち、手早く準備を整えます。館 の裏に入り、毛長牛達を放ち表に出します。毛長牛にはよく分かりません。イリ ューシアは目には涙を浮かべますが、今は涙を流す時ではありません。手早く別 れを済ませます。
・毛長牛は財産です。誰かが手にいれて世話をするでしょう。

イリューシアはマーサに最後に別れを告げます。
「ありがとうマーサ。何のお礼もできませんが、あなたに受けた御恩は忘れませ ん。」「さようなら」とイリューシアはマーサに別れを告げ家を後にします。

一方マーサは―

愛娘の旅立ちを見送ったマーサは立て掛けてあった杖に手を伸ばします。
マーサは最後に魔法の言葉を呟き魔法を唱えます。「あの子を頼んだよ」

生け贄の祭壇へ

雪降り積もるなかを移動する一同。恐らく村長がいった時は雪は積もってなかっ たですが、一同が通るときは困難な道のりです。

●森の中で迷わないための野外判定は、レンジャー技能+知力ボーナス+2D6→目 標値15
何度判定しても構いませんが、1回失敗するごとに1時間が経過し、ボスモンス ターを1体づつ増やします。
●村長の足跡を探す場合は、レンジャー技能+知力ボーナス+2D6→目標値14す( イリューシアが同行することで3のボーナスがあります)成功すると祭壇までの 道程の発見に+3のボーナスを得ます。

洞窟

場所は山岳部の洞窟です。洞窟は3mほどの高さがあり、奥へと続いています。

一同がそこに辿り着いた時に危険感知を行います。
●レンジャー技能+知力ボーナス+2D6で目標値は15です。
失敗すると相手の先制値に+3されます。

・相手はヘルハウンドです。ヘルハウンドは何頭かがこの山頂付近を住みかにし ているのですが、ここまで人間が入ってこないため悪さはしていませんでした。
しかし生け贄がここにつれてこられた今…

●一同はヘルハウンドを撃退しなくてはいけません。

ここで戦闘が始まるころ、ウッドゴーレムが駆けつけます。ゴーレムはイリュー シアを守ります(マーサの最後の魔法です)。
●ヘルハウンドの数が多い場合、勝てない可能性は十分あります。その場合はヘ ルハウンドは飢えているとして生命点を10点まで落とすといいでしょう。ここの さじ加減はGMにお任せします。

ジョルジュの死

ヘルハウンドを倒し祭壇にかけつけた一同でしたが、祭壇には輿があるだけ。誰 の姿もありません。まるではじめから輿が置かれただけのようです。
ただ祭壇には笛が転がっているのが見つかります。ジョルジュの笛です。
・イリューシアもジョルジュの死を理解します。
イリューシアは泣き崩れる ようなことはありません。ただ目を細めた後、瞳をつぶるだけです。

イリューシアはヘルハウンドの死体に近づきます。
ヘルハウンドはアバラが浮き出すほどに痩せほそっています。
イリューシア「お前も飢えていたのだな…」と呟き、ヘルハウンドの頭に手をの せます。

→もしヘルハウンドの腹を開いたとしてもジョルジュの死につながるようなもの は見つかりません。真相はわからないのです。

後押しの手

一同が洞窟を出た時、村がここからは一望できます。するとどうでしょう。マー サの家からは火の手が上がり、煙が立ち上っていきます。

★村ではマーサに正面と向かって対立するような気合いの入った人物はいません 。火を放ったのはマーサです。マーサは時分の死に際し、自らの家に火を放った のです。イリューシアを振り返らせないために。
→イリューシアにはそれがすぐにわかります。

「今、私はもう一度マーサの元に帰りたいと思う気持ちに駈られていた…、マー サに抱き締めてもらいたいと。でも前を向いて行けと、振り返らずに行けと言う んだね。」
「ありがとうマーサ。あなたが背を押してくれなければ、私は立ち止まるところ だった。」

エンディング

一同はイリューシアとともに冒険者の店に帰還します。主人ルーサーはマーサが いないことを見て、なんとはなしに察します。
・ルーサーは一同から報告を受けると少し寂しそうにしますが、でも自慢するか のように笑います。
→「どうだお前等。マーサは格好いいだろう」ルーサーは自慢しながら泣き笑い ます。

ルーサーはイリューシアに対しては(恐らく既に話を聞いているでしょうが)名 を訪ねます。「君は―」
→イリューシアはしばしの間の後に答えます。
「…イリューシア。イリューシア・ゲルニカです。」

クリア経験点・及び報酬

これでシナリオは成功です。無事にイリューシアがルーサーの元に到着すれば、 シナリオ成功として経験値1000点を獲得します。
また、ルーサーもイリューシア到着を成功と考え、報酬を支払います。

もしイリューシアが殺されてしまったり、村を出ることができなければ冒険は失 敗です。経験値は500点となります。

★ちなみに
イリューシア・ゲルニカは後に神になる人物ですが、神になった瞬間時間の概念 は喪失しています。したがってゲルニカ信仰は既にある場合もあります。

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