◆◆◆ クライマックスフェイズ  ◆◆◆ Miracle trigger

(Miracle trigger・・・・・・奇跡は起きるかもしれない。)



GM:……そしてクライマックスフェイズ。

コギト:マヂかよ〜!バトルあんのか!

GM:ダイスを振ってくれたまえ。侵食率。

コギト:さよなら……。

弘:それぇ!(コロコロ)1。

コギト:うらやましいね。(コロコロ)……8。もう、どうにでもして。
なんかもう〜これだけ目が高かったらクリティカルもきっとするよね。……チクショ〜!

GM:よし、じゃあいこうか。



列車が山中に入ると増設された線路へと切り替わる。ここから先は新たに作られた線路だ。
勿論地図上は存在しない。
教授が極秘に個人的に作った施設へと続いている。

施設は地下にあり、内部はラボになっていた。
施設内部にあるプラットホームから下車した一同は内部に向かう。
研究施設ではバリケードが貼られ、職員が恐る恐るしている。

医務室に北斗が運ばれる。
内部は簡素な作りで、ベッドと机に丸椅子1つというものだった。


弘:「まだ全然安心はできないんだけどね」

コギト:「まったくだ」

GM:北斗の様子は……これはコギトにはハッキリわかる。すごい様子が悪い。

コギト:「まずい……これ、どういうことなんだ?」



北斗の様子がおかしい。
頭を割られてから、言葉は出なくなり、殆んど動きもない。

金沢教授はスプレーをかける。ふさがった傷跡は、揺らすと割ける。
「多分、傷の情報も入ってきてしまっているんだろう。」


コギト:「くっ……どうしたらいい!」

GM:ここで、コギトは恐るべきこに気付く。



コギトはおそるべきことに気が付く。
自分は普通に会話をしている。情報物質のやり取りが無い。
わからない。

弘:それ超深刻なんじゃないの?

GM:進化して人になってるっていうか。人ッポイ生物になってきているっていうか。

コギト:「……ホントだ。よく、わからなくなってきた」



みんなと同じ世界情報を手に入れた時から、自分は力を失いつつある。
もはや奇跡誘発物質では無くなろうとしていた。


コギト:ひとつの物質か。



しかし……まだ微かに見える。

北斗から物質が出ていた。


コギト:〈調達〉してみるか。



可哀想に北斗の物質は穴だらけだった。認知症のお父さんと同じような状態だった。表情も作れない。


コギト:まずい〜じゃないか!?これは、あのお父さんと同じ状態。

GM:〈調達〉できる。まだできる。

コギト:(コロコロ)ん〜、ザラッと振ったけど、10がいっぱいあった。(コロコロ)……41。これまでで最高の目です。

GM:わかることか。



自分達を探しているようだったが、目の前の自分達を認識できず、怖くて怖くて不安がっていた。
無表情な瞳。眉が八の字になる。


コギト:わかんないんだ。周りに誰がいるか。あ。これは……あれができるんじゃないか?
一度やった事がある。少し状況が違うが……あれはできないか?



GM:金沢教授は言うね。「脳に障害を受けた。本来なら生きてはいられないんだが、こうなると、もう辛いだろうな」


あんなに色々な事を考えていた北斗の思考はもう殆んどなかった。
ただ時折穴の空いた物質が飛ぶばかりだ。


GM:コギトも、あと幾つ〈調達〉できるだろう。もしかしたら次が最後かもしれない。

コギト:マジか。

弘:これさぁ……真白からコンタクト取れない?

GM:……やってみるか。これはね……。〈RC〉だね。

弘:(コロコロ)11。

GM:真白が頷く。これがわかるんだよぉ。北斗が今なにを思っているかがちょっとわかるんだよ。



北斗は弘の事を思い出した。
コギトを可愛いと言って、あの時絵を描いたり、弘は・・・びっくりしてた。


コギト:「北斗ぉ〜!!」

GM:でも、目の前にいるのが認識はできないんだよ。コギトにも北斗の考えてることが伝わってくる。



大地が野球で打った時の記憶とかを思い出していた。
その記憶すら砕け、もうじき何もわからなくなるだろう。

大地は北斗の手を握って泣き続けた。
「お姉ちゃん!大地って言って!言ってよぉ!」


コギト:〈射撃〉できるはずだ。大地のあれで埋められないか?

GM:その時、通信が入るんだね。「誰かね?」と金沢教授が助手に尋ねる。「その、UGNからです。」

コギト:ほう〜。



UGNから通信が入る。
画像は無い。音声情報だけが入ってくる。
「私だ。御堂だ。」
「やぁ御堂君。」


「内部に入ったジャームの引き渡しを願う」
「何故そこまで彼らを危険視する?」
御堂は黙る。


金沢「言えないなら、私が言ってあげようか?
コギトと巨大ミラクルウイルスには相互関係があるかも知れない。
コギトは、ちゃんと我々の意図を持って接触できる存在だ。
コギトは自分の意思でより大きな奇跡を起こせるかもしれない。君たちはそれを危険視している。
コギトを捉えて解明する気かね。いやぁ…駆除かな」

御堂「金沢……非常に危険なものなんだ。巨大レネゲイドウイルスが観測されてから、
この町では1000人近くのオーバードが生まれた。殆んどはアルタードショックで自然死したが、
明らかに人類の存在を脅かしている」


コギト:1000人!

GM:周りからも「来ました!UGNです!」という通信が入る。

コギト:はぁ〜。



「博士。来ましたUGNです」
「時間は稼げないかね」
「受付の守衛さん殺されました。駄目でしょう。」


コギト:……やりよったな。もう、完全にやる気やねん。



「そうか。」
「どれだけ時間を稼げばいいですか……」
「1時間頼む。1時間で世界を変える」

地響きが始まる。
いよいよ攻撃が始まったのだ。容赦無い火砲によりバリケードは次々破壊され、
部隊の突入が始まる。
戦闘要員のいない施設の掌握は時間の問題であった。


コギト:くぁ〜!

GM:「よし。こっちだ」と金沢教授。二人を案内する。「北斗ちゃんも連れてきて」

コギト:「どこに行くんだ?」

GM:「やりたいことがあってね」



金沢教授は巨大な望遠鏡のような装置を見せる。


GM:「実は観測施設を作ってある
巨大ミラクルウイルスに情報物質を送る末端ウイルス、それがここにある。弘の家のアレと同じだ。」

弘:「はぁ〜」

GM:「それを使えば、巨大ミラクルウイルスとコンタクトができるだろう。
それは多分君にはできるんじゃないのかな?」と言ってコギトを見るわけだ。

コギト:「そういうことか!最後でも惜しくはない!」



GM:「ただ、君は今ミラクルウイルスの力をほとんど失いつつある。失敗するかも知れない」

弘:「ふぅ〜む」

コギト:「……なるほど。具体的にはどうしたらいい?」

GM:「おそらく、私の考えだと……北斗ちゃんはミラクルスプレーを使うだけでは駄目だ。
本来存在する傷の情報物質を全て除去する」



コギト:「なんだそれは?」

GM:「情報物質を獲得するとその情報物質はそこには無くなるんだ」



「彼女の状態は穴だらけの情報だ、そこに情報物質を当てはめる。
これができるのはミラクルウイルスだけだ」
「もしかしたら直る。理論上は少なくとも改善するはずだ」
と言ってるけど、あんまり説明する時間が無くなってくるんだね。表では銃声が聞こえ始める。


弘:「じゃあその間、僕は外で時間稼いでりゃいいわけですね?」

GM:「ご一緒するよ」と言って、彼もいくんだね。コギトに振り返り。
「私もそれ以上の事はもはやよくわからない。ただ、観測施設から君はコンタクトが取れるよ」とね。

コギト:「うむ。コンタクトを取る」

GM:「それ以上のことは奇跡を頼るだけだ」

弘:「ミラクルってことか」

コギト:「ああ」

GM:そして、大地君にスプレー缶を渡し「うまくいったら、お姉ちゃんにかけなさい。お姉ちゃんは助かる」

◆◆◆《弘と金沢教授組〜ラストバトル〜》◆◆◆


GM:……そしてラストバトルなんだね。この時コギトは観測施設に。
弘は装甲服に身を包んだエージェント達が乗り込んでくる。5人1グループだ。
5つのトループ。これが一番弱い最後の敵。

一同:(笑)

コギト:いやぁぁ〜。

GM:ここでかぁ〜みたいな(笑)。

弘:範囲攻撃ないなぁ。「教授〜さっき投げてたカバンみたいのないんですか?」

GM:「スプレーがあるけど、カバンのデータはもはやない」

弘:「じゃ、普通にやるしかないよね」

GM:「そうだね。あ、でも、ちょっとあった」と言いながら、マシンスパイダーの拳銃を取り出す。「さっき拾った(笑)」。

一同:(笑)

GM:「これでいい。君は白兵の方がいいだろうね」

弘:ああ〜。侵食率節約っていう点では武器もいいんでしょうけど……。

コギト:節約とかもうわけわかんないよ。

弘:まだ、大丈夫そうなんでいいや。

【1ラウンド目】

GM:というわけで戦闘だな。君の目の前に走ってくる奴ら。行動値は……。

弘:5!

GM:相手からだ。奴らの行動値は……16。

弘:超速い!


エージェント:行動値16
弘:行動値5


GM:ボルトアクションライフルという銃を抜いて撃ってくる。

コギト:いやな物を持ってる。

弘:痛いの?

GM:マイナーで命中値を5上げて……〈射撃〉。命中値は(コロコロ)17だ。

弘:あれって、やっぱダメージ痛いのかな?

コギト:そんなに痛くない。

GM:御堂が指示していてダメージが12点上がる。

コギト:おぉ〜い!来てんのかよ!最悪だ。最低でも20点。

GM:裏には御堂というオーヴァードが一人。

弘:なるほどね。普通に避けよう。(コロコロ×5)避けた。

GM:避けたね。こっちの番は終わりだね。教授達も撃ち合ってる。君の番だね。間合いは10m離れてるよ。

弘:変身して終わり。

GM:じゃあ、このラウンド終わりで。

【2ラウンド目】


GM:次のラウンドも撃ってくる。目標値を決めておこう。(コロコロ)20だ。

弘:22!

GM:22なら避けてるね。で、向こうは間合いを詰めてこない。

弘:なんで?

GM:まず銃で撃ち払って……。

コギト:そういえば真白のときもそうやってたね。

GM:そう。

弘:近接攻撃はないと。

GM:そうだね。というわけで、そちらの方もバリケードを立てて戦ってるって感じだね。
君がやられないから、すぐには詰めてこない。時間は稼げてるんだろう。

◆◆◆《コギトと北斗〜ラストバトル〜》◆◆◆

GM:ラストバトルのコギトのほう。クラウドについにコンタクトを取る。最後のコンタクトだろうな。



クラウドは巨大な念積体であった。
古今から続く生物……こと人間の願望を『縁起と不幸』に特定することで存在した巨大な奇跡誘発物質は、
いわば情報の固まり。



コギト:なるほど……。

GM:そして、思い出したことがある。



思い出した。
自分はかつてクラウドだった。物質が安定する為に特異な部分を分離することで
自分はクラウドから分離・誕生したのだ。
自我は自分はクラウドではないという認識から始まった。



コギト:そうだったんだぁ。あの時から全てははじまっていたのか……。

GM:そう。要するに増殖して切り離す。
その繰り返しの果てで君が存在し「それはクラウドではない」というお互いの認識から、自我というものが形成されたんだ。

コギト:なるほど……これはウイルスの営みと言ってもいいのかもしれない。



クラウドの姿は人間の認識によって生まれていた。
不運やカルマ、災いを悪魔の所業と見た人々は、クラウドを忌み嫌い恐れた。

実際のクラウドの姿はない。クラウドはやはり奇跡誘発物質で自我の存在しないものなのだ。

クラウドは人間の情報の過程で生まれた個性を排出し安定していたので、自分はいわば人間の個性と情報の産物なのだ



GM:クラウドの情報からちょっとわかる。コンタクト取った瞬間にわかるんだ。



青嶋北斗の死
相原真白の死
ありとあらゆる不幸はクラウドが誘発していた。



GM:クラウドはほぼ全てのミラクルウイルスに指示を出していた。不幸な未来の願いを差し出し、『これを叶えるように』。
今コギトにもクラウドの大量の物質が送られていた。人生が全て塗り変わるほどの情報物質が。

コギト:「ぬぁぁぁぁ〜!?」

GM:クラウドの目標値は100です。

コギト:100!!

GM:〈RC〉判定100。この目標値に敗れたとき、コギトの自我は消滅してしまいます。

しかし、この目標値に達した時に、クラウドに自分の情報を送る事ができます。

コギト:こ……これは。聞いたことない・・・まさに神の値だ! できるのか







人格が砕ける。
情報や経験は人生を用意に破壊し、今までのアイデンティティーを喪失させる。
いやそれだけではない、クラウドはそれを吸収しているのだ。
全てを喪失してしまう。
おそらく自分はただの奇跡誘発物質と成り果てるだろう。

その時、今まで集めてきた全ての情報物質が溢れ、自分の形成を開始する。



GM:君がこれまで得てきた大量の情報があふれ自分を形成していく。

今まで獲得してきた情報は……(メモ用紙を覗く)44個!

コギト:それだったのか!



GM:まず達成値に+44の修正が付きます。

コギト:うぅむ!

GM:しかし、同時に自身の崩壊を意味する。圧倒的な情報差の本流はコギトを押し流していく。意識が喪失を始めた。

コギト:ほぉぉぅぅ……。コギトが消える!?



GM:その時、進化の過程で喪失した感覚が復活する。





膨大な北斗の生涯は 情報物質となってはじけようとしている。
北斗が消え失せる前に流れ込むのは、認知症の父の情報。
リンクし北斗が得ていた山田銀次の情報。大地の情報。





GM:これらはコギトの達成値自体を+4D上昇させる。

コギト:おおおお。関わってきた人達の情報だ!コギトのロイスだ!

GM:さらに弘からも情報が送られる。真白が来てくれたのだ。





真白ウイルスは、情報物質の固まりだった。
弘との出会いや、弘の情報。真白の情報。忠司に金沢の情報も流れ込んでくる。





GM:これでさらに4Dだ。そうだね。実はここで戦闘の時、なんか入っちゃった情報が入るのよ。
六本刃の李、そして大熊からの情報。そして残り二人は……これはいらないや、となった瞬間に消えてるんだね。

コギト:なるほど。

GM:さらに2D振って。

コギト:ああ〜。そういうこともあるな。



GM:というわけで、君はこのダイスを振れるんだね。10ダイスか。

コギト:10D+44で100出すのか。

GM:いや10ダイスは達成値がそれぞれ上昇する。だから平均値で90〜95になっているはずだ。
最後の判定はダイスで5以上が出れば、成功するだろう。

コギト:それフィフティ。実際そう思うんだけどさぁ。この判定は……エフェクトじゃないよね?

GM:エフェクトじゃないね。

コギト:《コンセントレイト》は使えない?

GM:関係ないね。これは……そうだね(笑)。

弘:ここで出さなきゃ結局崩壊だよ〜!?



コギト:《狂戦士》は使ってもいいか?

GM:《狂戦士》。ダイス増えるんだっけ?

コギト:次のメジャーアクションのクリティカルが−1、そしてダイスが増える。

GM:クリティカル−1はちょっと有効ではないとしようか。でもダイスが増えるのはいいかな。

コギト:……いってみますか。

GM:足りない時はロイスを切ってくれぃ。

コギト:それしかない。

GM:(笑)じゃあ、そういうことだね。

コギト:まず、精神で2D。

GM:これをすることで、わかってくことがあるんだね。君、どんどんミラクルウイルスに戻っていく。

コギト:そうか……。そうだな……。

GM:うん。

コギト:侵食率194。……《狂戦士》を使うと199。

一同:199(苦笑)

GM:あぁ〜?(笑)

コギト:ちょうど200にいかなかったな。



GM:ああ、ロバ氏にも教えといてあげるよ。この人の人間関係が一番大切だっていうのを決めていいんだ。
それがSロイスになる。最後まで残ってると経験値が増えるんだ。

コギト:じゃあ……。

弘:この流れだと北斗なんだけどさぁ……。

GM:まだわかんない。エンディング終わるまででいいんだからね。

コギト:もう……悩むことはないだろう。北斗に取っておこう。

弘:う〜ん。

コギト:ほう……!

弘:とりあえずお父さんの分昇華させちゃったんで。

GM:お父さんはないね(笑)。

弘:昇華済なんで。



GM:では、どうぞ。

コギト:そして……。(コロコロ)よしっ!いってるはずだ。ダイスボーナス合計+出目は64だ。それに44で。

GM:いったね。

◆◆◆崩壊◆◆◆

弾丸の暴発、落盤、あらゆる機器の損傷と暴走、訓練されたはずのエージェントに広がる動揺。
人が思考を保てないのも仕方無い。
膨大な情報がやり取りされる場所で、巻き込まれた人間の自我など容易に欠き消えていく。
あらゆる現象が荒れ狂っていた。

ミラクルウイルスは覚醒と変貌を引き起こす。
全ての情報が荒れ狂うこの世界では、人はもはや肉体も精神も・・・その存在の原型をとどめてはおれないのだ。


弘:ああ……!

コギト:ふぅむ……。



コギトは全ての情報を放出した。
それはクラウドと混じり合いクラウドも自分同様に変化消滅していく。
全ての自我が消えてなくなる刹那、自分は願いを叶えられる。


GM:つまり、君はミラクルウイルスに戻ったのだ。

コギト:そうか……。

GM:願いを叶えられる。さて、エンディングフェイズに。

次へ

リプレイへ

トップページ

Copyright(C)ゴスペラードTRPG研究班 (c) 2012.