Climax phase 

  

【〜シリルの意思〜】

イヴァン王から、呼び出しを受け、謹慎中のシリルはアドホックレルムに登城していたシリルの耳にも隣国フレジェスの状況は矢継ぎ早に入っている。


GM:スターシャがバルチモアから送られた事件の真相の書かれた書面を読み上げる。「これが真相だ。」とイヴァン。

ドラゴス:大義もへったくれもない(苦笑)

ロバート:もともとそうだからね。(苦笑)


シリル:「……これは」フレジェス存亡の危機……。私は真相…王殺しがダニエル王子であることを推測していいですか?

GM:いいよ。限りなく犯人に近付いていたからね。ダニエルならつじつまが合う。

シリル:「これでわかりました……王殺しの犯人はダニエルです。」と説明します。


GM:説明を聞き、イヴァンもついに納得したように腕を組みなおした。「ダニエル王子の人柄もわかるというものだ。父を殺し王権を手に入れん為に謀略を組む。その素行は目に余る。」


シリル:「しかし……フレジェスに大義はあるのでしょうか」

GM:「どう思う?」

シリル:「……はい。ダニエル王子の父殺しは糾弾に値するものです。ですが、フレジェスは影武者を用意しました。これも弁護できるものでは…」 GM:「そうではない。お前はどう思う。」

シリル:「私は……ダニエル王子には国を継ぐ資格が無く、影武者を用意したフレジェス政権、あの影武者にこそ継ぐ資格があると思います。国を憂い、民を安んじてきたのは彼です。できることなら彼を援助したい。」

GM:「お前をたばかっていたのにか?」

シリル:「確かにあれは裏切りです。しかし、事情を思えば真相を他国の私に暴露できぬとしても仕方ありません。あの一件は私が独断で話を進めたことが問題で彼らに罪はありません。見抜けなかったのは私なのです。」

GM:イヴァンも納得したように頷く。

シリル:「しかし、私が援軍に行って…王に迷惑がかからないか…」

GM:「シリル」イヴァンはシリルを見る。

シリル:「影武者を助けることはイヴァン王の名に傷をつけることに…」


GM:「そんな難しいことではない。簡単なことだ。」

シリル:「イヴァン王。どうか救援に出向くことをお許し下さい!!」


GM:「よかろう。実はもうフラガッハも出ている。」

シリル:「お許しになられたのですか?」

GM:「まさか、だろう?」椅子の上で、眉をしかめたイヴァン。「ことを大火にしおって…」そう苦笑する。

シリル:フラガッハ様はお叱りを覚悟の上で出陣されたな。あの人らしい。


GM:イヴァンは既に戦人の顔になっていた。「このままウラヌス国王が出陣すれば、ことは大火ではすまぬ。ウラヌスとこの戦を切り離さなくてはならぬ。」

シリル:「はい。」

GM:「調べでは、その王子は父親を暗殺し、自分は帰還しようとした不忠者。そしてウラヌス国王もそれに乗じて王国を奪うつもりだろう。しかし、国王暗殺の上政権混乱に乗じて国を奪うなど無法も無法…。バルチモアに従う諸外国を強く警戒させる。」

シリル:なるほど、バルチモアは属国からの貢物に依存していますからね。

GM:イヴァンは話を聞き流していた国の宰相イシュカに話を振る。「イシュカ。事件の噂を諸国に流し、ウラヌス王をゆさぶるのだ。王を殺して、王国を奪った主犯と思われれば、ウラヌスは諸国の信を失う。ウラヌスの性格上、体面を恐れるだろう。」

シリル:「なるほど。その通りです。」

GM:「シリルはウラヌス国王に合い、フレジェス王殺しの真相を話し、主犯はウラヌス王なのかと詰問せよ。」

シリル:「大丈夫でしょうか」

GM:「白騎士のお前に詰問されるのはウラヌス王は嫌がるだろう。おそらく、折れる。」そしてスターシャに向き直る。「スターシャはバルチモアメイジに根回しに向かえ、メイジは知恵が回る。ウラヌスに影響を与えるのはメイジだ。」

シリル:根回し助かります。「もう一つ。私がフレジェスの救援に向かうとすれば、ウラヌス王も見過ごしたりはしないでしょう。それをどういうべきか。」

GM:「お前は父殺しのダニエル王子を捕縛しに向かうといえばよい。領土は奪わぬとな。」

シリル:「併合はせぬのですか?」

GM:「バストラールが出てくる。残念だが、この時点で我々がバルチモアを退けても、最終的に領土を獲得するのはバストラールと決まったようなものだ。」


シリル:「ただちに向かいます。」


シリルが出立した後、不安げな顔で見ていたスターシャが訪ねる。
「陛下……シリル様の性情を考えますと…フレジェスへの加勢をするのは間違いないでしょう。そうなれば不義を働いたフレジェスに味方したことがウラヌス王に糾弾されるのではないでしょうか?」


イヴァンは諦念を決め込んだように苦笑した。
「俺がフレジェスの加勢を、シリルの無理やり命じたとしよう。王命を受けたならば騎士は従わなくてはならぬのが道理。バルチモアも理解しよう。シリルの名に傷はつかぬ。」


その言葉にスターシャは黙った。

そういう人だと理解していたからである。


シリル:イヴァン王には世話になりっぱなしです。やはりそれしかないでしょうか。私が独走したということだと……

GM:さすがに次はレルムに居場所をなくしてしまう。

シリル:そうですね。それはいけない。


そしてその光景を興味なさげに見ていたメイジ。宰相のイシュカに声がかけられる。
「イシュカよ。情報の手回しは任せる。」
「あいよー」


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