TRPG。


それはルールを元に、GM(ゲームマスター)によって裁定され、判定の成否が決められていく世界。まるでそれは、テーブルの上で行われる演劇のような遊びです。
誰もがなりたい自分になる。そんな謳い文句を口にしたいところですが、それはできません。全てができるわけじゃない。
時に英雄も、掲げた大義虚しく汚名を被り、
夢破れて散る願いもあるでしょう。
なりたい自分になれるわけじゃないけれど、
なりたい自分になれるかもしれないしれない世界です。
しかし、その舞台に立った時、
少なくとも彼らは主人公となるのです。

こんにちは。レサ夫です。
戦記物という題材は皆どのように捉えているでしょうか。
どんな風に演出するのが、良いのか。
皆その味付けに知恵を振り絞り、仕上げていくのでしょう。
このリプリイもそんな一つです
グランクレスト戦記
それは架空の幻想世界『アトラタン大陸』を舞台とした物語です。
王が配下の騎士たちにクレストという<聖印>を与えることで成立している封建社会はさながら伝統的な西洋ファンタジーのようであり、そして、そこに蔓延る混沌の影は御伽噺や伝説の香りがする。
そんな世界の物語です。





そして皆さんがお手に取ったこの本は4人の人物の物語です。

それは――
 今は滅んだ辺境部族の最後の族長の物語

それは――
 苛烈な軍事大国に仕える女騎士の物語

それは――
 偉大な女王の息子に生まれた雛鳥王子の物語

それは――
    かつては英雄と言われた蛮族の戦士の物語

 4人による・2つの物語
       これを1つの物語として紐解きます。





何に突き動かされているのか?
好奇心というのは、時に自分を否応無しに駆り立てる。


GM:「また、ちょっと変わったセッションを考えたよ」

ムンタロ:「また?」

GM:「面白いかどうか……やってみないとわからないけどね?」

はじめましてレサ夫です。
今回のリプレイは二つのパーティのセッションを1つのリブレイとして収録した作品です。
パーティは互いに相手のセッションを知らず、それぞれの視点で一つの時代の一つの戦争を取り上げてみたいと思います。
読者の皆さんだけは、時間軸を整え、同時並行『神の目線』もしくは『観測者』の目線で、この物語をご覧下さい。

舞台は――
アトラタン大陸の北方・大工房同盟勢力下にあって
ほぼ独立自治状態にある乱立諸国・その中にあってもっとも力を持った大国バストラールという国です。

その戦争はウルスの戦
ウルスの戦は辺境を平定した『前ウルスの戦』と、その2年後に当たるバストラール従属諸国の反乱『後ウルスの戦』に分かれます。

では本編をお楽しみ下さい。






この世は善も悪もなく
時に虐殺者をして後世 英雄と名を冠する

辺境を侵略した大国バストラールの馬蹄は、
領土を蹂躙しつくし、辺境部族を虐殺
その血を絶やしたかにみえた。
しかし、血は絶えていなかった。
今、生き残った部族の最後の反乱がおきようとしていた。

グランクレスト戦記   〜天衣無縫のカルディア〜











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