シーザーVSレオン

あらすじ

このシナリオはヴィンランドのシーザーと、ディノギノス王国のレオンの対決を話しの中心として書き上げています。
今回はメインルートでは、ヴィンランドを中心に書きますが、レオン王のルートを選択することもできるはずです。その場合は、GMは内容をよく把握しておく必要があります。
このシナリオは
@ ヴィンランドの騎士となってディノギノスを攻略する話。
A ヴィンランドの侵略を阻止するディノギノス王国の騎士の話です。
 このシナリオにおいて両軍の将軍は全体的な流れを互いに打ち出して戦います。PCが関わるのは戦況を左右するいくつかの部分的な作戦ということになるでしょう。

ちなみに・・・

このシナリオは実際のプレイヤー同士の戦略上の対決を書き起こしたものです。
このシナリオでは裁定者(GM)を一人おき、互いがその場で書き上げた作戦を、裁定者に渡して侵攻するという「シナリオの無い戦略」を行った作品です。
そのためここに書かれている一連のシナリオは実際では完全な「読み合いから来る即興」でした。
レサ夫のシーザーは、13歳で国王となった人物です。その初陣の相手は、歴戦の英雄・タカタンのレオンでした。二人がどのように戦ったかをシナリオを紐解けばわかるはずです。

国説明

ヴィンランド

ヴィンランドは巨人族・妖精族(エルフ・ドワーフなど)・人間・ライカンスロープ・吸血鬼など多種多様な一族が住む大地です。彼等は互いに争いあい、長年統一することはありませんでした。それがある日現れた人間によって和平協定が組まれ、民族問題が収められたのです。これを行ったのが現在の国王シーザーの父親です。

ヴィンランドは非常に変った政権をしています。
王は指名制度で、決まるまでは定められた代理王が引き受けます。王に一度決まった場合、任期はありません。この制度では親子を通じて権力が継承されることはあまりありません。 ヴィンランドは宗教に左右されない独自の法律を作っています。その一つが部族の使命分割です。部族ごとに使命と役割があり、全体を通じて保管しあう関係です。
そしてもっとも不思議な法律に「死者の法」というものがあります。ヴィンランドでは死者が生者を訴える法律があり、シャーマンなどはそれに対して交信を行うといいます。吸血鬼やアンデットナイト等も好んでこの国に救済を求めます。ただし、その決定権と最良は全て国王にあり、国王は全ての権利と善悪の判断まで左右できるのです。この時国王は、自分の判断の下という了解が得られない場合は擁護しません。これが独善であることを理解しない死者は拒絶します。
このような独自の政権は主にシーザー親子の代で組まれた新しい法律です。ただし、その法律は近隣の諸国を恐れさせ、この国への不信感を招いています。

ヴィンランドは度々海岸沿いの近隣諸国を襲い、部族単位で大陸を害しましたが、今回の遠征が始めての侵攻となります。ヴィンランドが今回派遣するのはジャイアント(バイキング)などの部隊が主力で数は2万ほどです。一国の軍事力としては心もとない軍事力ですが、未開とされるヴィンランドではこの軍事力が無理なく侵攻する兵力のギリギリです。ヴィンランドの軍勢は、密偵や伏兵部隊などにエルフなども使っていますので、丙種はさまざまです。また指揮官にいる戦乙女の数がもっとも多いのもこの国の特徴です。

ディノギノス王国

対するレオン王は中央王国の流れを汲む国王で、その領地は広大です。
レオン王は革新的な政治を行っています。
レオン王は当時には珍しく市民に権利を与え、議会政治を作りました。その議会政治に辛酸を舐めさせられることもしばしばですが、彼の政治はほぼ成功しています。近代化に邁進し、小麦の栽培など、農業の進歩発展にも目覚しい努力を遂げています。彼は変革を求める王であり、その変革は過去を周到したものではなく、それらを塗り替えて新しい文化を発展させます。そのために古い穏健派・保守派の貴族達からはレオンは大変恨まれています。しかし、彼の政治の才能は誰もが認めるものであり、その行動力は市民の勝算を集めています。
ディノギノス王国は兵力が極めて多い国家です。国内兵力は10万近くいますが、領土が広いために、南方の大都市、南方にある山岳要塞、そして北の首都と三つの土地に兵力を分散せざるを得ません。実質的に領地を守る兵力は3万ぐらいでしょう。

この国には一つの悩みの種があります。
周囲の国々とは大変仲が悪く、戦争は絶え間なく続いています。
その理由はディノギノス帝国の前皇帝にあります。ディノギノス帝国の皇帝は大変な悪政を敷き、住民たちを虐殺しました。いさめる臣下は次々と処刑し、 「人の涙で杯を飲む」とさえ揶揄されるほどでした。レオンは当時、その暴君を守る近衛騎士として使えていたのです。また人々の虐殺に関わった暗黒騎士にもレオンは在籍していた過去があり、そこから出世して近衛騎士となりました。レオンは下克上も行った王ですし、従わなかった諸侯を謀殺などをした経歴もありますので、諸国の王の中にはレオン王を憎むものは多いのです。そのため、戦争は未だレオン王の治世でも継続してしまっています。

登場人物一覧

〜ヴィンランド軍〜

シーザー

シーザー(ジュリアス・シーザー)

癖の無い長い金髪の眉目秀麗な少年です。当時にしては珍しく片メガネをかけています(これは戦場では外します)。目か悪いのか、物を読むとき目を細めて読みます。また普段から視力が弱いのか、目を細める癖があります。話してみると、可愛げの無い理論家の子供です。年齢は若干13歳。
ヴィンランドの王シーザーはわずか13歳、この時代でも異例の若さで国王となりました。彼にとってこの戦が初陣となります。シーザーは若干13歳にして分裂する国内を纏めあげた逸材ですが、その若さゆえ、度々エゴイスティックな謀略を実行します。若くして死んだ父親の後を継ぐことを命題とし、度々無理な併合劇を行いますが、それは諸国の王からは危険視されています。
コンスタンス

コンスタンス

金髪に眉のはっきりとした年齢不詳の貴婦人です。口元にはほくろがあり、艶やかな印象を受けますが取り立て格別な美人というほどではありません。その仕草や物腰が魅力的な女性です。服装は活動的な赤い乗馬服を愛用しています。
先代国王よりシーザーの警護を命じられた騎士であり、不死身の呪いを受けているハイランダーという人々です。シーザーにとってはもっとも身近な人物です。
性格は礼儀正しく、また経験から来る知恵によって度々シーザーに進言します。シーザーとは相思相愛、親子以上の深い関係にあります。
剣術に大変秀でており、正統派の剣術を振るいます。その腕前はヴィンランドでも1〜2を争います。

ロロ

フィボルグと並ぶ、エディンという巨人の部族の族長の息子です。まだ若いながらも体つきは屈強で、すでに成人男性とあまり遜色はありません。シーザーは妹の友達という間柄であり、シーザーが国王になった後は弟のように可愛がっています。単純で直情型の傾向があり、物事を熟考することを嫌います。しかし、野生の感は鋭く、その勘を武器に戦場を渡り歩きます。戦い方は粗暴で凡そ技術と呼べるものではありませんが、その怪力から振るわれる一撃は、オーガの頭部を砕くと噂されます。 バーバラ

バーバラ

吸血鬼であり、シーザーの父親の代から仕えています。
年齢不詳の貴婦人であり、落ち着き払った口調で話しますが、享楽的な一面をもっているのか、愉悦の感情が前面に出ています。吸血鬼としての赤い瞳と口元の牙が特徴で、彼女を見慣れぬものは恐怖を抱くでしょう。シーザーに対しては生まれる前からの付き合いで、シーザーは幼い頃から付き合っていたこともあり、彼女も吸血鬼も恐れません。彼女にはそのようなシーザーの存在が大変面白くて仕方が無いのです。現在彼女は一族の一切の悪事を禁止して、シーザーの作った法律を遵守しています。彼女の気まぐれなのでしょうが、それによってヴィンランドは吸血鬼が問題を起こすことがなくなり、吸血鬼が友好的な種族にかりました。 マリエラ

マリエラ

ヴィンランド軍の女将軍です。
栗毛色の髪にキリリとした精悍なマユが特徴の美人で、表情は固く険しいものがあります。女性ながらに軽装の鎧を着、腰には常に剣を帯びています。
先代の国王が倒して傘下に加えた騎士で、ヴィンランドの建国時にはその片腕として活躍しました。軍事権限を掌握するまでの地位を得ていましたが、彼女は民族問題の解決など念頭に無かったわけで当時の軍隊は人間が主力でした。国王が急死すると息子のシーザーが全権を委譲できるように尽力し、後見人的な立場をとります。シーザーは彼女の元、軍略を学び、現在は師である彼女もシーザーを彼女も認めています。
性格は慎重さと勇猛さを備え、戦においてはその経験を武器に戦います。分別をわきまえ、権力欲などに捕らわれないことも彼女の魅力です。

〜ディノギノス王国軍〜

レオン

レオン=ガートランド

金髪で非常に美しい中年です。キラキラと輝き、長いまつげをしています。他の人々とはどこか違うような気品をもっており、時折貴族のような錯覚を受けますが、間違いなく武人です。一見して武器を取るようなん人物ではありませんが、その体は引き締められ、しなやかです。
中央大陸に覇を唱えたディノギノスという帝国の流れを汲みます。帝国が滅んだ後、それを母体に王国を建国し、それが今のディノギノス王国となりました。
レオン王は非常に革新的な王ながら、下克上などを使いのし上がってきた人物でもあります。そのため、諸国の王の中にはレオン王を毛嫌いする王もいます。
レオン王は暗黒騎士出身であり、彼は国王を守る暗黒騎士の唯一の生き残りです。暗黒騎士団の再編を彼岸にしていますが、残念ながら彼の望む逸材はいまだ揃いません。レオン王は人材を広く集めていることもあり、将兵にはことかきませんが、名将となると困ります。良将といえば数あれど、最高の将となると中々にめぐり合えません。

ドーベント

レオンに仕える騎士グラスコーの一族です。父親の代からレオンには仕えています。外見はさえない中年であり、癖のある髪を後ろに流しています。毛皮を鎧の上に羽織って飾っています。歴戦の戦士らしく顔には傷があり、また体つきも屈強です。表情は意外にも温和で、あまり人を威圧する雰囲気は感じられません。
暗黒騎士であり剣術に長けていますが、適材適所で働ける人物です。慎重な男であり、無理な戦は決してしませんし、王の意を汲むこともできるので、たびたび重用されています。 弟が二人いますが、二人とも不出来なために、他の騎士達には負い目を感じています。

クロード

レオンに仕える騎士グラスコーの一族です。父親の代からレオンには仕えています。ドーベントの弟にあたります。外見は二枚目であり美形のため、ぱっと見はいいのですが、時折人を不快にさせるような嫌な視線を送ります。性格は軽薄な女ったらしで、人を人とも思わない身勝手な男です。度々兄のドーベントにたしなめられます。彼は女を使った情報収集にたけ、自分自身も密偵としての才能を開花しています。間者としては優秀なのですが、王を呼び捨てにするなど、臣下としてはその振る舞いが目に付きます。

ゴダ

レオンに仕える騎士グラスコーの一族です。父親の代からレオンには仕えています。ドーベント・クロードの弟にあたります。筋肉の塊のような大男です。丸刈りの顔に斜視という外見をしており、始終よだれをたらすなど奇行が目立ちます。頭は大変悪く「おで・・・(俺)」などと会話もおぼつきません。
彼は見た目どおり豪腕で知られ、武力に一目置かれています。その実力は、中々のものですが、その暴力を度々部下や、占領地の民衆に振るうことで、悪名の高い人物です。ドーベントの弁護がなければ極刑になってもおかしくない人物ながら、レオンはこの一族を大変丁重に扱っています。レオンは部下を一族郎党まで面倒を見る君主なのです。

ウィンザルフ

この時代のレオンの内政官です。魔法使いとしても有能であり、軍隊の指揮なども行った人物です。
外見は豊かな口ひげを蓄えた初老の男で、アゴ髭はありません。身長は高めで、マユは太く、魔法使いながら威圧感のある外見です。味方によっては武官とも見えるかもしれません。
彼は頑固物で有名です。かつて当時の内政官だった父親と口論し、勘当されたこともあります。自分の信念に従って行動する彼は、中々人と折り合いをつけられません。そのウィンザルフもこのとしになってようやく人との議論ができるようになり、内政官として大成しました。彼の父親はレオンに仕えていましたが父親の死後、レオンに仕えています。
慎重な性格で博打は打ちません。堅実に堅実さを重ねるタイプですが、部下の意見など汲み取らないこともしばしばあります。苦言を度々呈する忠臣として存在感を誇示しています。 ブリジット

ブリジット

隻眼の軍師で知られる人物で、賭博師としての一面をもっています。レオンの参謀という人物ながら、それは時に友情以上のつながりでもあります。朋友といってもいいでしょう。
外見は長い黒髪・釣り目の美女で、隻眼の女です。年齢は不詳で、若くはありませんが十二分な美しさを持っています。女貴族といったいでたちをし、服装は赤色であでやかです。
性格は飄々とした人物で、斑があります。気まぐれで気分で仕事をする人物ですが、気分が乗らない場合は堅実な仕事を、のっている時は博打のような作戦を練ります。 元々は高級娼婦だったのですが、貴族にのし上がり、レオンと国を作ったという過去を持ちます。

ロレント

ディノギノスの騎士隊長で階級は低いものです。100人あまりの部下を指揮します。年齢は30代半ば、外見は白髪に近い金髪で、口ひげを蓄え、実直な雰囲気男です。瞳の色はブルー。階級の割りに優秀な男で部下の信頼も厚い人物です。有事に対する危機意識も強く、国家への忠誠心も強いのですが、彼の言葉は中々上には届きません。彼の同期はもっと地位の高い騎士になりましたが、彼自身は万年辺境の部隊長止まりです。それに対してあきらめと落胆があります。

主戦場の地形

北天騎士団城

ディノギノス王国は広大な広さをもった国家です。ヴィンランドとは海で隔絶されており、冬の間はその海も凍りつくことがしばしばです。
まず北部には「北天騎士団城」と呼ばれる要塞があります。元々この王国の騎士団として名前の知られる暗黒騎士団が拠点としていました。ここは北の侵略を防ぐ玄関口であり、城の周囲には山岳と渓谷という作りをしています。堅固な砦は難攻不落であり、正攻法で落とすのは不可能でしょう。この領地は周囲に都市などはない、完全な要塞です。内部には騎士が家族を集めて生活するだけの居住空間や、宿舎・兵舎もあります。

地方都市「カランク」

海岸沿いの貿易港へと向う道の途中に地方都市があります。この地方都市はさほど大きな都市ではありませんが、山岳地帯に発展した都市であり、堅固な場所です。取立て高い城壁があるわけではありませんが、切り立った崖が天然の要塞のようになり、渓谷の半ばにあるこの都市は関所のような作りをしています。北天騎士団城に何かあったとしてもここで防ぐこともできます。

貿易港「ネーデル」

北にある貿易港です。この港は海の玄関口として発展しています。領地の周囲は城壁で覆われていますが、決して防衛に適した堅固なものというほどではありません。精々夜盗山賊から商人を保護できるという程度のものです。人々の出入りも多く、中の民族も多種多様です。この開放性がレオンの政治の醍醐味です。

首都「パリシー」

この王国の首都です。この領地の中央は河川が走っており、周囲は盆地という地形になっています。都市は中央で分割されつつ、内部は橋などでつながれています。都市の周囲は城壁があり、大変堅固なものです。食料なども十分に備わっており籠城戦にも十分対応できます。ここを正攻法で攻めるのは難しく、激戦となるのは必定です。
この領地にはレオン王および、その家臣たちがいます。兵力は召集すればすぐに2万が集まります。

古都「アルモリカ」

首都の南西に位置とする都市で、大都市です。古い都市であり、かつてはこの都市のほうが首都より発展していました。この土地はそのために古い建物があり、文化も古いものが残されています。レオン王の斬新な考えは、古い保守的な派閥には受け入れられずこの都市にはやや温度差があります。ただこの都市はいまだ大都市として繁栄をし、この国の中心部としての力をもっています。城壁などは古く、あまり防衛に適した都市ではありません。

山岳要塞

首都よりは随分遠い場所にありますが南東に山岳地帯があります。この山は大変際しいことで有名で、そのために国境線としてもよく使われます。領土内に土地は都市としてレオン王が発展させました。レオン王は「マッタンホルン要塞」と称して、この難攻不落の要塞を自慢にしています。事実この要塞を落とすのはよっぽどのことが無い限り不可能でしょう。
周囲には山岳地帯・森林地帯となっており、街道といくつかの間道があります。

戦争の開始時点

ヴィンランドのシーザーは先手を取ります。
ヴィンランドが今回派遣するのはジャイアント(バイキング)などの部隊が主力で数は2万ほどです。伏兵を出しているので、兵力は1万5000ほどになります。
北天騎士団城の攻略が第一の戦になるでしょう。ただし開始当初は虚をつくために優勢に戦えます。
この時点でシーザーは人間の兵士を貿易港「ネーデル」に回してあります。この兵力は毎回貿易の度にわずかにはいっていますが、日増しに増え現在は5000人ほど入っています。

この時点ではレオン王はヴィンランドに対してマークをしていません。もともとヴィンランドのような野蛮な国に対しては大陸の人間は軽んじる傾向があります。そのためにヴィンランドに対してはさほど注意は払っていないのです。レオン王は隣接する諸国と関係が悪く、自分の腹心たちを南方の領地に送って警戒しています。

第一局面

北天騎士団城攻略

この攻略は起点となる大切な戦いですが、シーザーはあまり血を流すことを好みません。
この戦はPCに任せてみようというのが考えです。
・ ここではいかにして北天騎士団城に入るのかがポイントです。
・ 北天騎士団城の人々は警戒をあまりしていませんので、どうにかして誘い出せば突入し、城門さえあけさせれば内部を制圧できます。
・ 内部に入るにはいくつかの例があると思います。以下は参考を提示しておきます。
@ 城壁を上って潜入します。城壁は20メートル以上。落下したら死亡する可能性があります。この城壁は風が吹き荒れていますので、普通に登攀するよりも難しいでしょう。この方法では人数を大量にいれることはできません。内部に入った後、どうやって城門の警備をいなすか、そこが問題です。
  この場合ならば、どこかで騒ぎを起こして陽動してしまうというのが一番単純ではないかと思います。
A 領民の振りをして北天騎士団城の兵士をおびき出します。「夜盗に襲われている。」とでも助けを求めれば、兵士達をおびき寄せられます。その後に兵士で取り囲めば、だいたいの相手は拘束できます。このやり方は映画「ロビンフット」などでも使われています。
  この場合ならば、兵士達が帰ってきたことを装い、城門をあけさせて突入するのがいいかと思います
。 B 暴風雨に見舞われた商船などを装います。この風雨が吹き空けるまで待つことはまだ戦が開始される前ならば可能です。その場合商人を装い、中の兵士達に対して場外で休む許可を取れば相手も警戒はしないでしょう。普通はあれた海のある日に海を越えてくるとは考えていません。
  この場合はお礼としょうして酒を振る舞い、酒に眠り薬などを入れて兵士を無力化してから、内部に兵をいれるほうがいいでしょう。この方法が「三国志演技」で使われています。
→ シーザーはこの戦いで無用に血を流すことを嫌っています。
同時にこの後の戦いでは流血と武名が必要になることを知っていますので、血の気の荒いものにはそれをたしなめます。
PCが人を躊躇いなく殺すようならば、あえてこの戦いには出さないでおくことを考えます。「不要な流血は武人の名誉を汚すことになる」という考えです。

山岳の地方都市「カランク」

北天騎士団城を開場したあと、一同は直ちに兵士とともに山岳地帯の地方都市「カランク」への侵攻を開始します。
しかし、カランクはこの時既にシーザーの手によって開城し、選挙されています。
・ シーザーの腹心の一人・ハイランダーのコンスタンスはこの時先んじて行動を起こしています。
・ 彼女は配下を用い、北天騎士団城が攻められていることをカランクの兵士に知らせますが、この知らせで兵を出した後、背後「ネーデル」方面から兵を進軍し、その背後からがら空きの領地を奪ってしまいます。シーザーは略奪行為を固く禁止しています。それゆえにこの領地では略奪は行われてはいません。ジャイアント達はシーザーの知恵を恐れていますし、逆らうことをもっとも恐れています。
領地から打って出た兵士は、救援どころか逆に孤立するとシーザーは前後挟むように現れます。シーザーは彼等に降伏勧告を行います。
→ 兵士達もよっぽど血の気の荒いものたち以外は降伏するでしょう。血の気の荒いものも全体の流れには逆らうことはなく、領民に家族がいる以上涙を呑んで降伏します。

騎士隊長ロベルト

この時カランクの領地の中には、騎士100名がいまだ残っています。
彼等を指揮しているのはロベルトという男で、階級としては低いのですが、聡明で部署を守る大切さを「このような場合でも領地を空けるべきではない」と反対しました。
彼等は脱出することもかなわぬまま街が占拠されると領主の館に立てこもっています。
 → 一同はこの町を掌握したコンスタンスよりこのことを報告されます。
ジャイアントのエディンの部族の族長の息子ロロは、「100人など蟻をつぶすようなものだ」と笑いますが、シーザーとしてはここで無理に領主の館を攻めるのもどうかと考えます。この町の人々を無用に刺激したくはないのです。

● シーザーはここで誰かに立てこもった騎士の降伏勧告を任せようと思うと提案します。

この降伏勧告は、勝ち戦のおまけとあってあまり大した手柄にはなりませんが、シーザーの覚えはよくなるでしょう。このことである程度名を売っておくのもいいかと思います。

ロベルトの説得

騎士ロベルトの説得は以下のことをふまえて行う必要があります。
・ ロベルト自身は状況を把握しており、すでに勝ち目もなく、勝算もないことを理解しています。100人の部下たちもやりようがないことはなんとなく理解しています。
・ ロベルトは2君に仕えることをよしと思っていません。まして自国に兵を進めるようなことはできません。
・ 領民の危険をもっとも気にしています。占領地では略奪が行われることが常だからです。
→ ロベルトに大しては領民の安全を確約するだけでは、素直に降伏できません。部下の中にはそれでも納得できないものたちがいるのです。感情は論理とは違います。
  ロベルト自身はある程度「責任者として降伏を選ぶ義務」を感じています。
そのためロベルトは部下を納得させるために一騎打ちを挑みます。この一騎打ちに勝利した場合ロベルトの部下は、ロベルトに恥をかかせぬために降伏を決めます。

ロベルトに勝利し、ロベルトは生存・降伏した場合。

ロベルトは本心では降伏などしたくないと常に思っていますが、反乱や裏切りは武名を汚すだけです。今は捕虜として従うだけであると考えています。
シーザーはロベルトに対して才能を見出します。ロベルトに対して自分に仕えるように説得しますが、ロベルトはそれを当然のように拒みます。

 シーザーはロベルトを自分の傍において静観させることにします。
・ ロベルトは未だ祖国を残す身。いま降伏することはないだろうとシーザーも悟ります。ここは時間をかけて説得するしかないと考えてのことです。
・ シーザーはいやおうなしに何十年も暮らせば情が移るとも考え、その説得にはいくら時間をかけても構わないと割り切っています。
→ これには部下たちも大いに狼狽します。子供故の甘さと移り、シーザーの身を案じます。
ジャイアントのロロは「俺も傍を固めます」と提案しますが、シーザーは隙を見てはロベルトを試すか・殺すか・するだろうと考えます。ロロには任せられません。
PCが引き受けるのならば、それを承諾します。引き受けないのならば「お前などには殺されぬ」とロベルトに言い放つと自信ありげに立ち去ります。

貿易港「ネーデル」

この貿易港ネーデルにも同様にカランクでの交戦が伝えられます。
この情報に対して、ネーデルの領主はすぐさまレオンに対して、援軍要請を行い、相手が現れるまでの日取りを連絡します。
・ 彼の見込みは2週間というところです。カランクは中々に落ちないと見込んでのことです。
・ 彼の考えは手勢を率いてカランクを守り、防衛の時間を延ばしてレオン軍本体と合流し、ネーデルで対決というものです(これが虚をつかれる原因となります。)
→ シーザーはこの町は正面から戦っているところ、内部反乱で落とすつもりでした。しかし、領主が自分から出てきたおかげで苦労なく「カランク」同様に領地を奪取できます。
 この帰還は戦が始まってわずか3日。移動だけとしてもありえない時間です。全軍が昼夜を問わず馬をかけたような速さでした。

ヴィンランド軍・首都へ向けて行軍

シーザーも奪った領地の平定に4000を使います。またネーデルの防衛に対して伏兵500、兵士500を配置します。
貿易港ネーデルの守備
・ 「1000の兵士をもってネーデルを守るよう。」
→ この指示に対してネーデル派遣の部下は大変驚きます。「たった1000じゃ、あの土地じゃ守れない。5000は貰わないと」
「考えがある。もし相手が攻めてきたら、この書簡をあけよ」と指示をします。「字は読めたか?」(読めます。)


 北天騎士団城の守備
・ 「捕虜にした兵士の数は多い。4000の兵力を残すので、北天騎士団城にて守るよう。」
 → この時、北天騎士団城に残るのはマリエラという女騎士です。
   マリエラはシーザー同様に表情堅くあまり感情を表わしません。険しい視線の寡黙な女性です。シーザーは彼女に信頼を置いています。

レオン王・驚愕

レオン王に対して連絡が入るのはこの時点です。レオン王は大いに驚愕します。
たった3日で城が落とされることなどありえないのです。移動時間だけでも通常ありえないほどの早さとあってレオン王も援軍が間に合いませんでした。
レオン王にとって首都での戦いが初めてのものになるという避けたい展開となります。
・ レオンは直ちに騎士を招集し、軍隊を集めます。

ウィンザルフより

・ 「古都アルモリカは自治に近い状態を保っています。領主は旧体制派の貴族、彼等は人心も掴んでいます。そこから募兵すると抵抗もあるでしょう。」
・ 「首都2万の兵力を用い、ご自身の力をもって解決することが上策と存じます。」

クロードは情報を集めに走ります。

→ 次のフェイズではネーデルまでの3つの領地がどのように落とされたのかを知ることができるでしょう。

第二局面

<シーザーの行動>

シーザーはこの時点で兵力5000を南方、山岳要塞「マッタンホルン要塞」へと向けます。
この時プレイヤーが武名に自信があり、短期決戦ならば強いというタイプならば派遣します。また乱戦に弱い場合でも、ここに配置したほうが生還率が上がるので配置します。
ナンバー1の戦闘向きなプレイヤーはここでは、自分の主力部隊として首都侵攻軍に残します。
・ その命令は「途中で伏せて相手の将軍が通った場合それを捕らえるよう」にでした。
 → 部隊を指揮する将軍は吸血鬼のバーバラという人物です。彼女は「どの道に伏せたらよいものかしら」と訪ねます。
  シーザーは「相手は気取られぬように動く、早くても正面の街道は通らぬ。隠し道を通るであろう」と告げます。

<レオンの行動>

レオン王はここで現状の情報収集のために密偵を送ります。
この情報収集によってどうやって3つの領地が落ちたのか把握します。また相手が作戦を重んじる人物であることを把握すると、その対策を考えます。
この行動は同時に動いているので、この実行自体を相手があらかじめ予測していない限り阻害することはできません。

首都郊外の戦いです。

ここでの戦いはシーザー王 対 レオン王との直接対決となります。

暗雲立ち込める平原地帯での戦いとなります。やがては雨が降ることでしょう。遠雷がとどろき、両軍はその平原で対峙します。
その両群の前に歩み出る陰が二つ。両軍わ率いる互いの王、シーザーとレオンです。
シーザー 「英雄と知られるレオン王、戦場では礼をとらぬのがその習い、馬上での無礼を許されたい。」
レオン  「多年にわたる有効な関係を反故にしてまでの侵略とは感心せぬ。しかし降りかかる火の粉は払わねばなるまい」

 シーザー 「さすれば、まず何をもって勝敗といたします。武名を競い合うか、策をもって挑むか。」
 レオン  「しからば策をもってお相手しよう。」

レオンは主力・腹心を南方に派遣したままでした。武名のたつ武将はあまり手元にいません。一番の腕が立つのは己とあって、レオンはこの戦争の初期段階では作戦を取りました。 しかし、この時点でシーザーの罠が発動しています。
「策をすでに計っていた」シーザーですので、レオンはこれからが勝負と誤解してしまっていたのです。しかしシーザーはこの時点で作戦をほぼ終了していました。

シーザー

作戦会議

シーザーは天幕に会議場をもうけて諸将を集めます。天幕は組み立て指揮の住居のようなもので、足元にも絨毯をひいては居心地をよくするといった生活性も追及されている。天幕の入り口や戸口も飾られ、利便性と住居性、さらに装飾性もそなえているつくりをしています。
シーザーは落ち着き払った様子で、気負いというものはまったく見受けられません。その様子に、年齢のことに不安を感じる指揮官達も安心をした様子がみられます。
「いよいよ首都攻略戦だ。しかし、さすがレオン王といわざるをえない。伏兵を外におき、都を盾に防衛すれば、守りやすかろうというのに、郊外での決戦を望むか。都市の人々の同様を抑え、我が身を盾とする考えなのであろう。」
 → コンスタンスもそのようなシーザーの言葉に笑みを浮かべてしまいます。「敵をよく知り、認めることが、我が主君の美徳にございますわ」

シーザーの話

・ 正面からの対決に対して、何か意見が無いかとシーザーを問う。「この一戦なんとしても押し返さなくてはならぬ。かといって攻めに転じれば、相手も策を弄して迎え撃とう。」
・ 「恐らく相手は本気で兵を進めてこまい。正面からの力押しはレオン王は望まぬ。勿論別に策があろうが、それはこのシーザー、すでに手をうっている。お前たちは正面からの敵だけを引き受けてくれることに専念すればよい。」
・ 「誰かこの戦い。考えのあるもの、先陣を引き受けようというものがいるか。」
 → ジャイアントのエディンの部族・族長の息子ロロは名乗り上げ、「俺こそが先陣を飾るのにふさわしい」と名乗り上げます。
   ロロには作戦らしい作戦はなく。正面から相手を押し返すことを考えています。
勇猛振りには申し分ないのですが、シーザーは何か手を与えておかなくてはという不安を感じています。
 → この時PCが名乗り上げることがもっとも楽なのですが、もし名乗り上げないようでしたら、シーザーはPCに対して話をふります。
 「ではロロには副官をつけよう。よく話し合って戦に望むのだぞ。誰ぞ、副官を引き受けるものはいないか」  

シーザーは翌日の戦いに対して指示を与えておくという意味合いで、PCを呼びます。
シーザーの天幕に入るとシーザーは戦に対しておびえを感じている様子。表情も暗く、言葉数も少なくなっています。
・ 自分が立てる作戦に多くのものの命が失われるのだから、不安にならぬはずはない。
・ 大戦になるだろう。この一戦が最初で最後の大規模な戦いになろう。これが唯一の戦と思い力を振るってくれ。
・ もし全軍全ての運命を委ねる勝負を任せたら、それを引き受ける自信はあるか?

レオン王の作戦。

PCがいた場合は、この会議に参加できます。

レオン王は郊外の仮設の陣地・天幕の中で会議を行います。
この時レオン王が使うのは、兵士時代から用いていた作戦会議に使われる天幕であり、一国の国王にしては質素ですが、彼は気にしていません。ここを長年愛用しています。室内にはわずかに調度品なのか、武器と防具が飾られていますが、それも戦場では気になりません。
・ クロードの帰還は早いものでした。一同が集まったときにはレオン王はまだ来ていません。クロードはレオン王の椅子に座り、王の物まねなどをして一同を出迎えます。
→ その無礼な態度に暗黒騎士ドーベントは驚愕し、すぐに椅子から降りるようにと腕を引っ張ります。
  ゴダは笑ってばかりいて、話になりません。
  ウィンザルフは怒りのあまり顔を真っ赤にしています。しかし、波風を立たせないようにコトの成り行きをみています。直ぐに立ち上がらないと多分爆発するでしょう。

・ やがてレオン王が訪れますが、その時ウィンザルフは爆発、クロードを叱咤します。室内に入ってきたレオン王はそのやかましい声に閉口します。
レオン王は「よさないか諸君。ここは既に戦場なのだよ」とたしなめます。ウィンザルフはそれに従い平伏しますがクロードは肩をすくめます。
クロードは「そうだぞウィンザルフ」と言い返す有様です。

クロードの情報は正確なものです

・ ヴィンランドは北天騎士団城を攻略しましたが、同時に背後のネーデルに兵を伏せていました。北天騎士団城が落とされたとき、ネーデル方面の兵は進軍し、峡谷都市カランクへ攻撃。カランクはこの時援軍を派遣していたために、のっとられてしまいました。同様の方法で貿易港ネーデルも落とされました。
・ 作戦の詳細を知らない者達は、3日で駆け抜けるように都市を落としたと狼狽しています。魔法の力だという噂もあるぐらいです。

レオン王の方針は以下の通りです。

レオン王はネーデルに対して8000の兵力を派遣します。ネーデルから背後をつき、退路を断つのが目的です。
その間正面の相手をひきつけなくてはなりません。レオンは兵力で正面からの戦を行い相手の撤退を阻む作戦に出ます。

● 正面から相手と戦い、ひきつける役目はこの軍にPCがいた場合はPCに任せます。
  いない場合は暗黒騎士のドーベントに任せます。ドーベントはこの時、PCに対して手柄を立てさせる意味で、PCを部下として引き連れることを提案します。
  → ここでPCが引き受けることが望ましいのですが。勿論断ったからといってどういうことにもなりません。
● このネーデルへの奇襲はウィンザルフに任せます。レオンは慎重な彼の対応に期待しています。

首都郊外の戦い・開始

まずもって正面から両軍が激突します。

レオン軍の兵力は1万2000・シーザーの軍勢は1万ほどです。しかし両軍の意識はここでは大きく違います。
・ レオン王の目的は足止めです。相手に兵力を分散させない作戦を取ります。
・ シーザーの目的は相手に恐れさせることです。ここで戦に力負けしては、相手は兵力での力押しもありえます。自力の弱いシーザー達ヴィンランドには長期間の大戦は行えません。
シーザーは正面から全力でぶつかり相手を押し返すことを目的としました。
遠征軍にとって始めての戦ということもあり、この戦はヴィンランド軍の指揮が高いものとなります。

シーザーの算段

この勝負が危ないようでしたら、シーザーは余剰兵力をどんどん投与してしまいます。本人はこの一戦と区切るならばどこまででもやれるのですが、それでは被害は大きくなります。できるだけ話を小さくまとめるためにはPCにここで勝利してもらわなくてはなりません。 レオン王は旗色が悪いとなれば、相手を牽制して引き上げさせます。ここでの勝負を無理強いすることは本位ではありません。
やるぞと見せて相手の出方を見て引かせるつもりですが、場合によっては一度兵力を投与してでも引く必要があるでしょう。

両軍の激突

兵力は部分的な兵力対決からとなります。双方3000人が激突します。
この対決は兵力さの比率を無視して戦闘することもできます。その場合はPCは任意で戦闘の人数を増やすことができます。
この戦での勝利条件はどれだけ多く倒すかです。全体の中では微々たる一戦ですが、この戦いをいかに優勢にするか。それが大切なところです。

戦術

以下の作戦はPCがNPCと対決する場合に用いてください。
● ヴィンランド軍のPCの攻撃による場合は、以下の作戦はレオン軍の作戦です。
・ この作戦はレオンではなく指揮官ドーベントの独自の考えです。レオンは全体の流れを指示しても、ここの細かい動きは指定しません。
● レオン軍のPCの攻撃による場合は、以下の作戦はヴィンランド軍の作戦です。
・ この場合のこの作戦はシーザーが指揮官ロロに与えたものとします。

作戦1

@ 相手の軍勢との激突に際して、正面の軍勢の移動速度をゆっくり落とします。これによりまるで相手側の軍勢が優勢に戦い攻め上っているかのような錯覚を生みます。
A 当然両翼は突出する形になります。その後、その両翼は挟むように攻撃してきます。この攻撃までは時間がありますので、撤退の指示は出せます。
 ここで撤退した場合、相手は追い上げますので、そこで逆に被害を出す可能性もあります。

両方にPCがいた場合、上記の作戦はレオン軍。ヴィンランド軍の軍勢は以下の作戦を取ります。

ヴィンランド軍・作戦2

ヴィンランド軍は弓矢にての戦いを考えます。
@ 巨人が用いる弓矢の射程距離は非常に長いものです。それを一斉に射撃して、相手の接近を妨げます。この射撃は一斉掃射です。全体の動きを統括しなくてはならず、相手が急に動いた場合対応できません
A 相手が騎馬隊など機動力を重んじた場合、側面から回り込むことができます。その場合は、足元に張られた縄によって転倒を起こしてしまうでしょう。
これは相手の陣形を崩すための作戦です。相手の待ちの戦法を揺さぶるためのもので、それ以上の意味合いはありません。
→ その後は乱戦を挑んだ場合有利に戦えるでしょう。

PCが戦う場合、互いに相手の陣形や作戦を見て攻略してください。この動き@はある程度作戦に通じていればわかるものですが、最終的なところは判断に委ねます。

勝利条件について

首都郊外の戦い・終了

首都、郊外の戦いが終ると互いに天幕に帰って再び作戦を協議します。

ヴィンランド軍の陣形

ヴィンランド軍は周囲を柵で多い、前軍はその外周に配置してあります。この部隊は、柵の周囲の堀に身を隠し、その上に戸板を渡して足場とし、それによって隠しているのです。
最低限の警備は残していますが相手の奇襲部隊に対しては迎撃する陣形です。
・ 相手が正攻法で攻めた場合は逆に苦戦を強いられる可能性がありますが、逆に奇襲など数に限りがある部隊の攻撃では、戦果を上げるでしょう。
・ ここは勇猛で知られるジャイアント・エディンの部族ロロが初日は担当します。

夜の軍議

その日の夜、天幕にて一同は再び集まり、報告と軍議を行います。
シーザーの反応もその日の戦によっては随分変るでしょう。負け戦であった場合は、渋いものとなります。
・ この時貿易港ネーデルより手紙が届きます。その手紙を読んでシーザーは安堵し、内容を知りたいであろう部下たちに手紙を渡します。ロロなどは字を呼んでもらうためにPCに読むことをせがむでしょう。
・ 内容は以下のとおり、戦の結果が書いてあります。

貿易港ネーデルでの戦の報告

この時レオン軍は貿易港ネーデルに向けて派遣したウィンザルフの軍8000がついに到着します。しかし、この時相手の動きが実に奇妙です。相手の守る兵力はわずか500.しかも都市ではなく郊外に布陣しています。指揮官ウィンザルフは悩みます。都市から出たのは市民の反乱を恐れてならば納得できますが500の兵士では、とても守れるようには思えないからです。
ウィンザルフはここで伝令兵を出し、レオンに指示を仰ぎます。
レオンはその情報を受け取ると、熟考します。シーザーが策を用いて大軍を撃破していることを知っているからです。だからといって手をこまねいているわけにもいきません。
「一応兵を進めよ。おかしなことがあれば進撃は中止、この場では兵8000を失うことは大きい」というものでした。
その伝令を受けたウィンザルフは直ちに兵を勧めます。するとどうでしょう北欧軍は正面からの対決を避け、距離をとって迂回するではありませんか。しかし逃げるわけではなく、一定の距離をとります。このまま領地に入るのはまるで誘われているようです。ウィンザルフは進行を中断すると、引き上げをすることに決定します。

この時シーザーはこのような文面をしたためていました。
「相手が攻めてくれば、領地を離れよ。そうすれば領地を防衛できる。伏兵500は残したままにせよ」というものでした。
レオン王は今回の電撃的な侵攻作戦に対して、よく考察し、この戦の勝因が作戦であることを把握しているはずです。このような作為を見せられれば警戒するでしょう。伏兵をおいて何もしなかったのは、伏兵がいるという状況に気がつくだけで抑止できると考えたからです。

レオン軍のPCが自らネーデル開放に向う場合

ヴィンランド ネーデル防衛に対して

・ 伏兵部隊はここで遊んでいるわけではありません。
シーザーはここで一つのことを気にかけています。「自分の知らぬ将軍が指揮を執り事態を打開させる可能性です。」
退路を断つ作戦までは予想できます。そしてこの作戦は極秘に行わなくてはならないので、軍隊の数はそれほど多くはないでしょう。
指揮官に求められるのは、必ず勝つこと・そして慎重なことです。
→ レオンはシーザーに大して慎重な将軍を派遣するでしょう。
  しかし、その部下まで慎重か・・・そこはわかりません。特に第三の人物が現れた場合、この「はりぼて」といえる作戦は危険をはらみます。

そこでここは「少数で戦果を求める新参者・あるいはゲリラ戦を得意とするような冒険者タイプ」に対して備えます。    

レオン軍・貿易港ネーデルに潜入し内部を探る

この作戦をPCがやった場合、伏兵の情報は入りません。自分たちが調べなくてはならないことだからです。
町ではまことしやかに噂が飛び交っています。
・ 貿易港には何千という兵士が貿易商を装って潜入している。(事実です。コンスタンス率いる部隊ですが、その部隊の移動は済みました。)
・ 都市の内部には火薬が仕掛けてあって、相手の軍勢が入った場合、内部から焼き払う手はずが整っている。(嘘です)
・ ヴィンランド軍の兵士が倉庫としている場所が港町にある。
 → これはヴィンランド軍が金を出して購入した倉庫です。まだ金の受け渡しは済んでいません。この情報はヴィンランド軍が故意に流した罠であり、この倉庫を攻撃させることに狙いがあります。
  もしこの倉庫を攻撃した場合は、逆に倉庫の周囲が固められ、襲撃が行われます。この攻撃は50人で行われるので、一つのパーティでは不可能です。
  この襲撃の後、町の義勇軍・治安維持部隊を装って200の伏兵が訪れます。この伏兵に気を抜くと、万事上手く納まったと思ったときにポカリとやられてしまうでしょう。
  ここで捕らえられた場合は、シーザーの下に送られてしまいます。

(GMのみの情報)

一方レオンもこの時点で「シーザーに備えあり」と理解しました。8000が負けることも考え、直ちに別の作戦を開始します。
山岳地帯「マッタンホルン要塞」より兵を派遣することを決定しました。前後から挟撃すれば、状況は有利に転じます。索敵した結果、この時点ではシーザーの軍勢に察知した様子はありません。シーザーは兵士をわずかにも動かす様子はありません。

貿易港ネーデル方面がディノギノス軍に奪還された場合。

シーザーとしても由々しき事態です。しかし、シーザーは事態の解決をマリエラに一任します。

マリエラはこのような事態になったとしても動じません。

@ カランクの町に軍勢が来た場合、マリエラはカランクの民は非難させます。
カランクの民を移動させ、ネーデルに送ります。町が主戦場となるのですから、説得すれば非難するでしょう。断っても強制的に行います。
・ ディノギノス軍がカランク〜北天騎士団城へ向った場合、この難民達と出会います。難民の様子から、彼等が土地を捨てさせられたことがわかります。
→ ここで人々を避難された場合、人々の中に兵士をまぎれさせ、ネーデルに派遣します。ネーデル内部に伏兵を配置するためです。
伏兵として貿易港ネーデル内部に入るのは1000名ほどの兵士です。

A カランクに派遣する兵士が1000や2000なら地の利を用いて防衛することが可能です。その場合はただここを死守すればいいのです。
ヴィンランド軍の指揮官マリエラはこの町を防衛の拠点として使い、1000の兵士を派遣します。城には2000が残ります。
★ このカランクが主戦場となり、相手が大軍、または作戦を用いた場合、『万が一の方法』をとります。

「万が一の方法」

マリエラはカランクの町に相手の大軍を引き入れて焼き払ってしまうでしょう。こうなると相手の軍勢は大打撃を受けてしまいます。
出入り口には葦や芝草を積み上げ、封鎖してしまいます。突入した部隊は、逆に出入り口がなく苦しむでしょう。この土地の有利さは制限された出入り口にあります。それゆえ出入り口が封鎖された場合、内部に突入した軍勢は数が多いほど被害を受けます。
→ 相手が突入を拒んだ場合、タイミングがずれればこの手は防ぐことができます。ただし、この場合は相手への攻撃が中断されてしまうでしょう。

B カランク攻略の兵士が少ない・相手の攻撃が中断している間
この時ヴィンランド軍の兵士1000は船に戻ります。迂回してネーデルを海上から攻略するのです。海上から攻略した場合、内部にはあらかじめ伏兵1000名を派遣してあるので、前後から攻撃されることになるでしょう。
→ ディノギノス側のネーデル軍は窮地に立たされます。防衛するのはかなりの兵力を残す必要があります。

ここでネーデルをヴィンランドが再び奪取した場合、カランク側に派遣したガートランド軍が残っていても再び窮地に追い込まれます。
カランクの谷間の道は狭く、こんなところを前後から挟まれたら身動きが取れません。食料なども断たれてしまいます。
→ このままではやがては降伏するしかなくなるでしょう。

この町を焼き払うことはマリエラとしても避けたいところですが、いわば最終手段でしょう。
シーザーの考えをさっすれば決して選択したくはありませんが、将軍は勝つのが使命です。まして味方の退路を守る使命が彼女にはあります。
   シーザーはネーデルでの防衛に作戦を与えています。その他ネーデルの伏兵にも指示を与えているので、一応の対策はあるのですが、もしも突破された場合の考えです。

沈黙の戦

翌日からは見合ったまま、中々戦となりません。相手も何かを狙っているものと考えられます。その沈黙に対して、ロロをはじめ多くの将軍達は焦れてしまいます。
・ 「様子見に攻めてこよう」というロロの提案に対してシーザーは「ダメだ」と言い放ちます。
・ シーザー自体は固い表情をしたまま、動く様子はありません。彼は今不安と戦っているところなのです。

もしバーバラ隊としてPCが山岳要塞に布陣していた場合、相手の軍勢の別働隊と遭遇します。
土地は左右を分け入った森があり、その森に隠されるような細い小道となっています。森が姿を隠してくれるのは有利なのですが、同時にこの場所は奇襲に対して大変弱い地形です。
兵士達の隠れる姿をも、この森は隠してしまっています。安全や速度よりも、不意をうつ「奇襲」を選択したレオン軍はこの道をおのずと選んでしまったようです。
・ 相手の軍勢は数の上では多いのですがここでは数の有利は使えません。
・ 大将を捕らえることが最も手柄になる。ということは忘れてはいけません。討ち取ってしまっても構いませんが、捕らえたほうが評価は高いものとなります。
・ 一同の奇襲は、レオン軍の大将が中ほどにたどり着いた時に行われるのが筋でしょう。そこらはPCに任せておけば大丈夫でしょう。

相手の指揮官は奇襲に対しては警戒していません。自分たちが秘密裏に動いているものと信じきっているからです。
一同はこの襲撃で相手の大将と直接対決する機会を得ます。この戦いで大将を倒せば、相手の軍勢は混乱します。
   

将軍との対決

・ 戦に勝利した場合、バーバラは森の両側からドラ・太鼓などをならし、旗指物をふるって兵力が多いものとごまかします。山でこだました声と多くの旗指物によって兵士は混乱してしまいます。大将がいれば収められる事態も大将不在となれば混乱は極度になり、レオン軍をといえど同士討ちを避けて引き上げるのが手一杯です。
・ 数万の軍勢の奇襲などとの誤報が流れます。
→ 勝利した場合、バーバラは「大将首」または「捕虜とした大将」をPCに委ね、それを本陣につれていくことを指示します。バーバラは残りこの地に布陣します。
  PCがいない場合でも、この戦はバーバラが勝利を得るでしょう。しかし、PCが勝利を得ることが妥当です。

夜の軍議

沈黙の中での戦い。それが数日が経過した頃この情報が届けられます。
その日の夜、天幕にて一同は再び集まり、報告と軍議を行います。
・ 山岳要塞からの軍勢1万は、奇襲部隊に破れ散会してしまったというものです。その兵力はほとんど打撃を受けていませんが、レオン軍は数万の軍勢を相手に釘つげになったと考えているらしく兵を派遣できません。
→ PCが手柄を立てた場合、シーザーは胸をなでおろします。
コンスタンスなども大いに驚き「密偵などはまったく派遣しませんでした。いつお気づきになられたのですか」と訪ねます。
 「そうではない。こうなるようにもっていったのだ。
  相手に正面から攻めても埒があかぬ、ここは伏兵を用いて戦わなくては、と考えさせる局面を作っていたのだ。正攻法を消すことで伏兵を誘う・・・という奴か。
  ネーデルを攻め退路を断つことも考えただろうが、そこには備えをしてあったし、いずれは山岳要塞にも指令を出すのでは、と考えていた。」
・ シーザーは全軍を一時後退させます。これは考え合ってのことです。
・ シーザーは全軍をアルモリカへ向けたという誤報を流すことをコンスタンスに支持します。
・ シーザーはネーデルの人々には戦場となると告げ非難を促すことを指示します。この時、「どこへ逃げても構わないと、と指示すれば、人々は首都へ流れ込む」とつげ、人々を首都へ流れ込ませることを考えます。
・ ここでシーザーは武将たちを一望し声をかけます。
「誰かに命をかけてもらわねばならぬ。今までよりもさらに難しい使命だ。勝つことばかりしか許されぬ。敗北すれば此度の戦の全てを水泡に帰すだろう。
武名が必要だ。この戦は個人と個人・・・一騎打ちを必要としている。」
→ この一騎打ちにはPCが望むのが一番ドラマティックな展開でしょう。ただし、敗北は一切許されません。この戦いを失敗した場合、戦は敗北となります。
もし出なかった場合、シーザーは自分が出ることもやむなしと考えます。それには皆が反対します。シーザーよりは腕の立つものはいくらでもいるからです。
彼は、「負けた場合、罪なしとは言えぬ。罪を処されても責任が取れるのは私だけだ」と返します。「しかし、個人の体面よりも今は勝てるかが重要・・・」とも呟きます。

第三局面

首都の混乱

レオン軍の下には山岳要塞の奇襲部隊の敗北が知らされます。この時点でレオン軍の全体的な指揮は低下してしまっています。数の上での優位は動きませんが、戦をして勝利が得られないという不安感がぬぐえません。レオンもどうやって挽回すべきか、そこに頭を痛めます。

ヴィンランド軍が後退したことで首都に難民達が流れ込みます。難民達の中には伏兵がいるだろうと、レオンのみならず予想がされます。しかし難民を突き放す様子はありません。レオンは難民を受け入れ、都市へと続く門を開放して向かえます。
レオン軍はこの夜、アルモリカへ向けて騎士団を派遣します。アルモリカは北欧軍到来の噂を聞いて混乱しています。レオンはアルモリカ派遣に対して援軍を送ることで防衛を考え将軍のほぼ全てを派遣します。
・ 数知れぬ伏兵の入った首都の防衛は不可能とも考えましたが、レオンは王としてここに残り、国を守る決意を固めています。

シーザーはこの状況となっていよいよ出陣します。

この時伴うのは自分の周囲を固める警護とコンスタンス。一騎打ちを承諾した人物だけです。他のPCは警護の一角として同席します。
レオン王は城門を開け放ち迎えます。内部から混乱など起こされては領民の犠牲がどれほどでるかわかりません。

城門前の広場にて迎えるレオンの表情は敗軍の将とは思えぬ誇り高いものです。彼は正装して向かえ、帯剣しています。周囲を固める騎士を誰一人としておかず、その姿を見守るべく領民たちはレオン王を見守っています。

シーザー「貴殿がレオン王か?」
レオン 「いかにも」
シーザー「騎士達も逃げ去った問いのに、貴校は何故逃げぬ。」
レオン 「この国の騎士達は皆我が君命を受けて、領地の防衛に行った。逃げたもののとおらぬ。私がここに残ったのは私が王だからだ。」
 → シーザーがこれを問うたのは、レオンの心情を一般の人々に聞かせるためです。
これはシーザーにとっては大きなマイナスなのですが、礼儀として王に恥をかかせるわけにはいきません。

シーザー「我らの勝負。いよいよ決着をつけるべき時が来たようです。全ての勝敗は一騎打ちにてつけようと存じます。」
レオン 「なんだと」
シーザー「この一騎打ち、全軍を率いる王であるあなた以外に受けてふさわしいものなどおりません。またあなたを倒さぬ限り、この国は落ちません。
     全ての勝敗をこの一戦にかけたとてなんら恥じ入ることはありません。」

(PCが引き受けるのならば)
シーザー「私はいまだ若輩者です。代理を立てて構いませぬか。」
レオン 「異論は無い。」

レオンとの一騎打ち

ここでのレオン王との一騎打ちが最後の戦いです。レオンを倒すことができればこの国を取ることができます。
しかし敗北したのならば、シーザーは引き上げを決めるでしょう。全ての勝負を捨ててでもやらなくてはいけないと考えています。
・ ここでの注意は、レオン王を討ち取らず勝敗を決するべきだということです。
「この戦に恨みを残してはならない。レオン王はこの世界には必要な人物だ。勝敗が決するまででよい。」

注意点・シーザーの考えより

この考えは一見するとシーザーの甘さを見せているようにも思えますが、シーザーには確固たる考えがあります。
レオン王を討ち取ってしまった場合、人々の怒りを煽ることになるでしょう。そうすれば、勝利するどころか自分たちが都市を出ることすら危ないのです。
しかし、ここでレオン王との勝負に決着をつけることができれば、レオン王も民も納得するのです。そうしない限り、この戦争は侵略戦争として長く遺恨を残すでしょう。

レオン王に勝利した場合

 レオンを捕らえた場合、王への止めの一撃が入りそうになった場合、シーザーは「それまで」の声をかけます。
 レオン王はことここに至っては自分の負けを認めます。
 
シーザーはレオンへの降伏を署名させます。レオンはこの首都北部の全ての領地の権利を委ねます。
シーザーはレオンが全てを終られた後は、馬に乗り引き上げることを選択します。
「ここを出るのには支度がいりましょう。私はこれにて失礼します。明け渡しはその後で結構」ときびすを返して、立ち去ります。
・ レオン王もそのシーザーの対応には評価します。相手に恥をかかせぬ徹底したやり方に対しては、敬意を表するのです。

シーザー「あの国は戦によっては奪えぬ。敬意と信頼を勝ち得ぬうちにはな。捕らえている捕虜は皆、レオン王のもとへ返すとよかろう。」
    「ただしロベルトはダメだ。ここに残れ」
→ ロベルトもこの戦を見ては、もはや逆らう様子は見られません。敵であるロベルト自身が認めざるを得ない戦をしたのですから。

質問「レオン王は再び攻めてはきませんか?」
シーザー「レオンは恥を知る人物。こちらに非が無くばせめてはこまい。少なくともあれよりも敬意をもって戦わねばならぬのだから、すぐにとはいかぬ。その間に我々はあまりあるものを得るさ」

質問「領土の全ては取らないのですか」
シーザー「レオンは見事な王だ、我々ではそこまで統治はできまい。
それにレオン王には周囲に敵対関係の国々が多い、諸国との戦いは目に見えている。その時レオン王と同盟を結べば、ここの首都の人々の人心も集めやすかろう」

レオン王に敗北した場合

 レオンがPCに対して止めの一撃を放とうとした場合、シーザーは合間に割って入り、負けを認めます。
・ レオン王に敗北した場合、シーザーは約束どおり兵を引き上げます。
全ての勝ちを捨てて引き上げるシーザーに対して、レオンは礼を払います。「貴殿が成人した後、合間見えたかった」と言葉を送ります。
   シーザーはPCに対して、「勝敗は兵家の常。この見事な勝負に恥じ入ることはない」「胸を張れ」と言い渡します。

ヴィンランド軍の撤退

ヴィンランド軍はその顛末を聞いて驚愕します。ロロなどは「何も引き返すことはない。」と強く詰め寄りますが、シーザーはその言葉に耳を貸しません。
全軍に引き上げの命令を出すと、コンスタンスを呼び「ヴィンランド軍の士気は高く部下は命令無視し首都を攻めようとしている」という噂を流すようにと告げます。
こうしてレオンが首都防衛の布陣をとっている間、攻めんとして一瞬で引き上げてしまうのです。
・ レオン軍が追撃しようとしても間に合いませんが、レオンも無理な追撃はしません。
・ これはレオンが敬意を評しているからでもあります。ここで追撃するようなら一騎打ちなどなんの意味もないのですから。

最後に

ヴィンランドのシーザーはこの後、勢力をさらに伸ばし、中央大陸にその存在を誇示します。
またディノギノスのレオンもまた、その力を盛り返し、その勢力は衰えるものではありません。
この両者 シーザーとレオンはこの後何度も刃を交えていくことになります。ある時は仲間、ある時は敵として戦い会う運命は、この時から始まったのでしょう。

かくして一同にはそれにふさわしい報酬が支払われます。

ヴィンランド軍サイド

北天騎士団城を落とした。
 → 大きな手柄なります。名声に+3のボーナスを得て、報酬として部下には金貨30枚。指揮官にはさらに+80の合計100枚が与えられます。
また武器に追加ダメージ+30の基礎品質の武器を得ます。剣ならばさらに命中・受けの規準が+5・未改造を得ます。
   防具であった場合、防護点+30の装備となります。
   ※ ディノギノスには鍛冶屋が前もって準備されていますので、首都を攻略した場合、達成地30までの鍛冶屋から改造を受けられます。

ロベルトを降伏させた
 → 敗軍の将の降伏は圧倒的に有利な状況とあって手柄としてはたいしたものになりません。
   金貨50枚を渡されますが、名声はつきません。ただしこの手柄によってシーザーの覚えはよくなります。王の意思を組むことができる家臣は勝ちあるものです。
   シーザーは個人的な用件を任せたいということを伝え、自分の館への出入りも許します。

 首都郊外の戦を引き受けた。
  → 武人としては名誉なコトです。手柄としても大きなものです。
    戦に勝利した場合は名声に+3のボーナスを得て、報酬として部下には金貨50枚。指揮官にはさらに+120の合計150枚が与えられます。
将軍を倒した場合、肉体能力値を永続的に+1上げるエリクサーが与えられます(ランダムで決定してください)。

山岳要塞の奇襲軍の敵将を捕らえた
  → 武人としては大変名誉なコトです。手柄としても大きなものです。
    戦に勝利した場合は名声に+3のボーナスを得て、報酬として部下には金貨30枚。指揮官にはさらに+80の合計100枚が与えられます。
追加ダメージ・減少ダメージを+1d6上げるエリクサー1つが与えられます(選択して獲得してください)。

レオン王を討った。捕らえた。
  → 武人としては大変名誉なコトです。手柄としてもこれ以上大きなものはそうは無いでしょう。
    戦に勝利した場合は名声に+10のボーナスを得て、報酬として金貨500枚が与えられます。
魔法の武器・または防具を与えられます。この装備は破壊できません。また持ち主が命を落とすまで、必ず手元に戻ります。
改造はできませんが、現時点でもっているもっとも品質のよい装備と同じデータのものとします。
★今回の報酬で武器防具を改造した場合でも有効です。
   ※ ディノギノスには鍛冶屋が前もって準備されていますので、首都を攻略した場合、達成地30までの鍛冶屋から改造を受けられます。

というのが今回できる手柄の全てです。レオン王を捕らえれば、諸国に名が知れるほどの手柄でしょう。

ディノギノス軍サイド

貿易港ネーデルを奪取した。その他の北部領地を掌握した。 → 一回の戦の勝利ごとにカウントします。何回戦がおこることになるのかはわかりません。
戦に勝利した場合でもヴィンランドは舐められているので名声は低いです。名声は+1のボーナスとなります。
報酬として部下には金貨30枚。指揮官にはさらに+80の合計100枚が与えられます。
追加ダメージ・減少ダメージを+1d6上げるエリクサー1つが与えられます(選択して獲得してください)。

→ 北天騎士団城までとった場合は大きな手柄となります。
戦に勝利した場合は名声に+3のボーナスを得て、報酬として部下には金貨50枚。指揮官にはさらに+120の合計150枚が与えられます。
将軍を倒した場合、肉体能力値を永続的に+1上げるエリクサーが与えられます(ランダムで決定してください)。

 首都郊外の戦を引き受けた。   → 武人としては名誉なコトです。手柄としても大きなものです。
    戦に勝利した場合は名声に+3のボーナスを得て、報酬として部下には金貨50枚。指揮官にはさらに+120の合計150枚が与えられます。
将軍を倒した場合、肉体能力値を永続的に+1上げるエリクサーが与えられます(ランダムで決定してください)。

   ※ ディノギノスには鍛冶屋が前もって準備されていますので、達成地30までの鍛冶屋から改造を受けられます。

レオン軍は最後の一騎打ちをするのはレオンですから、これ以上の報酬はありません。

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