Middle phase
シーンPC 全員
【ロアン王子誕生式典〜バルチモア〜】
GM:そしていよいよ、一行は到着してしまう。
宴の為に取り付くわれた花の都に。財の限りを集めて作られた都。
まるでこの国が斜陽であることを忘れるほど華やかであり、あらゆる苦痛などここには存在しないであるかのように、きらびやかであった。
この宴にかけられた金額は途方も無いものであることが伺える。
ジィク:無駄に豪華に見える。「俺はこういう無駄にきらびやかなのは好きになれん。」俺は元々この国が肌に合わない。
GM:さっきのことはまだジィクはしらないけどね。
ジィク:さっきのことは関係ない。初めからだ!
ネフィリア:「あ、あはは……。さすがに、いつもこうじゃないんじゃないですか?」
GM:式典には諸侯たちも訪れていた。盟主国ということもあり属国から使者が訪れ、この瞬間だけはまるで今も大国のままのようだった。
者同意をもとに行われたのは見掛けだけ、そんな中パーティ海上からあぶれるように中庭で平伏している一団がいる。メイジたちである。
ジィク:メイジは入れないのか……
GM:そしてその中になんということか、ヘルファイアとサンダーフォージの姿もあるではないか。
フィンチ:おおぃ!あいつらまで。
ジィク:あいつらほどの男でもか。俺たちは入れるの?
GM:護衛は一人までだ。そういうことでヒルダはジィクを指名する。他のハバリク・ゴダ・アスランはメイジ達同様、庭園で待機することになっている。
ジィク:「ハバリク。すまないが何かあったときすぐに動けるように手配してくれないか。ここは敵地のど真ん中だ。」
GM:「わかりました。」とハバリクは返事をする。
ジィク:絶対に何かあるさ。
GM:ロアンは王子は無礼にして尊大な男だった。人々の敬意を当然として受け入れるその態度は、権威主義の悪しき例そのものだった。
ネフィリア:「変わっていませんね。兄様……。」
フィンチ:僕はここでみんなと再会できるね。「やぁネフィリア。」
ネフィリア:「フィンチ!無事でっておかしな言葉ですね。」
フィンチ:「こんなことがあったよ」って話しちゃまずいのかな。レグルス達もいるの?
GM:いるよ。国王の傍に控えている。
ネフィリア:「……お父様。」私はお父様に近づいて。
GM:国王も君が視界にはいると、立ち上がる。驚きとともに目を見開き、弱々しく歩み出る。「おおネフィリア!ネフィリアなのだな!」
ネフィリア:「お父様!」
GM:娘を硬く抱きしめる父ウラヌス。ネフィリアの記憶の中の父は大きくて偉大だったのに、今はこんなにもしわがれてしまい、そして歳よりもずっと老けて見えた。
ネフィリア:「ああ、お父様!」
GM:「見違えたぞ。十年という月日は、実に長いものなのだな。」国王は人目をはばからず涙を流しては娘を愛おしむように撫でる。
ネフィリア:「もう10年に……髪が随分白くなりましたね」
GM:「そうか、そうか、不憫な子だ。わしの子供に生まれたばかりにこのような苦労を背負って。これからは私が、お前を守ろう。心配はいらぬぞ。」そういって笑顔を向ける。「わしはパラディンだ。これからはお前の騎士になってお前を守ろう!」
ネフィリア:パラディンだったんだ。
フィンチ:納得。この国を守っていたんだ。
ジィク:国王のパラディンはじめてみた。だが説得力があるな。
レグルス:王自ら守らなくてはならないほど、この国は困難な状況にさらされているのですよ。
ネフィリア:「お父様が国を守っていてくださったのですね。」
GM:「おお、国のものが安心して暮らせるようにするのがわしの務めだ。」
ジィク:娘の前で格好つけたいんだろう。この国じゃ誰も安心してなんて暮らせないとは思うが、今はそっとしておいてやるか。
ネフィリア:「お体は大丈夫ですか?」
GM:国王の表情はわずかに曇るが「心配いらん。大丈夫だ」と取り繕った笑顔を向ける。
ネフィリア:「お父様……。」
GM:「私の真意をお前には伝えておこう。国はロアンに継がせる。お前とカインは力を合わせてロアンを守り立ててやれ。決して政治の場に出ようなどと思うな。お前を担ぎ上げるような奴が出てくる。そういう奴は信用するな。」
ネフィリア:「はい」
GM:「そうだ。私の腹心の部下をお前の守りにつけよう。」
ネフィリア:「腹心の部下?」ブラックスミスかな?
GM:手を叩く。暫くして通路を歩いてくる一団が見える。「私が最も信頼男。この国の宰相のゴドーだ。そして息子のエンゲルス。」
ネフィリア:「……え!?」
GM:ゴドー宰相とそして付き従う騎士は…見覚えがある男。教会に来た男である。「ゴドー宰相は知っているな。エンゲルスは騎士隊長をしている。」
一同:わぁあああ!
GM:「ネフィリア姫。これからは私がお守りいたします。」
フィンチ:うまくやってる!
GM:ゴドーとエンゲルスはほくそ笑んでいた。
ネフィリア:「そうですか……そうですか……」
GM:そしてその傍らレグルス。彼はエンゲルスの弟と紹介される。
ネフィリア:ああ、そうか、そういう身分の方だったんだ……
レグルス:でも、俺たちはある意味一番この国を思っている人だよ?
ジィク:まぁ…嘘ではないのか?
フィンチ:うーん。
ネフィリア:この人たちが出した料理には薬とか入ってそう。
GM:国王の隣に椅子が用意され、ネフィリアはその席に腰掛ける。国王は安心させるようにずっとネフィリアの手を握っているね。
ネフィリア:「お兄様はどうですか?何かお変わりはありませんか。」
GM:国王はため息をつく。「うむ。二人とも変わっておらぬ。」とその困った顔は昔と変わらない。
残酷なる座興
GM:ロアンの側近は一同に声をかけ座興を行うと告げる。
ジィク:なんだ。嫌な予感しかしない。
GM:窓を開け、外の景色を見せさせるロアン。中庭には何かの炎が燃え上がっている。炎に燃え上がる十字架が見える。なんとその十字架には人が縛られており、その人物の悲鳴がここまで届いてくる。
一同:おおおぉぉ!
ジィク:なんだこれはー!
レグルス:誰ですか?
GM:別派閥の貴族。大物ではないが、ロアンへの恭順の意思が足りなかった。貴族達は狼狽し、グラスを落としたり吐き戻したりする始末。
ジィク:これで人がついてくるはずがない。
GM:しかし、ロアンは笑みを浮かべるとそれを肴に酒を楽しむ。「あれは私の気分を害した豚どもだ・・・、私が求めるのは忠誠のみ。裏切り者には死を!」と演説する。
ネフィリア:(近衛騎士)「裏切り者には死を!!」
爆笑!
ジィク:絵に描いたような暗君だ。
ネフィリア:愛犬のダニーを焼いた頃と何も変わっていない。
GM:誰が唱和できようものか。そのあまりの無道に国王も眉を潜め頭をふる。そんな中、ただ一人歩み出て平伏するものがいた。年の程はロアンよりやや上、その精悍なまなざしと凛とした凛々しい顔立ち。ネフィリアも知るかつての面影を残す人カインである。
フィンチ:おお!ついに出てきた!
GM:カインは王の前でひざまづくと「おやめください。王子にあるまじき暴挙です」と制する。「かのものは国王陛下の家臣。いわば陛下の逸材です。それをあやめるようなことは王権をないがしろにする過ちです。このようなことをされていては残った悪しき慣例が後顧の憂いとなりましょう。」
フィンチ:まっとうな人だぁ!(嬉しそう)
ジィク:初めてまっとうな人に会った。
ネフィリア:うんうん。しきたりで国を纏めるいい考えです。
GM:ロアンの表情が消える。そして小刻みな震えが起こり顔を紅潮させる。「私の言葉は!!」近衛騎士が答える「バルチモアの言葉です!」「神が私に地位と権威を与えたのだ!貴様は私に逆らうのか!神に逆らうのか!!」
レグルス:ロアンにしてみれば、まぁーこれはライバルだからねー。でもカインは確かにアーティストだよね。彼でも国王になれるの?
GM:いや慣例から考えれば、カインと結婚した女性が女王になるんじゃないかな。
レグルス:なるほど。十分だな。
GM:ウラヌス国王は慌てて立ち上がり、静止の声をかける。「待て!」とそのマントと近衛騎士が踏み、国王転倒。ロアン取り巻きの騎士達は爆笑する。
ネフィリア:ああ…ああ…。お父様に手を貸します。
フィンチ:もう国王には力は無いのか。
GM:ロアンはほくそ笑んだ。「父上。いっそ引退宣言でもなされたらどうですか?」
フィンチ:僕はカイン王子に挨拶してこようかな。
ネフィリア:「私も会いに行っていいかしら。」
GM:暫く手を握っていた国王。「おお、いいぞ。」と手をパッと離す。
ネフィリア:「フィンチ。カインお兄様を紹介します。」
フィンチ:「うん。」
GM:「わしの目の黒いうちは、姫にもカインにも手出しはさせんぞ。のぅ。宰相。」と声をかけるとエンゲルスもゴドーも満面の笑み。「は。」
レグルス:「は」……
ジィク:さすがにあの悪人面は表では、さらせないよな。
GM:カイン王子はパーティから少し離れた場所の椅子に腰掛けている。先ほどの余興もあって疲れきっている様子である。その傍らにダンカンが控えている。
ネフィリア:「お兄様。」
GM:カインは曇っていた表情を隠し笑顔を向ける。そしてしばし考えた後言葉の意味を知り驚く。
ネフィリア:「ネフィリアです!」
GM:「ネフィリア!おお、10年ぶりか。どうしていた?」
ジィク:知らないのか。
ネフィリア:「修道院に預けられていました。」
GM:「そうかそうか。」納得するカイン。「ロアン王子が国王になることが決まれば、もうお前の身に危険が及ぶこともないか。父上が呼び戻したんだな。」
ネフィリア:「・・・・・・ええ。」事情は説明しないでおこう。
フィンチ:「カイン王子様ですね。」
GM:「はい。」
フィンチ:「フィンチ・フォン・バストラールといいます。はじめまして」
GM:「お噂は……ごめん聞いていません。」
フィンチ:「そうですよね(笑)。僕はろくに手柄とか立ててないし、まだ何もやっていないから。」
GM:「何私も似たようなものです。いつも国王陛下に付き従う家臣の一人なのですから」と朗らかで気さくに答える。
ネフィリア:「お兄様。正直は美徳と申しますが、こういう時はもう少し言葉で飾っていただかないと(苦笑)」
GM:「ごめん。ごめん。宮廷儀礼というものにはまだ慣れられなくて。」
フィンチ:色々な話をしよう。今まで見てきたことととか、バルチモアの様子とかの話をしよう。
GM:「ああ、あれほど民を追い払うようなことはやめるように言ったのに……」と焼き払われたスラムに思いをはせる。その肩にダンカンが手を添える。「カイン様の責ではございません。」
フィンチ:「この国じゃあれが当たり前なんですか?」
GM:「ええ。どこの国にも歴然とした階級主義はありますが、とりわけこのバルチモアは強いのでしょう。歴史と伝統というものは時にそういうものも生んでしまいますから。」
フィンチ:「カイン様はなんか違いますよね。」
GM:「どうかなぁ。ですが私は元々日陰者ですし、戦働きも長いので自然と兵や民の方が馴染みも深いのでしょう。宮廷生活のほうが短いぐらいですから。」
フィンチ:「そういう階級主義っていうのはてっきりロアン王子の意向だと思っていた。国王陛下の考えでもあるんですね。」
GM:「折角です。バルチモアの良いところも悪いところも見ていってください。」
フィンチ:「良いところ?」
GM:「たとえばバルチモア王国国内では長く戦がなかったので、そういう文化水準が高いんですよ。芸術も花開きましたしね。」
フィンチ:「ああ、なるほど、でもなぁ。ラストアートとかは……」
爆笑!
GM:「メイジの文化が人々の生活にも影響を与えていますよ。」
ジィク:ブラックスミスやフランチェスカがいたな。そういえば彼らはかなり自由にやっていたる。アルケミスト文化は凄いのかもな。
GM:「庶民でもメイジになれるんだよ?知っていた。」
フィンチ:「へぇ!」
GM:「そしてメイジは時に凄く手柄を立てると取り立てられる。ダンカンの父はメイジだったんだけど、長年の手柄で特例としてロードに取り立てられたんだ。」
フィンチ:元々庶民的な人なんだね。
レグルス:貴族は金に苦労なんてしたことがないから、こういう金が欲しいっていう奴はいままで金に苦しんできたんだろうな。
フィンチ:「こういう技術を国のために生かす方法はないんですかね。」
GM:「僕はそれを決める立場にないよ。」
フィンチ:もう一つ聞きたい。「王位継承は、次の国王は誰がやるべきだと思う。」
GM:カインははっきりと真顔で言う。「ロアン王子だ。」それは疑いようのないことなのだろう。「父上が決めたのだ。私が口出しするべきことじゃない。それに嫡子が国を継ぐのはしきたりだ。しきたりというのは他の貴族の手本にならなきゃならない。これを遵守することで家督争いなども防ぐことができ、長い目で見ればバルチモアを守ることができる。」
フィンチ:「でも国がメチャクチャになるかも。」
GM:「ロアン王子はまだ二十歳そこそこなんだ。失敗もあるだろう。若いからな。それをせめても仕方ない。きっと成長して、やがては偉大な王になるよ。」
フィンチ:「それが最善なのかなぁ……。民を守ることになるのかなぁ。」それまでの間に一体どれだけの民が死んでいくんだろう。
GM:「まぁ。そうだねぇ」と言いにくそうに答える。「バストラールの人はやっぱりはっきり言うね。」
フィンチ:「ああ。そうかも。僕は特別かな。いや違うだろうな。」
GM:カインが世間話のように話を斬ると、そこにはあの男ロアンが歩いてくる。「ご立派!ご立派ですなぁ!」
フィンチ:ロアンが来ちゃった。
GM:ロアンは宿敵でもみるかのようにカインを睨み付け、杖を掌で弄んでは、こちらを見下ろしている。ダンカンはロアンの横にそっと控えると言う。「まっこと!口では何とでも言えますからなぁ!」
爆笑!
フィンチ:軽薄すぎる!
GM:その態度のあまりの小物ぶりに、ロアンですら笑ってしまうが、この時ロアンはダンカンを完全に見くびり、ダンカンの思惑通りその怒りの矛先から外れたのである。さらにロアンはカインの発言自体も取るに足らぬもののように錯覚してしまっている。
一同:おお!
ジィク:上手いなぁ!
ネフィリア:なんかどんどんダンカンの株が上がる。「……どうもお兄様。」
GM:ロアンは唇かかみ締め、引きつった顔で妹を見下ろしていた。その憎しみは殺意となって明確に妹に伝わるほどである。この二人はロアンにとって今も尚、不倶戴天の敵である。
ネフィリアM:「……お久しぶりです。」
GM:ロアンはろくすっぽ会話もせず立ち去っていった。
メイジの苦悩
ジィク:ヒルダはどうしてる。
GM:おおなんということか、下品極まりない。ヒルダは大皿に食べ物を山ほど載せて走り回っているではないか。
ネフィリア:「凄い。誰かに上げるんですね。庭に持っていくんですね。」
GM:「わかる?」
ネフィリア:「ええ。」
GM:「中庭は部下がいるのだ。メイジにもあげよう。」
ジィク:俺は警護だからついていくだろう。ヒルダには敵も味方もないんだからな。
ネフィリア:「私もいっていいかしら。」
GM:「いいとも!食べ物を忘れないで!」とヒルダは給仕のように食べ物を運んでいく。
ネフィリア:「はい、わかりました。フィンチ。私は行ってきますよ」
GM:表の人々は完全パーティから干されていた。宮廷内の明かりを仰ぎ見て、薄暗い中庭に居並ぶ一同。
ジィク:居心地悪いなぁ。
GM:しかも、メイジとバストラール警護が同じ場にあって、緊張は隠せない。そんな中メイジ達は目を丸くした。「姫達が来たぞー」「えー?なんだってこんなところに?」
ジィク:しかし、こいつらはなんで暗君に仕えているんだろうな。金か?契約か?別に今この場で戦うことがなければ俺のほうからは何もしない。
GM:ゴダ達は庭の一角にある椅子に腰を下ろしながら、賓客が残した残飯を食べる。
ジィク:「食い物を持ってきたぞ」
GM:おお!歓声が上がる。ヒルダ姫もこちらのほうが居心地がよさそうだ。
レグルス:俺も中庭に出てみようかな。考えてみれば、あいつらとろくに話をしたこともなかった。メイジ達。
GM:ヘルファイアとサンダーフォージは平伏したまま宮廷の窓を見上げていた。そして横に訪れたレグルスに声をかけた。「レグルス。仲間にならぬか。」
ネフィリア:直に来たな。
レグルス:いや、むしろ妥当な考えでしょう。
GM:ヘルファイアの宮廷から漏れる灯りと享楽の声に眉をしかめる。「もはやバルチモアは無能なロード達の舵取りでは立て直せぬところまで来ている。」
レグルス:「……うん……」俺も見上げていよう。
GM:「この国を守り立て直すためにはメイジの力が必要なのだ。我々はメイジによる政権を立てることを考えている。」
レグルス:「でもお前達はロアン派閥だろう?」この後の繁栄が約束されている派閥なのに。
GM:「ロアンなどっ!」その言葉には苛立ちを超えたものが存在していた。
ジィク:そうか。こいつらもレグルスのように苦労していたんだ。
GM:そしてヘルファイアは天を見上げた後、君に向き直る。「我々は王族を象徴とした傀儡政権を作る。」
レグルス:そうか!傀儡としてロアンを使いたがっているのか!政敵さえ排除すればこいつらは実質ナンバー2.確かにできるな。
GM:「俺はカイン王子やネフィリア姫よりもロアン王子のほうが操りやすい人物と考えている。カイン王子の性格では後ろ暗い謀略に同調できず、姫は夫となる人物に政権を握られる危険がある。」
ジィク:そっちかぁー。
フィンチ:わかった。納得できた。
レグルス:「……待った……それは……反逆じゃないか……(辛そうに)」
GM:「……」
レグルス:「……」
GM:「……」そうヘルファイア達もその重みを心得ている。忠誠心がないはずはないのだ。ただ国の前途にまで関わる派閥トップのメイジとなるとただ忠誠心とはいかない現実がある。
レグルス:「反逆・・・・・・。ふぅ。それは、いいとしてさ。俺はウラヌス国王に仕えているんだ。お前たちは姫を暗殺することの意味を知っているのか。」
GM:「仕方のないことだ。傀儡政権樹立・メイジの国家の建国のためには、メイジが一枚岩にならねばならない。そして旗印が多ければ、メイジはまとまらないのだ。それではバストラール・アスラハンからこの国を守れない。」
ジィク:確かに。そうすれば、メイジは一枚岩になる。
GM:「戦の無い国を作るために必要なのは、王ではない。魔法使いが一枚岩になることなのだ。」
フィンチ:……なるほど。
ネフィリア:彼らもこの国のために……。
GM:「レグルス=サン。この混迷した時代を救済するためには、我々メイジが一丸となって挑まねばならんのだ!」
ジィク:筋道は通る……
レグルス:ああ、俺たちには元々戦う理由なんてなかったんだ。初めから俺もこいつらとどうしても戦わなきゃならない理由なんて……ないんだ。「わかった。協力しよう。」こいつらとはうまくやっていける気がする。
GM:サンダーフォージはそっけなく言う。「メイジの政権。傀儡政権?俺には関係のないことだ。」
レグルス:「ん?」
GM:「俺はただ気に入らないだけだ。働くのはメイジ、手柄はロード。実質この世界を知恵と暴力で支配しているはずの俺たちメイジが、奴らの気まぐれに振り回され犬死する。」サンダーフォージは中庭の土を握り締める。「そんな世界が許せないだけだ。」と土を離す。
ネフィリア:ああ・・・・・・ああ・・・・・・
GM:「そうだったな。」とヘルファイアは相棒の内心に思いを馳せ、目を細める。「お前を付き合わせてすまない。」
ジィク:こいつら……
GM:「だがそれももう終わる。」とサンダーフォージ。ヘルファイアは相棒に視線を送る。「もうすぐ新しい時代が来る。そうだろう?」サンダーフォージの面頬の奥の瞳は笑っていた。
レグルス:俺に声をかけてきたということは、俺をこの派閥の魔法使いのトップと考えてなんだろうな。
GM:そうだね。
レグルス:「聞いてくれ。」カイン派閥の状況を話しておく。これはこの国の為に知っておかなきゃならないことだからな。
GM:「他国の干渉……ありえるな」とヘルファイアが呟き、何かを納得する。「おい、説明してくれよ。ファイア。」
フィンチ:ヘルファイア、賢そう。
GM:「カイン派閥のメイジの動きがなかった。それは国内ではなく国外が勢力の中核であるからだ。おそらくエリザベートは故意に自分の参加のメイジを遠ざけたのだ。カイン派閥といえど、バルチモアメイジが国外に干渉されるのをよしとするはずがない。アスラハンはそんなにたやすい国ではない。」
レグルス:「ああ、もしこのまま推移したら、ロアンが政権をとったとしても国家の運営はロアン派閥だけに収まらないと思うよ。よくよくはアスラハンの属国になる。」
GM:「カイン暗殺をしても駄目か?」とサンダーフォージは安直に答える。
レグルス:「カインを排除しても……多分、アスラハンの脅威は過ぎ去らないと思う。とにかくアスラハンとの関係をどこかで清算しないと駄目だ。」
GM:「じゃあ、エリザベートもカイン派閥のほかのロードも麻薬で薬漬けにしたらどうだ?」とサンダーフォージは即座に安直に答える。GM:ヘルファイアは頭を抱える。「フォージ……少しは考えて話すようにしろ。お前は単純すぎる。」
フィンチ:おおぃ。ヘルファイア賢い!賢いよ!
GM:「麻薬は国外から流れ込んでいる。もしかしたらこれも国外の手引きかもしれん。もし黒幕がユニオンかアスラハンで麻薬の出所もそうだと考えてみろ、そうなれば麻薬の蔓延ったバルチモアは、さながらそいつらの奴隷だ。」
フィンチ:ロアン派が一番ダメかと思ったら、違った。
ジィク:こいつらが今までで一番凄い。カイン派はアスラハンの傀儡だし、宰相もエンゲルスも小物だ。それに比べてこいつらはちゃんとバルチモアの未来が見えている。
レグルス:「なぁ、現時点で誰をトップにしようなんて決めないで動いたらどうだ?俺は国王も他の派閥も全部だいたい把握している。そして今回の王位継承で、このどこか一箇所はつぶれると踏んでいるんだ。」
GM:「ふむ。」とヘルファイアは目を閉じ沈思黙考。
レグルス:「幸い俺たちの数は少ない。俺たち3人なら、派閥にとらわれず臨機応変に立ち回れるんじゃないか?」
GM:「一理ある。」ヘルファイアが目を開ける。「わかった。姫の暗殺・カインの暗殺から手を引こう。」
一同:おお!
GM:「最終的にトップは必要だが、ここで誰にするか論じるのは早計かもしれん。」
レグルス:「そう思う。最終的にメイジの統一は必要だと思うけど、誰が必要な跡継ぎか俺たちで見極めよう。」
GM:「俺たち。メイジ評議会でな。」
レグルス:「くっくっく」
GM:「グフフ」と笑い。
フィンチ:あれ!やっぱりあくどい!
爆笑!
GM:「不要なロードどもはどうする?」
レグルス:「んーちょっと、間引く?」
フィンチ:こいつらも悪いよ!魔法使い以外はどうなるんだろう。
ジィク:そりゃ、民は変わらないだろうけど。でも5%の貴族のためだけの国よりはずっといいと思うぞ。しかもこいつらはバルチモアを貴族達ほど悪くしないと思う。
Copyright(C)ゴスペラードTRPG研究班 (c) 2019.