サイドB 【バストラール王国〜雛鳥の檻〜】


シーンPC 駕籠の鳥王子フィンチ



女王カルディア


背後に座る虎に身をもたれながら、赤毛の娘が謁見の間を見下ろしていた。自慢の長い髪の毛先を一つまみし、自分の唇に弄んでいる。
歳の程は10台の半ばか、20には至らないだろう。
その女こそバストラールの女王カルディアだった。
カルディアはこう見えても27。ここにいる若者達は全て彼女が生んだ子供達だ。12の時に生んだ子供達が年長であり、毎年のように何人も何十人も産み続けている。この女は、その腹の空になる間も無いというのに、その生涯の大半を戦いに明け暮れていた。

カルディアは治世には何の興味も無かった。まして王道など論じるに値しないことであった。この地位にたどり着くまで多くの血を流してきた。残酷であることは心得ている。しかし虐殺者である自分を、いつもアカデミーは讃えてきた。


『一つの偉業は、その他の闇を覆い隠す』
それが彼女の辿り着いた真理であった。








GM:じゃあ王子様フィンチ行こうか。

フィンチ:はい!

GM:君はいつものように町に繰り出していた。

フィンチ:『二つの顔』だね。

GM:今日も広場では処刑が行われていた。この赤の広場は処刑が毎日のように繰り返されて、広場の地が乾くことが無いことから名づけられた広場であった。覆面の男が振り上げた斧血飛沫が上がり、今日も石畳は血に汚れた。

シルヴァナ:そうだな、この国は奴隷と圧制の国でもあるんだ。

GM:従者のフランク・フォレスティは

シルヴァナ:(私の弟だ)

GM:青い顔をしてオドオドとついてくると服のすそを引っ張った。「こんなところにいると、宰相様に僕が怒られます。僕が!!」

爆笑!




ジィク:自分のことか!

シルヴァナ:なんて奴だ。恥ずかしい〜!

フィンチ:「フランク。お前はもうついてこなくてもいいよ。僕は行きたいところがあるんだ」トコトコ

GM:「あ、はい!」

フィンチ:「歓楽街に行こうと思っているんだから」

GM:「ついていきます!!」

爆笑!




GM:突然人々の喧騒が嘘のように納まり、地響きが聞こえていた。軍靴の音。全身を分厚い金属鎧で覆った黒の騎士団の凱旋であった。またどこかの国を滅ぼしてきたのだろう。黄金と黄金と黄金を 馬車に積んでの凱旋である

フィンチ:「わーお」と見上げる。戦場はこの国の産業だよね。

GM:不意に馬が止まり君を見下ろす。黒地に金の飾りをした甲冑・ガレスだ。馬の腰には手柄首を連ねている。

フィンチ:「怖!」

GM:「フィンチではないか。またこんなところにいると宰相にドヤされるぞ」と兜を外す黒髪艶やかなオールバックの若者。民には見せない親しげな笑顔を浮かべる。

フィンチ:「あ、ガレス兄様。兄様こそ戦帰りですか?」と近寄って馬上を見上げる。

GM:「そうだ」と言い、側近の騎士ジェームス・フォレスティに合図を送る。彼は何か羽飾りを持ってくる。それを放る。

シルヴァナ:(私の兄上だ。)

フィンチ:「あ、相変わらず趣味がいいですね。兄様……これは?」どうするのだろう。首にかける。腰につける。頭に被る。

GM:「土産だ。どうやら頭に被るものらしい。お前は異国のものが好きだったからな」






シルヴアナ:ジャイアンみたいなお兄さんだよね。となり街の野球チームと戦ってきた帰りみたいな。

フィンチ:うーん。聞くのが怖いけど「あの、この持ち主は?」

GM:「どれだっけかな」と首を確認する。

シルヴァナ:隣町の野球チームのキャプテンの首を捜すジャイアン。

GM:ジャイアン怖っ!!

爆笑!




フィンチ:これが僕の兄様なのか……分かり合えないなぁ。

GM:これが君の家族。女王カルディアは『いろいろやろうぜ』。ガレス王子は『ガンガンいこうぜ』。ヒルダガルデは『みんながんばれ』。

フィンチ:僕は『いのちだいじに』








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