Opening phase
シーンPC 疎まれた姫・ネフィリア

【翻弄される姫〜バルチモア〜】

GM:というわけでネフェリアの番だ。

ネフィリア:いくつの頃から教会にいるのかしら。

GM:10年くらい前からかな。つまり4才。

ネフィリア:それじゃ子供時代の記憶はほとんどない。ここが故郷かな。

GM:教会での生活も随分長いものになる。元々王族だった自分が教会に預けられて月日が経つ。

ネフィリア:でもこれだけ長い間、4つの頃からいると、全然昔の生活が思い出せない。

GM:この出自を知るものはここでは多くないだというのに生来纏った雰囲気のためか、幼子の物心を引きずっているのか、自分は他とは違う雰囲気を纏っている。

ネフィリア:そういうものかしら。

GM:修道院の朝は早い。掃除や洗濯、野良仕事に従事し、その手は今や出自が王族とは思えぬほど荒れていた。

ネフィリア:こんなこともやっているのですね。

GM:狸が畑から不意に顔を上げる。

ネフィリア:まぁ!

GM:自分と同じく見つけたのは歳同じくする友人のハンナ。普通なら、可愛いとその愛らしい姿を愛でるのだろう。「てんめぇ!!」とハンナは棒を片手に追い回す。

ネフィリア:「ハンナ!まぁまぁまぁ」(笑)

GM:最近修道院に入る人々が増えた。朝食も以前より減ったことからもわかる。

ネフィリア:これは国が飢饉だからかな。

GM:そしてその理由は、少なからず自分の胸を痛める理由だった。故国バルチモアが今困窮極めているらしい。

ネフィリア:「タヌキも腹をすかせているのでしょう。しかし、タヌキ汁というものがあります。」

爆笑!

ジィク:話が食い違っている(笑)

レグルス:話の途中でログアウトしているよ!(笑)

GM:「うんめぇ!!」とハンナは僅かばかりのタヌキ汁をがっついては喜んだ。その言葉にシスターも頭を抱え、「もっと言葉遣いを覚えなくてはなりませんね」と落胆する。さてその日の夜、姫の下にシスターからの呼び出しがあった。

ネフィリア:「おや、こんな夜分に何事でしょう?」と部屋に向かう。

GM:窓の外では馬車の一団がある。騎士なのだろうか?

ネフィリア:窓に顔を近づけて、馬車の紋章を見てみましょう。

GM:紋章がはずされている。

ネフィリア:これはオフレコの任務なのかしら。

GM:というわけでシスターの部屋だ。

ネフィリア:「どうしました。シスター?」

GM:部屋に入ると数人の見知らぬ男性と、憂いを顔に浮かべたシスターの顔がある。使者は身分を隠している者たちであったが、彼らは帯剣し、騎士か何かではないかと見受けられた。何より物腰が違う。

ネフィリア:お迎えが着たんだ。

GM:「私はエンゲルス。バルチモア王国の騎士をしています。」におい経つような香水の男。

ネフィリア:「物々しいですね。でも私は今は頭を下げられるような身分ではございません。」エンゲルス。聞いたことがある名前でしょうか。

GM:専門知識・政治で振ってみてください。12ならだいたい。14なら詳しく教えます。

ネフィリア:(コロコロ)13。だいたい知っていますね。

GM:エンゲルス。宰相の息子でロードをしている。宰相は国王の派閥の人物だとわかる。

ネフィリア:お父様の手のものなのかしら。信頼できる……のかな。「名前は聞いたことがあります。そのエンゲルス殿が何用なのでしょうか」

GM:「国に戻ってはいただけないでしょうか?」

ネフィリア:「それは……?私が俗世を捨てたことはご存知のはずです。」

GM:エンゲルスは言う。「父ウラヌス国王が遠征で不在なのをいいことに兄である嫡子ロアン王子は暴政を働き国は荒れております。この王子をいさめることができるのはカイン王子と姫のみ。お二人が力を合わせ、ロアン王子を良き道に正してくださいませ。」

ネフィリア:「私の言葉を聞き入れるような人でしょうか。私が国に帰ればどのようなことになってしまうか。父上はなんとおっしゃっているのですか?」

GM:「我々は国王の手駒です。御察しください」と笑顔は張り付いたように変わらない。

フィンチ:怖いなぁ〜

ネフィリア:ふー。

GM:「馬車を待たせております。」

ネフィリア:紋章をしていないというのは公式ではない。でも帯剣している騎士相手に断ったら……うーむ。

ジィク:公式でないってことが帰って脅しになるよね。

ネフィリア:うーん。ここで私がいかなくては何か問題がおきるかもしれないし。「父に会えるのでしょうか?……いえ難しいですね」

GM:「今すぐではありませんが間違いなく。」とエンゲルスは答える。シスターの表情には憂いがある。

ネフィリア:「心配なさらず。エンゲルス。皆にお別れぐらい言っていっていいかしら。」

GM:「いえ、すぐに出発します。」

ネフィリア:「そう……」でも、これでいいのでょうね。言っても良くないことにしかならないもの。


GM:霧深い朝に馬車は出発した。異様なほどの物々しい一団であった。コートを羽織っていても鎧を着た騎士一団。それが森の中を移動する。君の一団には一人・シスターが呼ばれて同行させられる。ハンナだ。

ネフィリア:「何故……ハンナを?」

GM:エンゲルスは笑顔で答える。「あなたも友達がいたほうが心が安らぎますでしょう?」

フィンチ:人質だ

ネフィリア:……でしょうね。

GM:その割にハンナは別の馬車に乗る。ハンナは「ネフィリアと同じ馬車がいい……」と弱気になりながらも別の馬車にうつされた。

ネフィリア:「お待ちなさい!どういうことですか?」

GM:エンゲルスは笑顔。「さぁこちらへどうぞ。ネフィリア様。」その視界には王女である君の服装と同じ服装を着せられたハンナがひきつられていくのが見える。

ネフィリア:「ふぅ……」

GM:騎士団と思わしき一段は、どうも皆意思疎通がし難い。全員が無表情で、表情は固い。緊迫した面持ちだ。その中で場違いなように欠伸をしては背伸びをする女が居た。

ネフィリア:「あなたは?」

GM:肌は褐色。レザーのパンツのサイドは大きく開いており、紐を編むようして止めている。衣服も露出気味で、フード付きコートといういでたちだ。歳の程はハイティーン。「なんやねんもう。さっさと出発せぇへんと色々めんどうなことなるんちゃうか。」

フィンチ:訛りがある。

ネフィリア:おや、珍しい。どちらの片でしょう。

GM:「ウチはガラティア。わけあって詳しゅうはなせへんけど、なんも捕って食おう言うんやない。心配せぇへんでもええから。」

ネフィリア:傭兵なのかな。この人たちよりはフランクそうだけど。馬車はずっと一緒にいるの?

GM:それだね。知覚を振ろう。目標は12.

ネフィリア:(コロコロ)成功。

GM:森の中を走る自分達一団。馬車が不意に大きく揺れる。馬車の速度が速まっているのだ。これでは事故を起こしかねない。エンゲルスは馬の足を速めていた。「予想より早いな……」予定されていた通り馬車は二手に分かれる。

ネフィリア:「もしあなたが人質を取るというのなら、それは正しいことですが、もしハンナの身に何かあったら、私は決して首を縦には振りませんよ。」

レグルス:いや、これは人質じゃないんじゃないか?

ネフィリア:え!

GM:彼は襲撃者の気配を察知していた。霧の中、追手は確かに追撃してくる。

ネフィリア:そうか!私を狙っているのは彼らだけではない。派閥がいるのね。

レグルス:ロアン王子派閥なら…姫を殺すだろうな。カインは?わからない。邪魔だろう。じゃ安全なのは少なくとも国王派閥かかつぎあげようとしたもの達か……

ジィク:これは少なくとも最低3つは派閥がある。

ネフィリア:「ハンナは私の身代わりにされたのね!戻りなさい!」

GM:彼らは当然のごとく無視する。

ネフィリア:「エンゲルス。これは我々の間の大きな溝になりますわよ!」

GM:指揮官エンゲルスは腕を組みなおし無視。

ネフィリア:「エンゲルス!」

GM:「ウチ行ってくるわ。」周囲の目線が集まる。ガラティアだ。「良心の呵責ちゃうわ。追っ手を撒くためにも必要だと思うし―」と言いながら目線が泳ぐ。

ネフィリア:「あなた……」

GM:エンゲルスは「好きにしろ」と一言。「捕まったら自決しろ」と告げる。「アイー」

ネフィリア:大丈夫なのかしら。

GM:しかし、事態はそれではおわらない後ろの教会で火の手が上がっている。

ネフィリア:くっ予想していた事態です。これを避けたかったのに。

ジィク:追っ手は殺そうとしている派閥かもしれない。


ハンナは髪をつかまれ、馬車から引きずり出されていた。
用意された上等な衣服は忽ちに泥に汚れ、今や表情は恐怖にゆがんでいる。悲鳴を上げるハンナ。
「人違いです!?あたしネフェリアじゃない!?」


ネフィリア:馬車を蹴破る!蹴破ってとびだす。

GM:暗がりの森の木立に、斜面に身を投げ出す。暗闇に飛び出し、後ろでエンゲルスの怒鳴り声が響く。「その女を捕らえろ!」遠のいていく斜面を転がり落ちているのだ。泥の中に尻餅をつく。

ネフィリア:「やりすぎたかも。考えも無しに飛び出してしまって……」馬車に向かっていこう。

GM:ハンナの馬車は転倒している。護衛の騎士はすでに全滅。ハンナは悲鳴を上げている。

ネフィリア:まだ生きてる!

フィンチ:お!?

GM:しかし、事態はそれだけではない。襲撃者と思しき一団もまた矢にいられて倒れているではないか。生き残った襲撃者が弓矢を構えて、円陣を組んでいる。

フィンチ:おぉ!

GM:相当な数の矢を浴びている。

ジィク:そんな、この付近に兵士達でもいるのか?

GM:「くそ!魔法使いがいやがる!」草むらの物音、そして、襲撃者は一斉に弓矢を草むらに放つ。というのに、その女は一直線にかけてくる。弓矢の雨の中を。矢をかいくぐる。まるで矢が避けて行くかのように。いやそれだけではない。矢が彼女の起こした風にでも絡め取られたかのようについてくる。そして返される。まるで一斉射撃ようだ!

ネフィリア:これが魔法使い!

GM:賊徒は放った大量の矢を浴びる。この攻撃で賊徒の大半が命を落とす。指揮官は転倒。

ジィク:こいつらはもしかして自分の射った矢を返されて死んだのか。

ネフィリア:ひぇえええ。

レグルス:これがエンゲルスの魔法使い!

GM:その女ガラティアは姿を隠すこともしない。魔法使いなのだ。「ほなサイナラ!」円形のドーム状の血溜まりが広がる。指揮官は手首だけを残して消える。

フィンチ:これは何?魔法!


GM:ガラティアはポケットをまさぐった。そして粉の入った袋を手に取ると。「自分にご褒美や。」と鼻から吸引。そうして暫く放心している。「アハー、ええわ。はるかにエエー」

爆笑!

レグルス:ダメな人がエントリーしました(笑)

フィンチ:まともな人がきたかと思ったのに(笑)

ジィク:ただの麻薬中毒者だった(笑)

ネフィリア:あれ、でもこの人がエンゲルスに仕えている理由って。


GM:しばらく役に立たないガラティア。「エエ」

ネフィリア:「大丈夫かしら?(笑)」それよりハンナは無事かしら。

GM:ハンナは無事だ。なんとか。彼女はヒステリックに怒った怖かったのだろう。「あんたと間違えられた!」「わけわからないこと言ってた!」「話聞いてくれないし」

ネフィリア:「うん。ごめんなさい」

GM:そうしてから抱き合う。そしてべそをかくハンナ。

ネフィリア:あの時全てから逃げるという手もあったかもしれませんが、やはりそういうわけにはいきませんね。「詳しいことを聞かせてもらわないと。このまま帰っても碌なことはないのだから。」教会はどうなったのかしら。「これからどうしたらいいのかしら。ねぇ。ガラティア。」

GM:「……」

ネフィリア:「ガラティア?」

GM:「アッハイ!」

爆笑!

ジィク:アッハイじゃねぇよ!(笑)

ネフィリア:「もしもし、大丈夫?」

フィンチ:(ガラティア)「もしもし、こちらガラティア。大丈夫」

GM:ようやく素面に戻ったガラティアが慌てた様に立ち上がる。

ネフィリア:「どうしました?」

GM:「アカン!あいつらだけで来とるとは思えんわ。魔法使い連れとったら事や!」

ネフィリア:「追っ手が来るって?!あの追っ手は何者なの?」

GM:「知らん!」

ネフィリア:「まぁしかたありませんね。詳しいことは後で調べましょう。」

GM:というわけで君たち3名が移動を開始する。

ネフィリア:「まずはお礼をいっておいたほうがいいですね。助けてくれてありがとう。」

GM:「ええよ。別に。」とガラティアは辛気臭い雰囲気を吹き飛ばすような頼もしい笑顔で振り返る。「でも礼を言うのはまだ早いんとちゃうか?」

ネフィリア:「ハンナのこと。」

GM:「ああ……。教会はしゃあないな」

ネフィリア:「はい」

GM:「しょうがない」と口を挟むハンナ。「しょうがなくないよ!」と狼狽する。

ネフィリア:ハンナ。「あの、ね。」

GM:と口論になりそうな二人の口を塞ぐガラティア。そして振り返り向けた目線の先に二人の男が立っていた。二人ともローブ姿。

ネフィリア:メイジ!

GM:屈強なスモトリめいた巨漢で体格が良く、腰元には注連縄。口元に首を覆う鋼鉄製の面頬をしている。体には刺青がいれてあるがアーティストではない。もう一人は覆面をした姿で体は黒装束で覆われており、頭には編み笠めいたものを被っている。

爆笑!

ネフィリア:メイジ???

ジィク:ちょっとまって、これがメイジなわけ?(笑)

フィンチ:これがバルチモアメイジ?(笑)

GM:比較的フォーマルな。バルチモアの魔法使い。申し訳程度に派閥の紋章を外しているが、間違いない。

ネフィリア:「何者?」

ジィク:(メイジ)「ドーモ。ネフィリア=サン」

爆笑!

ネフィリア:メイジ?!ナンデ!

GM:アイエェ!!?メイジ?!

ネフィリア:知ってるか振っていいですか?混沌知識(笑)

GM:いいよ!

ネフィリア:(コロコロ)17。

GM:じゃわかる結構有名なメイジだ。巨漢はヘルファイア。編み笠はサンダーフォージ。二人ともロアン王子の派閥のメイジだ。

ネフィリア:「ドーモ。ヘルファイア=サン。サンダーフォージ=サン。ネフィリア=デス」

爆笑!

フィンチ:なんで挨拶してるの?

ネフィリア:メイジにとって挨拶は神聖不可侵なものなんです!!(笑)

GM:「うろちょろされては目障りなのだよ。何事にもな。ドーモ。ヘルファイア=デス」「わざわざ紋章を外してきたというのに、有名人はこれだから困るな。ククク。ドーモ。サンダーフォジ=デス」

ネフィリア:「その有名人がどうしてこんなところに?」

GM:編み笠の男に大男が声をかける。「おしゃべりがすぎるぞ。決闘前の騎士は互いに話さぬのも習いだ。」「俺は騎士じゃない!!」怒鳴る編み笠。「ふふ、そうだったな……」

ネフィリア:「ガラティア。どうしよう……」凄い強そう。皇太子付きのメイジなんて……国家最強なんじゃ?

GM:「ドーモ。ガラティア=デス。アカン。二人とも強い魔法使いや」

ネフィリア:「実際、アカン……です。」

GM:ヘルファイアがタクトを構える。

フィンチ:タクト?

爆笑!

フィンチ:あっタクトね!メイジだから!(笑)

GM:「イヤー!」ガラティアは手をかざす。ヘルファイアの手に合ったタクトが奪われ、ガラティアの手に納まる。ヘルフィアは唇を噛む。高レベルの魔法ほど発動は困難であり、時にタクト1つが発動を左右する。詠唱した魔法は不発に終わる。

ネフィリア:「ガラティア。それも魔法なの?」

GM:「地味やけどな!」

ネフィリア:サンダーフォージは!

GM:既に駆け出している。畳1枚の距離。打撃をしてくるんだ。拳が帯電する。

ジィク:打撃かよ!(笑)

爆笑!

ジィク:魔法カッコ物理!

GM:ガラティアが割り込む。そして打ち合う拳。ヘルファイアも再び詠唱に入る。その威圧感にハンナが怯える。

ネフィリア:ハンナの手を引っ張って走ります。「行きましょう!ガラティアなら大丈夫。多分……。今私たちにできることなどないわ。」

GM:というわけで暗い森の中を駆け出していく二人。

ネフィリア:多分私が覚醒して魔法を使えても、絶対に勝てない相手です。わかります!あれはヤバイ!

GM:暗く深い森の中を分け入って走る。道なき道、獣道を走る。沢に辿り着いた。運動判定14か水泳判定12を振ってもらえばいい。

ネフィリア:私は天運1つ使い判定、水泳を選択。(コロコロ)でも11.失敗。天運までつかったのに。

GM:急な滑落。水に落ちる。流れは速い。

フィンチ:水泳って怖い!

GM:そしてそのとき追いつくのがサンダーフォージ。跳躍から体内の電流を高め、打ち出す。電撃が水面に叩きつけられる。本来ならば即死と思われた電撃は水面で散る。

ネフィリア:おお!

GM:ただそのショックで意識が薄れていく。サンダーフォージも手ごたえがわからない。そして彼の能力は電撃。このまま水に入って探すという選択は彼にはできない。「むぅ……」

レグルス:あの、この国のメイジは……結構頭が悪い感じかも。

ジィク:脳筋な(笑)

GM:いまのところ頭のいいメイジは出ていない。

ネフィリア:私を含めて。

水に落ちたのが僥倖であるか否か。
少なくとも夜の闇の中に落ちた者を探すのは困難であった。
水しぶきの音が次第に轟々と言う聞きなれない水音に鳴る。この先には滝がある。
不意に体が宙に投げ出されるような浮遊感。開放された体が見た景色は見下ろす森。そして……


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