Middle phase

           

【北方軍の進撃〜古都の戦い〜】


「イヴァンめ。見ておれ。私が必ずお前の野望を……」
サラミスの下、力を発揮できぬ境遇に辟易としていたレトワール姫にとって、この初陣は自分の伝説の幕開けに等しかった。
武名にも軍略にも精通する彼女には、十分イヴァンと渡り合う自信があった。
意気揚揚とするレトワールに対して慌てふためいた兵士が報告する。
「レルムの軍勢が迫っています。」
「何!予定よりも早いではないか!?」
彼女は舌打ちした。
(こうも錬度の低い兵士では思うように戦えぬ。)
自らの目で確認するために、彼女は足早に城壁を目指した。



GM:レトワールの警護をする王室近衛の精鋭兵は3部隊を集めていた。それが最後の主力だろう。そして倍数の民兵。実に10部隊がひしめいている。


古都にレルムの軍勢が訪れたのは正午のことだった。周囲は川が流れ、出入り口は橋が二つあるのみ。天然の要害である。


イヴァン:そうだな。腕を組もう。「民兵ばかりだがよく集めたものだ。」

GM:「堅固だ。」フラガッハも遠目を確認してきたフラガッハが馬から下りる。「いっそ周囲の村々を焼いて、人々を逃げ込ませて、それに付け入って中に入るというほうがいいんじゃないのか?」

イヴァン:「ああ、だが今回は、村を焼く時間が惜しい。」

GM:イシュカが相手の情報を獲得する。「よー。場内の防衛体制は兵糧庫だった。これを内部から焼かれることを恐れて兵を配置していたぜ。兵糧庫は近衛が守っている。」

イヴァン:「中々悪くない動きだ。この都市…民兵でなければ十分守れただろう。」

GM:フラガッハは遠目に確認しながら、意識してイヴァンを真似るように腕を組む。「今度は堀に河だ。やはり堅固だ。普通に攻めたら日数がかかるんじゃないか?」

イヴァン:「今夜にでも落とせるだろう。」

GM:「何ぃ!?」


イヴァン:「部隊を分け、夜にドラを鳴らせ。相手を眠らせるな。」

GM:「あ、なるほど!」(手を打つ)「戦に慣れた戦士ならいざ知らず、確かに相手は民兵ばかりだ。これなら相手は緊張して一睡もできない」

イヴァン:そして不眠なら落とすのに一週間もかからん。」

GM:「持久戦に持ち込めばいいわけだな。ん、待て、でも何で今夜落とせるんだ。」

イヴァン:「レトワールは今夜にも奇襲してくるだろう。」

GM:「奇襲か?」


イヴァン:「徴兵された民兵達の混乱を見れば、姫もこれが精神を揺さぶる作戦だとわかるはずだ。一週間も持たないということを理解すれば、どこかで勝負に打って出る。そして同時にこちらが今すぐ総攻撃してこないと考えるだろう。奇襲するなら備えなき時をするものだ。」

GM:「うんうん。確かに時間をかけるほどに兵は疲弊していく。動くなら疲労が少ない動ける時がいいな。そして…この作戦ならこっちはすぐには動いてこない……と考えてもおかしくないよな」

イヴァン:「ああ、鼻っ柱の高い姫君だ。辛抱できない。そして自信家だ。こういう奴は負けず嫌いと才能が祟って…今夜あたり奇襲してくる。」

GM:「……なんか可哀想だなぁ。で今夜か?」

イヴァン:「早ければ早いほど優秀だ。外交や動きは何度か見てきた。レトワールの人となりは予想できる。彼女は…優秀だからその日のうちに動き出す。」一応軍略を振っておくか。はずれたら格好悪いからな(コロコロ)クリティカル!17が+10されて27。


その日の晩、打ち鳴らされる太鼓と時の声に、民衆は震え上がった。
民兵は手に槍、鎧を纏っていたが、なじみない物を手に、心は戦の前から震え上がっていた。そこのこの混乱である。
忽ち同様が広がる。
「何事だ!」レトワールは武装を整えて城壁に向かう。
「敵の声です。」
「攻撃か?」
「いえ、それが……」



GM:北方の戦士達は叫び声を上げながら、両手の斧を頭上で打ち合わせている。魔物ですら威圧するその雄たけびが夜の闇に木霊する。「見せられないのが残念だ。」フラガッハが自慢げに言う。

イヴァン:「レトワール。御手並み拝見だ。」


GM:「くそ」と城壁から外を見おろすレトワール。三国志流に言って「やや、むう。これはたまらん。」

イヴァン:(レトワール)「よくもまあ、あれだけ罵詈雑言を思いつくものだ。」

GM:そうそしてレトワール。その意図を察し、……そして気がつく。「油断している。」


爆笑!

イヴァン:(レトワール)「ひらめいたぞ!」(笑)

GM:事実、北方人はホントに酒盛りまでしている。「今攻めれば」

イヴァン:(レトワール)「勝てるぞ!(笑)」


「相手はこちらの精神を削る作戦に出た。持久戦だ。」と自分の部下の精鋭の前で地図を指し示す。
「これは民兵には確かに有効な作戦だが、同時にこちらが攻めてこないと思い油断している証拠だ!今夜奇襲を仕掛ければ確実に成功する!」



イヴァン:まぁ、クリティカルだからこちらがレトワールの読みを看破しても仕方ない。

GM:で奇襲を読んでいたイヴァンさんは。

イヴァン:常識的に「本陣を空け、周囲に伏兵として潜み、相手の奇襲部隊を包囲攻撃する。」というのでいいだろう。


その日の晩、相手の虚をついてのつもりの部隊の奇襲がおこる。本来ならば奇襲の際は声を上げないほうが成功するものなのだが、恐怖と戦うため自らを鼓舞した兵士達は声を上げながら本陣に向かう。





イヴァン:無言で戦うのは勇敢なものだけだ。

GM:「何!この本陣には誰も居ないぞ!」とレトワールは空の本陣に飛び込むなり、この異様な雰囲気に息を呑む。

イヴァン:「敵は網にかかった。かかれ」と俺は周囲の兵士に指示を出す。





1ターン目

行動値8  レトワールの精鋭2部隊。民兵3部隊
行動値10 イヴァン1部隊

GM:敵の部隊なんだけど。まず『夜、時の声で精神を圧迫され』『奇襲失敗、伏兵襲われ』『攻撃をカラ打ち』しているので、士気0からなんだね。もう立て直すというか逃げるしかない。ホント。

イヴァン:俺からだ。命中は(コロコロ)43。フラッグ<マローダー>の範囲攻撃。

GM:これは不可能だ。

イヴァン:じゃあダメージは(コロコロ)198点。

GM:ああ、ひどい。民兵は全滅、精鋭部隊1がレトワール姫を庇う。姫は大混乱の末逃げ出す民兵に怒鳴りつける。「引くな!引くな!」

イヴァン:「レトワール姫。あまり急いで馬から落ちるな!」

GM:「貴様イヴァン!汚い!汚い罠を張りおって!」

イヴァン:「汚い?戦場では最大の誉め言葉だな。」

爆笑!

GM:「くそ!おのれぇええ!」激昂したレトワール姫は斬り付けてくる。攻撃。命中(コロコロ)26。

イヴァン:回避(コロコロ)29。回避成功。「素人にしては筋がいい」
と槍を打ち合わせよう。「北で会ったあの時よりは腕を上げたな。」

GM:「言わせておけば!」

イヴァン:「しかし、槍の穂先が熱いな。状況を見ろ。俺がお前なら、先ほど無謀な攻撃をせず、部下を纏めて撤収しているところだ。」攻撃。命中(コロコロ)26。

GM:回避・回避(コロコロ)23。失敗した。

イヴァン:槍で武器を跳ね上げ、パンチだ。

GM:パンチ?

イヴァン:「まだ、わからんのかっ!」パンチ!ボカ!ダメージは(コロコロ)24点。拳骨で頭を殴りつける。

GM:「バカにしているのか!」と睨み返す。周囲の取り巻きが姫を押さえつける。そうしておいてようやく姫は撤退を支持する。「引け!奇襲が見破られていたぞ!引け!」

イヴァン:逃がしてやろう。あの姫を討ち取ると双子の国王が玉砕を選ぶ可能性もある。敵に予想につかぬ動きを行われては、戦況に差し障る。


GM:フラガッハはその時まで相手の動きを静観していたが、ここで突如として兵を上げる。「追撃するぞ!相手と共に城に雪崩れ込めぇ!」

イヴァン:フラガッハか。いい動きをしているな。どうやらアイツには臨機応変性があるようだ。これなら城は落ちるだろう。


GM:フラガッハと目が合う。

イヴァン:頷く。任せた。

GM:「あーはっはっは!」高らかに笑い!「よーし待て待て子猫ちゃん!」と騎士達を次々と叩き落しながら姫とともに雪崩れ込む。そして最初の防衛拠点が落城する。略奪は?

イヴァン:許可する。降服しなかった相手に慈悲をかけるつもりはない。

GM:フラガッハに手加減はない。北方の戦士が蛮族と呼ばれる由縁はここにこそある。領内に火を放ち、略奪を行うのだ。


「燃えている…」
レトワールの瞳に移った町の炎。どうしようない敗北の惨禍を目の当たりにし、レトワールの瞳にも動揺が走る。
「姫、次の拠点に移動しましょう。早く防衛体制を整えねば。」
「くそ!くそ!くそ!」



GM:レトワール率いる残存兵力・精鋭1部隊と民兵7部隊が移動する。もっとも民兵は途中で半数が落伍したり敗走したりしてしまうだろう。

イヴァン:「追撃する!」と俺は指揮をし、馬に乗る。「フラガッハ。一先ずここは任せた。」

GM:「心得た!」とフラガッハは騎士達を叩き割りながら余裕の挨拶を返す。「イヴァン。また魔法を見せたな。お前の前では堅牢な城も砦も形無しだ。」

イヴァン:ニヤリ

GM:「皆のもの!」とフラガッハは刃をかざし、敵の掃討を指示をする。


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