はじめに

このシナリオはタビットのキャラクターを中心に展開します。タビットのキャラクターの父親も登場します。あらかじめ設定されている父親がいる場合は親戚とでもするのがいいでしょう。

導入部あらすじ

仲間達とともに父親の元に帰郷したタビットのキャラクターは、父親が留守中に養子にした人間の少女と出会います。少女はかつては自分もタビットであると思っていましたが、最近はさすがに自分は何か特別なのではと思っています。 少女をタビット父が隠しているのは理由があったのです。彼女は実は狙われの身、その命は危険にさらされています。そしてその少女の居場所がばれ、ついに追っ手である暗黒の軍勢の襲撃を受けます。 一同は、襲いかかる謎の軍勢より少女を守れるでしょうか。

登場人物

タビットパパ

【タビットの主人公】のパパは、身長2メートルというタビットの中では規格外の体格の持ち主です。ぼてっとしたデブウサギですが、片目に傷があり歴戦ぶりを物語る眼光の持ち主です。

●パパの思い出

【タビットの主人公】の父・パパタビットは、大変に身勝手な父親でした。子供の頃からまったく面倒をみず、家族を振り回し、あげく家族を捨てて冒険に出るような男です。ママはパパが冒険に出ているなか病死、パパをひどく恨んだものです。タビットの中では成功した冒険者らしいのですが、【タビットの主人公】からは今一つ尊敬できません。

ペーター

兄・ペーター

【タビットの主人公】とそっくりの外見をしていますが、ロングコートに鍔の広い帽子を被っています。
中々に活発そうな印象があり、ギラギラした瞳をしています。

●兄ペーターの思い出

【タビットの主人公】の兄ペーターは、主人公とは仲良しでした。ろくに面倒を見ない父と違って、兄はいつもかまってくれましたし、母がなくなった後は、兄が養育してくれました。兄ペーターは現在はパパの後を継いで冒険者となっています。しかしパパは自分が冒険者になるのは反対でした。「兄ペーターには許したのに」という因縁があります。

ユウリ

タビットパパが養子にした少女で現在は10歳です。タビットの影響か装飾品としてウサギの耳のような飾りを頭につけています。

●ユウリの設定

好奇心旺盛で世間知らず、やや天然ボケをしたような世間ずれした少女です。物心ついた時からタビットに育てられ、はじめは自分もタビットだと思っていましたが、やがて自分は別種族・人間であると知ります。以後は自分の出生への疑問を感じながら成長して今日に至ります。

★核心

ユウリはかつて滅んだ魔法使いの一族の最後の一人です。一族は全ての命を生け贄に魔王を封印しましたが、ユウリも本来そこで生け贄になるはずでした。しかし事件に関わったタビットパパは、生まれたばかりのユウリを生け贄に捧げるのを拒み、連れて逃げ出してしまったのです。以来パパはユウリとこの里で隠れすんでいます。後述する聖騎士ラミレスはこの時に見逃してくれた責任者の一人です。
この里のタビットも古株は全てパパの冒険者仲間です。

聖騎士ラミレス

全身白い板金鎧にマントといういでたちの騎士で年齢は60半ばは超えています。 かつては歴戦をこなした風格があります。

●ラミレスの設定

【タビットの主人公】の父・パパタビットを連れ、過去随分と冒険していた英雄です。現在は冒険者としては引退し騎士神ザイアの司祭として後進の育成に当たっています。
性格は落ち着き払った知性的な物腰です。芯は強いのですが、態度は穏やかで自分の意見を押し付けるようなことはしません。

ゲルニカ

万難地天のゲルニカ

人は苦難の末に得るものがある」と説く万難地天。
「みんな最後はマイナーゴッド」と説き、己の生き方やエゴを極めることを進めるが、その極地は「無我」であると説く。
あまりの苦難に神様がサジを投げるような冒険にも、喜んで助力するも、
それによってハードルが高くなるという困った側面もある。
そのハンパない難関は英雄でも凹むこと受け合い。

オープニング〜兄との再会〜

久しぶりに故郷に帰る【タビットの主人公】。渓谷へと向かう山道を歩くなか、 ふと視界にタビットが転がって足をバタつかせているのが見えます。そのタビットは体に黒いブチがあり、歳は壮年ですが人から見た感じではあまりわかりません。
訪ねると彼は足を挫いて山道を登れないと訴えます。一同には背負って上ってくれないかと、助けを乞います。

一同が気を許すとその背後から黒いコートのタビットが現れ、プレイヤーの一人の後頭部に銃を突きつけます。「ようしいい子だ。武器を捨てて両手を頭の上に。ありがねを貰うぜ」と説明します。
とたんに20人あまりのタビットが手に武器と魔法の発動体を手に現れます。
→黒いコートのタビットはプレイヤーの仲間に【タビットの主人公】がいることに気が付くと驚きます。
両手を上げて「嘘だろ?おい。帰って来たのかよ」と抱きしめ抱え上げて厚い抱擁をします。
★彼は【タビットの主人公】の兄ペーターです。

ペーターは一同を解放すると、町まで案内します。「おたくらも気をつけたほうがいい。この辺りは物騒だからな」と肩をすくめ苦笑します。
●『山賊ウサギに気をつけろ?』というようなことを訪ねるなら、皆笑い。「い や本当に悪かった。気を悪くしないでくれ」などといいながらタビット達は小突きに集まります。


場所説明:タビットの隠れ里

渓谷山間の森にひっそりとたたずむタビットの集落です。森は深く、そこにいざたどり着いて見るまでは集落があることすらわかりません。
人口はおよそ100人。段々畑ではニンジンが作られ、のろまなロバの引く馬車にのったタビットや、麦わら帽子のタビット達が仕事にせいを出している姿が見えます。

パパとの再会

帰ってきた【タビットの主人公】に対してパパは、クッチャクッチャと口をモグモグさせ、向日葵の種を吐き捨てます。
「どこへ行ってたバカ野郎。俺は冒険者なんて許した覚えはねぇぞ!」と【タビットの主人公】の耳をつかんで振り回します。

ユウリとの出合い

【タビットの主人公】は見慣れない人影を発見します。パパの背後に隠れるようにして顔をのぞかせるのはウサ耳をつけた10歳くらいの人間の少女ではありませんか。
タビットパパは彼女を「お前の妹のユウリだ」と紹介します。
→訪ねると大抵のタビットは「タビットパパが拾ってきた養子なんだが…それは秘密なんだ。ユウリには内緒だぞ」と念を押されます。
→タビットパパはまったく説明しません。


場所説明:パパの館

この土地で最も大きな館です。岩肌にもたれ掛かるように作られた館で、5階建てです。タビットの村には珍しく、天井が高く人間サイズでもさして苦労しません。
建物内部は岩肌をくり貫いて作られた室内と、木製の館によって形作られています。縦長ですがあまり奥行きは無く、上へ上へと増築された作りをしています。

夕食にて

久しぶりに再開した家族は仲良く談笑します。兄ペーターは【タビットの主人公】 に今までの冒険の話を訪ね、話を咲かせます。
幼い妹は興味深々です。

→しかしパパは事あるごとに口をつっこみます。
「まだまだ半人前だ」
「いいかパパの話を聞け、まず優秀な冒険者と組むんだ。それが英雄になる近道だ。」
「はじめのうちは自分で考えず、ただ黙って俺のやり方をみるんだ。そうすれば大物になれる」などと言いたい放題です。
→この時パパに口答えすれば口論になり、怒ったパパは出ていってしまいます。

ペーターは【タビットの主人公】に「気を悪くしないでくれ。あぁゆう親父なんだよ」と謝ります。
→ペーターは場が白けたので解散を提案します。

●【タビットの主人公】のイベント。

ペーターは【タビットの主人公】が気にしてないか案じ、夜に訪ねてきます。彼は秘蔵のニンジンを取りだし、それを半分に分けあおうとしますが、大小別れてしまいます。勿論兄ペーターは大きい方をくれます。
そんなペーターの仕草は子供の頃から変わりません。
→ここで気が付きますがパパとは一緒に食事をした記憶がありません。パパはいつも自分のことしか考えて無かったのですから。
今日パパは【タビットの主人公】と話をしようと自分なりの努力をしていたのです。
→ペーター「お前はいい奴だよ。パパとうまくいかないのは二人が向き合う時間が短かったからさ」

●タビットパパのイベント

タビットパパを追いかければパパのボヤキが聞けます。これは【タビットの主人公】では聞けません。
パパは「俺って奴はいつもこうなんだ。今日はちゃんとアイツの話を聞こうって思っていたんだがな。」と落胆します。
「俺のことは気にしなくていい。アイツのほうを…、そうだないつまでも子供じゃないんだったな」と苦笑します。
「子供の頃、俺と喧嘩したアイツはいつも遊び場だった小川の木のウロに隠れたもんだ。俺が探しに行っても出てきやしないからいつもペーターに行かしていた。」
「アイツが冒険者になった時、俺はアイツがそこに行ったと思ってあそこに行ったんだが、一晩たっても二晩たってもアイツは帰ってこなかった。あれから、いくつの夜を過ごしたんだろうな…。」

ユウリの不安

ユウリはついに疑問をタビットパパに打ち明けてしまいます。一同と出合い自分がタビットではないのではという不安が核心に変わったのです。
「自分はパパの子供じゃないの?」
「だって私の耳はちっちゃくて変だし、 ふさふさした毛も尻尾もないもの」
→必死に弁解するタビットパパですが、しどろもどろで言葉が出てきません。
「こんなものつけてもパパやペーターみたいになれないよ!」とユウリはウサ耳をパパに投げつけ飛び出してしまいます。

ユウリの捜索

ユウリは【タビットの主人公】が子供の頃いつも遊んでいた小川の側にある大木のウロに隠れています。
★これは【タビットの主人公】ならば用意に想像できる遊び場です。
ユウリに声をかけると態度は頑なで拒絶しますが、家族の愛が確かだということを説明すれば、ようやく口をききます。
「どうして私のことを教えてくれないの!?」
「本当の私のパパとママはどこかにいるの!?」
「寂しいよ!不安だよ!怖いよ!」
→怖いというのは彼女が毎晩見ている夢についてです。彼女は毎晩黒い大きな影に捕まえられる夢を見ているということを説明します。
※これは彼女を追っ手「暗黒の軍勢」がやってくるという危険信号・シグナルです。この話はまだタビットパパも兄ペーターも知りません。


イベント:夜の襲撃者

その夜、月をも隠す濃密な霧が谷を覆い隠します。夜の静寂の中、周囲は完全に暗闇に覆われ、かりに灯りを持っていたとしても数メートル先にも届かないだろうほどの密度の霧です。
→タビット父に聞いても「このような霧は未だに体験したことは無い」と答えます。そしてそれを答えた後、「いや、まてよ…確かあの時も」と呟き考え込みます。

暗闇の中に物音が響きます。何か大きな轟音ですが雷のようにも聞こえます。
★知覚14[冒険者レベル+知力ボーナス+2D6]
→それはどこかで建物が倒壊した音です。何か事故が起こったのか、かなりの大きなものであると予想されます。

暗黒の軍勢

霧の中から現れた影。それは全身を黒い鎧に包んだ人馬ような姿です。鎧の中は見通すことはできず、光る赤い充血した瞳をだけが覗き見えます。
しかもその数は数百数千もいるではないでしょうか。
彼らはタビットの各家で戦闘を行いながら次第次第に館を目指しています。

技能チェック

★ファイター技能/またはフェンサー技能+知力ボーナス+2D6を振り判定します。
●10以上〜→彼らの腕前は大変に長けています。いかな軍隊でもあれと正面から戦えるものがいるとは思えません。モンスターレベルは10を超えるでしょう。
●14以上〜→タビットの戦士が応戦している様を見つけます。どうやら普通の武器は効果がないようです。

★セージ技能+知力ボーナス+2D6を振り判定します。
●10以上〜→彼らはまるで悪魔かアンデットのようです。
●14以上〜→彼らの行動範囲は霧の中だけのようですが、霧の中は自在に移動できるようです。
●16以上〜→彼らはアザービーストと呼ばれる異世界からの侵略者で悪魔です。 ですが、何か人間としての片鱗があります。どうやら人が悪魔になったもののようです。


暗黒の軍勢

この襲撃者に正面から戦いを挑んでもまったく勝ち目はありません。ただ種別としてはアンデットであり、対抗アンデットの魔法や特殊能力、ユニコーンの角は有効です。

パパの説明

この時にタビットパパに詳しい情報を求めればパパはいくつかの情報を教えてくれます。
「奴らは異世界からの侵略者だ。俺は奴らとやりあったことがあるが…はっきりいって勝ち目は無い逃げるしかないぜ」
「奴らの狙いはユウリだ。ユウリが奴らに奪われた時、この世界に危機が訪れる…。詳しく話してやりたいが、どうやらその時間は無いようだ。」

パパとの別れ

★ユウリに対して―
「ユウリ。今までずっと黙っていたが…俺はお前の親父じゃ…」といいかけた時、ユウリは「パパ!」と叫んで抱きつきます。
タビットパパは何かを話そうとしたのをやめ、【タビットの主人公】を見ます。

タビットパパ「ラミレスという騎士が全てを知っている。ラミレスのところへ行け」
→パパはそういうなり大砲のような銃を片手で軽々と持ち、館の入り口の見えるバルコニーへと向かいます。「ちょっとからかってくる。ペーター。【タビットの主人公】。後は任せたぜ。」

ビジュアルシーン〜パパ対暗黒の騎士〜

『入り口に迫る暗黒の騎士。見上げた瞳がタビットパパと交差した時、どこからともなく吹いた風は暗黒の騎士の体を隠します。すると突然、タビットパパの横、バルコニーに騎士の姿が現れると襲いかかって来ます。パパは目視もせずに銃を向けると発砲、砲弾が騎士をのけ反らせます。
しかし騎士は一人ではありません。背後から現れる騎士に、パパは床板を踏み、 跳ね上げた床板で刃を防ぐと、刃の食い込んだ床板ごと相手に体当たり、バルコニーから叩き落とします。
やはりパパは歴戦の猛者です。たちまちに獅子奮迅の活躍を見せますが、相手には中々に有効なダメージが与えられません。』


対決暗黒の騎士

この時、ついに暗黒の軍勢の1体と戦闘になります。神聖武器または魔法武器ならばダメージを与えられますが、通常の武器では効果がありません。

暗黒の騎士

生命点50(抵抗20固定)、精神点70(抵抗20固定)  
●戦闘開始に自動⇒「恐怖」精神16+2D(ダメージ:MP−2D/効果:精神攻撃→消魔の魔晶石は有効)
●攻撃
・「斬りつける」 命中19+2D(ダメージ:20+2D/効果:装備している防具の耐久性−1。必要筋力と同数になった時点でその防具を破壊。)
・「ホラー」   精神16+2D(ダメージ:MP−2D/効果:精神にダメージを与えます)
・「激痛魔法」  精神16+2D(ダメージ:20点/効果:抵抗したら0点。)
・「影に潜む」判定無し(ダメージ:なし/効果:影となり姿を隠す。偽装20・不意討ち修正-4、行うと実体化)
●回避
・「回避する」  回避19+2D(防護点:16)⇒攻撃した武器の耐久性−1。必要筋力と同数になった時点でその武器を破壊。
→死ぬとその場に瘴気を残し、生命判定23。失敗すると5点のダメージ。
戦利品
(2〜7・なし)
(8〜11・なし)
(12〜・剣の欠片1つ)


●もしプレイヤーが勝利した場合、【タビットの主人公】を見たタビットパパは、子供の巣立ちに嬉しいような寂しいような顔をします。
→しかし、その一瞬の隙に背後から斬りつけられたパパは致命傷を負ってしまいます。

●もしプレイヤーが敗北しそうな場合は、タビットパパが割り込んで体当たりをし、手に持った大砲の砲撃で相手を表へ追い出します。
→しかし、ぶつかった時パパには剣が刺さり致命傷を負ってしまいます。

パパの死

パパは【タビットの主人公】に何か言いたいようですが、もう息も絶え絶えで何も言えません。
パパはユウリの手を取り、【タビットの主人公】に握らせます。

パパは最後にボソボソと呟きます。
「さぁ行け。俺はここで巣だって行くお前の姿を見守っている。」


大空洞

ペーターは一同を案内し、引き出しの裏にある隠し通路に案内します。
隠し通路は大変に狭いものですが、タビット用なので仕方がありません。通路には横道がたくさんあり、どうやら里全域に続いているようです。沢山のタビットが、そのわき道から後ろを続いてきます。

飛空挺

ペーターが連れてきたのは地下空洞です。地下空洞の中には、一つの巨大な飛空挺があります。
タビット達は手慣れた様子で乗り込んでいき出航の準備をします。
→ペーター「みんな乗ってくれ。親父の飛空挺だ!」

場所説明:飛空挺

大型飛空挺です。上部はバルーン状の形状をしており浮力を持っています。下部はバルーンに吊られる形をしていますが、固定されています。飛空挺の先頭には2つのエンジンがあり、それが飛び出して船を引っ張る様はまるで馬車のようです。船の舵はまんま手綱のような仕組みとなっていますが、舵の形状はやはり船の舵と同じです。

飛空挺発進

エンジンをかけた飛空挺。次第に立ち込める霧の中、飛空挺は飛び出していきます。思いきった舵を取るペーター。
正面に塞がる壁へと猛進すると、「うてぇい!」と砲撃を指示、岩壁をぶち抜いた飛空挺は霧を抜けて空へと飛び出していきます。
眼下には霧につつまれたタビットの里が見下ろせます。霧の中には羽を生やした奇怪な生き物が、飛空挺に群がりますがこの速度には追い付けません。

一段落

ペーターはある程度の高度まで上がると、タビットの一人、ブチ模様の壮年のタビットを呼びます。「ブチ。後は頼むぜ」

→一段落ついたところでペーターは一同を集めて説明します。
「これは俺の親父が引退するまで使っていた船だ。引退した後は、この俺・空賊ペーターの船さ」
「飛空挺は1台で国を大騒ぎさせちまう。だからこれはずっと秘密だった。」
「この飛空挺を隠したのは親父がユウリを連れてきた時だ。もう随分と昔の話をだな。」

バックストーリー

ここでは後半に登場する人物の説明と、事件の重要なポイントである相手の正体と、ユウリの出生について説明しておきます。

登場人物

パロミデス司祭長

背の高い青白い老司祭で鋭い眼光が特徴。猜疑心をむき出しにしたような目つきをしておりも、高圧的。疑り深い性格です。
●パロミデスの設定
飛空挺メンバーと聖騎士ラミレスとともに、かつて魔神と戦ったメンバーの一人です。その時の戦いでは勝利は得られませんでしたが、封印には成功しました。彼は封印の責任者として苦渋の決断をした司祭です。【タビットの主人公】の父・パパタビットがその封印の重要人物を連れ出してしまったために、パロミデスは冒険者への不信感を募らせています。しかし、彼もかつては冒険者とともに戦った司祭であることは事実なのです。

聖騎士ラミレス

全身白い板金鎧にマントといういでたちの騎士で年齢は60半ばは超えています。 かつては歴戦をこなした風格があります。
●ラミレスの設定
【タビットの主人公】の父・パパタビットを連れ、過去随分と冒険していた英雄です。現在は冒険者としては引退し騎士神ザイアの司祭として後進の育成に当たっています。
性格は落ち着き払った知性的な物腰です。芯は強いのですが、態度は穏やかで自分の意見を押し付けるようなことはしません。

真相〜過去:ガレリア

かつて優れた魔法使いであり召喚魔法の使い手の一族ガレリアは、その魔法の力ゆえ発展。魔法国家として躍進を続けていました。
悪魔達を使い魔に使い、彼らを使役することで魔法を使いこなしていたのです。
しかし、それはやがて大きな災いを呼び込むことになります。
呼び出された魔神は人に大いなる力を人々に与えましたが同時に力を得た人は人と魔物の境界をなくし、
次第にその心までを失っていくことになります。
悪魔は人に逆らうことはできませんでしたたが、人は悪魔のように成り果てていったのです。

ガレリアの人々はそれに気が付くと魔神との対決を決意しました。
しかし悪魔に依存していたガレリアにはもはや魔神を倒す力も術もなかったのです。
すべて魔神の思惑通りです。思案にくれたガレリアの人々が出した結論は、ガレリアの人々全てを生け贄に捧げ、魔神を封印するというものでした。
正確にはガレリア人だけが悪魔を呼び、使役できたためにガレリア人がいなければ魔神は勢力を広げられないという考えです。
もし、ガレリア人が冥界に旅立つのならば悪魔は魔神といえどそれに付き添わなくてはならないのです。
ガレリアの人々は、世界に対する責任感を持てる民族だったのです。

この事件に助力した人々が大陸にもいます。
冒険者であり騎士神ザイアの司祭ラミレスと冒険者達(【タビットの主人公のパパ】達)、ティダンの神殿騎士団と司祭パロミデスです。
彼らは魔神と戦いながら儀式の成功に力を貸しましたが、同行した冒険者の一人が問題を起こしてしまいます。
生け贄に捧げるべき赤子を連れ出してしまったのです。それが【タビットの主人公のパパ】です。

「生まれたばかりの赤子まで生け贄にすることはない!」というのが【タビットの主人公のパパ】の考えでしたが、
魔神の封印は致命的な欠陥を残すことになります。
なにせ赤子が魔神を呼び寄せれば魔神はやはり復活してしまうのですから。

この魔神封印の指導的役割を担ったパロミデス司祭は、近年までその事実を知りませんでした。
その間にも魔神の放った暗黒の軍勢は彼らを探しているというのに…です。

暗黒の軍勢とは

暗黒の軍勢は、ガレリアの人々・または封印に関わった騎士の成れの果てです。
いかな崇高な理想であれ、冥界に囚われた彼らには悔恨の念が無いわけではなく、魔神はそれを長い時間をかけて誘惑。
ついに彼らは亡者となって地上に放たれたのです。

勿論彼らに対しては魔神は惜しみ無い助力を与え、魔物の肉体を与えたが生命までは与えられず、
亡者としてのあやふやな存在となってしまいました。
また彼らは魔神封印という全体意識をもっており、誘惑に落ちてもなお魔神復活は阻止していました。
魔神もそれゆえ、その点においては説き伏せられず、地上に出たいという亡者の望みだけを叶えるに至ったのです。

魔神の目的

魔神は復活のためにユウリの心を誘惑し、自分を解き放つことを狙って います。
同時にユウリが命を落としたりすれば復活の機会は失われるのです。
そういう意味ではユウリを殺害はしません。しかし手足をもぐくらいはするでしょう。

魔神を倒すには

魔神を倒すことは不可能ではありません。
実は今の魔神の体自体が堕ちたガレリア王なのです。
彼の肉体を破壊すれば、異世界の魔神は直接的には干渉できなくなるのです。

しかし、当時は誰にもそれはできませんでした。
10〜15レベルの数千の悪魔の軍隊には普通は太刀打ちできないこともありましたが、
なにより魔神個人がはあまりにも強く、撃退できなかったのです。
その戦いでガレリアのマイナーゴッドとその周囲の地方神は戦いを挑みましたが、魔神に敗れてしまいました。
そしてその地方は完全に無くなり大地は沈み海へと変貌しました。
いまではガレリアは封印の場が行われた都を残す限りの孤島となっています。

空の旅

空の旅に出た一度でしたが、一同の前途は多難です。
● 食料倉庫には急場の脱出で対したものがなく、このタビットの数にしてニンジンはわずかです。それにはさすがにタビットも閉口してしまいます。
「困ったなジャガイモばかりだ。」「どこかでニンジンを補充しないとな・・・」
● 一方、飛空挺を駆るペーターもまた随分と四苦八苦していた。この船は年季の入ったボロ船でなのです。一見すると豪華でカッコイイこの船も、表面は布を張り合わせたハリボテであり、装甲らしいものはほとんどありません。生活区域に金属が使われているだけという作りです。

場所説明:空中都市

草木も生えぬ荒れ果てた山岳地帯の都市です。そこへと唯一の獣道…、都市へと続く急な傾斜を登っていかなくてはなりません。
しかし山頂部にある都市はどうでしょう。まるで嘘のような賑わいです。どうやって集まったのか人々が集まり、どうやって運び入れたのか商人が市場を開いています。その有り様はまるで砂漠のオアシスのような生き生きとした活気があります。

街での目的

目的 この町では武器・防具、一通りのものが購入できます。また情報も購入できるために今後役にたつ場所でしょう。
しかし現時点では相手の詳しい情報はわからず、目的地・ガレリアンについての情報もありません。
この町での目的は、アイテム購入のチャンスと、マイナーゴッド・ゲルニカの司祭になるという2点です。

必要な必需品を探すために町に立ち寄った一同。あらゆる盗品が取り扱われ、金さえ出せば入らぬものなど無いといわれます。

情報

今回のシナリオボス「魔神」については知ることはできない。
タビットの主人公の父について) タビットの主人公の父はラミレスとともに戦った英雄である。ラミレスは15レベルのファイター・プリーストでザイア神殿の司祭長をしている。ラミレスはタビット達の父親に等しい存在で、時に友であり、飛空挺メンバーは苦労を分かち合った仲です。
ラミレスについて) ラミレスはザイアの神殿の司祭長で、竜と戦ったり多くの都市で冒険している高名な騎士です。冒険者とも交友があり、自身も単身で戦うことで白騎士の称号を送られています。彼は帝国を拠点に布教活動をしています。
一同に追って?) 「この町によそ者が入ってきた。(ここで彼等がよそ者というのは、ローブの騎士である。買い物もせず、金を落とさず都市で何かを探し歩く彼等を人々はよそ者と見る。)」
→ 再び調査するとティダン神殿の騎士であることがわかります。ティダン神殿から司祭長パロミデスの指示を受けてきたらしいとのことです。
パロミデスについて) パロミデスはティダンの中でも魔人や悪魔と戦う司祭を指揮するエクソシストで、強硬なやり口で知られる人物であのりいいうわさは聞きません。魔女狩りまがいのこともする。人物なのです。
ラミレスを知っていれば) パロミデスとラミレスは仕事の役割上たびたび協力している。二人は馬が合わないらしいということです。


穢れの商人

露天に店を出している怪しげな男がいます。明らかにゴミとおぼしき品物を漁っては何かを探しています。やがて拾い上げたのは、汚れを拭った雑巾です。彼は「コレコレ…」と呟きながらそれを丁寧にたたんでしまいます。
→彼は汚れた雑巾を探していただけです。訪ねられても「穢れを探しているんですよ」と話します。
彼はこの町に入っていくのを見ると「この町では何かとお金がかかりますよ?」 と声をかけます。
「もし、よろしければ…勿論無理にじゃありますんが、お金を工面して差し上げても構いませんよ。」

「私は少しばかり変わったものを取り扱っていまして、それで仲間内ではよく物好きだとバカにされるんですよ。ええそれがなんと申しますと、『穢れ』なんですよ」
「もし皆さんに、1点穢れをつけさせて頂ければ1万ガメルお支払しましょう。 もし3点なら3万ガメルです。代わりにもし皆さんがレブナントになったら、そのお体と魂を私にお譲り下さい。」
●これは資金不足のパーティへのいわば救済策ですが、あまりに胡散臭い話です。穢れは点数なので進度ではありません。かなりの余裕があるでしょう。穢れがついたからといって破滅するわけではありませんから、資金が無ければどうぞ。


古書店

内部は薄暗く換気されていない独特のカビの臭いがします。店内は一見すると乱雑に積み上げられた本の山と、本棚の壁という作りになっています。
不意に「本をしまうつもりじゃったが…目を通すと思わずよんでしまうものじゃ。そのようなことは無いかね?」と声がかけられます。
声の主は鍔の無い三角帽子を被った髭の老人で、背は高く立ち上がれば多分2mはあるんじゃないかというほどの長身です。

●ここでは遺失魔法を書かれたスクロールを購入することができます。1つにつきレベル×1万ガメルします。
●もし「自分達が暗黒の軍勢と戦っていること」を話せば、老人は懐かしそうに考え込み。「わしも以前奴らと戦い、そして破れた身じゃ」と話します。
→説明を求めると、彼は自分のローブをめくりあげ中を見せます。なんと中には体がありません。
「今は人々の僅かな記憶に身を残すだけ…じゃて」と悲しそうな表情をします。

●「奴らは失われた都ガレリアから来たもの。しかし今もなお奴らの王はガレリア人に縛られておる。このことはワシの口よりも詳しく知るものから聞いたほうがいいだろう。」
●「奴らと戦ったのならば気がついたかもしれんが、奴らはアンデットじゃ。ユニコーンの角を触れさせれば滅ぼすことがいできるだろう。」 ●「もし、お前達が神の力をまだ借りていないのならば、誰かの力を借りたほうがいい。心辺りが無いのならゲルニカを紹介しよう。きっと力になってくれる。」と彼は聖印を渡します。

→ここまで話が進むと、彼は本を手渡します。
「そうそうこれをやろう。これは自分が見聞きした物事を記録したいと願えば独りでに書き記すという魔法の本だ。冒険に役立つものかわからんが…いつか振り返ることもあろう。」


町の酒場にて

酒場の裏手に通りかかった時、鼠取りにかかったネズミが目に入ります。ネズミは必死に脱出しようともがいています。ネズミはドブネズミではなく、小さなハツカネズミです。
一同と目が合うと助けを求めるように懇願する眼差しを送ります。

ネズミは食べ物を食い荒らし害を与える生き物なので逃がすことはよくありません。しかし、良心が働いて逃がすようなら、このネズミは恩を返します。
→助ける時に良心からか確認する場合、「ネズミは食べ物を食い荒らすのだよ? 」と一同の中から声がします。それはまるで自分たちの誰かがいったような錯覚があります。これはゲルニカ神です。
★ネズミを助けることが正しいことではありません。ここで捕まっているのは理由があるからです。ただ助けた場合、ゲルニカはこのことをネズミに説き、ネズミの良心を揺さぶります。ネズミは良心に動かされ恩返しをしますが、それはネズミにとっても大変な苦難です。

襲撃者

街での探索やいろいろな自由行動をとっている一同ですが、その一同のことを嗅ぎつけ、追跡してくるフードの騎士団の姿があります。
彼等は一同と遭遇すると、一同からユウリを奪おうとして来ます。
・ 彼等の正体はティダンの騎士です。ティダンの騎士団はこのことを口外してはならないと言われており、一同が真実に近づかないように事件を隠蔽する使命も帯びています。
・ ティダンの騎士は一同を殺すつもりはありません。暴力を使いたくありませんが、事情は説明できないために止むをえず暴力に移ることもあるでしょう。

ティダン騎士

生命点30(抵抗14固定)、精神点30(抵抗14固定)
戦闘特技:魔力撃・武器1・防具1
●攻撃
・「斬りつける」命中14+2D(ダメージ:20+2D/効果:馬上ではダメージ+4点。)
・「キュアウーンズ」精神7+2D(ダメージ:なし/効果:10点回復)
・「スパーク」精神7+2D(ダメージ:15点)
●回避
・「回避する」回避10+2D(防護点:16)


そんな一同の下に本物の襲撃者が現れます。突然に立ち込める霧は明らかに異様なものです。それは視界を隠し、昼間の太陽ですら覆い隠してしまいます。
暗黒の軍勢です。ティダンの騎士達は彼らのことを知っており、暗黒の騎士がこれほどまでに増えていることに驚くと、剣を手に果敢に戦います。
ティダンの騎士はここで命を落としてしまいますが、一同が助けた場合・または話を聞きだした場合以下の情報がわかります。
・ 「ティダン神殿のパロミデスという司祭が今回の一見のことを詳しく知っている。自分たちを派遣したのも彼である。」
・ 「パロミデスは今ルキスラ帝国のティダン神殿にいる。そこで彼に直接聞くといいだろう。」

→ 次の目的地

ザイアの騎士・ラミレスのことを探せばすぐにルキスラ帝国に現在いることがわかるはずです。また最後の襲撃者のイベントならばパロミデスのいる神殿はわかるはずです。
もし二人ともに完全にスルーしてしまったのなら自由行動から帰ってきたペーターが、ラミレスのいる場所を突き止めたとして情報を提示してください。
ラミレス・またはパロミデスのいるルキスラ帝国に向かうのが次の目的です。

ルキスラ帝国

ここではルキスラ帝国についての説明は抜粋させていただきます。詳しい説明はルールブックなどを参照してください。
なおペーターと飛空挺メンバーは同行せず待機します。なんせルキスラ帝国の皇帝は野心家です。飛空挺など知られたら大変な問題になります。

ラミレス・ザイア神殿

騎士神ザイアはマイナーゴッドですが、ライフォス神の盾としてたたかった神で、騎士神と呼ばれています。そういうわけもあってか神殿には騎士のいでたちもおおく、出入りしている人間も騎士と思しき人々が多いのが特徴です。勿論冒険者なども普通に出入りしていますので、閉鎖的な感じはしません。
→ ラミレスの話をするのならば、ラミレスに知らせてくれます。ラミレスは心当たりがあるのか、すぐにあってくれます。

聖騎士ラミレス

ラミレスはかつてはがっちりとした体格をしていたことが予想できる老騎士です。精悍な顔つきと鋭い視線だけは衰えていません。
→ 彼はタビットの里が滅んだことを知っており、一同の安否を大変気にかけています。タビットの主人公のパパが亡くなったことを聞くと、落胆の色は隠せませんが、彼は予想もしていたように。「そうか…」とつぶやきます。
● ここで彼からは、過去に起こった事件が知らされます。
● また、もう一つの宗教上の説明もされます。
「これは魔神がガレリアの人々の語ったという自分たちの話。つまり魔神の言葉だ。
まず剣ありき・・・剣から生まれたる影・闇こそが我なり。しかし、我を生んだ光もまた奈落の底より零れ落ちた光に過ぎぬ。魔神が投げ込んだ剣が、この世界を壊し、光と影を生んだ。」
→ 彼等はルミエルもイグニスも自らが作ったといいふらしていると説明します。これはルミエルの正当性を考える以上無視できない話です。司祭たちはいいます。「彼等の言葉は信じるに値しないもので、人の心を汚すものだ」と。しかし・・・人が穢れる道を歩き始めたのは確かに2振りの剣の時代から、司祭たちはこの俗説を恐れてもいます。
彼らが恐れるのは、ルミエルの絶対善が揺らぐことです。ティダン神殿は、その俗説の流出も恐れています。

これらの話が終わったとき。突然侵入者が現れます。
背の高い青白い老司祭で鋭い眼光が特徴。猜疑心をむき出しにしたような目つきをしておりも、高圧的な老人です(彼がパロミデスです)。
パロミデスは一同に有無をいわさず拘束を促します。同時に滑り込んできたティダン騎士団は一同を拘束し、連行します。
→ 当然ラミレスもそのことを静止しますが、ラミレスに対しても「冒険者に協力し、神殿の極秘任務を阻害した」という嫌疑がかけられます。
このイベント終了後は一同はティダン神殿に連行されてしまいます。その後は「討論会」へと続いてください。


パロミデス・ティダン神殿

太陽神ティダンはこの世界では力の強い大神です。温和なライフォスに対して、より穢れを嫌う彼らは行動的で蛮族、特にアンデットに対しては決して許さぬ存在です。その対アンデットの行為は異端審問として恐れられています。

一同捕縛〜パロミデス〜

ティダン神殿騎士は一同と出会うなり捕らえることとします。彼らの上司であり、今回の事件の指揮官パロミデス司祭は、冒険者など信じていません。かつてタビットに裏切られた記憶があるのです(【タビットの主人公】のパパのことです)。
パロミデスはひどく不信感を剥き出しにした瞳で、一同に対しては非協力的です。彼は一同を有無を言わさず投獄することを決め地下牢に送ります。

討論会

★この時ゲルニカ神の信徒がパーティ内に1人でもいれば、以下のイベントが起きます。
中にいる誰かが「彼らの言い分を聞くべきだ!」と強く進言します。それが誰からかはわかりませんが、パロミデスもその言葉を無下には扱いません。
→パロミデスは討論に望むことを承諾しますが、それに対して参加できるのはパーティの一人だけです。

パロミデスは教会聖堂にて論客を待ち構えますが、その周囲には神殿騎士が取り囲みます。しかも神殿騎士は十重二重に取り囲み槍を突きだし、周囲に槍ぶすまを敷きます。
パロミデスは討論に臨んでは自分の知っている知識を公開します。ここで真相過去の事件については把握できるでしょう。
@召喚士の一族の国ガレリアが魔神を呼び起こしたこと。
A一族の全ては命をなげうって魔神を封印したが、ただ一人逃げ出した娘ユウリによって封印が解かれる可能性があること。
Bラミレス・パロミデスなどの司祭とマイナーゴッド達で挑んだ戦いは魔神の勝利に終わり、もはや封印に頼るしか手がないこと。
→そのためにはユウリもまた生け贄に捧げる必要があることを論じます。

⇒⇒⇒これに対して、プレイヤーはどのような意見を述べても構いません。パロミデスとしてはユウリを確保し、生け贄にする可能性を了承させ、一同には魔神討伐を依頼するでもいいのですから(成功するとは考えていません)。
ですからパロミデスは基本的に「不可能じゃ」「希望的観測に未来をかけることはできん」と否定的な意見をいいます。

ゲルニカ

@多分プレイヤーとしては一般的に妥協案を模索するでしょう。パロミデスの妥協案は信頼がおけません。それでもパロミデスの肩書きから信頼してしまう場合があるでしょう。
その場合は背後から女性の声が響きます。「よく見るのだ。パロミデスはお前の言葉を信頼してはいない。お前がユウリを預けた時、ユウリの身を彼が守るはずがあろうか」)

Aパロミデスはかつては冒険者達と共に戦ったことがある司祭です。彼の心には本来は同調するものがあります。
この時、無礼な一同をへの警告のために眼前に槍が突き出されます。その刃に写ったのは自分のだけではありません(ゲルニカ神です)。確かに背後には女性司祭の姿が映ります。その頭部には角がありナイトメアであると伺えます。
ふと気が付くと、その槍の穂先の刃には何かがうつります。若い頃のパロミデスの姿です。パロミデス司祭はタビットの一族とともにより上の司祭に掛け合っている姿が見えます。冒険者が共闘することに難癖をつける人々から冒険者を守ったのはパロミデス司祭でした。パロミデス司祭は【タビットの主人公のパパ】の裏切りを最後まで信じませんでした。それだけ信頼していたのです。
槍が下げられた時、再び覗き見えるパロミデス司祭の顔は今では疲れはててやつれています。ところがどうでしょう彼の表情にも驚きがあります。彼も槍の穂先に映った自分の過去を見たのです。

Bゲルニカ神はナイトメアの神です。ですから信頼が置けないと思うものもいるでしょう。ゲルニカ神はその場合耳元で呟きます。
「例え私が誰であろうと盲信してはならん。自分を救うものは自分の信仰のみなのだ」と告げます。
→パロミデスもそのやり取りまで来るとようやくゲルニカ神が来ていることを把握します。
「どうやら…この神殿に客が来ているようじゃのう。ゲルニカ神は神々それぞれに働きかける天の御使い。ティダン神に話をしに来ているようじゃのう。」

討論会〜結論〜

パロミデスとの会話において説得することは難しいですが、パロミデスと話すことで内心に揺さぶりがかかります。
もし、パロミデスがかつては自分達冒険者と共闘した過去を説かれたり、ユウリを生け贄にすることの罪の意識を問われたら、妥協案でユウリを預けた場合も生け贄には消極的になります。
→パロミデスは立場上、プレイヤーに協力は告げられませんから「少し考えさせてもらえんか」と話します。この時パロミデスは穏やかな表情となります。

この時にパロミデスに何か伝えることができれば、パロミデスはシナリオ後半では協力してくれます。
どちらにせよ。プレイヤーはやはり牢に送られてしまいます。


地下牢

ティダン神殿の地下牢にとらわれた一同。牢屋は簡素でベット一つありません。 ただ見晴らしのいい鉄格子があるだけ。先客もありません。一同の装備品は大きなものと武器は取り上げられています。
見張りはすぐ正面のテーブルに向き合う3人。出入りがある時があるので2人ぐらいになることもあります。
★鍵開けの目標値は14(スカウト技能+器用ボーナス+2D6)
→ただし成功しても物音はしますし、その行為5分程度の時間がかかります。ほぼ必ず見つかるでしょう。
★気付かれないように〜の目標値は忍び16(スカウト技能+敏捷ボーナス+2D6)
→鉄格子に近づいてしまうのは仕方ありません。時間も3倍かかりますが、物音はしません。
この時見張りは2回まで、「鉄格子にから離れるよう」警告します。3回挑戦するならば開けられます。

★もしこの時、調子が悪いなど見張りを呼ぶならば、見張りは気にします。彼らは一同の気持ちには共感するところがありますので、司祭と意思を呼んで来ます(この時見張りは1人になります)。
この見張りを倒せば脱出ができますが、ティダン信者の心証を悪くしてしまいます。

ネズミ

この時自力での脱出が難しい場合、深夜侵入者(珍入者?)が現れます。
ネズミです。ネズミは一同のカバンから現れると、一目に見張りの横を抜け、鍵を目指します。ちょうどいいことに見張りはこっちを警戒しているので、自分たちの足元には気が付きません。
見張りはこちらの動きは見張りますが何もしないならやがて注意を失います。それを見計らってネズミが鍵をもって来ます。

神殿脱出〜暗黒の騎士

一同がティダン神殿を脱する時、周囲には霧が立ち込めます。濃密な霧の中では視界はまるで効かず、方向感覚さえ喪失してしまうほどです。光源が無ければ歩くこともままなりません(松明の灯りも数mで光はかき消えてしまいます)。この異様な霧はかつてタビットの里で体験したものと同じものです。
★ここで移動するためにはレンジャー技能+知力ボーナス+2D6で16以上出さなくてはなりません。
もし14に到達していれば、自分達がぐるぐる同じ場所を回っていることがわかります。
→この判定に成功すれば、霧の中をいち早く脱出できます。振り返った霧の中では追っ手として追いかけてきたティダン神殿騎士が何者かと交戦しています。暗黒の軍勢です。ティダン神殿騎士には勝ち目はないでしょう。

脱出失敗なら〜

霧の中で何か動く影を見つけます。黒い鎧の大柄な影に赤く光る瞳。暗黒の騎士達です。
★暗黒の騎士と対決となります。やはり強敵なので場合によっては苦戦を強いられるでしょう。

苦戦なら…

もし、追い詰められ勝ち目が無いようならば、途中から聖騎士ラミレスが加勢します。
ラミレスのもっている『ラミレスの剣』は聖遺物です。暗黒の騎士達の防護点を無効化します。またラミレスの実力ならば暗黒の騎士の1〜2体なら倒せるでしょう。

聖騎士 ラミレス

<戦闘特技>   かばう・ブロッキング・ガーディアン・マルチアクション、薙ぎ払い、防具習熟2・魔法拡大
HP 120 /生命抵抗26+2d
MP100/精神抵抗 26+2d  
・ 「剣で斬る」   命中 26+2d  ダメージ 2d+80   効果:両手・片手持ち替え自在。
・ 「薙ぎ払う」   命中 24+2d  ダメージ 2d+80   効果:周囲5人に攻撃通常攻撃です。
・ 「治癒術」    魔法 24+2d  ダメージ 34点回復  効果:14回まで可能です
・ 「回避する」  回避 24+2d  防護点 21点      背後への攻撃を通しません。5回まで身代わりします。

暗黒の騎士撃退後

暗黒の騎士を退けた場合は、霧の中の脱出判定に再び挑戦しないとなりません。 この判定に成功する可能性がある場合には救済策があります。

ネズミ再び

★もし、ゲルニカ信仰があればネズミが再び現れます。ネズミは霧に惑わされず真っ直ぐに移動。霧の中を抜けていきます。ネズミについていった場合には脱出できます。

飛空挺の救援

★もし、自力の脱出も不可能であり、さらにネズミの助けも得られない場合は、 『飛空挺の助け』が来ます。タビットのペーターです。上空からホバリングで現れた飛空挺は霧を吹き飛ばし上空から現れます。この飛空挺に乗り込めば脱出できます。
この時点で聖騎士ラミレスが仲間に加わっていない場合は、飛空挺にてラミレスが加わります。

飛空挺・ガレリアへ

飛空挺で移動を開始した一同です。ここまで来ると目的地はガレリアです。
ガレリアを目前に迫った一行の前に立ち込めるのは暗雲です。その暗雲の中咆哮が響きます。ドラゴンの咆哮です。しかも1体や2体ではありません。竜の群です。
しかもそれはただのドラゴンではないようです。デーモンの身をやつした魔の竜なのです。

飛空挺の危機

飛空挺の周囲を取り囲み襲いかかる暗黒の魔物達。たちまちに船の外装は砕かれ、倒壊していきます。このままでは墜落は時間の問題です。
内部にも暗黒の騎士達が現れ始めます。濃密な霧の立ち込めるガレリアでは飛空挺といえど安全ではないのです。
・ペーターはこのままでは時間の問題で墜落してしまうとのことを話します。

暗黒の騎士との戦い

一同も暗黒の騎士と再び戦闘となります。暗黒の騎士は限りなく現れるのです。 このままでは勝算はないでしょう。一同にできるのは、この飛空挺をいち早く脱出することです。

★ゲルニカ神の追加イベント

この時にユウリが危機を迎えます。
ユウリの前に現れた暗黒の騎士はユウリにつかみかかります。しかしユウリの肩口から飛び出したネズミは、暗黒の騎士に飛びかかりその視界を奪います。驚いた暗黒の騎士は手足を振り回し追い払おうとしますが、その動きは他の暗黒の騎士の邪魔になります。ついに足元の崩れた暗黒の騎士はネズミ共々地上へて落ちていきます。

→もしネズミプレイヤーがネズミに好感をもっていなければネズミの出番はここまでです。

ネズミに好感をもっている場合には続きがあります。地上に落ちていく小さなネズミを受け止める手があります。天馬に跨がる女騎士の手です。ゲルニカは信徒を助けることにしたのです。


ペーターは一同を船体内部にある小型挺に案内します。しかし、ペーター自身はこの船に残ると説明します。
・ 「船の操縦は一人じゃ出来ない。この船には多くのタビットが残るだろう。船長の俺が逃げ出すわけにはいかないだろ。それにやわらかいところに落としてやらなきゃならない。これは腕がいる。俺の仕事だ。」
・ ペーターは、【タビットの主人公】に対して「もし無事に生き延びたら、全てが終ったら、故郷の渓谷。昔遊んだ小川にいくんだ。いいな」と念を押し、【タビットの主人公】の静止を振り切り別れてしまいます。
ペーターはこの竜の攻撃を受け、一同を脱出させると大量の竜にもまれて船は空中分解。命を落としてしまいます。


いわば最終セーブポイントです

一同がガレリアの地を歩いていると一角に灯りらしいものを見つけます。
近づいて見るとそこは霧が薄れそこだけは霧が晴れています。瓦礫の山と見えたその場所は古びた祠があるのが見えます。
★もしプレイヤーが覚えているようなら、この祠の中に空中都市の古書店の主人である老人を見つけます。
老人は「ここには霧はこない。安心せよ」と声をかけます。老人はこのガレリアで信仰されていたマイナーゴッドです。
残念ながら老人は希薄でここではそれ以上の意思疎通はできません
→ もしネズミをパーティに加えたければ、ここで走ってくる姿をみかけます。
  足元まで訪れると「ようやく安心できる場所を見つけた」とばかりに飛び掛ってきます。

ガレリア

石によって作られた古代遺跡であり大理石の神殿やモニュメントの立ち並ぶ雄壮な都市です。中央にはピラミッド上の建築物があり、その建物を中心に周囲には市街地が広がっています。
この大都市も人が住まなくなって久しく、今は完全な廃墟になっています。ここでは天に上る太陽すらどうにも淀み、その色までも禍々しくどす黒く変色して見えます。

→ ここまで来ると一本道です。中央神殿の石段を上り終えた時最後の間へと到達します。

援軍・・・とはいいがたいティダン神殿騎士の皆さん

なおこの時、遺跡の一角に向けて光の矢が下ります。そしてその後そこで声が上がり騎士たちが現れます。神殿騎士です。どうやって訪れたのかわかりませんが、200人以上はいるでしょう神殿騎士は、やはり遺跡の内部からこの場を目指して走ってきます。
彼らはティダンの神殿騎士てす。

召還の間

祭壇の間は異様な光景となっています。まるで空間に亀裂ができたかのような裂け目があり、その奥不覚には暗闇の空間が広がっているのです。
しかもその奥からはただならぬ気配が漂い、瘴気が立ち込めています。祭壇の上では、まるで待ち焦がれたかのように天が渦を巻き始めています。
→ しかし、この中に飛び込むことはできません。これはただの幻影でもあるのです。

ユウリの様子はどんどん悪くなっていきます。ユウリは悪い夢にでも浮かされるように意識が遠のいていきます。
「パパ、パパ」と呟き、「ごめんなさいペーター。あたしのせいで…」とうわ言をつぶやいています。
そして眼下の裂け目には新たな光景が浮かび上がっています。 それは何か巨大な影に向き合っているユウリの姿です。ユウリはその存在におびえ追い詰められています。追い詰められたユウリへの問いかけは人の言葉ではありません。ただユウリに対して望みごとをいうことを強要しているようにも見えます。
巨大な影は手を伸ばします。ユウリの目前でウロコとカギヅメがようやく見えます。それが一回りすると、手の内から花が現れます。
それをユウリに差し出して「無害だよ」とでもアピールするかのような手つきです…が、花は忽ちに枯れ、さらに燃え上がっていきます。
ユウリはついに怖くなって泣き出してしまいます。
その巨大な影は、あやそうと音の出るおもちゃ「ガラガラ」を取り出しますが、乱暴に振り回すものでそれはたちまちに壊れてしまいます。
なおも泣き叫ぶユウリ。巨大な影は、ついに怒り出すと拳を足元に叩きつけます。亡者でもいたのか足元で何かがつぶれます。
さすがにゆうりもびっくりです。叫び声を上げます。「お兄ちゃん助けて!」
そう叫ぶや否や、突然に裂け目は実体化すると床に開いた大きな空洞となります。下にいた暗闇の主には光が差し込み、一気に振り返ると天をにらみます。一同と目線が交差します。

下に飛び込むならば、最後の戦闘です。

魔神

巨大な影は、よく見ると全身に鎖を絡み付けられています。幾重にも幾重にも絡められた鎖にほとんど身動きをすることはできませんが、すでにいくらかの鎖はちぎれ、また大部分がほころびています。
一同がやってくると、彼は力任せにカギヅメを振るい自らの鎖を引っかきます。外れた鎖は、人の形になって巻き散ります。それはガレリアの人々の魂です。それらは地に落ちると黒く変色し、暗黒の軍勢へと変貌します。
変貌した騎士に呼応するかのように周囲からも影が立ち上がります。何千という暗黒の騎士達が周囲を取り囲んでいるのです。

黒い影・魔神は指を立てると一人の亡者がやってきます。そしてその亡者の頭に指を乗せると虚ろな亡者はまるで代弁するかのように話し始めます。
「幾多の苦難を乗り越えてこの地に訪れた諸君に、まずこの地の到達を祝して言葉をおくろう。おめでとう諸君。ここが終焉の地だ。」
「我々は苦難の道のりを超えてこの地に到達したという点においては共感できるものがある。たとえそれに時間と歳月の差があろうとも」
「諸君がもし私に刃を向けるというのならば、それはいたし方あるまい。しかし、途方もない知性との接触の機会を辞することは損失ではないのかね?」
「ふむ、意見の相違はぬぐえぬか。まぁいい。時間なくして結論はつかぬものだ。我々とこの世界とが過ごした時間はじつに短いのだからな。」
「この戦いが我々と個人としての君たちとの最初で最後の接触であるということが、私には少々惜しい気がしないでもないのだが、君たちとの語らいは死後にでも持つことにしよう。」

戦闘開始

その言葉を合図に戦闘が開始されます。
専攻は必ずプレイヤーが取ります。なぜならば、相手は縛られていて動けないからです。

●1〜5ターン目
ラミレスはコールゴッドに専念します。6ターンの間戦闘に参加できません。
魔神にしてみれば勝利の見えた戦いですので、暗黒の軍勢をけしかけます。彼らは10体現れ、10体になるように毎ターン補充されます。
ちなみにもしプレイヤーが少数だった場合、3〜5体程度にしてもいいかもしれません。
したがって一同は5ターンまでの間はひたすら防衛に徹するしかありません。
★ もしこの時ネズミがいるようなら、1匹はネズミが飛び掛ったり陽動したりして防ぎます。
★ もしこの時ゲルニカの司祭が一人でもいるのならば、ゲルニカは今回の戦に支援をします。
天馬にまたがり、全身に白銀鎧を着込んだ女騎士の姿であらわれたゲルニカは頭部に角を持つナイトメアの神です。
 彼女が現れた時にジハドが発動します。また彼女は自分の信徒に歌声を望みます。どこかで歌う司祭のバトルソングにより補正はさらに上がります。ゲルニカは馬上から相手を威圧することで、実質的なプレイヤー側補正は命中は+5・回避+5は・ダメージ+5とします。

★ もしこの時パロミデスとの間になんらかの関係が気づけているようならば、パロミデスは飛び出し、一堂に助力します。
パロミデスへの攻撃はティダン騎士が身代わりするのでカウントしなくて構いません。
パロミデスは回復魔法専門です。
・ 「キュアウーンズ」    魔法 24+2d  34点回復  効果:14回まで可能です

●6ターン目
ラミレスのコールゴッドが発動し、騎士神となったラミレスは剣の一振りで、暗黒の軍勢を一掃します。
ようやく魔神との直接対決が開始します。魔神はこのターンは立ち上がるだけです。

魔神

 HP 300 /生命抵抗100+2d  MP5000/精神抵抗 100+2d  
・ 「カギヅメ」     命中 22+2d  ダメージ 2d+50   効果:全体。ラミレスは5体まで、プロッキングします。
・ 「クリメイション」  魔法 40+2d  ダメージ 50点    効果:封印によって威力は1/10に低下しています。
・ 「ペトロクラウド」  魔法 40+2d  ダメージ なし    効果:6ターン後石化します。
・ 「ポイズンクラウド」 魔法 40+2d  ダメージ ターンエンド3点  効果:彼の場合加算できます。
・ 「名前忘れた」    魔法 40+2d  ダメージ なし    効果:死亡した相手をアンデット化します。
・ 自動「暗黒の騎士創造」   魔法 40+2d  ダメージ 50点回復  効果:ターンはじめに暗黒の騎士を作ります。一度に10体つくり、生命点と精神点を50消費します。
・ 「回避する」  回避 不可能  防護点 40点 /30レベル以下の魔法の影響を無効化します。  彼は現在封印されているので戒めの鎖によって回避はできません。
・ ユニコーンの角はききません。種族はデーモンです。
※ 魔神は「暗黒の騎士」を作りつつ、魔法またはカギヅメを1回選択してきます。作られた暗黒の騎士は毎ターンラミレスの手によって一層されます。
結局6ターンまで生き延びれば、相手を撃破することができるでしょう。

ラミレスのブロッキングは5回ですが、これがあれば暗黒の騎士の攻撃回数は減ります。
それをさせたくなければ魔神で全体攻撃すればラミレスは味方をかばえません。
ネズミがいた場合、暗黒の騎士の攻撃を1回マイナスします。
ターンはじめに暗黒の騎士が呼ばれますので、暗黒の騎士を撃破すれば、相手の攻撃回数は減るでしょう。
パロミデスの回復魔法には限界があります。


魔神撃破

魔神を倒した時、やがてその影はのたうち縮んでいきます。最後に手を伸ばす魔神の手を退けるようなしぐさをしたユウリは一同に抱きついてきます。
「あたしはお前の力なんていらない。へいきへっちゃらだよ。だってみんながいるもの。」
魔神は苦悶の声を上げると変貌暗闇が掻き消えます。「そうか…。さらばだ」
そして鎖の中から倒れこんだのは、男の姿。王の衣服をまとった男の姿です。
ラミレスはその場で倒れこみます。ラミレスも息も絶え絶えになり、すでに助からない身です。
彼は一同に対して感謝の言葉を述べます。
「ありがとう。これでどうやら罪滅ぼしすることができたようだ。しかし、私も老いたのだな。昔の私だったら、こんな無様な姿はさらすまい。」
「さぁ行きなさい。」そういって一同の背を叩いて押し、彼はその場に腰を下ろしてしまいます。
気がつくとここは多くの骸が放置される墓のような場所であり、周囲は先ほどの戦いの影響か倒壊がはじまります。

ネズミとの別れ

もしネズミをつれていれば、ここでお別れです。
脱出の途中ネズミは先行して進み安全な道を知らせるように出口へと案内します。
一同が出口に来たときネズミは立ち止まり、前足を上げて、鼻をひくつかせます。
「これで御恩は返しましたから。」とネズミがいったような気がします。

パロミデスは一同を表で迎えた後、ティダン神殿管轄のゲートへ案内してくれます。パロミデスは何もいいません。ただ、この後この都市の人々の葬儀を行うことになるです。

エンディング

全てがすんだ後、【タビットの主人公】は故郷に戻ってきます。
そこには故郷に戻り復興しようとする仲間たちの姿があります。タビットの里もまた年月を経てよみがえることになるのでしょう。

小川へ

昔、家族で遊んだ小川にやってきた【タビットの主人公】。昔と変わらぬ小川がそこにありますが、もうそこには父も兄もいません。
そしてそんな寂しさを見透かしてか【タビットの主人公】がいつも隠れていた木の虚はポツンとあいています。しかしもうそこに隠れても探しに着てくれる人はいないのです。
ふと気がつくと、樹の虚に何かがひっかかっています。
それは父からの手紙です。
「【タビットの主人公】。お前が出て行ってから随分たった。早いものだ。お前がこれを読むときは、もうすべて終って仲直りしているだろうか。あの時お前にプレゼントしようと思ったものがあるんだが、口論になって渡せなかった。渓谷の先湖のわきの洞穴にいくといい。」

その場所へ向かうと地下への階段が見つかります。そしてそこに収められているものも発見できます。
その空洞に納められていたのはペーターのものとよく似た飛空挺です。
兄ペーターと色違いの飛空挺。コクピットの吊るされた張り紙「どこかでお前の姿を見守っている。パパより」

いつか【タビットの主人公】はこの世界を飛び回る飛空挺乗りになることでしょう。
そして彼の冒険には、妹のユウリ、何人かのタビットも同行することでしょう。

報酬

実はこの飛空挺は作り掛けです。完全に部品まではそろっていませんから。部品を集めることをシナリオにしてもいいかと思います。
この時この飛空挺にはパパがためた財産も残っています。それは100万ガメル相当です。飛空挺の整備費用に50万はかかりますが、残り50万だけでもたいした報酬になるでしょう。

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