◆◆◆ ミドルフェイズ 16  ◆◆◆ 哲学的ゾンビ

(哲学的ゾンビ・・・・・・物理的化学的電気的反応では普通の人間と変わらないけど、意識をまったく持っていない人間)


GM:というわけで、学校。一応、侵食率を。

コギト:侵食率。ピコーン。(コロコロ)

GM:飛ばしてるねぇ!?5以下出てないでしょう?

コギト:5以下なんて見たことない。

GM:快調に飛ばしてるねぇ。

コギト:快調〜!……やばいなぁ。



GM:というわけで、学校に行ってる弘の調子もあまり良くない。
最近笑顔じゃないからね。北斗ちゃんも気にはしている。

弘:ちなみに北斗のところにあの「黒いの」はいる?

GM:いるね。

コギト:「コギトは黒くないぞ。」真ん中だけ黒くなってしまったじゃないか(笑)。これは多分弘のせいだ。ゴシゴシゴシ。

弘:休み時間になったら、北斗に「コギト借りるぞ」

GM:「い、い、い……いいけど」

弘:そのまま持って、屋上にでも行こう。

コギト:「ほっほっほっほ」持って行かれてご機嫌だ(笑)。

GM:「なにかあったのかな……」



弘:「おまえが見えるようになってから、周りであちこち変なことが起きるんだけどさぁ」
「なんなの?」

コギト:「難しい。具体的にはどんな事が起きている?」

弘:「じょびゃ〜……ってなったり。(←多分さっきの事件のこと)死んでる人が生き返ったり」

コギト:「死んでる人が生き返ったり?ふ〜む」

弘:って俺、こんなのと普通に話してる。



コギト:「奇跡だ!それは多分誰かが奇跡を起こしたに違いない!
『れねげいどびーいんぐ』はそういう奇跡を起こす事ができるのだ。
……いや、コギトはもうできないが」できるのか?

GM:わかんない。そろそろ怪しくなってきた。

コギト:「そう!奇跡を起こす奴がいるんだ。それがギュッと集まるとコギトみたいになる」
ピコン!(←古典的な表現で何か思い出した)「確か弘の家にもデッカイのがいたぞ。うん」

弘:「っていうか見えない」

コギト:「う〜ん。コギトもそろそろ見えない。ふ〜む。あ〜」(←何か表現に悩んでる)
「最初の頃、弘がコギトを見てたような感じの物がいるんだ。もわっ」(←なにかあやふやな物を表現しているらしい)
「北斗がいると見えるようになる」

GM:北斗はスプレーをかけられて見えなかった。

コギト:そうだった。

GM:要するに、トリガーがある状態において見えるけれど、あの家にはトリガーは一人もいない。

コギト:「……ということだと思うぞ」

弘:「……」(苦笑)

一同:(沈黙の後、笑)

弘:「……わかんなぁい」

GM:そうだね。わかんないんですよ(笑)。



コギト:「もう一度、一から説明するか?」

一同:(笑)

コギト:「世の中には……奇跡を起こす物質というものがあるのだ」ってどこかで聞いた話だな。
コギトの中のウイルスが……。「つまり、そういう物質があるんだ」

弘:「……じゃあ、どうやったら元に戻る?」(←理解を諦めた)

コギト:「う〜ん。それは難しい。コギトは元に戻したことがない」

弘:「元に戻す……奇跡とか」

コギト:「出来るのかも知れない。でも、この頃コギトはもうクラウドに会えない。
クラウドというのは……うん、先輩の奇跡だ」(笑)

弘:「……先輩の奇跡?」

一同:(笑)

弘:「先輩の奇跡……」(←理解不能)

コギト:「奇跡がキュッと集まって時々コギトみたいになる。
クラウドはコギトより先にキュッと集まった奇跡だ。結構大きい」(笑)

弘:「うぅ〜ん……(悩)。ま、要はおまえじゃどうにもなんねぇと」

コギト:「少しなるかも知れない。ちょっとわからないが」

弘:「……」

コギト:「会ってみないとわからない」今、クラウドは見れるのか?

GM:クラウドは見えないね。

コギト:そうか……。「クラウド!」……見えないな。

GM:見えないね。



コギト:そもそも、どうやって見ていたのだったか。
「まあ、弘のところには結構大きいのがいたぞ。そいつを……どうにかして……
でも、それでも元に戻るというものではないな。奇跡でも起きなければ」

弘:「だったら、その奇跡を」

コギト:「……願うんだ」

一同:(笑)

コギト:「う〜ん。少しなら叶えてやれるかもしれないぞ。……でも、もう……少しだな。うん。とりあえず、家に行くか。」

弘:んじゃあちょっと……北斗に。「この黒いの借りるわ」

GM:「え?あ、う……うん。いいけど、その……」

コギト:「でも、もうコギトにも見えないかも知れないぞ」



GM:(笑)そうだな。では君達は家に向かっていくわけだ。

コギト:「本当は北斗を連れて行ったほうがいいのかも知れないが……危ない目に合わせるのもちょっと考えものだ」

GM:そうだな。なにかしらの危険も可能性としてあるかも知れないからな。
そういう話を聞くと、多分家が一番戦場っぽいしな。

コギト:シュッシュッシュ!(←シャドーをしている。腕が鳴っているらしい)

弘:「一回殺虫スプレーかけられてるし」

コギト:「ふむ。あれは刺激的な物質が出る」(周りの人達から)

GM:弘の家に行く途中にはね、あの博士が歩いてるんだね。

一同:(笑)

GM:君の方にやっぱり声をかけてきたが、君が連れているコギトを見てか、コギトの後を付いてきて、なにか計器で調べてる。
「なんて数値だ!」とか言ってるね。

弘:「……」

GM:「ミラクルウイルスなのか?」

コギト:「ミラクル〜!」

弘:「奇跡を起こしてコイツをもう家に寄り付かないようにしてくれ」

コギト:「奇跡か」シッシッシ。

GM:なんていうか、微妙に起こるんだよね。

コギト:「こんにちは。見えてるのか?」



GM:見えているというのかね。家に近付こうとした時にちょうどなにか車が止まり、博士に声をかけるわけだ。
「急患が出ました!治療に訪れてください!」
「今、この家の検査をしているところなんだ!」と言いながら、腕を掴まれ連れて行かれる。
そちらのほうに目線を向けて「なにかあったら連絡だ〜!」と言いながら手を振り回している。

コギト:「コギトが見えたのか?なかなかやるな。う〜ん、もしかすると……」

弘:「子供にしか見えないとか、そういうものじゃないんだ」

コギト:「子供に……子供はあまり関係ないかもしれない。
なんだかよくわからないけど、多分こちらを認識するものを持っているのだ」



GM:家までやってくるね。家の中、とりあえず〈調達〉判定やってみるか。

コギト:「さぁて……」ぺたぺたぺた。(コロコロ)
「よしっ!いい調子だ!……でもなんていうか、情報物質の少ない家だな」15だから19。



GM:家の中の〈調達〉物質は極端に少ない。

おそらくこの中に別の奇跡誘発物質がいるために、ほとんど内部の情報が表に出ないようになっている。
言い換えてみると、これゆえに真白の事件が公にならないのだ。

コギト:「なるほど」



GM:ただ、昔見えたその姿は、今は完全に見えなくなってしまっている。

コギト:「うぬぅ」

GM:あと、わかるのはね。今ちょっと奇跡が起こった事が認識できる。

コギト:無駄なことで使ってしまった。でもこれはコギトの奇跡か?それとも……。



GM:コギトじゃなくて、確かにここに奇跡を起こした奴がいたと思う。
内容は「この家にあいつが近付かないといいな」

コギト:「あんまり、いい願いじゃないのばっかり叶える奴だな」

GM:ということがわかる。

コギト:「スマン。もう見えない。だが……何人か見える奴の心当たりはある。
見えたからどうにかなるというものでもないかも知れないんだけどね」

弘:「うぅ〜ん」



コギト:「まあ、一人は北斗なんだけど、あんまり危ない目に合わせたくない。もう一人はさっきの奴だ。
コギトが見えたから、もしかしたらアイツも見えるかも知れない。でも、多分なにかできそうではないな」

弘:「どれも根本的な解決になってないな」

コギト:「確かに。どうしたらいいだろう?」色んなトコに情報物質を投げてみるか。ピコピコ。(←投げている)

GM:しばらく放置しているとその物質が無くなっている。
自然に無くなっているにしては早いので、吸引されているんだろう。

コギト:「ここら辺にいる」



GM:というわけで、一日その調査で終わるわけだな。夜になり、君は別れて北斗の家に戻ろうとするわけだ。

コギト:「悪いな。あまり力になれなくて。妹さんも見てみたほうが良かったんだろうか?」

GM:会わせる?

弘:う〜ん。じゃあ一応。

コギト:「一応見てみるか」

GM:まあ妹の方は、とりあえず椅子に座ったりして、日常的な生活にはそれほど支障をきたしてはいない。
おかしな事はしてないんだ。元々おかしくはないんだよ。

弘:う〜ん。

GM:ただ、おかしな事が突然起きて彼女にも制御できていないんだね。

弘:まあ、このタイミングで言うとこのコギトを連れている俺の方がよっぽどおかしな状況だよね。

コギト:「やあ、失礼」

GM:ビックリするけどね。「わ!」

コギト:「お邪魔するよ?」

GM:「なにこれ、お兄ちゃん?」

弘:「いや、あの……」

コギト:「ボクはコギトという」

弘:「マスコット……」

コギト:「マスコットだ」

GM:「は……初めましてコギト」

コギト:え〜と。なにか出しているかな?(コロコロ)20。



GM:結構わかるよ。真白はやっぱり、すごく恐れてるね。
自分の体になにが起こってしまったのだろうという恐怖を感じている。
自分が事故に遭ってしまった事も周りの話でなんとなくわかってる。
今、生きている事もおかしいと思っている。

でも、理由がわからない。
で、それが段々わかり始めて逆に怯えている。

多分、新城が死んで、そして元に戻って出て行ったのは自分がやったのだろう。
でも、奇跡というのとはちょっと違う雰囲気があるね。多分、彼女にはその力があったんだ。


コギト:なるほど。

GM:多分、彼女は新城を手で振り払おうと思ったくらいなんだね。
そしたらグチャグチャになった。
そして、彼女は「直せる」ということをなんとなく理解しているんだね。お父さんのように。
で、直った。ただ、それを目の当たりにした時の驚愕たるや。

コギト:「う〜ん。……戻す?」

GM:君の知る限り、およそ人間の持っている情報とは遥かに違うものではある。みんなできないからねコレ。

コギト:「今のところ、妹さんは少しコギトとかに近い力を持っている。本人はあまり自覚してない。何かあったんだろう」



弘:「じゃあ、あの……ついでに親父にも」

コギト:「やってみよう」(コロコロ)21か。

GM:物凄い化け物だ。

コギト:「!?」

GM:情報物質がまったくない生物は存在しない。ない。この生物からは全く情報が出ていない。

コギト:「コギトは『コレ』がよくわからない」

GM:テレビで見ている人間に近いイメージ。これもそれとおんなじような物みたいだ。

コギト:「テレビみたいなものだと思うぞ」

弘:「そんなことないぞ」

コギト:「……」

弘:「……」



コギト:「なんていうか、コギトにはそういう風に見える」

GM:物質と若干違うのは、これが真白と近い感覚だということね。
この忠司さんが手を振れば、真白と同じような事ができるだろう。

コギト:え?



GM:決して弱くないんだ。

コギト:「……ここは」

GM:もしも家に入ろうとした客がいて、お父さんが吹き飛ばせば、そいつはグチャグチャになるだろう。

コギト:「……あんまり、人を家に入れないほうがいいかも知れない」

弘:でも、別にこのコギトに敵意はないんでしょ?

GM:ない。そもそもお父さんはあんまり揉めてないんだ。なんか理由があれば揉めちゃうかもしれない。
もしもあの時、真白が「助けて、お父さん」と一言言えばヒドイ事になったかも。

弘:あ〜。



コギト:「う〜ん。でも、どうしたらいいかは全然わからない。そこはちょっとすまない」

弘:「う〜ん。そうか……」

コギト:「奇跡か……」うにょにょにょ(←怪しい手振り)「どうやるんだったかな?どうも思い出せない」





弘:「っていうかさぁ。なんでコギトは奇跡を起こしているの?」

コギト:「……そりゃあ難しい質問だ。例えば……存在理由にかなり近いな」

GM:我思う故に我有り(笑)。

コギト:「なんと言ったらいいか。つまり、我々はそういうことをするものなんだ。なんでなんだろうね?」

弘:「うん」

コギト:「『なんで』っていうのは、奇跡を起こしている奴らは考えていないと思う。考えると段々できなくなるんだ。
……そうか『なんで』か。ちょっと考えておこう。そうだなぁ……今はちょっとここにいたいと思っているかな」

弘:「え、マジで?」

コギト:「ん?ここじゃないぞ?北斗のところだ」

一同:(笑)



弘:さてと、色々終ったからコギトを北斗の家へ持って帰ろう。

GM:北斗、君が来るのを見て、顔色が悪いのがわかるんだろうね。何か言葉を探して「ご飯食べてく?」と言うね。

コギト:「ご飯はイイな。うん」

GM:やっぱり彼女からは質問できない。そういう子じゃないみたいなんだ。

弘:「う〜ん」

GM:ただ、ご飯を出して心配そうに物質をポロポロ出してね。「なんか今、家大変なの?」とポツリと言う。

弘:「それがもう……」

一同:(笑)

コギト:「色々大変だ」

GM:「今度からは晩御飯作って届けてあげようか?」

弘:「いや〜でも、それは悪いから、いいよ」

GM:「……」

弘:「家が大変だっていうのは、親父が急に更正して普通の人になったっていう」

GM:(笑)「それは……なんかいい話に聞こえるけど」

コギト:「う〜ん。あ〜ダメだ。根本的な解決にならない。いけないな」(←悩み中)

弘:「んでさぁ。このコギトっていうの借りたんだけどさぁ。コイツ全然役に立たないんだけど」

コギト:「スマン」

GM:「コギトはコギトだよね。コギトは……何か役に立つかと言われてもねぇ。何か出来るわけじゃないからね」

コギト:「なにか出来るようにならなければ……」

GM:「別にお喋りも出来るし、ちゃんと気を使ってくれてるし、いいんじゃないの?」

コギト:「よ」(なにかをしている。ポーズをとってるみたいだ)

GM:「これぐらいしかできないけどね」



コギト:「色んなものが見える。少しだけわかることもある」

GM:こうやって周りの連中と家族のように暮らすようになって、今できることと言えば、
ハッキリ言って〈調達〉能力が非常に優れていることぐらいだよね。

コギト:そうかな……。

GM:奇跡は多分、いくつか起こっていた筈だ。でも、ドンドン小規模な奇跡に変わってるようだね。

コギト:そうかも……。

GM:しかもそれは、自分が起こすのか、もう認識できなくなってる。
しまいには自分自身が起こせないんだから、願う立場になっている。

コギト:「コギトは思う。人間が『歩こう』と考えて歩けるのはなかなかの奇跡だと思う。
そうだ!一応教えておいたほうがいいのかも知れないけれど、こんな感じの奴らに会ったら迷わず逃げたほうがいいぞ」

弘:「どんな奴?」



コギト:「鼻がデカイ奴と目がデカイ奴。それはちょっと変わった力を使う奴を狙っているらしい」

GM:「UGNっていうみたい。コギトが襲われたの」

弘:「UGN……。ウルトラマン80の特撮チームの名前ですか?」

コギト:「そこはコギトもよくわからない」

GM:「なんの略だかわからないけど、私達は他の人が助けてくれたから無事だったけれど、なにかスゴイ事をしてたみたいだから」

弘:「はぁ〜」

コギト:「しかし、確かに悩みを深めてしまっただけのようだな。なにか解決策があるとよかったんだが。
もっとなにか詳しい奴とかいないのかな。奇跡に」

GM:というわけで、弘は真白のために包み物を貰うね。

弘:「ご馳走になりました」

GM:「気を付けて」



コギト:「さっきの奴はどうだ?でも、もしかすると、もう家には近づけないかも知れないな」

弘:「あの、変態白衣か?」

GM:調べてみる?金沢……。〈情報〉でも弘は調べることが出来るよ。ちなみに〈情報〉はコギトには出来ない。

コギト:〈情報〉はできない。テレビもパソコンも物質が出ていない。

弘:じゃあ〈情報:噂話〉で。(コロコロ)6。

コギト:「あの人、ヤバイらしいわよ?」(←近所のおばさん)

GM:いや、結構有名な博士なんだよ。
天才だって言われているんだけど、最近はスゴイ変な理論を挙げてたりする。人間の進化論をやってるんだね。
ミラクル物質が人間を進化させるという理論をやっている。

コギト:「おお〜」



GM:それが社会的な問題になるという話を、彼は結構するんだね。

コギト:「それだ!」

弘:ミラクル物質が人間を進化させる?





GM:荒唐無稽なんだよ。みんな誰もが「あの博士はスゴイ物を作ったり、スゴイ理論を挙げるんだけど、紙一重だからなぁ」と言ってる。

弘:「う〜ん、なるほど」

GM:そういう人みたいだね。研究所に電話とか、捨てた名刺を見ればわかる。
そのぐらいまでだ。あんまり、世間の情報では彼の施設とかはわからないからね。

弘:UGNってわかる?

GM:振ってごらん?

コギト:あまり調べないほうがいいかも知れない。



弘:(コロコロ)3!

コギト:う〜ん。物質を〈調達〉する時は、相手も物質を見つけることがある。

GM:調べまわってみたが見つからなかった。(ニヤリ)

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