Pledge scene
シーンPC ジィク

【この剣にかけて】

既に爪ははがされている。全身には火傷の跡、鞭の跡、ヒドイ拷問の後が残っている。彼の妻は既に隣で絶命している。
この苛烈な拷問を加えているのはエンゲルス自身に苛立ちが浮かぶ。


フィンチ:ブラックスミスだ!

ジィク:畜生。なんだ。エンゲルスなんかに。あいつはあんな奴に負けるような腕じゃない!俺が知っている!俺はまだあいつとの決着はつけていないんだ!くそ!


エンゲルスはブラックスミスの行動の真意がわからない。工房も家族も投捨てて姫を守った男の真意が理解できない。それゆえ、彼は納得できる真意を聞き出そうとやっきになっていた。
「フフ……」
「何がおかしい。」怒鳴りつけるエンゲルス。
「姫に手を上げ、傷つけて、自分は薬物をやらずに人には進める。アンタ本当は何が、善で何が悪かわかってんじゃないのか? アンタは自分の罪に怯えてるのさ。いつかくるインガオホーにな。」
「黙れ!」エンゲルスはブラックスミスを蹴り上げる。

「バルチモア王立工房だかなんだか知らんが、お前の後釜はいくらでもいるんだ!」

「じゃあ早くしめちまってくれよ。かみさんが呼んでんだ」


フィンチ:……奥さんまで殺している。

ジィク:フィンチ王子、お前あの子を、フランチェスカを守らなきゃならなくなったな!

フィンチ:僕がフランチェスカを守らないと……。

ネフィリア:私はジィクに剣を上げないと。


GM:それではバストラールでようやく時間を得た一同。ウラヌス国王の出兵の後、バストラールのあわただしい戦支度が始まった。それがなんなのか、バルチモア侵攻なのか、それはまだ兵士達には伝えられていない。そんなおりのことである。

ネフィリア:私はジィクを呼びとめる。手にはブラックスミスの剣が抱かれている。

ジィク:俺はネフィリア姫の手の剣を見て、事情を察する。ブラックスミスがネフィリアを助けようとして捕らわれたことは俺は聞いている。「その剣は……」

ネフィリア:「あなたには渡さなきゃならないものがあるんです。多分……はっきりとはいわなかったんですけど……あなたならこれを役立ててくれるんじゃないかと。」

ジィク:ブラックスミスの剣。見覚えがある。

GM:データとしてはアルケミストの強化で、筋力が+2されている。これは命中自体が2上がっているのに等しい。重量11。ダメージは筋力+14なので実際はダメージも上がる。

ジィク:おお凄い。

GM:ダメージは1点でも与えると出血、マイナーアクションを使うと衝撃属性にできる。

フィンチ:強い強い!

ジィク:あいつ何レベルだったんだ。

GM:7レベルなんだよ。

ジィク:俺よりはるかに格上だ。そんな気がしていたよ。「託された剣。その遺志は引き継ぐ。」

ネフィリア:「まだ死んだわけでは……」

ジィク:ネフィリア姫。こいつが剣を俺に渡すということは……いや。いい。

ネフィリア:「フランチェスカの言葉を取ると、あなたはこれで剣士になったのですね。」

ジィク:「そうか……」俺はようやく剣を手にしたのか。ネフィリア姫を守って欲しいというあいつの願いに答えよう。「この剣に誓おう。ネフィリアを守ろう。」

フィンチ:共有できる誓いだね。


GM:その話を聞いたとき。フランチェスカは顔面蒼白になる。工房の兄弟子達が遠くバストラールにまで伝えにきたのである。スミスの妻を拉致した一件を一同に報告していた。工房の憤懣は大きい。

フィンチ:「フランチェスカ!君の工房なの?」

ネフィリア:「工房の様子は?」

GM:中には国を出ようとするもの、反乱を起こすのか武器を持ったものまでいる。

ジィク:当然だな……。ブラックスミスほどの人柄の男を投獄など狂気の沙汰だ。これはロアンが王になればそれじゃすまないだろう。

GM:フランチェスカは黙る。そしてにやける。「アンタ達さぁ。短気は良くないよ?短気はさぁ国と喧嘩なんて出来るわけないでしょ。バーカだなぁ。」

フィンチ:「フランチェスカ……?」

ネフィリア:本当はすぐに飛び出したいのでしょうに。

GM:「さぁさ、工房に帰った帰った。職を無くして流浪なんてパッとしないよ。家族いんでしょ?」

フィンチ:「僕でできることがあれば……」

GM:フランチェスカは振り返る。「おつきのメイジの話、やっぱり忘れて頂戴。やっぱり私には無理みたい。私忠誠心とか無いし、短気だからね。」

ネフィリア:「その怒りは私にもわかるわ。」くぅ。私はあそこで魔法をつかうべきだった!なんで私はあの時されるがままにしてしまったの……エンゲルスはオルトロスにかみ殺されてしまえばよかったのよ!

フィンチ:「君のお父さんに助けられた命なんだ。無関係というわけにはいかない。」


GM:フランチェスカは自分の荷物を降ろし、紐解いた。そこには鞘に入った剣が収められている。そしてため息。「この剣でこのバルチモアをぶった切るわ。私もこの剣も親父の因縁そのもの。災厄になる呪いの剣になってやる。」そして剣を差し出す。

フィンチ:「僕に……?」

GM:軽武器、反射が2上がる。つまり命中と回避が上がるんだ。

ジィク:これは強い!

GM:「親父、死んだかもしれない。母さんも……ううう、仇をうって。」

ジィク:なんだかんだいってもお父さんなのか。

GM:「これっきゃできないんだよぉ……」

フィンチ:僕は剣を受け取る。この剣で僕は――


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