◆◆◆ ミドルフェイズ 28 ◆◆◆ 大熊権蔵 〜ビッグベア〜 |
GM:というわけで、その翌日。朝なんだけどね。大地を迎えに行く。
コギト:「大地〜」
大地は朝北斗を見て驚いていた。北斗は全身包帯グルグル巻きになっていた。
さも自然な姿を装う北斗、大地は心配そうに見上げる。泣き出す一歩手前の顔だ。
「お姉ちゃん……どうしたの!?」
北斗「ちょっと……怪我しちゃって♪」
大地「嘘!じゃあお姉ちゃんなんで泣きそうなんだよ!」
北斗は息が詰まる。説明できない。
膝をついて北斗は大地を抱き締める。手が震える、唇を震わせ瞳が潤む。
まるで助けを求めているのが北斗のようにもみえる。
抱き締められた大地の表情がこわばる。大地は北斗のシャツを捲りあげる。
大きな傷が出来ていた。裂けた穴の傷。
大地は顔面蒼白に思わず北斗を突き飛ばす。
大地は恐怖に怯える視線を北斗に向ける。混乱恐怖拒絶。感情が高まり見開かれた目。
大地は叫び声を上げて飛び出した。まるで突きつけられた現実から逃げ出すように――
GM:一方、北斗、追いかけられない。
北斗の目も大地同様だった。いや大地よりも余りにも悲痛なものだった。
守ろうとした者につきつけられた嫌悪の視線、
拒絶、孤独な北斗を癒していた家庭と日常が砕けていく。
追いすがろうと伸ばした手に悲鳴を上げる大地。
GM:大地が何か物質を零していく。
コギト:(無言でコロコロ)
GM:一方、北斗のそばにいる弘にも、電話が来るね。
弘:「はいはい?」
GM:「もしもし。金沢だよ」
弘:「どうしました?」
GM:「大変なことになったみたいだ。
君の方になんか、新たにUGNが刺客を送ったみたい。そんな話がこちらにも傍受できたよ」
弘:「え〜!?」
GM:「なんでも、Sランクスイーパーってのがあそこにいたらしい」
GM:「物凄く強い奴が」
コギト:あれだよ!あの滅茶苦茶な奴だ!
GM:「まさか、負けると思ってなかった御堂は、特別攻撃部隊を申請。
弘:「え…〜と。今からダッシュで逃げたら間に合うかな?」
GM:「私の場所はあそこだ。え〜と……車両のトコで待っている。
しかし、なるべく急いでね。そのSランクスイーパーを撒けるかどうかの自信まではない。
……だが、やるしかないね。そこで待ってる」
コギト:はぁはぁぜぇぜぇ……。とりあえず17だよ。
GM:大地の情報。大地は公園に逃げようとしている。まず、それはわかる。
お姉ちゃんが死んでしまうということから逃げたかったんだね。
お姉ちゃんが死んでしまうという直感。突きつけられたソレに大地は耐えられなかった。
お姉ちゃんをずっと嫌っていた。「死ね」なんて酷い言葉を投げ掛けた。
後悔してる。
ホントになるなんて思わなかった。
大地はお姉ちゃんと一緒に暮らしたい。病院に連れて行きたいけど、そうしたら帰ってこない気がする。
GM:……公園だね。コギトがやってくるわけだ。やっぱり座り込んでしまう。
コギト:「むう……。コギトも何か言うのは難しい……」隣に座ろう。
GM:まあ、どけたりしないね。大地は「お姉ちゃん死んじゃうのかな……」と言うね。
コギト:「……なんとかしたい」
GM:「治るんだよね?」
コギト:「なんとかしよう」
GM:「ホントに治る?」
コギト:「コギトは魔法生物らしい」
GM:「約束できる?」
コギト:「ふむ!」
GM:泣きそうな大地。
コギト:「約束しよう……」
GM:大地は上を向いて、君に視線を合わす。大地も君の感情がなんとなくわかるんだろうね。可能性が低い。
でも、がんばろうとしてる。それは、北斗とおんなじような感覚だろう。「うん……約束だよ」
コギト:「うむ」
GM:と、言ってる時である。
コギト:なにっ!?
GM:ふと見下ろすと、何か巨大な影が君の後ろのほうから……。
コギト:まさかS級かぁ……!?
後ろには巨大な男が立っていた。
男は毛むくじゃらで40〜50代。熊のような男だった。
窪んだ小さな目には瞳は無くただ赤い光を放っていた。
GM:〈調達〉できるよ。
コギト:な……なんというか。魂の抜けそうな感覚がした(笑)。なぁにぃこれぇ!?
一同:(笑)
コギト:(コロコロ)14だよ。
GM:じゃあ、わかる。彼はUGN。名前は大熊権造。エージェントである。コードネームは『ビッグ・ベア』
彼はUGN。名前は大熊権造。エージェントである。
6本刃とは親友の間柄にあり、彼は友を殺された憎しみから、独自に行動。
仲間の制止も聞かずに復讐に乗り出していた。
長く山中で生きていた彼は人と獣の狭間の存在であった。
倒しに来た6本刃とは戦いの中友情が芽生え、彼は人ではないかもしれないが、相応しい居場所を手に入れた。
しかし、友の死により彼は暴走を始めた。
いきるために刃を振るうなら人。しかし、ただ憎悪と憤怒の固まりならば果てはジャームである。
彼はジャームになるだろう。
コギト:なにこの情報!なげぇ!?
GM:彼の口元から笑顔が零れ、そして言うわけだ。
「化け物が家族団欒か?虫がよすぎるんじゃねぇのか」
「見てな。このままお前の家族が引き裂かれて死ぬのを!俺の苦しみを味わえ!」
GM:というわけで、彼のターゲットは大地君なんだね。
コギト:こぉいつ!
巨大な男はさらに体躯を巨大に変貌すると全身は毛皮に覆われる。
両手には巨大なカギヅメ、口にはキバ。その姿は巨大な熊そのものだった。
コギト:クマー!?こぉりゃ熊だよぉ!?(笑)
GM:でっかい化け物のような熊だ。
コギト:まずいわ。まぁずいわ。(弘に視線)
GM:追いかけるでいいよね?(笑)見てる?
弘:追いかけようか。
GM:ようやく二人バトルなんだね。北斗も走っていき、弘もやってくる頃には……公園に巨大な熊がいるわけだ。
GM:大地も見上げて「熊だ〜!」というわけでボス戦だ。一人目。
コギト:ぬ?これ!?こんなのが4人もいるの!?ボクもう無くなっちゃうよ!?
GM:ホントだ。あと一歩で無くなっちゃう。
コギト:一歩とかそういう問題じゃないよ。ロイス一つでも切ったらおしまいだよ。
……いや、一つっていうか3倍振りしてもダメなんじゃないか?ダメだろうコレ?(錯乱)……まあ、いいや。
GM:よしっ。というわけで戦闘だね。
北斗:行動値8
弘:行動値5
コギト:行動値4
大熊権造:行動値3
GM:相手は《フルパワーアタック》を宣言するね。
コギト:行動値遅いのは助かるねぇ。……でも、また《復讐の刃》じゃないよね。
GM:違う違う。桁が違う。
コギト:桁が違う?S級?
GM:まず、北斗が一気に走っていって斬りつける。
コギト:「気をつけろ〜!」
GM:30点ぐらいだね。チーンといった。
コギト:チーン?
GM:権造のボディにそれが当たると、凄まじく固められた腹筋はその一撃をギィンと防ぐわけだ。
弘:「マジすかぁ?」
コギト:「超硬い!」
GM:硬い!手に持ってる刃。銀次の刀から情報物質が零れる。
コギト:こんなにダイス振ったことないってぐらい振ってるけどどうしたらいいの!?(コロコロ)16!
GM:この物質が、相手の硬さが装甲値50だという事を教えてくれる。
コギト:チョーガッカリなんですけど!……関係ないか。
GM:さらに《加速する刻》を使用。熊は北斗に攻撃するんだね。目の前だからね。
コギト:ふざけんなコノヤロー!
GM:ダメージが85点ぐらいなんだね。
コギト:滅茶苦茶強いよ!
GM:北斗、滑り込むように前に倒れ、かわしきれずに転倒。なにかが折れ砕けて大地の足元に転がる。
北斗の左手の肘から先が無くなってるんだね。
GM:大熊は避けられることを想定して親指だけ角度をつけ立てており、それが引っ掛けただけだ。
コギト:北斗に《リザレクト》はないの?
GM:北斗は実は100%超えてるんだ。早いんだよね。
コギト:そうか。覚醒が。溜まってたのか。くそぅ!……どうしたらいいんだ。
GM:「お姉ちゃ〜ん!」と思わず叫ぶ大地。考えてる暇はない。
弘:とりあえず、殴ればいい。
GM:うん。どうぞ。こいつ回避はできないんだ。《巨神獣化》を使ってる。巨大化すると回避ができないんだ。
コギト:マジか!それ。とんでもないHPなんじゃないか?
GM:そうだよ。え〜とね。200。コイツ死ぬまでこうやって手を振り回すだけね。
コギト:ふぇ〜!
弘:……17。
GM:当たる当たる。ダメージダイスは+2Dだね。
弘:33点装甲無視。
GM:33点入った。装甲無視じゃなかったら通らなかった。
弘:……50%ぐらいか。
GM:次は《加速する刻U》。熊の攻撃。さらに北斗に攻撃するんだね。
コギト:このやろ〜!
GM:大地の目の前で北斗を殺してやろうと思ってるんだね。
一撃の刃が振るわれる。その時、北斗のスカートから刃がジャラララと流れてくんだね。それは6本の刃のようなもの。
GM:それは回転してしばらく回っていくと《八重垣》盾になるんだね。
コギト:うぉぉ〜!ちょちょちょ〜い!……すごいねぇ。
GM:一撃防ぐ。これで、この北斗の防御も終わり。
コレを見ると、北斗は物に触ってその物質に因果関係のあるエフェクトをかなり使えてる。
コギト:そうみたい。
GM:なんかあれに近いんじゃないの?銃夢のケイオス。
コギト:お〜。サイコメトリー。
GM:今のは実は……。
コギト:あいつのだね。
GM:そう。あいつの技をそのまま使ってるのね。
コギト:なぁ〜るほど。
GM:そして、刀は銀次のものだよ。
コギト:なるほど〜。では!コギトが使うのは〜ピコーン!《さらなる力》《狂戦士》!!
とりあえず……えらいことになるんだけど。
GM:なっちゃうから。
コギト:なにがなるかって言うとぉ。
GM:折り返しだからね。ゲージの。
コギト:折り返しっていうかこんなの見たことないんだけどさぁ。エフェクトがぁ?
弘:+2!?
コギト:いやぁ、まだ+1だよぉ?なんていうか、ダイスが1個増えちゃうですからねぇ……弘がダイスを8個増やし、
クリィティカル−1でもう一度行動できます。(ビッ!)
弘:ほう……じゃあいきましょうかぁ。
コギト:……これさぁ。自分の攻撃とおんなじくらい侵食率上がるんだけど。
GM:上がるねぇ。
弘:8個増えるの?17個だ。これ全部。(ザラザラザラ)よくわかんないことになってる。
コギト:今のクリィティカルは7ですか?8ですか?
弘:……8?
コギト:じゃあ7がクリィティカルだ。
弘:42!
GM:当たる当たる。絶対当たる。5Dかぁ。アイツの火力は凄いんだ。ここまで至れば。
弘:57点。
GM:いや、結構凄いよ。今この時点で90点だもん。1ラウンドで。
コギト:たぁすけてぇ?(シートを塗りつぶしてる)
GM:そして、大熊の攻撃だね。熊がカギ爪を振るうぞ。そこの弘くんに。目標値は……15だ。ピュッ。
コギト:なんかここは「ヒロシしっかりなさい!」とか言ったり。
GM:しっかりなんてレベルじゃすまされない。そうだ、これを渡さなければいけない。
Dロイスの《奇妙な隣人》。《オリジン/ヒューマン》を5レベルで使用可能だ。
マイナーアクションであらゆる達成値を5上げる。
弘:あ〜。(かきかき)
コギト:(シートを眺めて呟いてる)……ここまで真っ黒になるんだ。6Dで考えてみよう。
……30。3倍で90……。いや、すごいのいっぱい出てたからきっとEロイスが……。
GM:敵がEロイスを持ってるとバックトラックで侵食率をもうちょっと下げることができるんだ。
だから、もうちょっと可能性があるかもしれない。
コギト:この時点で60%ぐらいまで下がるよ。楽勝じゃない?(笑)
GM:じゃあ、がんばれ。避けた?
弘:(コロコロ)避けたよ。
GM:じゃあ、次のターンだ。
GM:まず、大熊はセットアップに《フルパワーアタック》。
弘:こちらも同じく。
GM:北斗は攻撃しない。斬りつけても無駄だからね。大熊はイニシアチブフェイズに《加速する刻》で攻撃してくるわけだ。
弘に攻撃だね。(コロコロ)ピュッ。命中値16
コギト:なんだか、命中値だけは大した事ない攻撃なんだがな。
弘:25。
GM:避けたね。弘は《フルパワーアタック》使ったから……コギトだね。
コギト:当然、行動を遅らせる。
弘:ふるぱわー!(コロコロ)
コギト:しかしねぇ。コイツなんかボスっぽくないんだよね。ただのワンダリングっぽいんだよ。
GM:そぉうだよ(笑)。こいつ、大した理由で襲ってきたわけじゃないからね。
コギト:ん〜しかもさぁ、あと二人ぐらいさぁ……。こぉれは消滅するんじゃないのかなぁ?
弘:22。(コロコロ)
GM:当たる。ダメージを。「大地君は任せて!」と言ってシーンから消滅するとか。
コギト:そして、登場しない?……無理でしょう。どうしよう?でも、こいつ早く倒さなきゃダメだよね。
弘:(コロコロ)48!
GM:48点与えた。今、138点。
コギト:うまく行ったら次で倒せるわ!
GM:そして熊が爪を振るう。《加速する刻U》。目標はコギト。え〜16。ビュッ。
コギト:《命の盾》〜。
弘:いやぁガンガン上がるねぇ。
コギト:えらい勢いで上がってくよ。まあ、命中値も低いけど、決して安心ってわけじゃないからね。
GM:危ないよ。かすれば死ぬからね。
コギト:(コロコロ)もうかわした。……こいつと長く戦うのは全然得じゃないと見たね。
《さらなる力》《狂戦士》。クリットは7になった?……《さらなる力》だけでいいかな?
GM:もう一回攻撃できるよ。
弘:(コロコロ)27。50点。
GM:あと、ちょっと。
コギト:う〜ん。《狂戦士》やっとけばよかったな。
GM:そして熊が攻撃だね。(コロコロ)13。
弘:これはいくでしょう。(コロコロ)
GM:ダイスが多いからね。でも、クリットしないと当たるよ。
コギト:そうかも。(ダイス目を覗く)余裕だぜ。
弘:避けた。
GM:次のターン。セットアップ。《フルパワーアタック》。
弘:《フルパワーアタック》《ターゲットロック》。
コギト:なんて恐ろしい戦いだ。
GM:もう、これはあと1発だからね。北斗も退がり、コギトも退がり、そして……弘の攻撃だね。
弘:(コロコロ)(コロコロ)(コロコロ)49。
GM:もういい。ビシャッ!大男が崩れ落ちるんだよね。
崩れ落ちる大熊権蔵。季の刃を見ては、ふと思う。「やっぱお前は強いよな。季・・・。」
一同:ふぅ〜。
北斗は大地を見る。
寂しそうな目。
大地は北斗に近づき体にしがみつく。
「きっと治るよ。大丈夫!」
コギト:「……うむ。強い子だな」
GM:思わず北斗もビックリして、笑顔。
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