砦正面石橋の戦い




GM:何人の敵を斬ったかわからない。既に体力はつき、キズは命に関わる。ジィクはこの時、既に全身に傷を負っていた。

ジィク:「かかって来い!」振り返って立ち去る女子供を見届ける。

GM:その姿は既に無い。撤退は成功したのだろう、というところだ。

ジィク:後は死ぬまで戦うだけだ。

GM:と攻めかかってこないのは、相手が石橋を落とされるのではないかという恐れを抱いていたからでも合った。そんな中、騎士の後方から飛び出したのは歳若い娘であった。彼女は地に伏す兵士の遺体から旗を取ると走り始める。「続け!!」

ジィク:なんだあいつは!!

GM:「ヒルダガルデだ!」

シルヴァナ:(騎士になって)「姫様! 命を無駄になさるな!」

GM:「違う、私は姫ではない!! バストラールという人々の一歩だ!」

シルヴァナ:(騎士)「く! 狂ってる!(笑)」

爆笑!




GM:「私が敗れても誰かが新しい一歩を刻むだろう!」

ジィク:これかぁ!?

GM:「あいつを無駄死にさせるな!」と兵士達が飛び出してくる。いや、それは平時では兵士ですらない男達。しかし、今この瞬間少女にとっては父よりも頼りになる仲間である。

ジィク:これ回想だよね。彼女当時いくつなの?!

GM:当時は12歳だね。

ジィク:若いよ(笑)また12歳だよ。この国は12歳で何かしないとならないんじゃないの(笑)

GM:少女は丘に登り、一番目立つ斜面の上で一心に旗を振っていた。それはとても危険なことであったが、戦に勝ったというわけでもないのに、人々に自分たちが有利であるという錯覚をもたらしていた。

ジィク:そして俺たちは出会った。


GM:ジィクは衣服も血に染まっていた。しかし、それでもその姿には疲れを感じさせないものがあった。まるで長年旅してきた旅人が目的地にたどり着いたような、最後の死力を振り絞る命の躍動が息を吹き返していた。そんな時だ、彼女とと目が合ったのは。

ジィク:「あいつが、将? え、え?!」そりゃ俺は驚く。我が目を疑う。

GM:このまま、放っておくだけでも君は出血で息絶えただろう。しかし、少女は落ちている剣を拾い上げるとこっちに走ってくる。

ジィク:勝負なのか!! 来るんだ! こんな子には決して負けないぞ?!

シルヴァナ:周りの騎士はこれはもう顔面蒼白なんじゃないのか。髪とか禿げていると思う(笑)

ジィク:恐れ知らずな! 部族の俺でも怖いわ!! 剣の一太刀で終わるんだぞ?!

シルヴァナ:一太刀!?

GM:その一撃、当然避けられない姫。彼女が生きていたのは一重に幸運だったからだ。姫の胸甲に刃が当たるとグレートソードは折れて、地に転がった。

ジィク:「くっ」……終わりか!?

GM:しかし、姫はその幸運をいともたやすく投げ捨てる。姫は手に持っていた剣を放り投げて渡す。「負けた時の言い訳なんてさせない!」そして旗を手に構える。

ジィク:渋いなぁ!? 俺に最後までやれと!?

GM:その少女はただの少女に過ぎなかったが、炎に照らされた彼女は、まるで満月に出会った狼のように神々しかった。

ジィク:これはもう……渡された剣を構えて首に振り下ろそうとして……負けを認める。負けた。剣を折られた時点で……手渡された時点で、俺はこの子に負けていた……。これは人として無理だ。

GM:この上抵抗もできなくないが。

ジィク:20歳の俺が12歳の女の子を? 無理。それじゃ誇りを失うわ。俺は剣を落とす。『その時、俺は敗北したのだ』











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