サイドA 【黒騎士】


シーンPC 女騎士・シルヴアナ





シルヴァナ:うーん。実際のところ、暗殺する手段では国は乱れる……乱世が来るな……。「これを私の一存でやっていいのか」

GM:「シルヴァナ。俺は女王と一騎打ちしたいだけだ」通された部屋に荷物を降ろすガルデン。

シルヴァナ:「それは……分かっている」手伝ってやろう。ガルデンへの感情は、同情……なのかな。どっちに転んでも彼は死んでしまう。

アルテイ:ドキドキしてきた! 凄い!


GM:女王は一騎打ちを許される方だ。ガルデンの生き方も、全部認めてくださる。暗殺という手段では国を乱すことになるが……多分これは一騎打ちなのだ。

アルテイ:ガルデンに男を張らせてあげたいね。

GM:それはランカスターの気持ちだよ。

アルテイ:ああ、なるほど。

シルヴァナ:兄上にお願いをしようか。……何も言わずに私を勘当してもらおう。

アルテイ:おお、それは……。

GM:ことのあらましから、女王への謁見を取り付けようと上に当たっているが、中々うまい返事はこない。勿論宰相からすれば、そのような話は受け入れられないことなのだろうし……そんなシルヴァナのもとに使者が訪れていた。「ガレス王子が謁見をしたいというものに興味を持たれた。女王への目どおりの前に合ってみようということだ」

アルテイ:ガレス王子が動いた!

GM:シルヴァナには謁見を願う男。ガルデンをつれてくるようにと指示がきた。

シルヴァナ:横槍だ……な。


GM:黒騎士と呼ばれるガレスの館は、都の一角にあった。堅牢な屋敷はそれだけで要塞か砦を思わせ、空を飛ぶカラスが不気味である。厳重な警備と充実した手勢。戦争を何より楽しみにする王子の性情が見て取れた。

シルヴァナ:「部族の仇だろう。お前は……その」


GM:「大丈夫だ。ガレスに対して俺は戦う理由は無い。俺はカルディアと戦をしているんだ」そして少し苦笑。

シルヴァナ:「なんだ?」

GM:「お前がそんなに焦るな」

アルテイ:本当に大丈夫なのか? 生きて帰れるのか?


シルヴァナ:「ガルデン」。足を止めて向き直る。決めたよ。言っておかなくては。誓いを立てよう。「お前を、女王のところに連れて行く。必ず。誓う」

アルテイ:ああ! 上手い! カッコイイよ。


GM:ホールで応対する執事。待ちかねたように階段から降りてくる男が一人。ガレス。歳若い王子であったが、長身であり筋肉質な体は戦場で鍛えられたものであった。髪型はオールバック。後ろに流し、目付きは蛇のように鋭く、何かを見透かすように冷ややかにして酷薄であった。「待ちわびたぞ。君が話題の人か」

シルヴァナ:「ご機嫌麗しゅう。ガレス王子」私は礼儀正しく平伏する。

GM:「君には弟を救ってくれて感謝する。兄としても礼を陳べなくてはならんな」執務室は剥製が飾られていた。後ろには獅子の。横にはヘラジカの。クマなどは圧巻である。

アルテイ:やっぱりぃ〜

GM:「ランカスター伯爵の人柄は知っている。普通は首を縦には振らない女だ。どんなトリックを使った」

シルヴァナ:「私も意外でした」うん、嘘じゃない。(ドキドキ)


GM:極上のワインを用意させながら、彼は自慢げに指差した。「狩りが趣味でね。強い獲物ほど興奮する。戦いの記録をどこかに残したくて、剥製を作っているのだ。私にとっては慰霊であり、トロフィーだ」

アルテイ:絶対何かやっているよ! 嫌な予感しかしないよ!


GM:「私のとっておきを見せてやろう」彼が案内したのは薄暗い氷室のような暗室であった。調度品には全て布がかけられている。サイズからはおそらく剥製の類。それも大型のだ。一つの布の前で立ち止まると、笑顔を向ける。そして一息に布を取る。剥製。それはガイウスの剥製だった。

シルヴァナ:ぎゃあああ!

GM:「どうだぁ。すごいだろ。私が最高傑作だ。形を壊さず殺すのがどれほど困難かわかるか! 私の自己主張。これはアートだよ」

シルヴァナ:「なんて……悪趣味な……」


GM:彼は陶酔したように天を仰ぐ。「おおお、すばらしい。永遠の形で、この蛮族は私を賛美し続けるのだ」

アルテイ:く……狂っている。

GM:しかし、彼の瞳は狂気のそれではない。挑発する瞳。ガルデンは拳を握りしめつつ、「初めて拝見しました。芸術家の仕事です。強いだけでは中々いかない」突然シラフになるガレス。「ほう。驚かないのだな」「ならこれはどうだ」隣の布を外す。そこにはアルフォンシーナがいた。最早物言わぬ姿となって。

シルヴァナ:うわぁあああ。やめ! やめろー!!


GM:「うははは! そうだ。もう一つの美の集大成だ。この表情を作るのは苦労したぞ。だが、父を見たとき、ついに完成したのだ。私の芸術がな!」これにはガルデンも一瞬憤怒の形相を浮かべる。

シルヴァナ:ガルデン!? ガルデンー!? ダメ、ダメだ。

GM:その表情。あふれ出る感情を噛み締め、持ち直す。「悪趣味だな……」なんとか搾り出す。

シルヴァナ:「御戯れは!!」私はガルデンの前に立とう!


GM:「パーフェクトだ」とガレス王子は笑みを浮かべる。「謁見の紹介状をしたためよう。楽しみだな。この謁見。どんな結末になるか」

シルヴァナ:こいつ! 全部知っているなぁ!

アルテイ:完璧に遊んでいる。試験だな!




カルディアに仕えるのは困難を極めた。どこにいくかわからない。城中を歩き回り、何をしでかすかわからない。

「ガレス王子からの紹介で、フィンチ王子の救い主と謁見を?」
お菓子を頬張りながらカルディアは見る。
「いいよ。ふひ」








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