シナリオ概要

かつてはギルド「ギャラガ&ドミノ」を結成した冒険者達であったPC達の両親も今はそれぞれの人生を生きていた。
剣士ギャラガは飲んだくれとなり、魔法使いサラマンダーは悪の魔法使いに変貌、シーフのゼビウスは借金取りにおいまわされ、司祭ドミノは一人でギルドを切り盛り、そしてギルドは今加入冒険者0名という非常事態により危機的状態となっていた。
PCはある事件をきっかけに冒険者となり、そしてこの傾いたギルドを再建すべく立ち上がるのだった。
このシナリオは、冒険者になるまで、そして冒険者としての仕事1話が入っています。

あらすじ

かつてはギルド「ギャラガ&ドミノ」を結成した冒険者達であったPC達の両親も今はそれぞれの人生を生きていた。
剣士ギャラガは飲んだくれとなり、魔法使いサラマンダーは悪の魔法使いに変貌、シーフのゼビウスは借金取りにおいまわされ、司祭ドミノは一人でギルドを切り盛り、そしてギルドは今加入冒険者0名という非常事態により危機的状態となっていた。
ドミノの死で、全てを相続したその子供は、ギルド再建のために冒険者達を集めなくてはならない。
ギャラガの子供、サラマンダーの弟子、そしてドミノの子供が集り、3人は冒険者となっていく。

依頼1
最初の依頼は「太陽を殺し・永遠の夜を作ろうとする悪の魔女を・・・捕えること」である。
貴族バルフォルスはその魔女を捕えることをPCに依頼する。「殺してはダメだ生かして連れて来い」「騎士団にも知られてはならん」という不可思議な依頼を受ける一同。

事件を起こしていたのはなんと魔法使いサラマンダーであった。
サラマンダーは太陽の光を嫌い、夜を作り出していたのだ。
このサラマンダーを撃破すればシナリオはクリアとなる。
サラマンダーと直接戦うのがヤヴァイ場合は、偽りの月を砕く矢を探せばいい。アイテムは探索を上手く成功させれば成功するだろう。

最後には真相の全てがあかされる。
サラマンダーは妖魔の血が流れており、父バルフォルスはそれを嫌い地下牢に閉じ込めていた。
それを救い出し冒険者の仲間としたのがドミノ達であった。
ドミノ達と別れたあとのサラマンダーは、自分を妖魔と忌み嫌うこの世界を太陽と考え、白黒しない「夜」の時間を求めて夜を作り出していたのである。

このシナリオの展開次第ではギルドのメンバーにサラマンダーを復帰させることができる。

PC@のサンプル設定

PC@は推奨ジョブはウォリアーです。
父親は飲んだくれの親父で、かつては冒険者でした。甲斐性なしの父親は母親に捨てられ、今では子供であるPCと二人で暮らしています。PCの父親がかつて冒険者であることを知ったPCが自分もまた冒険者を目指す・・・という流れが理想的ではないでしょうか。
・ここではボーナス的な処理として父親の剣ツヴァイハンダーを持ち出すことが出来ます。
★ GM情報。
実は両親はギャラガとドミノです。PCAとは血縁関係があります。兄弟・姉妹の関係です。

PCAのサンプル設定

PCAの推奨ジョブは自由です。すきなようにバランスをとってくれて構いません。
この街での始めてのギルド「ドミノ&ギャラガ」のギルド長の子供です。
母親はギルド長のドミノ。父親は死んだと聞かされています。
母はとても誠実で真面目でお人よしなのでギルドの経営は火の車。今ではギルドメンバーは0です。ギルドを助けるために冒険者になろうとしても母は中々認めてくれません。
★ GM情報。
実は両親はギャラガとドミノです。PC@とは血縁関係があります。兄弟・姉妹の関係です。
PCAはドミノの死によってギルドを引き継いでいくことになります。

PCBのサンプル設定

PCBの推奨ジョブはメイジです。
物心ついた時、自分を育てていたのは魔法使いのサラマンダーでした。
サラマンダーのもとに辿り着いた経緯は自由に考えてください。
特に何も思いつかなければ、サラマンダーは命の恩人で育ての親、とでもするといでしょう。
ある日魔法使いサラマンダーはいなくなってしまいました。
そのサラマンダーを探す旅に出ることになります。
・ 別段のボーナスはありませんが、サラマンダーの影響を受け、フレイムロードが1レベルある。としてもいいでしょう。
★ GM情報。
サラマンダーはかつて赤子のPC@Aを面倒を見ていた思い出から、なんとなく子供のPCBを育ててしまいました。
PCBは二人より年下であるべきです。

登場人物

父・ギャラガ

PC1の父親。飲んだくれの最低親父で、凄く心の弱い人。自分が傷付くことを極度に恐れ全てを人のせいにして生きているばかりか、弱いものへの暴力によって自分を慰めている。酒を飲んでいる自分を許せなくて酒を飲む男。
かつては冒険者であったが戦士として戦力にならないという「妄想」の果てに、勝手に抱いた劣等感でパーティを抜け、飲んだくれへと変貌する。
実はPCAの父親でもある。

母・ドミノ

冒険者ギルド「ギャラガ&ドミノ」を切り盛りする冒険者。アコライトでサムライ。
閑古鳥無く冒険者ギルドのために粉骨砕身して働く真面目で責任感の強い女性ながら、その粉骨砕身ぶりゆえに命を落とすこととなる。
ギャラガと愛し合いPC@Aを生むが親権問題の果てにAのみを養育。@のことを話せず、父親も死んだとして説明していない。

魔法使い・サラマンダー

妖魔の血の流れる女魔法使い。時々すごく貴婦人なようなのだが、物凄い魔物顔に変貌することままあり。
幼少期は地下牢で幽閉されて暮らしていたせいで、善悪観念やモラルなどはごっそり欠如。
地下牢ぐらしの果てに太陽の光を極度に嫌い、明かりの下ではほとんど動かない。
PCBのことを育て上げるも、自分とは住む世界が違うと気がつき出て行ってしまう。

シーフ・ゼビウス

冒険者パーティ「ギャラガ&ドミノ」の最後の一人。このシナリオ内での出番は限りなく無い。
冒険者としての実力は随分なもので、街ではNO1。ただし、浪費家で借金があり、借金取りに追われている。そればかりか慈善家でお人よしとして悪人とドンパチやるのが常なので黒い組織にも終われているらしい。
PC達のことは嗅げながら見守っており、危ない時は助けにやってくる。

司祭・アーサー

髭モジャの外見は長身の男・体つきはよく屈強、瞳は理知的という感じ。
「ギャラガ&ドミノ」とは奮い付き合いの司祭。依頼をよく出していた。友人としての関係もあり、後見人的な存在。
本編とはまったく関係ないが、魔界村と呼ばれる地獄のような土地で起こった魔人討伐で功績を上げたとか。ドミノ達とはその時からの付き合いであるらしい。
モンクの技を使うたびに鎧をすっぱげるので、図らずも周囲のウケを取ってしまう。
損得抜きに付き合ってくれるドミノとそのパーティには絶大な信頼を寄せているのだが、魔法使いのサラマンダーだけはあまり人間らしくないので、意思疎通に苦しんでおり、正直理解できていない。

今回の予告

夢を抱いて集った4人の冒険者達。
幾多の冒険を超え、友情を育み、名声を手に入れてきた彼らであったが、全ては過去のもの・・・。
友情は脆く、名声は地に落ち、彼らの伝説は儚くも消え去ろうとしていた。
これはその子供達の物語。
消え行く伝説、芽吹く伝説。
移り変わる四季のごとく、抱いた夢は儚くも消え、その夢の亡骸にのこそ芽吹く夢も、またあるものだろうか。

「アリアンロッド〜月と炎の魔女〜」

PC@「飲んだくれの父親」

のんだくれの父親に酒の空き瓶で殴られる少年。
口論のきっかけはいつもたわいないものだった。
少年にとって家族とは社会一般に言われているものではなく、普通の家庭・家族団欒など夢のまた夢であった。
母が出て行った後取り残された自分は父親と一緒に暮らしている。

「酒が切れてんぞ!コラ!今すぐ買って来い」
父親の暴力に急かされて、家を追われいつものように酒を買いに行く。

夜の酒場には仕事帰りの客がごった返し、労働者達がその日の苦労を洗い流すように、酒を喉に流し込む。
毎日の苦悩や苦痛を吐き出す彼らの顔には不思議と暗さはなかったが、
その酒場を訪れる少年(PC@)は、本来の明るさ・精彩を欠いて見えた。

酒場でウェイトレスをやっている娘リタが来る。
リタは栗毛の癖ッ毛、童顔で自分より少しばかり年上で、いつも一つ先に足を伸ばしている少女だった。
実家の居酒屋(酒場)を手伝っている。
「PC@?!どうしたの!またお父さんに殴られたの」
・ 彼女はPCのことを案じている。PCが事情を話せば、聞いてくれる。
・ 彼女は父親に酒を飲ますのは反対だった。父親は酒を飲むと決まってヒドイ暴力をふるうのだ。
→ リタは水で薄めた酒を用意する。そしていつものように父親との話し合いに行ってくれる。

父・ギャラガ

PC@・リタとともに家に帰る。
すでに父親は酒の眠りについていた。暴れたのだろう、家具は壊れゴミは散らかり、荒れ果てている。
リタと自分で父親をベッドに運び眠らせる。後は掃除の時間だ。

●散らかった部屋の中、一枚の絵を発見する。
冒険者4人の絵である。
・ まだ酒で太る前の筋骨隆々とした父親。
・ そして長身の美しい女性、母親であると聞いたことがある。
・ テンガロンハットを深深と被ったカウボーイ。獣のような尻尾と耳が除き見える。
・ 燃えるような赤毛の三角帽子の女魔法使い。やたらと長い炎のような舌が見える。
→ 父と母は互いに寄り添っており、そして残る二人の冒険者の手にはそれぞれ赤子が抱かれている。
2人の赤子。

● 倒れたクローゼットの後ろに隠してあったのか両手剣ツヴァイハンダーを発見できる。
・ かつて父親が使っていたものだろう。

●片づけが終わった頃、リタが帰る。
「お父さんへのお説教は、起きている時にね」と一言。
リタが帰り際に、父親の寝言がする。
「行かないでくれドミノ。お前がいなくなったら・・・俺はどうしたらいいんだ。」

PCA「ギルドの黄昏」

暴力と破壊が支配するこの大地に正義が生まれた。
正義は始めはか弱く、名乗り出ることもできぬほど小さな力であったが、彼らは自分達を信じ、そしてこの大地に歩み出て行った。彼らの冒険が始まり、四半世紀の年月が経つと、この辺りにも正義とモラルが根付いていった。
冒険者達が増え、この小さな街も、新しい芽が芽吹いていった。
その芽を育てたのが、ギルド「ギャラガ&ドミノ」である。

PCAは今は誰もいない、ギルドの埃を掃除し、いつ誰がきてもいいように準備していった。
依頼はあるのだが、冒険者達はあまりここにはいない。
現在ここにいる冒険者は母親のドミノだけである。
・ このギルドはまだ街が小さな時から存在している息の長いギルドである。あの当時街には金はあまりなくわずかばかりの報酬でこの街を幾度となく救ってきたこのギルドは人々から感謝を集めた。
・ しかし、それも昔のことである。この街が大きくなり発展していくと、交流が生まれた。冒険者達も流れ込み、また隣町へと出て行くようになると、この小さなギルドよりは、もっと報酬が得られ支援が得られる大きなギルドへと冒険者達は流れていった。
・ そして今や「ギャラガ&ドミノ」はその使命を終えようとしていた。
→ ギルドの経営は厳しく、今ではもう運営は難しい。そして冒険者が集らなくてはギルド消滅は目前なのである。

母・ドミノ

やがて母親ドミノはカタナを手に帰ってくる。
身長の高い女性であり、司祭としての顔も持つ彼女。
帰ってくるとほがらかな笑顔を見せて我が子を抱きしめる。
しかし、決まってこの無人のギルドに落胆の色を見せる。

母親との食事。
母親と二人だけの食事。そんな食事時ですら母親は山積みの仕事の依頼に目を通している。人手が無いのでギルドマスターである自分が仕事をこなさないといけない。
決まって食事時に母は机の上に一枚の絵を立てる。
4人の冒険者の並んだ絵である。2人の男・2人の女。1人は若い頃の母。そして他は・・・。
・ 筋骨隆々とした大男。背中には両手剣を背負っている。
・ テンガロンハットを深深と被ったカウボーイ。獣のような尻尾と耳が除き見える。
・ 燃えるような赤毛の三角帽子の女魔法使い。やたらと長い炎のような舌が見える。

PCB「サラマンダーの歌」

炎のような魔法使い。真っ赤に燃えてみんな黒焦げ。
血に飢えた野獣のような山賊たちも、サディッステッイクな騎士団も、みんなみんな真っ黒コゲ。
サラマンダーの吐息にやられて真っ黒コゲ。
黒い帽子のサラマンダー。三角帽子のサラマンダー。
三日月背負って炎を吐く。私を抱いて炎を吐く。

幼い頃の思い出であった。
サラマンダーは彼女の名前。燃えるような赤毛の三角帽子の女魔法使い。
口から炎を吐いては焼き尽くす。そんな姿がサラマンダー。
サラマンダーはあまり人のように考えない。正義も悪も無い。
そんなサラマンダーが自分をここまで育ててくれた。
そしてある日いなくなった。サラマンダーの吐いた炎で火傷して、そうしたら次の日にはいなくなった。
あんなに炎に包まれて生きていたのに、火傷したのはその1回だけ。

あの後自分はサラマンダーを探している。

ギルドへの聞き込み

街にやってきたPCB
空はピーカン、青空が広がっている。
サラマンダーは太陽の光が大嫌いだった。いつも太陽に呪詛の言葉をなげかけていたっけ。
今も悪態をついているのか、それともどこかの洞窟に逃げ込んでいるのだろうか。

● ギルド「ギャラガ&ドミノ」にやってくるPC。
こんな小さなギルドでは何もわかることはないだろうとすら思われる。ギルドの中にはPCAだけ、誰もいないのだから。
・ もしPCAにサラマンダーについて尋ねるのならば、母親が大切にしている冒険者の絵を思い出す。
・ もし合流が難しいなと感じたら、ここで立てかけてある絵画にサラマンダーを発見しても構わない。
→ サラマンダーのことを知るのはドミノのみ。
ドミノから情報を得なくてはならないのだが、ドミノは今冒険に出て行っているのだ。

オープニング・フェイズの流れ 「PC、冒険者となる。」

1・ドミノの帰還

ドミノが帰ってくる。ドミノは意を決したように、冒険者の心当てとして、一人の冒険者の元を訪ねてくることとする。冒険者の名前は「ギャラガ」・・・PCAの父親である。
・ 尚、この時点でPCBがいるのならばドミノは「サラマンダーはパーティギャラガ&ドミノの仲間の魔法使いである」ということを説明する。
・ サラマンダーには社会常識はまったくなく、善悪などは教育を受けていなかったことを説明する。
「でも私たちは親友だったわ。」
・ サラマンダーの行方はドミノも知らない。でも、サラマンダーがいれば大きな助けになるとドミノも考える。

2・兄弟の再会

ギャラガの元を訪ねるドミノとPCA・もしくは+PCB。
・関係として「ギャラガとドミノの子供がPC@・PCAの二人である」ということがわかる。
ドミノはギャラガに冒険者として復帰してくれないかと頼むが、ギャラガは断り、それどころか暴力をふるって追い出そうとする。(が、拳はぶつけられない。途中で止めてしまい鳴きながら伏してしまう。)
→ ドミノはここで引き上げる。

●子供達の過去・両親が別れた理由
ギャラガまたはドミノに訪ねるのならば、なんで二人が別れたかわかる。

結成したギャラガ&ドミノのギルドであった。
駆け出しの頃は同じぐらいの実力であった彼らであったが、徐々に実力差が広がり、ついには戦士であったギャラガは自分の実力不足を痛感。仲間が止めるのも聞かず飛び出していった。

丁度子供が生まれた時のことである。
「自分を鍛えなおす」と言って。

しかし、それからギャラガは冒険を幾度も失敗、転落人生を送り、最後は飲んだくれとなった。
(この時、わずか半年の後である。)
ドミノはそんなギャラガと付き合ったが、酒を飲んでは暴力をふるうギャラガには困り果てていた。
ギャラガは自分の暴力がドミノのプロテクションを超えないことを知った時、完全に実力差があいたことを痛感、ドミノに対して一方的に離縁を突きつけた。
「ドミノがあまりに輝いていたために、それがまぶしすぎて自分が惨めになる」という手前勝手な理由であった。

生活力の無いギャラガを見て、ドミノは始め二人の子供を養育することを考えていたのだが、ギャラガはそれを反対、「子供まで奪われたら、自分は全ての希望をなくし自殺するだろう」とドミノを脅迫。
ドミノはそれに屈すると、子供の一人を養育し、もう一人をギャラガに預ける形となった。
ドミノはそれ以来ギャラガの生活費・子供の養育費を仕送りしつづけている。

ギャラガとドミノはその際いくつかの約束をした。
子供に絶対会わない、お互い別々の家族であり関係である・かつて仲間であったという過去も洩らさない。
さんな取り決めをした。
そして今に至る。

●サラマンダーについて
サラマンダーは生まれたばかりの二人の赤子を偉く気に入り、二人を勝手に連れ出しては連れ歩いた。
まるで孫の可愛いおばあさんのように、始終連れては歩いていた。
しかし、サラマンダーは問題を起こして飛び出していってしまった。
子供にすら惨めさを感じていたギャラガが、子供を地面に投げつけたことがサラマンダーの逆鱗に触れ、サラマンダーは炎を吐いてギャラガを殺しかけた。その時幼い子供も火傷を負い、ドミノも我が子の怪我に動揺してサラマンダーに憎しみの視線を向けてしまった。
そしてサラマンダーはその目に追われるように出て行った。
以後サラマンダーを探しても見つかることは無かった。

3・ドミノの死

ドミノが冒険に出て行ってしばらく後のことである。
ドミノはひどい怪我をして帰ってきたところを見つかる。虫の息である。
カタナキズを負っておりもはや治療しても助からないということである。
かくしてドミノの知り合いが、訪れる。
・ この時、父親ギャラガはドミノが一人で出たことに自分の責任を痛感している。しかし、顔を合わせたら、それを実感してしまうようで、怖くてあいにいけず、「すまない」と連呼しながらただ酒を飲むばかりである。
・ ドミノは「ギャラガは来た?」と繰り返しつぶやくが、こないことに落胆していく。
・ ドミノの心残りは自分達の人生だったギルドがなくなること、子供達を育てられなかったことである。
→ 結局、ドミノは息を引き取る。最後は自分達にギルドを託すのである。
ドミノからは冒険者の証であるメダルが最後に手渡される。彼女のものだから当然1人分だけ。

4・ギルドの引継ぎ

ドミノの死んだ後、PCはその財産の引継ぎを行う。
ギルドマスターの引継ぎを委託主である神殿に申請すれば、引き継ぐことができる。

@「司祭アーサー」
神殿ではドミノ達と親しく付き合っていたドゥアンの司祭アーサーと出会う。
髭モジャの外見は長身の男・体つきはよく屈強、瞳は理知的という感じ。
ゲンコツで殴られたら死んじゃうかも、というほど大きなゲンコツが印象的。
・ アーサーはかつてドミノ達には多くの依頼を出してきた立場で、ドミノの死を悲しむ。
アーサーは準備していた、小箱を取り出し、それをPCに渡す。
「これはゼビウスという冒険者が君たちに渡してくれと。」
「ゼビウスはドミノとともにギルド「ギャラガ&ドミノ」で冒険していた冒険者で、自分の知る限りこの街ナンバー1の実力者だ。君たちのこともちょくちょくうかがっていたようで、先日もし冒険者となりたいといったらこれを渡してやってくと頼まれていた。これはギャラガが飲んで借金の方にうっぱらっていたという冒険者の証のメダルだ。
彼の息子が冒険に出ることがあるのならば、渡してやるようにと、頼まれていた。」
「ゼビウスの話じゃ。ドミノは子供に甘く、冒険者になると言ったら悩むだろう。またギャラガは飲んだくれで、子供にべったり・・・そんな話を認めるはずが無い。ここは自分が後押ししてやらなきゃならない、とか言っていたな。」
ゼビウスについて
・ 「冒険者としては一流でも、一般社会では困った奴だ。金遣いが荒く、借金も多い上に、悪い連中に追い掛け回されている。困った男だ。街に長居できないらしい。」

アーサーの支援
・ ギルドが存続したいという願いを言うのならば、彼もそれを叶えようと力を貸してくれる。
・ ギルド名を変えたらという提案も、アーサーはしてくる。

Aギルドの仕事
ギルドには溜まっていた仕事がある。
それらを解決していかなくてはならない。
・ カンコ鳥のようなギルドには見えていたが、ドミノ達が得てきた信頼によってギルドへの依頼はかなり多い。
・ 「口が堅く信頼できるギルド」「報酬が不足していても必要だと考えたら受けてくれる」など、この土地のモラルを守るだけの仕事をしてきたようである。
・ 中には「極秘で解決しなくてはいけない、非合法の仕事」までも引き受けていた形跡もある。
→ 引継ぎ処理の間は、リタたちも手伝っててくれる。
リタは多分そのまま、ギルドの受け付け嬢になっていくことだろう。

ミドル・フェイズ 「夜の魔女」

依頼人バルフォルス

依頼が入る。
この依頼は、短期間に3回も依頼され、依頼の料金も1週目[PC×200]→2週目[PC×300]→3週目[PC×400]と上がっていることから、急を要する仕事なのだろう。
依頼人はバルフォルス卿という貴族で、この街の最大権力者である。
依頼人についての情報
・ バルフォルスは貴族の中でも黒い噂の耐えない人物で、悪の権力者として知られている。
・ 騎士団も私物のように動かすことができるため、普通は騎士団に荒事を介入させて解決しているという噂。

バルフォルスの館は要塞じみた邸宅で、周囲には堀があり、高い塀がある。中庭も専属の傭兵達が周囲を固めているばかりか彼らの宿泊施設もある。
・ 一同がやってくると、使用人はバルフォルスのもとまで案内してくれる。

バルフォルスは髭の濃い白い肌の壮年の貴族で、堀は深くくぼんだ瞳から光がギラギラしているという風貌である。
癖のある銀の髪と、仰々しい貴族服を着ており、手にはステッキをもっている。
・ バルフォルスはドミノが死んでからやってきた一同をいぶかしむ。
「ドミノは信頼のおける人物だったので依頼したのだが、彼女は死んだと聞く。お前たちが信頼に値するのか?」
・ バルフォルスの依頼は以下のとおりである。
「ここから北の村で一つの事件が起こっている。その村では朝が来なくなり、夜に支配されている。日が昇らぬ暗闇をつくりだした魔女がいるという。」
「その魔女をここにつれてくるのだ。魔女を殺してはいかん。ここが大切だ。もし殺せば依頼は失敗としてみなす。」
「今回の依頼は他言無用だ。話せば許さん。」
「騎士団が介入してくるかもしれん。わしの権力でしばらく騎士団が動かぬように止めるが、中には下らぬ好奇心ややすっぽい正義感で動く輩がいるかもしれん。その連中には知られないようにしなくてはならん。」
「報酬以外に口止め料を一人500Gつけよう。どうだ?新米には破格の報酬だろう?」

夜に支配された村

北に街道を三日ほど向かった場所に、その村があるという。
村は険しい警告の中にあり、周囲の山は突きたった剣のように険しい。森をくぐって村に向かうこととなる。
谷間に立ち込める霧は深く、森は迷宮のようにすら見える。

灰となった騎士

やがて霧の中にボンヤリと立つ人影を発見できる。
動く様子は無く、体は黒い鉄のようにも見える。
それは近づいてみると直立している騎士であるとわかる。
手に握られていた剣は落とされ、全身は黒くすすで変色している。
→ 調べていると板金鎧の中身の炭化した騎士は、そのまま砕け散り風に吹かれてすすとなって飛んで消えていく。
・ 知力判定/目標値10)騎士の鎧から、バルフォルスの家の騎士であることがわかる。
・ 感知判定/目標値10)装備から騎士のレベルがわかる。どうやら3レベル程度。装備にはある程度金をかけていたらしい。現在その装備は熱による破損が厳しく、使い物にならない。

村人の依頼

村の入り口までやってくると、すでに夜になっている。空には月が浮かび、天には雲ひとつ無い。
・ 感知判定/目標値10)感覚的には今現在は昼間である。それなのにどうみても夜なのだ。

畑では村人が夜だというのに田を耕している。
村人は一同が来たことで驚くが、すぐに助けがきたとばかりにすがり付いてくる。
→ 村人は実情を説明するために、村長の家へと案内する。

村長の家に集ったのは、村の有力者達。
皆一様に表情は重苦しく、また一同に寄せられる期待の視線の熱いこと熱いこと・・・。
村長は老人で髭が床に届くのではないかという人物である。
彼は一同に何故ここに来たのか訪ね、冒険者であることを知ると村の問題の解決をお願いする。

村の情況
・ 村は今魔女によって太陽を奪われ、夜が支配している。
・ ある日やってきた魔女は言った「この土地が気に入りました人間。この土地の太陽を殺し、私はここで暮らすこととします。私に従うのならば、私も危害を加えることはないでしょう。ただし、私の心を少しでも乱すようならば、罰を与えます。」
・ 村人は半信半疑だったが、翌日から太陽が昇らず月明かりだけが煌々と照らす夜が続いている。
・ 魔女が立てたルールは、夜の支配する魔女の領地から出ないこと、魔女を怒らせないこと、魔女の住む山に近づかないこと、そして最近新たに村の北にある森の祠には近づかないこと。と定めた。
・ 魔女は現在、剣のように切り立った山の上に住んでいるのだが、そこに近づくのは禁忌のため、我々はどうすることもできない。
・ 冒険者がやってきて、魔女を倒そうとしたが、魔女に敗れ逃げ出した。その時戦ったのが北の祠である。
・ 祠は小さく部屋が一つ。遺跡などというものではなく、ただ天上と壁がある程度のもので、森に入る前にお祈りをする程度の役割であった。
・ 冒険者達はそのまま村から逃げ出してしまい。死んだのか生きているのかもわからない。
・ 今現在魔女は、手下として村人の死体をゾンビとして操っている。

北の森の入り口

森の入り口には人影が並んでいる。動く様子は無く、近づくと悪臭がする。
村人を材料に作ったゾンビである。ゾンビの首にはフダがかけられ、大きく「立ち入り禁止」と書いてある。
・ ゾンビ達はある程度近づいても動いてこない。ただし村に入ろうとすると襲ってくる。
→ ゾンビはPCの人数の倍現れる。PCの人数が多ければ当然ゾンビも多い。

北の祠

北の祠
森の中にポツンと祠がただ一つだけあるという作りをしている。祠までの距離も森に入ってからそれほどかからず、またそこは見通しのよい開けた場所となっている。
祠は石造りで出来ており、一目で建物の中まで見通せるという簡素な作りである。
・祠の中には地面に倒れている冒険者風の人影がある。数は4人。動く気配は無い。
→ 近づくと立ち上がり襲い掛かってくる。やはりゾンビ。服装は魔女が着せたイタズラ。
ちょっと不意をついて襲ってみようと魔女が置いたものである。
祠の入り口から入るのは1人づつとなる。ゾンビと出会って戦うのは一人なのである。
一度中に入れば中にはある程度スペースがある。

・ 感知判定/目標値12)探索である。
ここを探索すれば、足元の石のタイルが外れ、土が掘り出されてスペースが作られていることがわかる。
中には弓矢が入っている。弓と矢が一本ずつ入っており、青白い光を放っている。

・ 知力判定/目標値15)探索である。
一番鳥の鏑矢。
放つとニワトリの鳴き声がする。月に向けて放ち当たらないと効果は無い。
偽りの月を落とすことができる魔法の弓。矢とセットで魔法の品として扱う。
ダメージなどの補正は無い。普通の弓矢と同じく扱う。
→ この矢の効果を上げるためには山の上に上らなくてはならない。魔女の山の上である。

冒険者の生き残り

PCが北の祠の探索を終えて帰ってきたとき、村人から報告がある。
これは北の祠を目指す理由無く行き詰まっている場合も誘導として使用することができる。

なんでも森の中でヒドイ怪我を負った冒険者を発見したということである。
冒険者は切り傷があり、斬られているらしい。
・ 冒険者の服装から見るにシーフか何かである。
・ 彼はヒールなどで治療をすれば花が出来るようになり、過去何があったかを説明してくれる。

先輩冒険者の説明。
「自分達はゾンビを操る杖が売りに出されていたので、それを破壊するようにと教会の依頼を受けてやってきた冒険者だ。 それを買ったのが魔法使いだとわかり、自分達は魔法使いから杖を奪いにやってきた。」
「ゾンビを警戒し、アンデット対策で固めてきたんだが、魔女は普通に強かった。
自分達は3LVの3人組みだったが、魔女について調べ、山の上の家に、魔女不在の間に侵入、杖を探した。
しかし杖は見つからなかった。」
「変わりに見つかったのが弓と矢だ。厳重に保管されていたので、コレが杖だと思っていた。
それをもって引き上げている最中、山に帰る魔女と鉢合わせ。慌てて逃げ出した。
魔女は弓と矢を持っていることを気がつくと誇張抜きに鬼のような顔をして追いかけてきた。
我々は弓矢を祠に隠して魔女が探している間に逃げようとしたんだが・・・魔女はこっちを追いかけてきた。」
「逃げられないと思った俺の仲間は、いきなり俺を切りつけ、俺は森に取り残された。俺がやられているうちに逃げ出そうとしたらしい。しかし魔女は俺を発見できず、そして俺も人知れずその生涯を終えようとしていた。」
「そこを助けられた。」

夜をもたらした炎の魔女

北の祠に向かった後、PCがここで思案しておりあまり動かないようならば、ここで村に魔女がやってくる。
村人は大変恐れおののき、隠れてやり過ごすこととする。もし魔女の機嫌を直すことができるのならば助かるかもしれないと告げる。
魔女はガイコツの馬の引く、炎の車輪の馬車にのって現れる。
この夜だというのに傘を差した貴婦人のようないでたちで飾られた三角帽子が色鮮やかである。
炎のように揺らめく真紅の髪は、先端が触れるものに焦げ跡を残していく。
・PCBは自分の育ての親であるサラマンダーであることがわかる。

サラマンダーは吐息で炎を燃え上がらせながら、瞳の中に火の玉をグルグルと回している。
怒っている素振りは隠しているが、その様子はただ事ではない。
「私のいいつけを破り、北のほこらに足を踏み込んだものがいるようね。
私は軽く扱われたのかしら? 侮られたのかしら?
それとも貴方達は、私に勝つための算段をどこからか手に淹れたのかしら?
アラアラアラ・・・」

ビジュアルシーン「村長・詫びをいれる」

それに詫びに出るのは村長である。
村長は魔女の目の前に土下座し、詫びをいれる。
「滅相も無い。魔女様に逆らうような勇気は我々にはこれっぽっちもありません。詫びに出る勇気すらないのです。」 「私はどうしても魔女様に届けたいものがありまして森に入っていたのです。」

サラマンダーはセンスで口元を隠しつつも、その隙間では口は耳まで裂けていく。帽子の唾で隠れた瞳は飛び出さんばかりに大きく見開くのだが、表に見えているその表情は変わらない。
「あらあらあら・・・どのような物かしら。古びた人間よ。」

村長は手の甲をおずおずと出すと、くるりを回転。掌の上に花を取り出して見せる。
その花を見て、魔女は「アラ」と少女のような表情で驚きを示す。
花に顔を突き出してにおいを嗅ぎ、村長の差し出す花にドギマギとした様子で視線を流す。
「これを私に? 本当に頂いてもいいのかしら?」
「ええ、どうぞ」

魔女はそれを受け取ると笑顔をほころばす。そして帽子で顔を隠しながら背を向ける。
「綺麗なお花だこと。でも村長、あなたは私に嘘をつきましたわね。」
「・・・」青くなる村長。
「ゾンビを倒したのは貴方達ではないわ。
そして貴方は詫びる勇気も、私の怒りをそらすだけの機転ももっている。
そんなあなたが、私の怒りを買ってまで何かをしようというのだから、私を倒せるような算段でもつけたのでしょう?

でも、あなたはユーモラスでチャーミングだわ。
あなたを許しましょう。もしあなたの願いどおり、私がそれで命を落とすこととなっても。
あなたの贈り物はそれを帳消しにするには十分な贈り物だもの。」

●PC達が名乗るのならば魔女は大変喜ぶ。
「ほぅほぅほぅ・・・皆さん本当にご立派になって。熟して実る果実の手前の如き麗しさ」と絶賛してくれます。
「私はこのまま山に戻ります。皆さんも後ほどやって来てください。夕飯を用意して待っていますから。」

北の祠

魔女はその後引き上げるが、魔女の連れてきた従者であるゾンビ達は引き上げない。
ゾンビ達は約束を破った村人達を襲い始める。
→ ゾンビはPCの人数の倍現れる。PCの人数が多ければ当然ゾンビも多い。
これを撃退しなくてはならない。

魔女の住む山

魔女を訪ねる。
魔女のいる山は険しい山岳の頂上にある。
魔女の家に向かうためには、その山をぐるりと回って登る螺旋階段を通らなくてはならない。
●麓の番人
山の麓には動くことの無い人影が立っている。
村人を材料に作ったゾンビである。ゾンビの首にはフダがかけられ、大きく「立ち入り禁止」と書いてある。
・ ゾンビ達はある程度近づいても動いてこない。ただし村に入ろうとすると襲ってくる。
→ ゾンビはPCの人数の倍現れる。PCの人数が多ければ当然ゾンビも多い。

魔女の庵

魔女の山の上にて
魔女の家は小さな一軒家になっている。中のつくりを創造するに、寝室・風呂場・調理場兼広間という作りのようである。
裏では、ゾンビが風呂にまきをくべている。常時温かいお湯を作るようである。
ゾンビの首には「風呂・薪くべています」と書いてある。

家の中では魔女は本を読んでいる。
魔女の外見は燃えるように赤い髪、理知的な様子に見えて、じっとしていることが苦手なのか少し本を読むたびに姿勢をすぐ変え、時々面倒くさそうに長い舌を伸ばしてページをめくる。ヘビのような舌である。
→彼女がサラマンダーである。
魔女に話かけようとしても、魔女は読書に熱中しており、中々反応を返さない。

番人のガーゴイル

家に入ろうと入り口を訪ねると、そこには悪魔のような石像が並んでいる。
その数はPCと同じである。
このモンスターはガーゴイル。LV3のモンスターである。
これを撃退すれば、サラマンダーの家に入ることができる。

魔女・サラマンダー

サラマンダーはPCBの育ての親である。またPC@Aにとも幼少時関係のある人物である。
彼女は一同がやってくると大いに驚き、そして喜び再会を祝う。
「ほぅほぅほぅ・・・皆さん本当にご立派になって。熟して実る果実の手前の如き麗しさ」と絶賛する。
彼女はみんなにご馳走を用意しようと鍋を用意します。
ゾンビに食材を運ばせ、適当にぶった切っては食べ物を鍋に放り込んでいきます。
ゾンビの腕が巻き込まれてぶった切られても彼女はそれを気がつかずに、一緒に鍋に放り込む適当さです。
「お鍋でぐつぐつ煮てやろうか、それとも炎であぶってやろうか、原におさまりゃ皆同じ」などと歌って調理します。

サラマンダーの思惑

彼女は訪ねられれば自分が今何をしようとしているか説明します。
・ 「今、私はにっくき太陽を殺すための魔法を作っているの。もうすぐ私の作り上げた夜が太陽を滅ぼし、この世界に永久の暗闇を作ってくれるわ。」
・ 「太陽の輝きはこの世界の全てを暴いてしまう。真実の光。黒は真っ黒。夜の闇は全てを覆い隠してしまう。私が欲しいのはせいぜい迷わぬための月明かりだけでいい。太陽は暑苦しくってしつこくて好きになれないわ。」
・ 「私は永遠の暗闇の中を照らし出す。炎であればいいの。地獄の中のかがり火なんてロマンチックじゃないかしら。」
・ 「一応世間様の前でこの魔法を試しては、色々と不都合もあるかと思ってここで試しているのだけど、どこにいっても五月蝿い連中が群がってくるのだから困ったものよ。」
・ 「太陽は大嫌い。あれに世界の半分を支配されていると考えるだけで身の毛がよだつわ。」
・ 「まもなく私が作り上げた夜がこの世界を完全に閉ざすでしょう」
・ あれはなんなの?/「実のところ私にもよくわからないわ。でも私のパワーを受けて大きく範囲を広げているわ。」


ドミノの死を伝える
彼女は突然まったく無表情になり、頬杖をついて制止する。「そうなの」と呟いているが爬虫類のような印象を受ける。
・ 「ドミノは私の・・・その友達だったわ。私にとっては数少ない友達。やかましくて騒がしい。正義を掲げて私のいくて似立ち塞がり私の顔を叩くのよ。でも太陽と違うのは私を愛していること。私はドミノが太陽だったらいいのにと願っていたわ。」
・ 「でも死んでしまったのならば仕方ない。ドミノは次は太陽に生まれ変わるでしょう。私もそうお願いしてあげるわ。」

他の仲間
・ 「私にとって仲間と言えるのはドミノ・ギャラガ・ゼビウスの3人。ドミノはいとおしく、ギャラガはうらやましく、ゼビウスはわずらわしい。」
・ 「でもパーティは既にほころびていたわ。もう戻しようが無い。」

PCBについて
・ 「私はつくづく普通の人とは違うと思い知らされたわ。あなたと一緒に生きていたいという願いはあったのだけど、私の炎であなたを傷つけることになるのはわかっているわ。だから、一緒には生きていけないわね。」
・ 「かつて私がドミノの子供を焼けどさせた時のように、いつか貴方を傷つけてしまうでしょうから。」

クライマックス・フェイズ 「炎の魔女・サラマンダー」

サラマンダーとの対決

もしPCがサラマンダーの行いを見過ごせないというのならば、サラマンダーは対決も仕方なしと考える。
サラマンダーには善悪がまったくわからないので、何を言っているのかわからない。
でも、何かを止めさせようとしていることはわかる。
「申し訳ないのだけれど・・・私には何を言っているのか、全然わからないわ。」
「私が迷惑をかけていることが、どうやら問題になっているようなのだけど、私はそれがどういうことなのか良くわからないのよ。」
「太陽の光が嫌いだから、太陽を殺したことが、異様が好きな人にとって不愉快だというのはわかるのだけど、あなたたちがそうだというの?」
「しかし、話し合いで物事が解決しないことはわかっているわ。
あなたたちがそれを結論づけたならば、私はそれを尊重するわ。我がししむらを喰らって先へと進みなさい」
「私もここであっさり殺されたりはしないわ。
貴方達を喰らって私もまた先に進む。丁度鍋に入れる具材に事欠いていたことだし。
責めてこの満月の元、眠らして上げましょう。」

騎士団の介入

サラマンダーとの対決を避けたいと思うあまり、判断に時間がかかるようならば、ここで事態は展開する。
サラマンダーを倒すべく、ついにここに騎士団が訪れるのだ。
騎士団は山の麓まで訪れる。彼女はそれを迎え撃つべく、炎の車輪の馬車を呼び出し、それに乗っては山を下る。

騎士団はサラマンダーを「邪悪な魔女」「炎の魔女」と憎しみ、襲い掛かろうとする。その数は20人ほどである。
サラマンダーも向けられた敵意に対してはそれに合い相応しい反応を返す。
「あぁ騎士隊長。声を荒げてはいけないわ。まずお上品ではないもの。
そしてこれは大切なことよ?
私を怒らせてしまいますもの」そう言ってチロチロ口から火を洩らす。
・ ここで放っておけばサラマンダーは騎士団を殺しかねない。

魔女 対 騎士団

騎士団は吼えるだけ吼えた後動かない。ジリジリと包囲を開始していく。
サラマンダーは目を細める。サラマンダーも無言となる。
そして突然暗闇から弓矢が放たれる。弓矢はサラマンダーの死角から放たれたものであったが、サラマンダーには届かない。空中で巻き起こった炎に絡められ、まるで鞭か荒縄で縛られているかのように静止する。
「そんなことだと思ったわ。隊長さん。」

サラマンダーは大きく目を見開いて、口を耳まで裂けさせると、笑みを浮かべる。
「さぁて、炎の輪舞よ。毎踊り・踊り狂いなさい。」
彼女の広げた両手の内から、吐き出すと息から吹き上がった炎はたちまちに舞い上がり周囲に燃え広がっていく。
騎士達は炎に焼かれ、もだえ狂い転がりまわる。
→ こうなるとサラマンダーを倒さないと、騎士達を救うことはできないだろう。

ゼビウス

もしこれでも戦う決意が出来ない場合、サラマンダーに対して立ち塞がる人物が現れる。
テンガロンハットを被ったカウボーイ。獣の尾を風に流しては、風のように現れる。
その人物は、今まさに焼き尽くされる騎士を抱えて炎を飛びのける。
「サラマンダー。久しぶりだな。相変わらず元気そうで何よりだ」と銃を向ける。
「あら、ゼビウス。随分とふるい顔じゃないの。久しぶりね。」
・ 「お前の親父さんに頼まれてな。おいたはおしまいだ。」
それを聞いて怒りを露にするサラマンダー。

ゼビウスはここでは戦闘せず、サラマンダーをひきつけ、森の中につれていく。そして引き離したのちに一同の下に帰ってくる。この頃になると騎士団も皆一目散に引き上げていく。
ゼビウスは帰ってきてから一同に説明する。
・ 「久しぶりだな・・・といっても子供の頃の話だからな。おじさんのこと覚えていないかもしれんな。」
・ 「俺はゼビウス。ドミノやギャラガ、そしてサラマンダーとパーティだったシーフだ。」
・ 「ドミノのことは聞いている。残念なことをした。あいつは一人で背負い込んじまうところがあるからな。少しは俺の責任感の無さを見習ってもらいたいもんだ。」
・ 「冒険者の生き残りが待ちに戻ってきてな。心当たりがあったんで来てみたんだ。」
・ サラマンダーの父親について/「ああ・・・。まぁ顔見知りでな。」
・ 「サラマンダーが何をやっているか既に冒険者から聞いている。相変わらず問題ばかり起こしやがる。」
・ 「どうするべきか・・・わかるな」「ドミノならびんたして止めたさ。でも今はあいつも化け物みたいだ」
「正面から挑んで倒せればよし。倒せなければ朝がくるまで待たないとダメだな。朝になればあいつも動けなくなるんだが・・・。この魔法の夜をなんとかしないとならんかな。」

サラマンダーとの戦い

サラマンダーと戦う場合、あまりにもサラマンダーは強大である。
普通に戦っては勝ち目は薄いだろう。しかし、普通に戦って勝てるのならばそれはそれでありだろう。

サラマンダー CL9
メインクラス:メイジ
スキル:
コンセントレーション(魔法目標+1d)・マジックブラスト(マイナー/4・単体魔法→範囲選択魔法に)
フレイムロード(炎ダメージ+20)・ファイアボルト(メジャー/6・単体魔法炎8d)
フライト(メジャー/飛ぶ)・イフリートシマー(炎ダメージを1点でも受けると命中−1d)
リゼントメント(ダメージ時/10・魔法威力+94:1シナリオ3回まで)

サポートクラス:サモナー
ガーディアン(1シナリオ1回までダメージ無効化)
過去経験・なんとグラディエーターにモンク
サヴァイブ(フェイトを使い使用。防護点+14、魔法防護+9)
バタフライダンス(回避+1d)

生命点79  精神点94 使い魔90
魔法目標値 3d+13  ファイアボルト(メジャー/MP6) ダメージ:8D+20 命中−1d
マジックブラスト(マイナー/4・単体魔法→範囲選択魔法に)
リゼントメント(ダメージ時/10・魔法威力+94:1シナリオ3回まで1回でMPは0になる。)
リゼントメントを使用した後はファイアのバカの一つ覚えとなる。

回避  3d+6 防護点 物理防御14点 魔法防御30 エンド時に5点回復。

偽りの夜の終わり

サラマンダーを倒さず、天にある月に矢を放つならば・・・
天にある夜は矢を喰らうとヒビガ入り、ついには砕け散ってしまう。そこから光が差し込み、その光を浴びるなりサラマンダーは「ギャアアァァ!」と悲鳴を上げると倒れてしまう。
→ こうなるとサラマンダーはリゼントメントとクラン=ベル・スタイルの再生を仕えません。(何故か)
また修正として1ダイス減ってしまいます。
この月はサラマンダーの使い魔なので使い魔のMPも使用できません。
→もしPCが戦闘で倒せないようならば、これで倒したという扱い。

倒したサラマンダーを連れ帰るのならば、シナリオはクリア。エンディングフェイズとなります。

エンディング・フェイズ 「真相」

サラマンダーをバルフォルス卿に引き渡すのならば、バルフォルスは全ての事情を説明する。
「あやつは実はわしの娘なのだ。
幼い時のあやつは可愛らしい娘だった。
しかし、ある日珍しいことができるとはしゃいだ娘は炎を操った。
あいつの身には妖魔の血が流れていたようで、あいつは忌まわしき化け物だったのだ。
わしは由緒正しき貴族として、このような者を血族から出したことを恥じた。そしてあやつを光差さぬ牢屋に閉じ込めたのだ。」
「人の心とは恐ろしいもだな。始末するべき化け物を何年も殺せずに、生かしてしまった。
あいつは牢屋で過ごすうちに光を嫌い、炎を操る化け物に成り果てていた。それを始末するために呼んだのがドミノ達だ。
ドミノはあの妖魔を殺さず、連れて行った。」
「恥ずべきことだが、わしはあやつが野放しであれ、多少害をなすであれ、生きていてくれればと願う。」
「そこでドミノに依頼したのだ。」
騎士の死について/「わしの指示を無視して殺そうとしたのだろう。あの妖魔はあれでも自分からしかけなければそう簡単に人は殺さぬ。」

そのことについて、サラマンダーに訪ねるならば。
「私はずっとあのくらい地下室で暮らしてきた。
でもそれでも良かった私の世界は小さなもので、そこで生きるのは普通のことだったから。
でも外に出た後は話が違った。私は醜い化け物で、人々から忌み嫌われる魔物だったの。
私は父に何度も謝ったわ。生きていてゴメンなさい。生まれてきてゴメンなさい、と。
私は誰にも知られない夜の中にまた戻りたかったわ。」

報酬

こうしてPC達には報酬と経験点が支払われます。
サラマンダーをここで勧誘するのならば、サラマンダーをギルドのメンバーに加えることができます。
もしそうでない場合、サラマンダーはその生涯を暗い個室の中で過ごします。

サラマンダーは牢屋に〜そして闇夜に戻った魔女〜

そして彼女はその暗闇に帰ってきた。
光差さぬ暗闇の中、彼女がその居場所に戻ると、彼女の傍らに月の光が灯った。
その光は彼女の上で照らし蠢き、彼女はそれを見上げて呟く。
「あぁ、麗しの静寂よ。私はここに戻ってきた。
でも太陽よ安心してはいけないわ。私の月は私の憎悪を飲んでは、輝きつづける。
やがては私の手を離れ、この世界に夜の帳を落とすでしょう。」
そして彼女の笑みを照らし出す。

サラマンダーはギルドに〜そして闇夜に月が灯る〜

サラマンダーをパーティに加えるのならば、このギルドのメンバーとして協力してくれます。
・彼女が犯した罪はバルフォルスがもみ消します。
彼女の周りには何か小さな光の球体が回っています。彼女が近づくとなんとなしに暗くなったような気がします。
これが彼女の使い魔・「夜と偽りの月」です。
昼間の間はベッドで眠りつづけるサラマンダー。
寝ているかと思えば瞳を閉じているようで、彼女は入って来たPC達に話し掛ける。
「太陽の光はまぶしすぎてデリカシーのカケラも無いわ。何もかも照らし出してしまう。
ドミノはまぶしかったわ。そして貴方達も、まぶしいわ。
困った時は、私のところに来なさい。私はあなたが迷わぬための月の光になれれば、それでいいわ。」



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