Middle phase 

  

【〜バルチモアの使者〜】

黒馬に跨った漆黒のローブの男。
表情は面頬に覆われて読み取ることはできない。
しかし、黒字のローブに赤く刺繍されたものはまさにバルチモア王国のエンブレムであった。
その使者からは酷い死の臭いが立ち込めていた。


ロバート:くせえ!

シリル:来たよ。バルチモア。

王宮にやってきた使者「ブラックサンダー」はフレジェス国王の前でも平伏はしなかった。腕を組み傲岸不遜に見下す姿は、小国をあざける大国をしていた。


ドラゴス:ほーう!

シリル:偉そう。

懐から取りだした国書を紐解き横に手を振る。
スクロールが帯のようにたなびき、ブラックサンダーは叫んだ。


GM:「上意!」

シリル:わらっちゃう!

爆笑!

ドラゴス:なんだよ、こいつ!(笑)


GM:「貴国フレジェス先王オコーネルを暗殺せしめたのは、バストラール王国に相違ない。貴国フレジェスは古くからの慣例に基づき、アドホックレルムを打つことで王位を継ぐべし。」

ロバート:はぁ?!(笑)

ドラゴス:無理です!(笑)

ロバート:「できると、お思いか!(クワッ!)」


GM:「これは両国が栄える唯一無二の方法であり、これこそがバルチモアの慈悲を体現する温情である。兵を挙げるならば、我々も義に応じ支援の準備がある。この戦をもって、貴国の安寧を約束せん。」

ドラゴス:いや。無理でしょ。

ロバート:えー、無理でしょ。待って少し考えさせて(笑)


大臣達が一斉に動揺する。
ブラックサンダーはローブをはためかせ、その裏側を見せ付ける。
おおなんたることか、そこには王都に送った使者の首が下げられていた。王位継承願いは敵わなかったのだ。
「逆らえば…死だ!」


ドラゴス:こいつはゲロ以下の匂いがプンプンするぜ!

GM:それディオだから(笑)

爆笑!

GM:というわけでメイジが帰国した後、会議が行われる。

シリル:先手を討たれました。

ロバート:アドホックレルムだと!取れるものなら取ってみろ!

ドラゴス:ん?

爆笑!

GM:シグナスも無茶だという。「アドホックレルムは軍事大国だ。それを落とすことで王位を認めるなどこんな無茶苦茶な話があったものか!」

ロバート:まぁ、口実にこの国の王位継承に待ったをかけてきたんでしょう。黒幕?

ドラゴス:そのバルチモアが黒幕とは限らないんだけどさ。

GM:シグナスも肩を竦める。「…先王の死もまだアドホックレルムと決まったわけではない。限りなく黒だがな!!」

ドラゴス:「まだ決まったわけではないですから」

GM:「そもそも討てるぐらいなら既に敵討ちしているわ!!」

ロバート:「確かに」

爆笑!

ロバート:「あの、ここはベヘレムのシリルと組んで、アドホックレルムを討つのがいいんではないですか?」

ドラゴス:下克上!?

GM:おおお!

ドラゴス:この世はまさに大戦国時代ってヤツか…


ロバート:「いやさ、シリルが仲間になってくれれば、バルチモアもバストラールも手を出せなくなるんじゃね?という提案です」(キリッ) ドラゴス:どうかなぁ。 GM:宰相のグラニアはしげしげ考える。「イヴァン王がシリルを重用しているのは間違いありませんが、アドホックレルム内部ではシリルは過去にいくつか問題を起こしています。」

ロバート:「ほーう?」

GM:「シリルはイヴァン王の妻…王妃と駆け落ちしています。イヴァン王がいくら許すといっても、周囲はそれを許せるとは思えません。静かに見える水面の下では、今も疑念が渦巻いているはず。」

シリル:裏切らないよ(笑)

GM:「まぁ、シリル引き抜きは、考えておきます」とグラニアは何か企んでいる時の無害な顔をする。


ドラゴス:「でもバルチモアはどういうつもりなんだろう。アドホックレルム攻略はそもそも不可能だぞ」軍略振ってみていいですか?

GM:いいですよ。目標は12です。

ロバート:(コロコロ)10。失敗!

ドラゴス:(コロコロ)14。成功!

GM:では成功した人に教えよう。『道を借りて草を枯らす計略』だ。

ロバート:ほーう?

ドラゴス:お前失敗しただろ?

GM:アドホックレルム・ベヘレムを討つとなれば、援軍は必要。つまり勝つためにはフレジェス+バルチモア連合軍で戦わなくてはならない。

シリル:そうだね。

GM:しかるに早日に戦の決着がつくとは思えない。

ロバート:あいつら強いから。


GM:とすると数年はフレジェスを前線基地としなくてはならない。数年にわたりここにバルチモア兵が居座ることになれば、戦にならずともこのフレジェス王国の実権はバルチモアに移る事になる。

ドラゴス:なるほど。居座ったバルチモアに奪われるのか…。

GM:グラニアはふむふむと唇に指を当てて考える仕草。「我々が先走って戦をしてしまえば、レルムとの関係は悪化。短期決戦に勝利せぬのならば結果はやはり同じことです。」


ドラゴス:「じゃ、どうすべきかな?」

ロバート:「何が真実かまず調査したら。国王殺しの真相を調べることを優先とすれば、バルチモアも今攻めてこないと思います。」

シリル:ありがたい。

GM:ではグラニアは頷く「一先ず返書を書きましょう。」

ドラゴス:「お願いします。グラニアさん。文面は?」

GM:「こうしましょう。『バストラール王国は大国ゆえ、戦を始めるに当たり相応の理由が必要です。このように不十分な調査で戦となれば、盟主たるバルチモア国王ウラヌスの名に傷がつき、いらぬ誤解を招きましょう。まずは我々の国で事と次第をよく取り調べ、子細を報告いたします』……とでも告げておきましょう。」

ドラゴス:「完璧。それでお願いします。」


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