「英雄選抜試験」 

 

 シナリオ概要 

  初心者である冒険者達は、ある日拉致され、生還不可能なデスダンジョンへと投じられてしまいます。
そのダンジョンこそが、人間のために英雄探しをしている押し付け善意の悪魔・アデリードの考えた「英雄選抜試験」です。
はたしてこのダンジョンを何人の冒険者が生還できるでしょう。いや…生還など不可能かもしれません。
しかしこの悪夢からの唯一の脱出方法は、ダンジョンを制覇するしかないのです。

大量に人死にを出すサバイバルダンジョンゆえに、NPCが多いです。管理が面倒くさい場合でも、戦わせずにビジュアルシーンで使いましょう。
今回のシナリオでは、導入可能な部分は二箇所です。
一つはオープニングの駆け出し冒険者。これは執事にルシェードというルーンフォークがついてきます。
もう一つは拉致された冒険者集団としてです。
→ どちらにせよ強引な導入となります。


 シナリオの流れ 

  @ 冒険者結集です。
アデリードに拉致された冒険者達がダンジョン内部で顔を合わせます。
一応1人の新プレイヤーには導入はありますが、他のプレイヤーはそのまま流れで参加させてください。

A ダンジョン探索
ダンジョンを脱出するためには3つの鍵が必要です。鍵は3つのルートに1つづつありますが、ダンジョンは2つのルートしかかかれていません。
もう一つのルートの鍵は、冒険者ブランカが獲得しますので、実際は2つのルートの制覇だけで構いません。
もし時間が押すようだったら、制覇するダンジョンも2つではなく1つでいいでしょう。そのときでも他の冒険者が鍵を獲得しているとしてください。

B ボスはドラゴンです。
ドラゴンは13レベルのモンスターですので駆け出しの冒険者にはまず勝てない相手でしょう。それでも今回のボスのドラゴンは勝ってもらわなくてはなりません。
なんせゴールした後も対決が継続してしまうのです。
ここでたくさんいる仲間たちは、次々と消えてしまうでしょう。勿論プレイヤーも死んでしまう可能性もありますが、蘇生が簡単な世界なのでそれはきにしない方向で。
ドラゴンはもとから強すぎるので、かなり手を抜いて大甘で戦ったほうがいいかもしれませんね。




 登場NPC達 

  ブランカ

ブランカ 

ギラギラとした銀色の全身鎧を着た女騎士。
マントといい、たなびく金髪といい、あきらかに普通にはいないビジュアルの人です。
肌は白く淡い印象もあるのでとても強い人間には見えない、貴族のお嬢様のような容姿です。
しかしその実、握力は200キロをはるかに超え、龍殺しの剣を軽々と振り回す怪力です。しかも2本もです。
シナリオではいきなりホール入り口でゴブリンに襲われていますが、ちゃんと常に生還して画面のはじに映ります。
常識的な意見をちゃんと言える人物です。

ペーター

ペーター

 一同と最初に出会ったタビットの冒険者。
銃を使って戦うタビットですが開始早々銃を失ってしまいますから戦力外通知です。
はじめに山を吹き飛ばした銃がはたしてなんなのか…それは不明です。
目つきも悪くけんか腰、身勝手な性格ですが、この中では意外と常識的なメンバーといえるでしょう。


アンジェラ

アンジェラ

ドワーフの娘。赤毛とそばかす。
巨大な戦斧が武器。
クリクリとした瞳で明るい雰囲気を醸し出していますが、たびたび危険な言動を吐きます。
 極めて利己的・自分に甘く他人に厳しい。
コバンザメのようにくっついて歩き、おいしいところは自分がすするという性格です。
気を抜いてはいけませんよ。

メッサーラ

メッサーラ

 金髪碧眼の少年司祭。
半ズボンのロングコートというデザインの服装で、明るく元気で礼儀正しい。
愛玩動物的な存在。
 少年司祭。境界の用事で冒険者達を護衛に雇い手紙を届ける途中、この屋敷にさらわれてきたという不幸な子です。
 ちなみに彼の役どころは単純な回復要員ですから、必要ない場合は退場しても、まぁ構いませんから。

アデリード

アデリード

美形の謎の貴族。気取ってはいますがどうにも信用できない人物で、その正体は悪魔です。というか、やっていることはまんま悪魔でしょう。
彼は人間のためにやっているので100%善意からの行いです。それがどれほどまでの迷惑かはこのシナリオで体感できるでしょう。
ちなみに幻想戦記欧州編のアデリードとは同一人物です。
地獄から呼ばれてやってくるので本当の意味では死にません。死んでも地獄に帰るだけのひとですから。


導入 & 最初の仲間タビットのペーター 

自分たちは世間知らずであった。 
  夕日の差し込む遺跡の中、魔物もいなければ罠も無いその場所を移籍と信じて疑わなかった自分たちはめぼしいものを探して、チャチな箱の中を弄っていた。 
  探索を行う自分に声がかけられる。「となりの部屋には何も、ありませんでした。」 
  → そういってルーンフォークりルシェードが落胆を全身で表わしながら入ってくる。きょうびレッドキャップを倒しても頭髪が手に入るご時勢なのにといわんばかり顔である。 
 
そんな自分たちの視界に両手に荷物を抱えた生き物が入ってくる。 
   

  「ほっほー大量だぜ。久しぶりのご馳走だ。」
紙袋を両手に抱えたウサギは室内に入るなり、硬直し黒々とした目を片方だけ引きつらせるように空けると、口を半開きにし前歯を除かせる。
彼との初対面はこんな感じだ。



自分たちが始めてタビットにあったのはその時だった。
「うわぁぁ」とルシェードの悲鳴が響き、全身で狼狽を表わす、一緒につられて「うわぁぁぁ」と叫ぶウサギ人間。手に持った紙袋を落とす。
彼はすぐさま懐から銃を取り出すとこちらに構えた。「てめぇ人の家で何をやっている」
ルシェード「え、家・・・ですか」
ウサギ人「どっからどう見ても家だろうがぁ!!」すごんで銃を向ける。
(そんなどっからどうみてもただの廃墟でしょう。)といわんばかりのルシェードは目をギョロギョロさせて反論のチャンスをうかがう。ウサギ人には隙は無い。 



 ウサギ人は凶暴だった。

  自分たちに後ろを向き、壁に手をつくことを強要する。
「早くしろぶっ殺されたいのか。」と怒鳴るウサギ人。
→ 少しでも反論するのなら、彼は銃を外に向けて発砲する。遠方の山の頂が突然爆発、崩れていくのが見える。
ルシェードは(そんな小さな銃でできるはずない)と顔に出していたが、それ以上に(何こいつマジやべぇ)と顔に出している。



 ウサギ人は命令する。

  「そこの青白い兄ちゃん。さつさと武器を捨てろ、装飾品もだ。そのマルチみてぇな耳飾も取り外せ、似合ってねぇんだよ。」
「いえこれは耳です・・・」「ごちゃごちゃうるせぇんだよ。そんな耳があるかよ」とルシェードの耳をグイグイ引っ張る。「やめてください、取れてしまいます。」


質問:何者ですか
・ 「お前たちこそ何者なんだよ。人の家にノックなしで入ってきてプライバシー無視して家捜しかよ。普通じゃねぇ、普通の奴等じゃねぇよなぁ。」
・ 「なんだよその目はタビットしらねぇのか?」
ルシェード「タビットさんですか」 
ウサギ人「名前のはずあるかよ。タビットは種族だよ。てめぇ今度ウサギ人じゃないの、みたいな顔してみろ。そのマルチみてえな耳ひっぺがすぞ。」
・ 「俺の名前はペーター。ペーター・ラベットだよ。ニッキーとか間違えたら殺すからな。え、ニッキーじゃなかったっけって聞き返しても殺す!」


 その後 

  一同はペーターにぐるぐる巻きに拘束される。
ペーターはエプロンを用意して、料理の支度に入る。「悪いがお前等の分は無い。来るってきいてなかったもんでなぁ。」
彼はジャーンといって袋からのウサギを取り出す。「じゃーん。うさちゃん。うんめぇぞ。」
ルシェードは(まじかよ。それって共食いっていうんじゃないの)という顔で、「・・・それ食べるんですか?」と訪ねる
→ 怒るペーター「てめぇ、『まじかよそれって共食いっていうんじゃないの』って思っただろう。」


 突然のキャトルミューティレーション 

  その日の夜
一同がその廃墟・遺跡で眠っていると、突然上空にまばゆい光が現れて、降り注ぐ。光は下にあるもの全てを天高くゆっくりと吸い上げ始める。
寝息を立てるペーターもそのまま宙へと舞い上げられていく。勿論一同も同様にである。


 英雄選抜試験・開始 

  一同が光につつまれて意識を失った後どれだけの時間がたったのかわからない。
ふと気かつくとそこはどこかの屋敷の中の巨大なホールと思われる場所に来ていた。天井は高くゆうに20メートル以上ある。シャンデリアは数えただけで12個もあり、どれも淡い光で蝋燭に火が灯されている。どうにも薄暗い空間である。この空間の壁には側面部分に通路らしいものがあるが、この場所からは上ることができない作りになっている。
・ 見渡してみると凡そ100人ほどの人がそこで同じように倒れている。既に半分かたが気がついているようで同じように困惑している。
・ どうやら見るからに全員が冒険者のようである。
・ 一団がドアの前で嗅ぎ明けを試みているが特殊な作りなのか開く様子はない。
・ 探してみるとルシェードを発見することができる。おきたルシェードは状況が把握できず、(おいおい、一体今度は何に巻き込まれたんだよ)という顔をする。


冒険者はお互いどうやってここにやってきたかの聞き取りを開始します。
・ ある少年司祭は「冒険の依頼のために宿に訪れて冒険者を待っていたところ、目を覚ますとここにいた。」
・ 冒険者の数人は「山賊退治の依頼を受けて、数人を逃がしてアジトを探す囮捜査を行っていた。山賊のアジトを突き止め財産を手に入れてその日はその場所で休んでいた。」 → 彼等は「数日前から自分たちは逆尾行されていたらしい。」と話す。
・ ドワーフの少女が「自分は何もしていない」と説明。彼女はカラミティ・アンジェラと周囲は驚く。どうやら有名な人物らしい。
@ 冒険者の何人かは実力は低いながらも優秀な人物で、ある程度名前が知れるものが多い。全体的に1〜5レベルまでのメンバーが多い。
A 完全に巻き込まれただけの「巻き込まれ型」と、ここに変人だけど優秀な冒険者の集まりである。
B 拉致され方も特別で、主に3種類の浚われ方をしている。一つはありえない魔法的な力で拉致されたというもの。もう一つは大規模な誘拐団によるもので、立ち寄った村の全員がグルで一気に捕まったというもの、最後は自分たちを備考し、拉致を専門としている5〜6レベル冒険者の存在である。
→ 銀色の鎧の女騎士は「相手は組織力があり、強引な手法を使う、魔力に長けた誘拐団と、言うことか?」全員の意見を纏める。


 一同はここでペーターと再会する。

  ペーターはさっきまで自分たちと敵対していたことを忘れ、自分達とも気軽に声をかけてきます。
・ ようお前等、お前等もここに巻き込まれたのか。ふ、大変な目にあったな。
・ 俺は先日剣のかけらを大量に売り渡したからな。目をつけられてもおかしくない。
・ 行き倒れの冒険者からちょいといただいたのよ。さすがの俺も自分の名前を売るのは悪い気がしてな。金に変えたのよ。


 謎の男アデリード 

  突如として光源が強くなり、まるでステージのような踊り台が浮かび上がる。
そこには椅子に腰掛けた美形・・・ただし若くは無い男性がが座っている。見るからに胡散臭そうな男は手の上で猫をなでながら、甲高い声を上げる。
猫は手の中であばれまわり逃げ出そうとする。それをその男は余裕を装いつつ押さえつけている。
・ 私は「アデリード」ここの支配者。君たちはワタシが厳選して集めた若き冒険者達だ。私のお眼鏡にかなったことを感謝するか、自分の境遇を神に呪うがいい。
・ 諸君に集まってもらったのは他でもない。この混沌とした時代には優秀な冒険者が必要だ。私はその選別を行っている。優秀な人材を発掘し、世に送り出す。そんな人材派遣会社のようなことをやっているのだよ。
・ 諸君が果たして優秀な冒険者なのかどうなのか、それはまもなく分かる。
・ さて選別方法だが、非常に簡単だ。諸君はこの館を脱出してくれさえすればいい。もし無事脱出できれば諸君はダイヤの原石。英雄の卵だ。しかし、もし脱出できなければ、それは不幸な結果となる。


そんな時冒険者達からも驚きのあまり声が上がる。
「いったいなんだってんだよ。お前何様だ」叫んでいるのはペーターである。
→ アデリード「そこのうさちゃん、おだまり! まだ説明は終わっていない」
・ さてこの館は非常煮危険だ。いわば英雄とそれ以外を選別するために用意しているものなので当然だが、それに挑むのに当たって諸君等の始めから持っていた装備を取り上げるのはあまりにも不親切。そこで装備はそのままとした。さらにこの館には冒険に役立つものも用意してある。全て私の所有物だが、特別無事に館から持ち出せた場合、それらを諸君等の財産として持ち帰ることを認めよう。
・ ただしこの館から持ち出せなかったもの・失ったものは例え命でアレ、私の所有物とさせてもらう。あしからず。
・ 制限時間は今より3日である。諸君頑張りたまえ。
・ あぁそう大切なことを言い忘れていた。この試験はレースだ。一定の人数で館の出入り口は締め切らせてもらう。ある程度の人数がゴールした時点で、脱出はできなくなる。


 ゴブリン現る 

  説明が終ると突然ホールの入り口が開き、ゴブリンがうじゃうじゃとなだれ込んでくる。それも10匹20匹ではない、うんかの如く隙間無く現れると、物凄い勢いでホールにいる冒険者達めがけて襲いかかってくるではないか。ホールで入り口となる大扉の前にいた冒険者は哀れゴブリンの中に飲み込まれてしまう。
冒険者の誰かが叫ぶ「ゴブリンだ。」「武器を取れ!」どうやら叫んでいる人物は今まさにゴブリンに飲み込まれた冒険者であるらしい。
・ ルシェード(ゴブリン?! どれどれ)といわんばかりに人ごみから顔を覗かせる。
・ ペーターはホルスターから銃を抜いた直後人ごみにぶつかり、銃を落とす。それを誰かが蹴り、銃はホールのどこかに飛んでいってしまう。
・ ドワーフ男が背中に背負った斧を抜き「来いと叫ぶ。」スイングした斧にひっかけられた冒険者が相手のほうに飛んでいくのが見える。
→ アデリードは「くっくっく」と含み笑いを残して消える。


 1ラウンド目は接敵までの準備ターンとなる。 

  ・ このターンでは傍にいた操霊使いが自分たちの武器にエンチャントウェポンをかけ、武器のダメージに+1してくれる。
・ また傍にいる少年司祭が「ボク回復魔法が仕えます」としゃべり、自分たちのパーティに加わる。
・ ルシェードは(ワタシには戦闘はできませんどうしましょう坊ちゃま)と狼狽した顔を向ける。

ゴブリンはパーティに1d6人、PC一人につき+1します。最低でも1+パーティ人数となるでしょう。※ ルシェード・少年司祭は数に入りません。
→ これを撃退しないとなりません。ゴブリンの数が、パーティ人数より下回れば、GMは1d6振り、次のラウンドの最後にゴブリンの援軍を到着、数を増加します。
  ゴブリンを合計して30体倒した場合、戦闘は終了します。
● 少年司祭の回復魔法は10回までです。レーティング10+10点回復します。


 シャンデリアを吊るしてあるロープを切る 

  シャンデリアが落下し、ゴブリン達に直撃します。シャンデリアは自分がどうにかできるものは4つあるとします。
これによって落下ダメージは打撃力20+10点程度とします。今回は落下を転落とは扱いません。
相手は転倒してしまいます。このダメージはゴブリン達2d6人に当たります。
このゴブリンは自分たちの相手と考えれば、いくらか楽ができるでしょう。
→ もしPCが宣言しないようならば1d6ラウンド後・もしくはパーティの危機にルシェードがシャンデリアを落とします。この場合、相手ゴブリンのみとして扱います。
本来は乱戦となればそうもいかないのでしょうが、今回のところは手加減としての意味合いです。


シャンデリアのロープを使って2階へと渡ることができます。アデリードのいた場所には渡れません。ここからならば射撃攻撃は安全にこなせます。
またここには壁に出入り口の扉があり、パーティホールの扉の裏側に渡れます。
→ 相手の背後にわたればバックアタックもできるでしょう。


 アデリードのいた踊り場へ移動 

  シャンデリアの吊るし縄を使って移動することが出来ます。
その場合、アデリードがいた踊り場に移動することができます。ここには一見して出入り口などがみつかる様子はありません。
しかし、壁にかけられたランタンがあり、火は消えていますが油を入手できます。
・ これを投げつけることでゴブリン達にダメージを与えることができます。
その場合はその範囲を移動したゴブリンと仲間は毎R打撃力10+5点のダメージを受けます。効率よくゴブリンわ倒すときに仕えるはずです。

・ 本来ここには隠し通路があるのですが、その位置は偽装されていてわかりません。
もしこの場所を探索してクリティカルが出たのならば発見できますが、普通は発見できないとします。



 生存した冒険者 

  この時点で100人あまりいた冒険者が、70人ぐらいになってしまっています。生き残った冒険者もいずれも負傷しています。
・ 集められた自分たちはどうやら何人かの熟達・・・手前程度の冒険者とほとんどが新人冒険者のようです。


冒険者達はそれぞれ意見を出し合います。
・ 「このゲームが先着順・・・ってことは皆で手を取り合って、とはいかないな。」「だからと言って、個人で脱出できるとも思えない」
「急遽ここでパーティを編成して脱出を目指すしかないんじゃないのか」
・ 「だったらここでいくつか取り決めしない。中であったら情報交換するとかさ」
「ねぇねぇ待ってよ。レースだってのに相手の情報を送るわけ? それって損じゃない」これはドワーフの女の子アンジェラである。

暗い別室で何人かの男たちが水晶球を覗き込んでは、笑みを浮かべる。その男の一人アデリードは「くっくっく」と含み笑いを漏らすとも愉快げに話す。
「でましたよ。それって損じゃない発言。やはりそうきますよね。」「これだからこのゲームはやめられませんな。」


・ ブランカは一同に聞き取りをした結果。ここには「個性的で危険な冒険者」と「その冒険者と一緒にいたがために巻き込まれた人々」がいることに気がつく。
→ アンジェラは「一般人は、足手まといだからここにおいていこう」と提案。一同のひんしゅくを買う。
・ パーティ選択はある程度の人数で振り分けられる。ただし、これ以上は必要ないと区切る例もあり、だれもが余剰分の人数を背負いたくないというのが本音である。
こうなると数であまっている端数の人々は損である。端数同士が組み合わさると、結果としてバランスの悪いパーティが出来上がる。

パーティは一同のパーティでまとまり、+ ルシェード + ペーター + アンジェラが配置される。
ブランカ、ブランカ、メッサーラはそれぞれ別々のパーティに配置される。
→ かくしてパーティはそれぞれが編成を終えると移動を開始していく。




 正面ホール 

  このパーティホールを出て、すぐにあたる場所はまるで屋敷の正面ホールのようなつくりになっている。
暖炉がありソファーにテーブルなどもあり、観葉植物らしいものも見られる。ろうそくがひと際多く用意されており、暖かな明りを送っている。
調度品に絵画も姿があり、落ち着ける空間になっている。ここからは先程のダンスホールとその2階へ続く階段が伸びている。
・ ここでもっとも気になるのは、大扉であるる普通ならばここが出入り口なのであるが、この扉は固く閉ざされている。
・ 鍵穴らしいものが3つあり、これを開ければ出られるであろうことがわかる。
ここでアナウンスが入る。「さて諸君。ここが開始地点であり最終地点だ。この扉が出入り口の扉。この外に出ることができれば君たちはゴールだ。自由の身だ。」

アンジェラ「ここで帰ってきた冒険者を待ち伏せにして襲えば簡単にカギが奪えるんじゃない」
ペーター 「みんな考えることは同じさ。ここで鍵を奪えば、だれもが一度は考えるだろう。やらないまでも、そんな不安がもたげる。」

ペーター「どうせならゆっくりしようぜ。2つまで空けられても問題ないんだからさ。」
ルシェード「いえ、そうではありませんよ。ペーターさん。誰もがそこまで考えるのなら、鍵は3つそろえるまで使わないのでは」
でもそうなると、館中を探して鍵が足りない場合、誰かが持っていると疑うこととなりますね。
これは先着順といいながら、最終的には冒険者同士が疑いあうレースなのではないでしょうか」


 ダンジョン内部でおこるイベントチャート 

 イベント「おなかすいた」 

   一同探索が進んでいくと、腹が減っていることに気がつく。肉体的精神的にも随分と疲労しているのである。食事と休息は必要である。
 ここでアンジェラは、「ねぇ、タビットで食えるの」と一同に訪ねる。
 一緒にいるペーターは「そんな目で俺を見るんじゃねぇ。」と脅す。アンジェラは「じゅる」と涎を啜る。

暗い別室で何人かの男たちが水晶球を覗き込んでは、笑みを浮かべる。その男の一人アデリードは「くっくっく」と含み笑いを漏らすとも愉快げに話す。
「でましたよ。タビットって食えるの発言。やはりこの娘はただものじゃない。」「アンジェラ、彼女は普通じゃない。」
→ このまま放置しているとアンジェラはペーターを食べようと敢行。スキを見て襲い掛かる。
危険を察知したペーターは逃げ出し、追いかけるアンジェラ。二人は姿を消す。


 イベント「悪魔の厨房」 

  明らかに他のダンジョンフロアとは異質な調理場と思われる場所が訪れる。今まさに料理が準備されているらしく竈に鍋がかけられている。
傍には調理台、そして食料保管庫らしいものがある。厨房には人気が無く静まり返っているが、壁に飛び散った血しぶき、床に転がった折れた剣など何かあったようだ。
・ ペーター「随分と激しい、コックだな。だが俺の勘だ。このコック料理はあまりうまくないぜ。厨房を汚すコックは二流だぜ。」

鍋を開けて中を確認するルシェード。鍋の中でダシをとられているメッサーラを発見する。「出してよー」とメッサーラ。思わずルシェードは蓋を閉める。
振り返ったルシェード(自分こんなことはそうぞうもしていませんでした)という顔をする。混乱しているようだ。

一同が救出しようしていると「ダメあるね」と声が響き、包丁が飛んできては壁に刺さる。
巨大な豚顔の巨漢が引き出しから2本の包丁を取り出して、刃をこすって火花を上げると、「料理の途中ね。邪魔しないで欲しいあるよ」と襲い掛かってくる。
→ そのまま退出すれば一同は無事に脱出できるが、メッサーラは見殺しにされてしまう。
ここで戦闘し相手を倒せば、メッサーラは無事に助け出すことができる。
● このコックはオーガのデータを使うといいでしょう。


 イベント「3つの鍵」 

  ダンジョンは3つに分かれている作りをしており、1つ1つが鍵の場所を意味している。必ずこの場所に戻ってしまうという作りをしている。
一同が一つ目の鍵をもって返ってくると、既にブランカのパーティが帰ってきている。
・ 7人で出て行ったパーティは4人となり3人の犠牲が出たとのコトが伝えられる。また残る4人のうち2人も負傷しているらしい。
ブランカは鍵を既に1つ獲得しているらしい。
・ 「もう一つの鍵の場所を教えてもらえ、既にそこの探索もしてみたようだが、鍵は見つからなかった。」
・ 「そこでいくつかのパーティとであったが鍵は見つからなかったといっている。」
最後の鍵は冒険者が既に獲得しているが彼等は帰る前に罠にかかって命を落としている。その鍵を獲得するためにはわざわざ罠を調べにいかないとならない。


全ての鍵が自分とブランカ等の冒険者の手に渡ると、ルシェードが不安げに話す。
「一つ気になっていたんです。もし人数制限があるとして、この鍵の制度だと、確実に1〜3パーティが鍵を独占する形になりますよね。」
「もし脱出できる人数がパーティ人数ならいいですけど、3人とか・・・パーティ人数よりさらに少なかったら、どうするんですか。」


 ダンジョンマップ 

 

ダンジョンマップへ

 ルート1 通路1 

  入り口を入ってすぐに下り階段となった後は真っ直ぐと続く通路で、左右には彫刻の彩られた石柱がある。天井は高く左右幅も広い。
罠:階段を下って下通路へと入る床石に罠がある。これを踏むと、入ってきた入り口が石扉が落ちて封鎖され、その背後から巨大な大石が現れると転がり落ちてくる。
この通路・中央に大きな落とし穴が設けられている。この大石は通路をまっすぐ進んでくるとその落とし穴に落ち、それをスイッチに再び石扉が上がるという仕組みである。
  この時柱の隙間に逃げ込んだ場合、柱の隙間の足場各一箇所に落とし穴があり、落下してしまう。その場合は適当と思われる落下ダメージを与えるように。

 ルート1 通路2 

  石壁に覆われた直線通路で、狭く、人が二人で並ぶのがやっとという作りになっている。光源などはなく、同じような景色が延々と続くので距離感と時間感覚に若干違和感を覚える。
罠:真っ直ぐ進んでいると、この通路ゆっくりと回転をしている。そのまま前進すると、自分たちの来ていた入り口に戻ってしまうという作りをしている。
わかってしまえばどうということはなく、半ばほどで引き返せば逆に反対側へと抜けられる。

 ルート1 通路3 

  石壁に覆われた直線通路で、狭く、人が二人で並ぶのがやっとという作りになっている。天井や壁などにも彫刻が掘り込まれ、埋め尽くすような作りから威圧感がある。
罠:しばらく進んでいくと下り階段が現れる。が実際には下り階段自体も彫刻であり、この通路自体がゆっくりと傾斜しているのである。通路は片側の空いた天秤のような作りをしており、一同の重みで天秤が傾き、やがては垂直となってしまう。この時扉は真っ直ぐ上方向に設置されたおり、この状態で初めていけるようになる。
  天井まで上るのは彫刻を上っていけばいい。
  下は落下ダメージ20点。

 ルート1 部屋1 

  部屋に入ってすぐに驚かされるのは、その中央四角く巨大な穴が開いており、どういう仕掛けか業火が燃え滾っている。部屋はその四隅を移動することができるようだが、その幅も30cm程度しかなく歩くのは無理がある。
罠:途中四隅の一角に崩れた箇所がある。ほんの50〜70cm程度の箇所だが、無理な体勢の跳躍が求められる。
  この時その先の部分には足場を踏むと壁が突き出すという罠がある。これに押されると転落の可能性がある。
罠:手がかりになりそうな彫刻がある。それをつかめばより安全に移動できるのだが…
  この彫刻は各場所にありそれはスイッチとなっている。彫刻をつかむとスイッチが入り、足場は壁に引き込まれるかのように縮小。1/2づつサイズを縮めてしまう。
目標値は+2づつ上昇する。
→ 基本的にこの場所は移動だけというつくりになっている。
  ただし、炎の中にはアイテムがある。
  アイテムは先に入っていた冒険者の所持品であるが、これは随分前からこのゲームが行われていることを意味する。
● 「ヒーリングポーション」1d6個。レート20で回復。SWT ●「マギスフィア」小2中1。SWT

 ルート1 部屋2 

  部屋の真ん中に巨大な空洞があり、中央には石でできた架け橋が渡されている。架け橋から落ちてしまった場合は針山に落ちてしまうだろう。
罠:この通路自体が足場と壁にかかれた絵であり、しばらく進むと足場は忽然となくなり落下してしまう。
その少し先には再び足場が用意されているのでそこに飛び移ることができればわたることができる。

 ルート1 部屋3 

  通路3を通っていくので、この場所は事実上上の階となる。
部屋はちょうど下から扉を押し上げて入るつくりになっていて、巨大な空間となっている。周囲には武器を帯びた石造が並ぶ円形のフロアとなっている。
出入り口らしい場所は一つあるが、扉は硬く閉ざされている。
罠:この石像はゴーレムである。
この石像が動くと重みで閉まっていた仕掛け扉があくというつくりになっているすべての石像。正確には最後の1体の時点まで動かし、重石をなくすと扉が開く。
 ここで鍵を一つ獲得できます。ゴーレムの後ろの空間にチェストがあり、中には鍵が入っています。チェストには鍵がかかっています。目標値は10.

 ルート1 部屋4 

  通路3を出た通路の先のフロアです。まったくのがらんどうですが、ゴブリンたちが住居として生活していた後が見られます。かなりれ広い空間です。
● 「救命草」レート10で回復。1d6個・SWT ●「宝石」50ガメル相当2d6個。SWT

 ルート1 厨房 

  イベントでメッサーラを仲間に加えられる地点。詳しくはイベントを参照。

 ルート1 通路4 

  まっすぐと続く絵画の並べられた通路。絵画はどれも高価そうで値打ちがあるもののようである。どれも不気味な雰囲気をかもし出している。
罠:この絵画の瞳は動きます。絵画の裏にはゴブリンたちがいて、覗き見ているのです。それに気がついた場合、ゴブリン達は絵画をやぶって飛び出し攻撃してきます。
ここで遭遇するゴブリンの数はパーティの人数+1d6匹です。
● 「救命草」レート10で回復。1d6個・SWT ●「宝石」50ガメル相当2d6個。SWT

 ルート1 通路5 

  2階・正面ロビーに続く通路です。ここから戻れます。

 ルート2 通路6 

  通路の周囲の壁に細かい模様が彫られている。模様の周囲には細かく穴が開いている。通路の石畳にも同様の模様がかかれている。石畳は不規則に敷き詰めたような作りをしている。
罠:石畳は踏んだ場所に毒矢を射撃するという古典的な罠。毒矢を受けると修正を1d10受けてしまうとするのが難にでも対応できるだろう。
  さらに危険な場合、周囲の石壁の全てから一斉に射撃されるとしてもいい。こうすると回避する隙間はまったくなくなってしまう。
→ 移動する場合、フックでも撃ってぶら下がっていくのが一番安全である。

 ルート2 通路7 

  粘液や菌糸に満たされた、みるもおぞましい通路で、ふみつけるたびに「ぐじゅり」と嫌な音が立つ。どうあっても服が汚れるのは確実という嫌な場所である。
罠:キノコ類は踏みつけると中から胞子を飛ばす。それにはいくつかの効果がある。
発火する場合はたいまつなどをもっていたものがダメージを受け、毒ガスのようなものの場合、呼吸器を壊したりする。
イベント:尚ここで分岐点がある通路だった場合、片方がうずまっていてわからないということもある。菌糸をめくって捜すなどは、明りがないと難しいだろう。

 ルート2 通路8 

  まっすぐ続くだけの通路なのに、何か強烈な殺気を感じる。よくみれば、壁には穴があり、いまにも何か罠が飛び出してきそうである。
罠:∞罠回廊。
まずもって天井が開け、槍ぶすまが降り注ぐ。
それを回避した場合、足元が開け落とし穴が顔をのぞかせる。この落とし穴落ちた場合、酸欠になるような場所。一呼吸もしてはならない。
それを突破した場合、左右からのアロースリットとなる。これは床板がスイッチとなる仕掛けである。
アロースリットの終わり際には吊天井があり、いきなり超高速で落下。ゆっくりと歩いていたら万死という有様である。

 ルート2 部屋5 

  部屋の中央がすり鉢状となっている部屋で、そのすり鉢の底には何か取っ手のようなものがついている。部屋の一角には鉄製であろうか像が一つある。
罠:このフロアの扉は中央の取っ手を引かない限り、上がらない。この像には仕掛けがあり何者かがすり鉢に足を置くと同時に像は分離、駒のように胴体を切り離し襲い掛かる。
磁石でもついているのか金属製のもの装備に吸い寄せられ、接触するとダメージを受けてしまう。

 ルート2 部屋6 

  この部屋の入り口は天井まで届くような大扉をしており、何か特殊である。室内は調度品などが立ち並ぶ部屋だがおかしなことに上下が逆転している。天井にくっついている椅子やテーブルは固定されているのか動く気配はまったくない。
罠:極めて特殊な部屋です。壁に足をつけて体重を移動すると、壁が反転し、部屋が横に回転。これを2回繰り返すと、上下が元に戻り進むことができるようになる。
椅子などの類は部屋の位置が戻っても固定されているので動かない。
●「ティンダーの尻尾」発火アイテム。SWV ●「ヒーリングポーション」1d6個。レート20で回復。SWT

 ルート2 部屋7 

  巨大なくもの巣が張った場所。広大な空間になっており、一つの巨大な蜘蛛が中央にマユを張っている。壁を伝って移動するのは困難であり、勿論飛ぶことも危険。
蜘蛛は横糸では粘着力があるが、縦糸には粘着力はない。危険だが縦糸を移動し、巣まで向かい、そこから縦糸を移動して別の場所へ向うというのが望ましい。
罠:ここを移動するには蜘蛛をおびき出さなくてはならない。蜘蛛は糸を伝わる振動で相手を認識しているので、その振動を糸に伝えれば移動できる。
  ここでは蜘蛛はより大きな振動を出すものを優先して攻撃する。
勿論ここでは蜘蛛との戦闘も起こりえるが、蜘蛛の糸につかまっている以上、片手は効かず、足場も定まらないために命中・回避に対するマイナス修正も受けるだろう。
イベント:重要な人物の骸があったり、骸がカギなどをもっていて回収が必要だったりしてもいいかもしれない。
ここで鍵が手に入ります。

 ルート2 部屋8 

  部屋の床全てに何か灰色の液体が満たされている。扉は一段高いところにあり、丁度水面の真上にあるという作りをしている。
→ アイテムなどがある場合、水面から突き出たところに台座があるとでもするのがいいだろう。その場合も自分が足をつける足場らしいところはない。
罠:この水に一度落ちてしまうと、粘性がある重たい水のため中々に上には上がれない。一度落ちた場合、筋力判定が必要だが、目標は困難だろう。水深は深く、3メートル近くもあり泳ぐことが困難なので溺死の危険性もある。の水面、素早く歩けば実は沈むことは無い。ただし、その場に留まると沈んでしまう。ドアの鍵を開ける・宝箱の罠チェックなどはやっている時間が無いという困った場所である。→ すでに冒険者はここからアイテムを回収している。

 ルート2 隠し部屋7 

  この部屋は完全な宝倉に庫なっているようで、多くの宝箱などが並べられています。過去に立ち寄った冒険者たちが払拭した後がありますが、安全地帯脱他の加、食事などをとつた跡や休息したあとが見られます。
● 「英雄のマント」効果ブレスを2点防ぐ。SWU、●「奇跡の首飾り」生死判定振りなおし・消耗品。SWU ●「命のタリスマン」周囲全体20点回復・消耗品。SWU
● 「デクスタリティポーション」3つ。3R・命中+2。SWV、

 3つの鍵を鍵穴にいれることで扉は開きます。 

  ※ 3つの鍵を集めるとシナリオは進行します。ここまでくればラストはあとわずかです。



 最終ポイント フラッグ…ですが 

  その背後に広がるのは長い通路の果てに広がり眩しいばかりの朝日と、ゴールのフラッグである。
眩しくてよく見えないが、そこまでの道のりは石橋になっているようでフラッグにも字が何か書かれている。「ゴール。4人まで」
・ それが読み取れるか否か、どこから集まったのか冒険者達が一斉に駆け出してくる。
アンジェラ達も「うおぉぉぉ」と雄たけびを上げると走り出す。
→ 走り出そうとする仲間を制するようにルシェードが言う。
「マズイですよ。この館の主人は性格が相当に悪い。このまま楽にゴールさせてくれるとは思えません。」


「いっちばーん」と叫びフラッグに向うアンジェラ。「ちくしょー!!」転倒し置いていかれるペーター。
突然爬虫類を思わせる巨大な足が現れると、先頭を走るアンジェラを踏み潰す。「うっぎゃー!!」
狼狽し止ろうとする冒険者達の眼前で巨大な竜が口をあけて待ち構える。
押されて次から次へと口の中に滑り込む冒険者達はあわれ丸呑みにされる。
ペーターはまん丸の瞳のままその眼前で行われる凄惨な光景を凝視し悲鳴を上げる。

アデリードのアナウンス。「惜しい。でもゴールするまでが試験です。気をぬいちゃいけませんよ。」

橋って戻ってきたペーターとすれ違いに、ドラゴンがブレスを吐く。室内まで炎が流れ込んでくる。
ペーターは懐からタバコを取り出し、その炎で火をつけると一服。「最悪だ」と呟く。

 残りのメンバーと顔を合わせる。
「1、滑り込んでゴールする。ただしゴールした後も無事とは保障できない。ゲームが終るだけかも。」
「2、ドラゴンを倒す。名案だが不可能だ。」
「3、あきらめてここで暮らす。」一同溜息。


 ドラゴンとの戦い。 

  ドラゴン乗った衝撃で石橋は今にも崩れそうになっている。そこでペーターから提案が出る。
「ドラゴンをあの石橋の下に潜らせる、その隙に石橋を落としドラゴンへとぶつける。上手くいけばどのくらいの高さかわからんが落ちてくれる。」
→ 「提案したのは俺だ。リスクは背負うぜ。」と塩コショウを取り出す。それを体へとふりかけ刷り込み始める。
 「俺のせいで巻き込まれたんだ。このくらいやるのは当然だぜ。」

飛び出したペーター、ドラゴンは待っていたかのようなバカの一つ覚えで口をあんぐりとあけているが、目前でペーターは反転。橋を回り込もうとする。追いかけるドラゴン。ペーターはドラゴンを陽動するかのように、走り回り、ドラゴンが伸ばした舌がペーターをなめると「おいしー」という上機嫌な顔でペーターへと襲い掛かる。
・ 一同もここで一斉に駆け出さなくてはならない。

ペーターは手すりの上に乗ると眼下を見下ろす。断崖絶壁である。一同に対して「アバヨ」と指でサインを送ると、橋の舌に身を投げるペーター。どこから用意したかのロープで弧を描くとドラゴンの一度目のくらいつきを幸運にも回避。そのまま橋の下にぶら下がる。続いて襲い掛かるドラゴン。
・ 一同は橋を攻撃して壊さなくてはならない。この時合計ダメージが30点までいけば橋は破壊できる。
ゲルニカは10点まで与えてくれる。他の冒険者達は10点程度である。

落下させた場合、ドラゴンの上に橋が落ち、ドラゴンは転落していく。この落下でドラゴンの生命点は半減するものの。まったく衰えるどころか怒りを燃やして舞い上がってくる。 ペーターはドラゴンの前歯の隙間に引っかかっており、「うおぉぉぉ」と声を張り上げている。
・ この時ドラゴンは翼を負傷しており、上がってくると同時に地上戦に切り替える。
・ また尻尾も潰れてぐしゃぐしゃになっている。

 この時ドラゴンを無視して脱出した場合、アナウンスが入ります。 

  「コングラチュレイション諸君。君たちは英雄の素質があったようだ。君たちは晴れて自由だ。」
→ その間もドラゴンの攻撃は終らない。とてもフラッグに飛び込んでいる隙も無ければ、飛び込むことに意味があるとは思えない。
「諸君等にトロフィーを」と呟きながら、恐る恐る這い出てくるアデリード。ドラゴンにびびっている。
アデリードも身の危機を感じたのか、ドラゴンに対してなんでも命令を聞くオーブを取り出す。
ドラゴンはカギヅメを振るい、器用にオーブのみをひっぱたくとオーブは吹っ飛び地面に当たって砕ける。
アデリードの絶叫「うわぁぁ。おしまいだ何もかもおしまいだ。死ぬんだ。ドラゴンにバリバリ貪られて死ぬんだ。」
→ これでアデリードがパーティに加わります。

 ドラゴン戦・後半 

  このドラゴン。
強いのです。
半端なく。
剣のカケラを有しています。レベルは13なので13個。
つまり65点も生命点が大きいのです。ただし、断崖絶壁から転落、上から石の橋を落とされたという状態のため、生命点は+33点まで減少しています。
つまりそれでも尚強いのです。
倒すためにはまず胴体を撃破し、頭部を狙わなくてはいけません。
相手の尻尾はちぎれかけているので、翼と牙/ブレスで攻撃します。
ドラゴンは負傷のために攻撃ダメージは10点減点されています/もしくはダイス分の加算はありません。


 アデリード参加 

  アデリードがパーティに加わるといよいよ戦闘も本格的になります。
 アデリードの正体は悪魔です。アデリードは国王の「どこかに英雄とかいないかな」のぼやきをきき、英雄探し率先しています。
アデリードの行動は100%の善意ですが、それは極めて迷惑です。
 アデリードはあまり知られてはいませんが300年前の大破局では人間とともに戦ってくれたという悪魔です。彼は契約にしたがって戦っただけでしたがもそれでもアデリードはそれを100%の善意からやっていますし、可能ならば今でもその時の蜜月を過ごしたいと考え、人間のために助力している…つもりです。


 仲間のそれぞれの行動 

  ペーターはドラゴンが何かしようとした場合、常に妨害します。
・ドラゴンが口を空けブレスに対して集中した場合です。
→ ペ−ターは胡椒を取り出し、ドラゴンの鼻に放り込むと、ドラゴンはくしゃみを連発。関係ないところに炎を吹き上げる。

・ドラゴンの回避を落とす。
→ ドラゴンは負傷しているために回避値が大きく下がっています(−4の修正を受けています)。ただし、これでもドラゴンへの攻撃は生半可には当たらないでしょう。
ペーターはドラゴンの瞳の前に上着をバタバタさせる。だから何だというドラゴン。その死角に対し、ブランカが剣を投げるとドラゴンの瞳に刺さる。
これでドラゴンはさらに−2修正受けることとなります。

・ さらにドラゴンの回避を落とします。 → ペーターは最後の力を振り絞り、ドラゴンのキバの隙間から這い出すと、顔をよじ登り反対側の瞳にしがみ付く。手にした短剣を突き刺すペーター。同時にドラゴンが絶叫し首を振るとペーターは石畳にぶつけられ、がっくりとうなだれてしまう。(これで完全に全盲となります合計―6修正。)
「どうやら俺はここまでのようだ。仲間に見送られて死ぬ・・・そんな最後も悪くないな。」


アデリードは参加した直後に一同を強化するために魔法を使います。
・ アイシクルウェポンで物理ダメージを+3します。プロテクションUで受けるダメージを−3点減点します。初回ターンのみ2回の魔法を使います。
・ この後はバトルソングを歌い味方の命中に+2・ダメージに+2のボーナスを与えます。
→ 2ターン目からは歌をひたすらに歌い続けます。やめろといっても聞きません。不愉快にも自分の境遇を神にのろうかのような歌を歌います。
しかし結果として仲間の命中は+2、追加ダメージは+5、さらに相手のダメージが3点軽減されます。

ルシェードは自分からの攻撃はできません。戦闘能力は皆無です。
・ アイテム要員としてポーションなどを使うことを担当するでしょう。
・ バードとして歌わせた場合、モラルによって仲間の命中を+1できます。
・ 相手の攻撃によって絶対的な危機が訪れる場合、ルシェードは死を覚悟してキュアリオスティを歌います。ドラゴンは気になってルシェードを攻撃します。
この攻撃でルシェードは気絶します。負傷していた場合は即死してしまいます。

ブランカは武器攻撃で直接相手と戦います。 ・ ブランカの攻撃は基本9+2dですが、アデリードが参加すれば11+2dとなります。攻撃は左右の剣での武器攻撃です。12点は→ 21点の2回となります。
しかしブランカの攻撃で敵のとどめは指さないように注意してください。基本的に決め役ではありません。
ブランカの生命点は40点・防護点は9点のところ12点です。4発までは存命できるでしょう。5発目では即死してしまいます。
・ ブランカはトランスファーが使えます。5レベルの神聖魔法です。これでメッサーラのМPが20回復します。
・ 味方の危機のときブランカはかばうを選択して攻撃を引き受けます。
・ 一度だけブランカは相手の攻撃に対して自分の剣の反射光を目に当て回避してみせます。相手の不意をついての技です。
・ 「これは死ぬな…」という危機には一度ブランカに攻撃が行きます。ブランカはこの攻撃で粉々に砕け散りますが、どういう偶然か鎧だけで彼女は無事です。
→ 彼女はこのとき喉もとの逆鱗を突き刺します。ここは防護点がないと初めてわかります。以後はここを狙って攻撃した場合(命中修正-2)防護点はありません。
この後は彼女の防護点は鎧なとのために3点です。2発で気絶してしまいますし、負傷していたら一発です。

ブランカの仲間の冒険者が1人と負傷した仲間が2人います。
・ この仲間たちはそれぞれ攻撃し、ドラゴンに対して削るようなダメージを与えます。毎ターン人数×2点のダメージを与えます。
・ ドラゴンはこの数はさすがにうっとおしいらしくブレスをはきます。このブレスでこの仲間の負傷してメンバーは2人は即死してしまいます。
→ 彼らはブランカに感謝しており「自分たち駆け出しを守ってくれてありがとう」と言い残し絶命します。
・ 残った1人も果敢に戦いますが、2点のダメージしか与えられません。
・ このメンバーも仲間の危機にはかばうを宣言し、絶命してしまいます。

メッサーラは回復が担当です攻撃側にはわたりません。
・ 彼の回復魔法は精神力が前回ならば10回使えます。回復力は11点固定です。仲間は複数回復することができますが、消耗も激しいでしょう。
・ МPが尽きた場合、ブランカからトランスファーを受けます。これでメッサーラのМPが20回復します。治癒には3点消費するので、これで6回分回復です。
・ これすら尽きたら、彼にできることはもう何もありません。

 エンディング 

  ドラゴンを倒した場合、アデリードの姿はその時点で消えうせています。
もちろん逃げ出したのです。彼は「次は自分だ」という確信があります。
ドラゴンを倒した時の人数が4人以下ならば、このままゴールに向かえばクリアです。

→ 振り返ると先ほどまで存在していた古城はそこには存在せず、かわりのうっそうと生い茂る森があるだけです。
  自分たちが苦労して探索したあのダンジョンは跡形も無く消えうせています。
※ 戦利品としてのドラゴンもこのときなくなってしまうでしょう。ドラゴンからの戦利品回収はゴール前とするのがいいでしょう。


剣のカケラはなんと13個。破格の報酬も、ありえない強敵を前には当然かと思います。
ぜひともこぞっていい成績をおさめてもらいたいですね。


ようやく現実に帰還した一同。まるであのことが夢であったかのように感じられる。
知り合った仲間のことを思い出すと、あれほど不愉快に感じていた彼らが、なぜだかいい人だと思えてしまうから不思議なものである。
荒野に沈む夕日を眺め、悲しみを堪え唇をかむ。
そんな自分の前に、シルエットが歩いてくる。ウサギの耳のその姿は、夕日を背に浴びキラキラと輝いて帰ってくる。
あの姿は―


(ルシェード・またはメッサーラが生きていれば) ルシェード(メッサーラ)は涙を流しながら叫ぶ「ニッキーさん!」
ウサギは目をまん丸にあけると頬をぷくっとふくらませ「まぁ」というような顔で驚きを示す。
すぐさま鼻をぴくつかせながら、眉間にしわを刻み唇わ噛む。「てめぇわざと間違えやがっただろ」
(ペーターは敗者復活戦に勝利し帰ってきたのである)

 5人以上いる場合もあります。 

  ・ プレイヤーパーティが存在しているか、NPCがいれば当然ありえます。ルシェード + メッサーラ + ブランカ +ペーターが残りうるキャラクターでしょう。
・ ブランカはゴールメンバーが足りなければ辞退します。彼女は自分が一番この中では熟達した冒険者なので残ることを希望します。自分で脱出を考えるようです。
・ ペーターが生きている可能性は低いですが、ペーターが生きていた場合も、辞退します。自分は脱出の可能性がありますが他にはないという理由です。


そのウサギは暗がりの中で目を覚ました。その周囲にいる気配はそう自分たちが少し前に送り込まれた場所と酷似していた。
気がつくとそこにはさきほどの面子が顔をそろえているではないか。
「あいつはアンジェラ。嫌な奴にあっちまったな。」
そしてその一同の目前に再びライトが当てられにっくきあの男が姿を表す。アデリードである。


「ご機嫌いかがかな諸君。諸君は前回の試験に落第した落伍者だ。当然のことだが、死んでしまったものは生き返らせた。さて、ここにいるのは私が試験の中でもかなりチャンスがあった、そんな見所のある冒険者だ。そんな君たちにスペシャルプレゼントがある。敗者復活戦だ。」
「なにぃ、まだやるのかよ」ペーターの狼狽、一同の動揺が響く。


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