シルヴアナの受難を他所に、この頃フィンチは人質生活を満喫していた。時間軸はこの時シルヴァナは国に帰還して状況を確認・金策を始めて……という時期である。

サイドB 【渡り鳥に加わって〜初飛行〜】


シーンPC 駕籠の鳥王子・フィンチ






GM:というわけでフィンチ王子とランカスター伯爵の生活が始まる。現在の状況、ヘルメス・ランカスターの絶対的優位性が一目瞭然であった。町がない。船は沖に出ている。

フィンチ:「海だぁ!」

GM:奪還作戦もこれでは手が出せなくなるということだ。

シルヴァナ:男が黄金の鎧を着て歩き回っている。

フィンチ:「あ、あれ僕の鎧」(指差す。)

GM:自分達が船の中を歩き回っても誰も咎める様子が無い。

フィンチ:逃げ場が無いから?

GM:そうだろうね。

ジィク:どこらへんにいるかわからないからな。

フィンチ:「フランク。情報収集してこない?」

GM:「はい!」いつも元気のいいフランク。情報収集の目標は10

フィンチ:(コロコロ)14。「ここはどこですか」

爆笑!




GM:――と船員に聞いて回る二人。港までの距離、船の位置を考えれば、遠い距離じゃないのかもしれない。「歩き回って海に落ちるなよ」

フィンチ:「はい」

GM:フランクは「あっちにボートがあるそうですよ」船の側面にボートがくくりつけてある。

フィンチ:「あそこまでいけるのかな。君の運動神経で」

GM:「あきらめよう」とフランク即答。

ジィク:諦めるの早!


GM:食事時も揺れる船の上ではなんとも落ち着かない。伯爵は豪華で贅沢な人なのだろう。今も大きな海老などを料理に出している。

フィンチ:「おいしい。これなんて料理ですか?」目を輝かすよ。僕。

GM:「知らない」とヘルメス。

爆笑!




GM:ヘルメスは「そんなもんいちいちアタシが知るわきゃないだろ?」

フィンチ:でも何のために生かしてもらっているんだろう。

GM:聞いてみる?

フィンチ:うん。色々聞きたい。「あの鳥はこの国の鳥じゃないですよね」

GM:「ええ、異国で買ったのよ」と海老を割るヘルメス。

フィンチ:「僕の名前も鳥の名前から来てるんですよ」

GM:「ああ、そうだったわね。でもさしずめカナリア(駕籠の鳥)王子ね」

フィンチ:「何で僕達を生かしているんですか?」

GM:「死にたいのかい?」とカトラスに手を伸ばす。

フィンチ:「いえいえいえ」ぶるぶる首を振る。

爆笑!




GM:軍略でも分かるけど。

フィンチ:軍略を振る。(コロコロ)15。結構分かる。

GM:今バストラールと伯爵の戦火の火種は君によってまかれたわけだ。君を帰してしまったら間違いなく戦争だ。伯爵は君を人質として生かしておいたほうがいいと判断したんだろう。

フィンチ:なるほど。

シルヴァナ:でも女王は攻める時は攻めてくるような気がする。

ジィク:全然王子の見分けもついていないかもしれない。

GM:50人もいるからね。

フィンチ:「僕にそんな価値なんて……」

GM:「アンタねぇ――」ヘルメスはナフキンで口元をぬぐい。「アンタの命の価値を決めるのはアタシだよ」

フィンチ:「そうかもしれないな」今の状況だと。


GM:「とにかく歩き回って皆に迷惑をかけるんじゃないよ?」

フィンチ:「はい」でも歩き回っちゃうだろうな。ヘルメスも歩き回るるって考えてそうだし。「色々見たい」

GM:フランクは尋ねる。「王子逃げ出さないんですか?」

フィンチ:「僕はもっと話してみたい。色々見たい」

GM:「ええー!? 僕は怖くて死にそうです。早く逃げたい」

フィンチ:「でも……」

GM:目が死んでいくフランク。「僕のことはどうでもいいんですか。そうか、王子は僕がもうイラナインダ……」

フィンチ:「そ、そんなことないよ。フランク。君がいなければ僕はただの張りぼてだよっ!」

GM:「そうですよね!」(即答)

爆笑!




ジィク:この従者どうなのよ!

フィンチ:「ホントお前は言いたいこというよね」


GM:というわけで、二人は船の旅を満喫していく。自分の部屋なんかも貰って、結構豪華な生活をしているって言ってもいいんじゃないかな。夕焼けを見ようと甲板に出るとヘルメスに出会う。「王子様。母親が女王だと何かと大変だよねぇ」

フィンチ:「大変だけど……」

GM:「……」

フィンチ:「恵まれた環境だと思います」

GM:「大変なとこもあるだろう? 鳥駕籠から出たところで、主の手の届かぬところは飛べないようにできている。それがカナリアさ」

フィンチ:「でも……僕のお母さんだから……」

GM:「そうだね。アンタの言う通りだ」向き直る。ヘルメス。「血の繋がりは消せない。因果やカルマも消えない。アンタは泣いても笑ってもあの女王の子供なんだ。それを誇ろうと憎しもうとアンタの自由さ」

フィンチ:「……そうだね」

GM:二人そろって夕陽を見る。


フィンチ:「でも僕はもっといっぱい世界を見たいんです。だから実はこの船で旅が出来て、凄い嬉しいんです」

GM:「でもアンタ人質だよ」

フィンチ:「うん」





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