夜襲失敗



GM:兵糧部隊への奇襲に迫る戦士達。皆、気配を殺すことにかけては、恐るべきものがある。狭く分け入った土地にバストラールの車両部隊が訪れる。

ジィク:みんなに目配せする。

GM:号令とともに矢が放たれる。火やは車両を包み、忽ちに炎が巻き起こる……はずであった。しかし、そこから飛び出したのは兵糧部隊ではなく奇襲に対応するための伏兵であった。伏兵は待ち構えたように矢をもって応戦する。

ジィク:「おおぅ。見抜かれたか!!」

GM:ここで軍略判定目標値12を振ってもらおう。

ジィク:(コロコロ)成功13。

GM:ならばわかる。当然のことだが、奇襲に備えていたという伏兵なら、ここにいることもまずい、相手の数は見たところ多くないが、もしこちらを殲滅するつもりなら待ち構えた伏兵がいる。

ジィク:だが、結局逃げても追われることになる。戦いは避けられないな……。若い者は逃がそう。「さっさと行け!」と若者に指示を出して逃がす。

GM:「ジィク! 俺も残って……」

ジィク:という若者を殴り倒し、襟首を掴んで「行け!!」と追い払う。俺にできるのは未来を残すことぐらいなんだ。

GM:というわけで演出戦闘だ。君の周りの部隊はほとんどここで討たれてしまう。

ジィク:俺は周りの敵をなぎ払いながら、切り込んでいく。「死にたい奴は前に出ろ!」と言って周りを見ると、仲間は全滅している。「くそ!一人でも多く道連れにしてやる!」的なノリだ。

シルヴァナ:「おや、なんかまだ指揮を持っている敵がいるぞ。普通ここまでやれば戦意なんてなくなるのだけど……」

ジィク:新手のバストラール軍か!? と武器を構える。こっちはたった一人か……

GM:軍勢をひきつけた伏兵部隊だ。若い騎士カークウッド率いるエドガー・シルヴァナの部隊だろうね。

シルヴァナ:「ウルス族よ。投降しろ! 命まではとらない!」

GM:何を言っているかわからない。

シルヴァナ:えぇ言葉通じないよ!(笑)野蛮人め!

GM:「何言ってるかわからんな!」俺は剣を持って突っ込んでいく。

シルヴァナ:えぇ! 単騎で突っ込んできたよ! なんでなんでどうして!?「なんて野蛮な部族なんだ(笑)死を恐れないのか?! 士気は落ちないのか!!」

ジィク:指揮官は……若い騎士や女とは思えないな、落ち着き払ったおっさんがいる。これが敵のボスだと本能が告げている。


GM:ちょっとやってみようか。一撃振ってみたらどうかな? まったく攻撃しなくては自分の実力がわからないだろう。

ジィク:じゃあやってみようか。

GM:状況はエンゲージ状態の乱戦。マスコンバットが発生している。ジィクは民兵を指揮している。シルヴァナ・エドガーは歩兵部隊を指揮している。新米騎士カークウッドは弓兵だ。そして今回は相手の伏兵にかかったという状況なので、士気は1低下している。

ジィク:どうなる?

GM:行動を宣言するたびに士気は低下し、0だと部隊壊滅状態になる。民兵は最大の士気が2だ。だから君は行動が1回しかできない。

シルヴァナ:ダメージを受けても士気が減る。

GM:そう。だから、先に相手にボコられると何も出来ない場合もある。。


1ターンバトル


カークウッド 行動値9 
ジィク    行動値8
ウルス族戦士 行動値5 ユニット数2
シルヴァナ  行動値4
エドガー   行動値4(攻撃せず)







GM:セットアップフェイズどうぞ。騎士たちは何もない。

ジィク:じゃあセットアップフェイズ<肉体調律・重武器>を使います。

シルヴァナ:私は何も無い。


GM:どうぞ。次は行動順から、まずカークウッドが弓兵部隊を指揮して範囲に攻撃する。

シルヴァナ:カークウッドは弓兵。アーチャーなのか?

GM:いや、弓兵が持っているスキルに<矢の雨>という範囲攻撃がある。彼はそれを使用するんだ。使用するためには自分も射撃武器を使用しなくてはならないんだけど。

シルヴァナ:ははぁ。先手を取って相手の士気を挫く戦法だな。

ジィク:それ食らうと何も出来ないな。

GM:その通り。気をつけてね。<強化の印>で射撃の命中を+2あげ、<矢の雨>。矢の雨は範囲攻撃だ(コロコロ)命中は10。低いかな。

ジィク:(コロコロ)回避した。

GM:OK。でも他のウルス族は回避に失敗。いずれも命中した。ダメージは13点だ。

ジィク:それじゃ、誰も倒せないだろ。

GM:でもダメージが通った段階で士気が落ちる。これで、他のウルス族は士気が0だ。部隊は壊滅状態だ。。

シルヴァナ:私なら弾くダメージだな。通らなければ士気は落ちない。


GM:そして次はジィクの番。

ジィク:攻撃。<変幻なる刃><轟重撃>で攻撃だ。(コロコロ)命中! 19。範囲攻撃なので全体に攻撃になる。

シルヴァナ:これは人間なのか!

GM:このゲームは相手の命中に対してまず回避を行う。それを失敗した場合ダメージの算出処理。この時にスキルを宣言したり、ガードを宣言したりできる。ガードのタイミングも回避の後だ。

シルヴァナ:取り合えず回避。(コロコロ)失敗。ガードではなく<防壁の印>を宣言!

GM:エドガーは直撃。カークウッドも直撃。二人はガード。


ジィク:剣を振り回し、兵達を両断しては飛び掛る。ダメージは33点。

シルヴァナ:<防壁の印>(コロコロ)15点防いだ。

ジィク:ち、硬いな……だが

GM:エドガー達も20点弱食らった。でもエドガーのHPは元々80近くだからね。

ジィク:80〜!?

GM:兵があるからね。

ジィク:これは勝てないな……兵力があるってだけでも倒しきれない。

GM:行動したジィクは士気0。戦闘を継続するためには<士気回復>をしないといけない。でも今回は1ターンで終了するイベントだからいい。続くウルス族は士気0の為に<士気回復>を宣言。



シルヴァナ:次は私の番だ! 士気は1低下したが、兵士は士気が3ある。まだまだいける。「てぇい!」と私も斬り返す。命中(コロコロ)15。一合斬り結んで返そう。

ジィク:回避(コロコロ)10。ダメ。着地の瞬間に横薙ぎに払われた。

シルヴァナ:ダメージは24点!「私の全力だ!」

ジィク:20点も食らった。生きているが、次食らえば終わりか……俺の攻撃はMPの問題で2回はできない。つまり倒せないじゃないか。


GM:その戦いでお互いは出会った。この戦いは引き上げとなるわけだ。


シルヴァナ:「凄いものだな……この部族は」と先ほど戦った男を思い出しては戦慄している。












GM:というところで勝利側の天幕だ。
騎士達が居並び中央には女王。報告では奇襲の読みは成功なのだけど、相手の引き上げが早くて全滅できなかったということだ。そんな中、カークウッドは頭を下げてくる。「さっきは申し訳ない。あんな男……とても私のかなう相手ではなかった」としょんぼりする。

シルヴァナ:「だが作戦は当たっていたな」

GM:女王も嬉しそう。「さて、次なる対策を練るとしようか」女王の目は浮き浮きとしていて、実に楽しそうであった。騎士達もそんな女王の姿を見ていると自然と感化される。騎士達がシルヴァナの肩をポンポン叩いていく。

シルヴァナ:あ……そうか私も手柄を立てたのだな。



GM:父エドガーが状況を報告する。「相手の奇襲部隊を叩きましたので、相手も少しは大人しくなるでしょう。しかし、相手の砦は思いの他堅固です。無理に戦をすれば被害も出るでしょう」
ふむふむと、考えているような仕草をする女王。「誰か意見あるものはいるか?」と、そんな中、歩み出たのは黒髪つややかなオールバックの若者である。歳の程は13歳。しかし、歴戦の戦士が持つ特有の凄みを既に帯びている。

シルヴァナ:何者だろう?
この天幕では女王に告ぐ実力者である男。黒騎士と呼ばれる王子ガレスである。「地元の村々を焼いて、人々を砦に向かわせたらいかがでしょう。砦は兵糧も不足するでしょう」

シルヴァナ:「それでは!!」

GM:人々の目線が集まる。

シルヴァナ:「あ……」マズイ。王子に逆らってしまった。

GM:「よい。続けよ」とカルデイア。

シルヴァナ:「それでは……ここを治める際に障害となる遺恨を残します。ここを征服した後はこの土地の人々は陛下の臣民になるのですから」

GM:ガレスは少し不機嫌そう。「何言ってるんだお前は?」

シルヴァナ:やばい……かな。(焦)

フィンチ:ハードルあがったみたいじゃない?

GM:女王が話す。「わらわの考えを言おう。相手の忍耐を攻めるべきだと考える」

シルヴァナ:「忍耐……ですか?」

GM:「篭城という戦は忍耐が試される。相手の砦を包囲すれば、相手は相当焦るはず。根負けした奴等は夜襲を行うだろう。そこを迎え撃つ。血気盛んな者が減れば、降伏までの道筋も立つ」

シルヴァナ:「ああ、なるほど」戦をしながらも降伏の道筋まで考えているのですね。


GM:「ガレスは先陣に立って包囲網を完成させよ。ヒルダは……」ヒルダというのは女王の娘であったが、天幕に姿がない。「やれやれ伝えておけ、ガレスを補佐し夜襲に備えよ。エドガー。お前は援軍に備えよ。この地方には有力部族がもう一つある」とエドガーも平伏し、シルヴァナに目配せ。「行くぞ。兵を纏めろ」

シルヴァナ:これは責任重大だ。ガレス王子の提案を一蹴してしまったんだから、ここで頑張らないと……!

フィンチ:結構重要な役割なんじゃないの?

GM:女王は腕を組む。「手を組む前に叩くつもりであったが、今回の戦で二つの勢力が結び合う可能性もある」一応解説しておくと、援軍が到着すると、弱まったウルス族が息を吹き返す。そうすると戦は泥沼になる。援軍は絶対に阻まなくてはならない。

シルヴァナ:責任重大だ!





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