過去を焼く




GM:ガルデンは庭で火をたいていた。広い庭なので、人が見れば公園か何かと思うだろう。その一角なのであまり気になる光景ではない。気になった事といえば、ガルデンが火に衣服をくべていたことだった。

シルヴァナ:ああ、そうか。ゴミの始末とかじゃないよな?

GM:彼が身の回りにおいていたであろうものが火にくべられていく。


シルヴァナ:「私も身の回りのものは始末しておかないとな」

GM:その言葉を耳にしたガルデン。「おい、お前! どういうつもりだ?」振り返る。わけがわからないという表情で君を見る。

シルヴァナ:うーん。でも家族には絶対迷惑がかかることになるんだよ。兄に一言相談をしておくへきなのかもしれない。


GM:書いた本を手に取る。「色々残しておきたいと思ったが……いまに思えば、俺の勝手な願いだった。俺の言葉など残すことも無い。他の者はより自由に生きていくだろう」

シルヴァナ:「本はどうする?」

GM:「残すべき相手もいない」

シルヴァナ:「そういう本には価値があるよ。誰がいいかな。フランクかな。フィンチ王子かな。……ゴメン、私は適当なことを言っているな。渡すべき知り合いもあまりいないんだ」

GM:本を手に取るガルデン。くべようとする。

シルヴァナ:本を指先で止め……つかんで。「本を読めば、お前のこともわかるのか……?」

GM:黙るガルデン。シルヴァナと見詰め合う。

シルヴァナ:「こういうものが誰かに届くといいなと思う」


GM:「戦術書にはなるかもな」

シルヴァナ:「ああ、こんな作戦だったんだな(笑)」

GM:「あの時は俺も必死だった。火中の奇襲は俺も愚策と思うが、やりようなく選んだ手だ。どうしても緒戦で相手を退けたかったからな」

シルヴァナ:「キモを冷やしたよ!(笑)」

GM:「俺もだ」と少しだけ笑顔が零れる。

シルヴァナ:「不思議だな、あの時戦った私達が、こんな話をするなんて」

GM:「普通はお互い顔を会わせないものだ」


シルヴァナ:「ガルデン。お前の信念は禁忌:『真実』だろう。作戦や方針、そういうことは話してくれるのに大切なところは、いつもだんまりだ。自分の気持ちは決して言わない……私も少しはわかるようになった……」

GM:「………」

シルヴァナ:でもどうしても…わからないんだよ。どうしても……。「どうして……どうしてお前は、私がお前との約束を守ると信じている?何故……私が騎士だから?」

GM:「………」

シルヴァナ:私はどうしたんだろう。どうしてこんなことを聞くんだろう。「やっぱりおかしいよ。お前のことを通報すれば、お前は一巻の終わりじゃないか……」

GM:「………お前こそどうして……?」


シルヴァナ:「私は嫌なんだ! お前がただの暗殺者にされてしまうのも、私の知らない間に死んでしまうのも嫌なんだ!」


GM:「……」

シルヴァナ:「お前はなんでって言うかもしれないけど!」





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