Extra phase
【新時代の幕開け】
王位についたイヴァンの改革がはじまった。
国内には未だ不安が拭い去られず、この乱暴で残忍な新しい国王を人々は『簒奪王』と呼び、忌み嫌った。
イヴァン:「スターシャには宰相の座を与える。」
GM:スターシャは驚いた。「宰相ですか!しかし……私はこの度の戦に功は…」
イヴァン:「お前は二度に渡り交渉を行った。命を狙われて尚使者にたったお前は勇敢だ。そしてお前はこの国の存続のために貢献した。王国が現在存続しているのはお前の配慮と采配のためだ。」
GM:「…」
イヴァン:「サラミスの後の宰相で、荷が重いかもしれぬが、力を尽くしてくれ。よいな」
GM:「…はい。この命が尽きるまで御仕えさせて頂きます。」彼女は深々と長く平伏した。
イヴァン:「これからも俺の至らぬところは正してくれ。」
GM:「わかりました。しかし私に言わせれば陛下は隙の少ない方です。」
イヴァン:「そういうことが言えるのは今だけだぞ?」
イヴァン:「スターシャ。ブランバン将軍はどうなった。」
GM:「イヴァン様がレトワール様と婚姻を結ばれた今、正統性はあなたにあります。もはやあなたに刃を向けることは出来ません…が」
イヴァン:「が?」
GM:「バストラール王国に亡命しました。あくまでその忠誠は旧王家に向けられているようです。」
イヴァン:「憂いの種だな……」
イヴァン:「スターシャ。名士を呼び戻してくれ。王国と北部の問題の解決には、多くの人々の力が必要となるだろう。」
北方民との対立はいまだ根強い。かつてと同じか、それ以上の対立が国内では起こっていた。
イヴァン:「名士は俺が出迎えに行こう。一度去ったものが再び加わることに、彼等も不義理を悩んでいるだろう。こちらから再び頼まなくては名を汚してしまう。」
GM:スターシャも頷く。「よいお考えだと思います。では、戻る気があるか、その心境を未然に確かめておきましょう。」
イヴァン:「世には魔物や混沌が存在している。北方の戦士は、国外に対して雇用戦士として派遣する。」
GM:フラガッハは賛同するね。「戦ってないとウチの連中は錆付いてしまう。いいんじゃないか。どうやら、ここの外にも外敵はうようよいるようだからな。」
イヴァン:「では、仕事に取り掛かろう」
この闘いに功績のあったゴロンゾ・フラガッハ・オレグ等は栄誉を手にし、莫大な報酬が支払われた。
彼等は後々赤枝騎士団としてこの王国を守ることとなる。
王国はイヴァンの代に大きく発展した。
人々が『簒奪王』と呼ぶこの王は、多くの名士を呼び、彼等をよく使ったことで王国を発展させた。
民族の対立と軋轢は問題であったが、イヴァンはそれを力でねじ伏せる政治を取った。
民衆の不満は消えることはなかったが、人々に代わりに差し出された恩恵、即ち平和と富を手に入れた。
それは王国にかつてない繁栄の時代をもたらした。
これが歴史に語られる
勝つために手段を選ばない
冷酷非情な簒奪王
アドホックレルムのイヴァンの本当の物語である
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