サイドB 【バストラール】
シーンPC 駕籠の鳥王子フィンチ
女騎士シルヴァナ
部族の英雄ジィク
GM:さてジィク。君が町を歩いている時、不意に自分を呼び止める声がする。そのなまりは辺境部族のもの。出てきたのはフードをかぶった男であり、彼は部族の戦士のようであった。若い戦士としてオープニングにいた。
ジィク:「おお! 生きていたのか!」俺が殴って逃がした奴だ。
GM:「ジィク。ご無事で。噂を聞いた時は、耳を疑いました」
ジィク:「……」それには……何もいいようがない。
GM:「しかし、何かご事情がある。そうでしょう!」そうつめよる。
ジィク:今も俺の境遇を知ったら、こいつはどう思うのか……
GM:彼は感動しているようで、まくし立てるように話す。「ウルス族について大変な知らせがあります。お喜びください。族長ガイウスの遺児。アルテイ様が生きていたのです。今は現在の族長となり、ウルス・タタールの両部族を率いています」そうして路地裏に案内し話を人目を気にする。
ジィク:族長の子か……
GM:「アルテイ様は、このバストラール打倒を掲げ、蜂起するお考えです。どうかお戻りください」
ジィク:「兵力はどれだけあるんだ?」
GM:兵力はもう前の1/10。300ぐらいしか戦士はいないらしい。
ジィク:戦にならないだろ! 俺たちは狩猟民族なんだ。タタールみたいに戦で戦っていく部族じゃない。そんな俺たちウルスが戦をする、なんてことを言い出すなんて。どうしちまったんだ。
シルヴァナ:ウルス族も何か変わったのかもね。
GM:若い戦士は「あなたの力があれば我々は再び戦うことができます」
ジィク:「勝算が無い……」
GM:彼は部族の戦士で、しかも世界情勢には詳しくないのか、その辺りの勝算は説明に乏しい。ただ、部族の新しい指導者になるだろうアルテイは、どこか勝算を持っているらしい。「当然族長に従うでしょう?」
ジィク:「会えるのか?」
GM:「来て下されば……」
ジィク:そうか、その時までに自分がどっちにつくか、考えておかないといけないな。部族の誇りか……姫への恩返しか……「あの時、逃がした女子供だが……どうなった。そのアルフォンシーナは……」
GM:「ガルデンが世話をしてくれました」
ジィク:「怒っただろう」
GM:戦士も目を伏せ。「はじめは、自分達だけ女子供を逃がしたウルスを憎んでいましたが、ウルスは頼る当ての無い女子供の集まり、みかねたガルデンは面倒を見てくれました」
ジィク:「ガルデンが……」
GM:「アルフォンシーナ様は行方不明に。暫くはガルデンと一緒に暮らしていましたが、町に下りた際にバストラール軍に捕まって……おそらく殺されたようです」
ジィク:そうか……それは覚悟はしていたが……だがガルデンのやつ。だいぶ印象が変わったな。あいつも変わったのか……それとも俺が知らなかっただけか……
GM:やがて近づいてくる足音。男はフードを被りなおすと足早に立ち去っていく。ハバリクが買い物袋を持って歩いてくる。走り去る男を目で追うハバリク。
ジィク:「………」
GM:「彼は……。いや、いいです。そうだ久しぶりに奮発しましょう。豚肉の料理を作りますよ。スープはニンニクでね」
晩餐
GM:晩の食事の時は盛り上がった。何の喜びごとかといえば、ジィクが仲間になった日を祝う何回目かの『歓迎の祝い』だった。
ジィク:俺の負けた日。そして殴り合いをした日か。ふふ。
GM:戦の思い出を少しでもいい思い出に変えようという彼らの計らいである。ゴダはかゆの中にニンニクをいれては食べるという習慣を持っている。ハバリクは料理が上手かった。
ジィク:「ところで何か変わったことはありませんでしたか?」
GM:「弟(フィンチ)が帰ってきたわ」
爆笑!
フィンチ:ええ〜っと
ジィク:それは変なことか。
シルヴァナ:いや、軍隊をつれて飛び出していった経緯からすると
GM:ヒルダは舌鼓を打ち。「胡椒があればなおいい」とつぶやき、一同沈黙。
シルヴァナ:(ハバリク)「胡椒ですか(焦)」
GM:マズイとハバリクが、目で合図を送る。失言を察した姫、突然見る間に涙ぐむ。「すまない。表に出てく」
爆笑!
ジィク:「いいですよ」
GM:「私いると……どっちらけだから」と姫。
ジィク:胡椒ってどうしたらいいんだよ。どこで買えるんだよ。情報振るのか?
シルヴァナ:手が届かないでしょ?
ジィク:「そこにいろって(笑)」
GM:ハバリクは諭すように言う。「姫。私達は姫が無理をして庶民の振りをしている事を知っているんです。でもね。そんなこと気にしないんです。あなたが姫だとか、身分が違うとか、何もかもの違いを許してあげられるんです。それは姫にでもできることです」
シルヴァナ:この人、結構凄い人なんじゃない?
GM:とそんな晩餐の光景だ。
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