幻想戦記リプレイ シーザーVSレオン

エンディング・フェイズ

イギリス=アバロンのエドワード

シーザーは後に英国の皇太子エドワードと会談を行っている。

GM  「シーザーから振られた美味しい話に誘われて遠路はるばる訪れたのは、腹黒皇太子・万年敗戦男エドワードである。煌びやかな癖ある金髪・口ひげのダンディーな美形中年だ。
当然尊大な感じにやってくる。『北欧のこぞうっこが呼びつけ追って』と、内心はドキドキ」

シーザー「大陸侵出を狙うあなたがたに、うってつけの話を持ってきたのだが。」


シーザーはここでなんと獲得したフランスの領地を買い取ってもらおうという商談をもちかける。
エドワードは大陸進出を彼岸都しながらも、持ち前の武運の無さで万年敗戦・加えて戦となればどれだけ優勢でも必ず敗北するという、負け星のジンクスを持つ男である。
確かに喉から手が出るほど欲しい領地ですが・・・


GM:エドワード「ほぅ。・・・話はわかった。」

シーザー「あなたにも悪い話ではあるまい。」

GM:エドワード「ふ、このエドワードに火中の栗を拾えというのか。征服国の国内統治の難しさに国を売却しようという魂胆は見え見え。無論私の政治手腕を用いれば、フランスとて手懐けられる・・・しかし、ねぇ?」

シーザー「しかし?」

GM:エドワード「その高額の支払いはふっかけすぎというものだろう・・・?」

シーザー「あい。わかった。私もそう思っていたのだ。今回は遠いところからご足労申し訳なかっ―」

GM:エドワード「は、話は最後まで聞こうよ!買うよ買いますよ。(笑)
やだなぁ。駆け引きを最後まで楽しみましょうよ!」


GM  「ではシーザーはレオンへの賠償金要求は?」

シーザー「しないよ。利潤は全てエドワードから貰う。
エドワードは武力に自信が無いから政治の安定には内政を使うだろう。フランス国民の人気集めを行いながら、まずは先行投資額の回収に勤しむだろう。あの地方の安定はしばらくは続くと見た。
少なくとも今回の出費はイギリス=アバロン。国土を金で買えるのだから美味しい話だ。」

GM  「バイキング達への報酬はその金からおりると。」

シーザー「その予定だ」


後日談より
シーザー「今回の作戦の真の目的だけど、それはしばらくの間休戦状態を大陸で作り上げることでした。
我々北欧はユトランドをとったばかりですし、しばらく戦はできません。
フランスのレオンは国力がありますから、やがて動き出すでしょう。ユトランドはレオンと戦うのは運命です。
英国アバロンは大陸進出をもくろむ国で、レオンを単純に破っただけでは背後をついてくる可能性があります。
レオンと仲の悪いアレキサンドリアは国力が溜まれば出兵したがるでしょう。
そこでレオンを弱体化させ、アバロンに借金をふっかけ、アレキサンドリアに大義名分を奪う、という手法をとってしばらくの平和を用意しました。
当時の時代背景では、アレキサンドリアとフランス・ガートランドの戦いは激戦。しかも長く続いていましたので民も国も疲弊していました。
こういうことでもしないとダメだろうなって13歳の国王は考えたわけです。」


そして両雄・・・

GM  「破れたとて国民の心をつかみ部下の信頼を得たレオン。国内に正式に敗北したことを告げという結果になる。
国民はそれに対して、心を砕いたが、生活は今のところ何もかわっていないというわけだ。」

レオン 「そうですか。この国はイギリス=アバロン統治となりますか。賠償金の支払いも無く、将兵に被害がないことは救いです。どうやら、今後はこのアバロンと政治の舞台で、闘争を繰り返していくことになるようですね。」

GM  「そう、そしてレオンの周りの将軍達もそのレオンの力になるべく皆が敬礼する。」


王城に集る文武百官。そして国民の前に立つレオンの演説は、敗者のそれではなかった。
レオンは誇りをかかげ、胸を張って演説する。

レオン 「・・・諸君。どうやら今回のところはこのレオン=ガートランドの負けのようだ。
しかし、近い将来我が国は再び独立し、この大陸に覇を唱えていくだろう。
ここに、私と諸君等の姿がある限りな。」


GM  「ヴィンランド・ユトランドの人々はこの大戦果に狂喜する。
バイキングは大陸にその名を轟かし、蛮族とのそのさげずまれも畏怖へとなるだろう。
十分な報酬と富を得たヴィンランドの快進撃は始まったばかりである。」

シーザー「人材集めないとな。」


一つ戦いを終えて、再び王座にもどった若き少年王。

その表情は硬く、顔色を変えることは無かったが、親しいものはその僅かな機微にも気がつく。
「今、陛下微笑まれましたね?」
シーザー「・・・(笑)」


やはり、シーザーは最後まで何も語らない。でもその行いは時として雄弁である。
行いが彼もまた一人の王者であると物語っていた。


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