Ending phase
【〜報い〜】
アンドレア領はバルチモアに接収され、いまや領地はなくなっていた。
シリル:私はウラヌス国王に罪人であるボールスを引き渡しましょう。
GM:それに対してウラヌスは感激してシリルを褒め称える。「おお、聞けば厳しい戦であったそうだな。その戦いを制し、このように罪人を生きたまま捉えるなど見事な手柄だ。」
シリル:「お褒めに預かり光栄です。」
GM:そして上目遣いにシリルを見る。「のうシリル。約束は忘れてはおらんな。」
シリル:「はい。フレジェスよりただちに引き上げ、アドホックレルムはフレジェスには手を出しません。」
GM:「ほっほっほ。ならば良い。これからも両国末永く付き合いたいものじゃ。」
アンドレアル領に対するウラヌスの裁きは苛烈を極めた。生還し領地に帰還した兵に対してもその苛烈さは変らず、領土では地の雨が降り、彼らは不名誉な死を迎えた。
ルイーズの名はバルチモアでは穢れたものとなっていた。
シリル:無残な……。
窓から差し込む日差しに、ルイーズは目を覚ました。
そして悟る。敗北したのだと。
ドラゴス:アンドレアル領の結末を説明するよ。「こうなってしまった……」
GM:事情を知ったルイーズは呟いた。「敗北とは…そういうものね」そして目を背けた。「正しいことの為に生きていたかった……」
ドラゴス:「あなたの兄にあったことがある。アンドレアル家はあなたを含めて正しいことをやっている……でも、このその結果がこれです。これが正義なんですか?」
GM:「……お笑いね。地位も名誉も失い……誰一人救うこともできなかった……あなたは、満足?」
ドラゴス:「……」
GM:「正統な裁判を受けさせていただけるのなら、それを受けるわ。」
ドラゴス:「正当??はっ正当ってなんです。そんなもの誰も興味は無い。僕がウラヌス王のように、あなたの罪をでっち上げて処刑しろというんですか?僕にはわからない!!」
GM:「あなたが偽者だからよ……」
ドラゴス:「僕が偽者でも、何者でもいいじゃないですか!!」
GM:「あなたを思い出したわ……兄さんの従者……どうして名乗ってくれないの……名乗ってくれれば、あなたを理解して…一緒に悩んで上げられたのに……」
ドラゴス:「名乗らないよ……それは。そんなこと意味が無いもの。」
GM:「あなたは兄さんの誇りを守ってくれたんじゃないの??」
ドラゴス:「僕は今も何かを守っているんだ。僕を担ぎ上げた人…グラニアには事情があった。僕は彼の守っていたものを、守りたいんだ…今も、これからも……。」
GM:ルイーズはどうします?
ドラゴス:ルイーズはつれていく。バルチモアに帰して処刑なんてさせない。例え彼女がそれを望んでも、そうさせたりしない。どんなに憎まれても。
GM:「あなたは……これからどうするの?」
ドラゴス:「なんとかするさ…のらりくらりと…なんとかする。そうしてきた人がいるんだ。」
Eding phase 【レルムの戦士】
GM:戦で戦ったアドホックレルムの兵士達は、皆帰り支度をしていた。次の戦いも、この国がどうなろうかも、もはや彼らの気にすることではないのだ。
シリル:「フラガッハ様。ご苦労様。」
GM:「別に…協力した覚えは無いな」フラガッハは不機嫌に髪をかきあげると目をそらした。
シリル:「フラガッハ様。私は決してアドホックレルムに…」
GM:フラガッハと何かを見つけると突然に駆け出し、シリルの馬に飛び乗った。「いい馬だな。」
シリル:ああ、陛下の……。
GM:「もらっていくぞ」
シリル:あー。うーん。ダメとはいえないか。
GM:フラガッハはようやく笑みを浮かべ、してやったりと馬で駆け出した。
シリル:仕方ありませんね。でも、少しは許していただけたのではないでしょうか……
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