『宰相の休日』




フィンチ:僕は宰相に会いに行きたい。ちゃんと話をしたいんだ。僕の意見を!

GM:では宰相だ。二人が顔を合わせるのは、なんと城下町なんだ。

フィンチ:「え」宰相が町に?


GM:街角にその老人の姿があった。宰相コーネリアその人である。普段は忙しい彼の立場にあって、一番の憩いは自分の発展させた町を見ること。自分には夢があった。いつかこの国のどこかに住むただの老人になりたい。しかしその日、宰相は鬱々としていた。

フィンチ:「これが……あなたの作る未来ですか?」

GM:「……かもしれませんな」返事をした宰相は普段よりずっと老け込んで見えた。「わしはもう時代遅れなのだろうか……磐石な政権、強大な軍事国家……国を纏めたと思っていたのに……わしはこの国に災いを残してしまった」

フィンチ:「まだまだやり直せます! あなたみたいに頭のいい人なら!!」


GM:彼と供に宮廷に帰ってくるが、その足取りは尚重かった。新米騎士カークウッドが心配げに見ている。

シルヴァナ:(騎士カークウッド)「宰相様がため息をついておられる。多分カルディア様が何かしたんだろう」

フィンチ:ううーん。僕はどうしたらいいんだろう。

GM:帰ってきた二人は女王カルディアと出会う。彼女はいつものように宮廷をブラブラしていた。「枯れたか宰相?」

フィンチ:母上。



GM:宰相は顔を上げる。「何故私を宰相になさったのですか。私は反乱を起こし、政の方針もあなたとは違いすぎる……」その憔悴した宰相にカルディアは答える。「火の玉のような男だった。何かやりそうだ、と思った」

フィンチ:火の玉?

GM:カルディアはろくすっぽ会話もせず立ち去る。宰相はその奔放な姿に、羨望のまなざしを送る。振り返るカルディア「今も思っているよ。火の玉のような男だと」


フィンチ:政治の方向転換は必要なんだよ……。どうしよう。母上に相談しよう。

GM:中庭をブラブラと散策する。女王は緑が好きだった。宮廷や城の中にまで緑の植え込みをし、空中庭園を造った。ブラブラと歩くのが好きなようだった。足並みを揃えられていることが不意にわかる。

フィンチ:横を歩く僕。「そういう場を用意してはくれませんか?」

GM:「ん」カルディアは君を横目に見下ろす。


フィンチ:「僕は思うんです。人を見ない国家や制度は不満が出てくると思います。奴隷制度は撤廃するべきです。僕達の国は、奴隷制度を使って強国になって、豊かになりましたが、それを撤廃しても人を使って新しい産業を興せます。国とか色々な垣根を越えていけばどこかに新しいやり方が見つかると思うんです」

GM:カルディアは「うんうん」と返事をする。でも分かっているのか?いないのか?

ジィク:わかる(苦笑)

GM:窓から外の町並みを見る。「お前は世界を見てきて、どこかに何かがあると思ったのだな」

フィンチ:「そうなのかな……」

GM:「わかったろう? 垣根など無い。木はいくらでもある。好きに渡れ。お前は鳥なのだ」

フィンチ:わ…お。入り口を開けてくれたんだ。「あの勘違いしないでね。僕はこの国が嫌いじゃない。大好きなんです。宰相も好き。でも母からの愛はちょっとよくわからないんだけど(苦笑)」

ジィク:まぁまぁまぁ、この母親じゃあな

爆笑!





GM:「別にいいではないか。そんなの」とカルディアはへの字口。

フィンチ:「僕は世界を回ってもっと見識を広げてきます」

GM:「好きにしろ」

フィンチ:「はい!」

GM:「だが命は落とすなよ?」

フィンチ:「――わかりました」


GM:カルディアは話が終わったのか、足並みを揃えず歩みだす。

フィンチ:「奴隷制度の撤廃は宣言してもいいんですか?」

GM:「ああ。発表する。宰相がな」

フィンチ:そうか……「わかりました」




次へ

リプレイへ

トップページ

Copyright(C)ゴスペラードTRPG研究班 (c) 2017.