ガープスサイバーパンク ガーディアン・オブ・アグノシア3
《そうしてそんなある日》
GM「ある夜のこと、一同の元に思いがけない知らせが飛び込んでくる。
近くで殺しがありドブ川に死体が上がったらしい。…それがリオらしい。」
ニコ「な!何ぃ!!」
コシロー「え!ホント!?」
ニコ「すぐ行きます!」
コシロー「人違いって可能性は無いの!?」
GM「シュウが先に現地に行ったらしい」
ニコ「くそ!ホントに死んでるのか!?大怪我とかじゃなくて―」
GM「アクロスが大声を上げてニコを呼び止める。『ニコ!』そしてバイクの鍵
を投げる。」
ニコ「助かる!」
空は曇り今にも雨が降りだしそうだった。現地まではバイクならそれほどかから
ない。ただ全てが重苦しい空気におおわれている。バイクの切る風すら重い。
GM「一同が来た時にはシュウも来ており、辺りには見物人がチラホラするばか
り。既に遺体は引き上げられている。髪も衣服もヘドロに汚れているが―」
ニコ「―」
コシロー「―」
GM「間違いなく…
―リオだ」
ニコ「(目真っ赤)え…」
コシロー「―嘘だぁ、マジ凹む…。」
GM「強盗にでもあったのか死因は銃撃。金品は持っていない。発見された時は
ドブ川に沈んでいたらしい。空の篭がドブで発見。宣伝用のチラシも浮かんでい
る。」
ニコ「…なんで…」
コシロー「……(メチャメチャ落胆)」
GM「シュウも無言。やがて思い出したようにリオの亡骸を運び出す準備をする
。天からは雨が降り始める」
ニコ「…」
コシロー「…」
そうしてリオの葬儀が終わって数日後。一同が集まったのはリオのパン屋である
。今はそこにもう彼女の姿はなく、もう使われないオーブン。奥には小麦が積ま
れている。
GM「ニコとコシローとシュウ、そしてアクロスの姿がそこにはある。」
ニコ「…(言葉が無い。ただただ落胆。)」
コシロー「…(ニコを気にして何も言えない)」
GM「やがて何を思ったか、シュウは材料を使って自らパンをこね始める。
調理台の上でたどたどしくパンをこねるシュウ。
割り込むアクロス。
『貸しなさい。』と袖を捲り変わってパンをこね始める。」
ニコ「…アクロス」
GM「醗酵するまでの沈黙。そしてオーブン。焼き上がるパン。アクロスはそれ
を鍋つかみを使って取り出す。焼き上がったパンをシュウに突き出す。」
GM(アクロス)「食べてみなさいよ。」
「……」
GM(アクロス)「食べられないでしょう?」
「……」
GM(アクロス)「…ざまあみろ…」
ニコ「!!」
コシロー「!?」
GM「シュウは不意に頭をあげる。何か物音を聞く仕草だ。『救難信号だ。近く
で何か事件があったらしい』と話す。そして『行かなくては…』と―」
「…」
「…」
GM「アクロスの視線を振り切りシュウは出口へ。テーブルにはパンが残される
」
ニコ「あ、待って。俺も行くから。っとパン持ってくわ。」
コシロー「…うーん。あ、俺も行く〜!」
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