Middle phase 

          

【〜魔法使い・あるいは道化〜】

イヴァン:で、どうなんだ。上手くいっているのか、この町は。


ゴロンゾがこのように領主として機能していなかったこの土地で、今も人々の生活が営まれているのは、彼らが元々コミュニティとして独立していたからであった。
村人の自治意識が、彼らの生活を守っていたが、当然それでは税収見込めず、地方の発展などもってのほかである。



GM:「新しい領主様が来たぞ」っていう噂はいつものようにたつけど、それだけだ。

イヴァン:俺は旅人でも装って、この領地の様子を一望してくるか。

GM:一人の女が君のほうについてくる。娼婦か何かかと思ったが、どうも様子が違うようだ。

イヴァン:振り返る。「なんだお前?」

GM:顔には横一文字に切り裂かれた傷があり、笑みを浮かべた歯はギサギザとしている。



イヴァン:「ああ?俺に何か用か?」

GM:「知ってるよ。お前。ヒヒ。サラミスの野郎から女を掠め取られた勇者様だよなぁ〜」と指を指して笑う。

イヴァン:カチン。「なんだお前。昼間から酔っているのか?」グーパンか?!男女平等パンチか?!

爆笑!

イヴァン:「お前、喧嘩売っているのか?!」ズイッ。グイと掴んで崖っぷちから落とそうとする。

GM:「うわぁああ!!待て、待て!」

イヴァン:「どうした。さっきの勢いは。自分の言葉に責任を持て。」

GM:「別に喧嘩売ってるわけじゃない!!」

イヴァン:「次はどうやって俺を楽しませてくれる。道化。空でも飛ぶのか?」

GM:「ハハ。私はサラミスが結婚するために身辺整理されちまった女サ!!」

イヴァン:「どうやら、正しい判断だったようだな。」

GM:「そんなこたぁねぇ!!」

イヴァン:「ユニークな女だ。知恵があればもっと長生きできた。」

GM:「待て!!」

イヴァン:「俺の忍耐もギリギリだ。まぁいい。特別見逃してやる。」と手を離そう。「ありがとう。おつかれさん。ご苦労。楽しかったぞ。」さっさとその場を後にしよう。


GM:「待て、アンタ!!アンタ!!今の境遇に不満があるんじゃないのか!!一緒に復讐しよーぜ!!」ニヤリ。

イヴァン:「駄目に決まっている。」振り返り「お前と一緒にするな。捨てられた女の逆恨みか。お前のレベルまで俺を落とすんじゃない。」

GM:「レベル!!レベルだって!!アタシだって一応メイジだぞ!!」と前に回りこむ。「名前はイシュカ。二つ名はねぇぞ奪われちまったからな。」

イヴァン:「名前があったとはな。驚きだ。」と横を分け入り。

GM:ついてくる。「こともあろうにアイツ、アタシに異端の疑いをかけやがった。」

イヴァン:「ほぅ。お前は異端じゃないのか。俺の知っているメイジのフォーマルとは随分違う気がするが、それともメイジっていうのはみんなそうなのか?知性が無い。」

爆笑!

イヴァン:「何ができるんだ?歌うこと、踊ること、挑発することか?」

GM:「どれもできるぞ」

イヴァン:「忠告してやる。静かにすることも覚えろ。人気もでるぞ。」

GM:「シズカに?」

イヴァン:「お疲れさん。楽しかったぞ。最高だ。もうついて来るな。いいな。」

GM:「聞けよ!!」と後からついてくる。

爆笑!


イヴァン: (頭を抱える。)「お前」「お前ー」「お前!」

GM:「サラミス。アイツはいらなくなったオモチャは自分で壊す主義で―」

イヴァン:「はぁ。どのへんを壊された。頭か?」

GM:「見るかっ!!(歓喜)」

爆笑!


イヴァン:「いや、いい……見れば分かる。頭、顔、全部壊れている。」

GM:「顔」

イヴァン:「元からか?」

GM:「そんなわけないだろうが……てめぇバカにしてんのか!!」と殴りかかる。

イヴァン:「待て待て……」と制して、「近い将来。俺も忍耐が尽きたとき、サラミスと同様のことをするかもしれん。客観的に自分を見ろ。……お前はかなり有害だ。」

GM:「ゴロンゾにも言った。でもアイツ、メソメソするばっかでよー。」

イヴァン:「……迷惑でもかけて歩いているのか?」

GM:「で、どうなんだ?」とまったく悪びれず笑み。

イヴァン:「そうだな。俺にも考える時間をくれ。常識的な人間なら、即答しない問題だ。」

GM:「おー!!わかってるわかってる!!立ち上がる準備が出来たら、声かけてくれー!!」

イヴァン:「それと一つ言っておく。俺は国王に仕えている。」

GM:「といっても……」

イヴァン:「反論の余地はどこにもない。」と釘を刺しておこう。


GM:彼女はそれからもずっと喋り続けていたが、不意にそれが途切れる。周囲はやたらと静かで、鳥や虫の声もしない。

イヴァン:なんだ。

GM:鳥が羽ばたいた。そう思った時、木立から二つの影が飛び出してくる。「イヤー!!」「グワー!!」イシュカも飛び出し、交錯する。
イヴァン:密偵か何かか。「何者だ。来るなら俺に来い。」

GM:彼ら刺客は忽ちに破れ、転倒。自決しようとするが、彼女はそれを掴みかかる。「残念!!死ねません!!」と言って刃物で顔を刻み始める。「狙ったのは誰だぁ」

イヴァン:「私闘なら余所でやってくれ。俺に用が無いなら帰るぞ。」

GM:そんな中、炸薬の匂いと音を聞いたイシュカはそれを投げ出す。同時に刺客は自爆。爆発四散して撒き散る。「私かお前か?」

イヴァン:「俺なら構わん。辺境に左遷された男だ。注意されていてもおかしくはない。」

GM:「なぁここらへん物騒だから、泊めてけよー。」

イヴァン:「なん……だっとぉ。」

GM:「アンタを狙ってきたんなら、貸し一つダロ?」

イヴァン:「貸し?貸しだと?いい加減にしろ。ふざけるな。」

GM:「なぁ。」ついてくる。

イヴァン:「ついてくるな!!」

GM:「アタシは役に立つぜ。」

イヴァン:「俺とお前では心情に違いがありすぎる。お前の下らない私闘に付き合うつもりは無い。いらぬ誤解を生む。」

GM:「シッテル。でもワカル。胸の奥に沸々と来るものがあるだろう。アタシはお前を正直にしてやりたいんだ」

爆笑!

イヴァン:「お前の物差しで俺を計るんじゃない。」


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