【プレッジシーン・誓い】


シーンPC 部族の英雄ジィク





GM:君の前で宿敵であった、そして共に戦ったガルデンが亡くなった。それは君の中には少なからず大きな衝撃だっただろう。

ジィク:表情は自然と重くなっている。

GM:数日の後の夜だ。今日は風も強く、何かを告げるような、そんな夜だった。月の光も淡い。君の元にあの男があらわれる。

ジィク:部族の戦士か?

GM:部族の使者は勧誘を強く求める。「部族の未来がかかっているんです。お力をお貸しください」

ジィク:この反乱に明日はあるのか?

GM:「ガルデンの弔い合戦をすると部族は士気盛んです。あの方の無念を晴らしましょう!」


ジィク:……正直俺には不愉快だ。ガルデンはそんなつもりじゃない。確かに俺はガルデンのことはわからない! でもわずかに出会った中で、その人となりや気持ち、あいつの感情はわかる。こいつらはただ血気盛んに理由をつけて挙兵したいだけなんだ。だが、俺から言えるのはこれだけだ。「アルテイは何処にいる」

GM:「今は部族に戻られています!」

ジィク:そうか。部族にいるのか。


GM:「アルテイ様は『この戦いを最後の戦いにする』という誓いを立てて戦に望まれました。これに勝利すれば平和が訪れるんですよ!」

ジィク:いつからそんなになった……。これがウルス族にとっての戦なのか……狩猟民族の我々が戦で国外に出るなんて。みんな国外に出たことなんてないんだぞ!? いつからウルスは兵士になった!?


GM:「ジィク」その時不意に声がかかる。

ジィク:振り返る。

GM:足音……振り返る。ヒルダがいる。彼女は胸に手を当てて、見ている。何かを願うかのようなまなざしで、こちらを見ている。そして意を決したのか手を伸ばす。

アルフォンシーナのように


GM:「ジィク!」

ジィク:「……!?」

GM:その時部族の男が飛び出す。剣を引き抜きヒルダに飛び掛っていく。

ジィク:「ヒルダ!」飛び出す! 止めるぞ!

GM:それはカバーリングになるが、言っておくが……死ぬよ?

ジィク:俺はそれでも庇う。俺はあの時、守るべきだった。そして彼女は今、俺が守るべき人なんだ! 姫の前に飛び出す。

フィンチ:死んじゃう!! 二人とも死んじゃうよぉ!?


GM:では、(コロコロ)あれ……

ジィク:庇う背中に衝撃。「ん?」

GM:1ゾロ。ファンブル……か? いや、ファンブルのルールはあったかな。
一同:おおおおぉぉぉ!!!

フィンチ:ええってこれどうなるの! どうなるの!

ジィク:これは……?

GM:ふ……しょうがないな。サイコロの神様の意を汲もう。
一同:おおおおぉぉ!!

爆笑!




GM:刃が刺さる。刺さったはずだ。でもその部族の若者も力をこめられない。涙と苦悶の表情で恩人に突き立てる刃。力が入れられない。

ジィク:「……」ハバリク頼む!


GM:意図が通じる。飛び出すハバリク。男の手を打ち刃を払い落とし、腕を捻る。呻く若者。

ジィク:俺は若い戦士に言う。「アルテイの居場所を吐いてもらう……」そしてハバリクに目配せする。ありがとう。助かったハバリク。

GM:ヒルダは飛び出す。「怪我! 怪我はー!?」ボロボロと涙を溢し、そして傷口を見る。小さな手を添える。

ジィク:「ご無事で何より……」


GM:「はーなーせ!! バカな! あなたも部族の英雄と言われた男だろう!」戦士の動揺。そして叫びながら連れていかれる。

ジィク:「俺は……」

GM:ハバリクは若い戦士に言う。「彼も……バストラール人ですよ。『バストラールは嫌いです。でもこの国は好きです』そんなバストラール人もいるんです」

ジィク:ありがとうハバリク。なんだろう。俺はハバリクに何か因縁を取りたい。こいつとの関係は友情なんだろうか。こいつは俺にとっては大切な仲間なんだ。

GM:関係は同僚なのかな。


ジィク:俺は姫に向かい合って目線を合わせる。片膝をついて。「姫、何があってもあなたを守る。誓うよ」『あなたを守る』ようやく、俺が口に出せた誓いだ。

GM:姫はその君の瞳に見つめられて、息を呑む。

フィンチ:告白シーンみたい。


ジィク:「俺はバストラールが好きじゃない……」

GM:ヒルダも隣で肩を添える。身を支えようとでも思っているのだろうか。

ジィク:そんなに深い傷じゃ……


GM:「私もこの世界の何もかもが嫌いだった。母上も嫌いなら、この世界の矛盾、差別、貧困、迫害全てが嫌い。私なら何かできるはずなのに、と思い続けて生きてきたの」

ジィク:「ああ」

GM:「でも今は思う。私は、私の作ったこの小さな世界がとても大切。たとえ、私自身が、矛盾そのもので、人に憎しまれる、憎しみそのものであっても」

ジィク:「そうだな」

GM:「このヒルダガルデは、それでもここで生きていく」そういって腰にしがみついた。


フィンチ:予想しない展開だった。

ジィク:この話はとことん難易度が高い(笑)

GM:しかし、この一件でバストラールはついに反バストラール連合の存在とそれを考え出した男。部族の若き族長アルテイについて聞き出すことができる。








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