◆◆◆ミドルフェイズ 6◆◆◆ Sympathetic magic 〜青嶋北斗〜 |
GM:というわけでアレなんだね。PC2。コギト。今、北斗の周りを徘徊しているところなんだね。
コギト:「なあなあ。大地が『出れないかもしれないけど野球の試合がなんたらかんたら』って言ってたぞ」
GM:と、君がそのようにして情報を送ろうとしているところなんだが……。
コギト:あ〜不便だな。
GM:場所は女子トイレなんだね。
コギト:……まあ、性別があるわけじゃないからいいんだけど。
GM:暗がりから覗き込んでるわけだけど、水で満たされた洗面台に頭を押し込まれている北斗の姿があるんだね。
押し込んでるのも女の人。「マジムカつく!お前はさ!」
コギト:な……なんか、突然すごくハードなシーンに!?とりあえず押し込んでるほうに体当たりしてみようか。ポン!
GM:体がない。まだ。
コギト:あ〜もう!丸いのに!丸いのに!(←さっき決まった)ど〜したらいいのコレ!?
GM:そうだね。すり抜けていき、まあ、情報は手に入るんだよ。〈調達〉できるんで。
コギト:どれ。(コロコロ)
腹を殴られた。顔もはたかれた。けれど、北斗は相手にしない。「すいません。私もう帰りますから」
そんなスカした態度がムカついた。
コギト:なにかできないのかな。19。
彼女、赤羽タカコは青嶋北斗が大嫌いだった。
青嶋北斗はスカしていると感じている。多分いい家に住んで、幸せな家庭なんだろうと妬んでいた。
GM:ちょっとしたことでカチンと来たみたいだね。
こいつは多分、万事そつなくこなす天才肌で周囲とも距離をおきながらも普通に付き合っていた。自分は凡人。
コギト:いやいや。凡人ここまでしないから!!
好きな人に告白したら断られた。青嶋北斗が好きだという。
ささいな口論からいつものイジメ癖が出る。中学の頃から繰り返していた。これで推薦入試を取り消された。
GM:ただね、彼女の情報もちょっと不思議なところがあるんだろう。
北斗から大量の情報物質が飛び出してる。ビュンビュンビュンビュン溢れてる。
コギト:なるほど。ある程度は取るけど……相手にも伝わるように残しといたほうがいいな。
GM:相手は全然拾わない。なんか〈意志〉で弾いてる。
コギト:ん〜。これかぁ。これなんだよ、このATフィールドを崩壊させる方法は何かないのかなぁ?
GM:彼女は「死ねよブタ!」と言うんだね。……その時奇跡が起こった。
コギト:「なんだ!?」
「死ねよブタ!」
その時奇跡が起こった。
北斗は手をバタつかせ洗面台の蓋を抜く。水が流れ出ていく。しかし、髪が引きずりこまれ詰まる。
頭が上がらない水が抜けない。
赤羽タカコは言った「死ねよブタ!」
コギト:「危ないっ!?ちょっと何か出来ないの?望みなさい!!」
GM:じゃあ、ここでわかること。赤羽の後ろにクラウドが浮かんでるんだね。
コギト:「うお〜!クラウド!?」
赤羽は手を離す。
でも北斗は頭を上げない。上げられない。
バシャッバシャッともがき苦しむ。何を必死になってるのかわからない赤羽は嘲笑う。
「バッカじゃないの?」
赤羽の後ろの空にクラウドが浮かんでいた。
GM:クラウドが願いを叶えてくれてるんだね。「死ねよブタ!」を。
コギト:よりによって!?「なにか望みなさい!望みなさい!!」
GM:「苦しい」「死んじゃうよ」「私がいなくなったらお父さんも大地も」
北斗は頭上げられないからバシャバシャともがき苦しんでいるけれど、赤羽は「バッカじゃないの?」っていう風に言ってるね。
コギト:なにか情報拾えませんか?
GM:じゃあ、緊急情報物質調達を。
コギト:なにそれ!?
GM:とにかく拾わなければいけない。
コギト:目標値は!?
GM:とりあえず、10なんだけど。
コギト:(コロコロ)よ〜し!もう成功してるけど、レベルアップできるかもだ!
GM:「死にたくないよ〜」って言ってる。
コギト:「よ〜し!叶えよう!!」ピコーン!
GM:はい。というわけで、この時である。
赤羽はようやく事態に気が付く。
おかしい動かなくなった。引っ張り上げてみる体が重たい。髪が引っ掛かっている。抜けない……。
狼狽する赤羽。
真っ青になって放れる。
途端に駆け出す。
「私のせいじゃない!勝手に死んだんだ!あんたが勝手に!」
GM:彼女の情報も。多分彼女もこれを望んだわけじゃない。
コギト:まぁ……そりゃそうだ。
GM:クラウドが願いを叶えた結果によってここまでの事になってしまったというのがあるだろう。
コギト:う〜ん。
GM:多分、ちょっとずつのことをクラウドが背中をプッシュしていってこうなったんだろう。
コギト:なるほど……。
GM:北斗はしばらくそのまま垂れ下がっていたけど、君がぶつかって行くと滑り落ちるんだよ。
コギト:いけない。
GM:倒れてからしばらくして、突然ゲーッと水を吐き……。
水を吐き戻す。
意識が覚醒する。
体中に走る悪寒と震え。体が冷たい。
トイレの床に尻餅をつく、体を支えられない。水の流れていく洗面台。
思い出し、跳ね退く。
ガチガチ震える。
怖い、怖い、怖い
震えが返ってくる。歯が噛み合わない。涙が止まらない。
情報物質が溢れる。
コギト:お〜ぅ。(コロコロ)10だから……19。(←情報物質を獲得したらしい)
GM:「怖い、怖い、怖い」って言ってるね。
コギト:手を添えよう。……手はないのかな?
弘:手が出来たぁ〜!!
GM:手が出来た。黒くて丸くて手が出来た。
コギト:黒くて丸いの!?お腹は柔らかい。
GM:喋って「うんめぇ〜」と言う。
一同:(笑)
コギト:とりあえずお腹は柔らかいだろうから擦りつけよう。
GM:なんか柔らかいものが擦りつけられる。それはわかる。
でも、彼女はなんかあんまり事態が。ちょっと混乱しまくってるみたいなんだね。
コギト:むぅ〜。
GM:いろんな情報が出てる。「弘に会いたい」とか「絶対に会いたくない」とかね。
コギト:う〜ん。
GM:「心配させちゃダメ。怖い、怖い、怖い」みたいな。
コギト:結局息は吹き返したのかな?
GM:多分ちょっと経ってからだろうね、こうやって動いてるのは。20分から30分みたいな。
コギト:ボクの願いを叶える力は無くなってしまったんだろうか……。
GM:いや。多分彼女は、あの時一回死んでるから。
コギト:……ということは叶ったのかな?
GM:叶ったんだろうな。「死にたくない」を叶えたんだろう。
コギト:そうか……。まあ、いなくなるよりは……。クラウドも色んなところで叶えているんだな。……ふぅむ。
GM:北斗はそれからヨロヨロと立ち上がるんだね。
GM:弘の方は……今日は校門の前に北斗の姿はないんだね。珍しく。
弘:う〜ん。じゃあちょっとしばらく待っていよう。
GM:ちょうどこの時、赤羽が飛び出していくのが見える。
コギト:「私のせいじゃないからね〜!!」
GM:そんな感じだろうね。結構日も暮れてしまい……まだいる?
弘:じゃあ……んー…。しばらく待って来なかったら…帰るよ。
GM:そうだね。帰る。北斗、それからしばらくした後に、まあもう日も暮れてただろうね。ヨロヨロ出てくる。
コギトも一緒に付いて来てるからわかるけど。
コギト:ポキュポキュと付いていこう。(←足音)
GM:そうだね。「付いていこう」という風に思うのでハッキリわかるけど、
自分は今ある程度確定的にここに存在しているんだね。
コギト:あ、ついていくとい言ったからか。
GM:こうなると、固定が始まるわけだ。体が。
要するに、どこでもわかる情報を得ようとしてしまうと存在しないことになる。
しかし、どこかに存在することでそこに触れられるようになる。
コギト:そっかぁ〜。触れようとしたしなぁ。
GM:でも、これでクラウドと連絡が取り辛くなったんだね。
コギト:そっか。でも、多分クラウドにとっては些細な事なんだろう。
北斗は家に帰るとしばらく放心していたが、お風呂に入り髪を乾かし、すぐに横になった。
メモ書きを机に残しお金をおく。
『調子が悪いので今日は先に休みます。晩御飯は何かこれで買って下さい』
GM:で、500円を置く……と。で、帰ってきた大地が、なんか怒鳴ってるのが聞こえるね。
コギト:「……色々あったのだよ」
GM:〈射撃〉しろよ。
コギト:〈射撃〉かよ。ないんだよなぁ。(コロコロ)おぁぁ!いったぁ!9だ!
GM:ああ……。大地はねぇ。布団で寝てる北斗を蹴ろうとしてたんだけどね、なんか……理由があるのかなと思った。
で、ポツリと言うわけだ。「500円じゃなくて1000円出せよ!死ねよ!ブタ」
コギト:ひどっ(苦笑)
GM:一応大地は気を遣ったんだろうけどね。でも、布団の中で北斗はその言葉にビクついて涙を零した。
コギト:……仕方ないかな。想像もできないだろうし。
Copyright(C)ゴスペラードTRPG研究班 (c) 2012.